輸血ハンドブック 第2版
輸血医療の最新情報をわかりやすく整理
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献血,輸血検査から造血幹細胞移植の実際まで,最近の輸血学の成果を取り入れた実践的な解説書。進展著しい輸血医療の現況をわかりやすく整理した。第2版では,輸血関連のガイドラインを6つ収載し,付録を拡充。輸血医療に携わる医師をはじめ,輸血の安全性を高めるために正しい知識が求められる臨床検査技師,看護師にも有用な1冊。
編集 | 霜山 龍志 |
---|---|
発行 | 2002年08月判型:A5頁:280 |
ISBN | 978-4-260-24409-1 |
定価 | 3,740円 (本体3,400円+税) |
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- 書評
目次
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序章 輸血のコンセプト
第1章 献血
第2章 輸血検査
第3章 血液製剤
第4章 輸血の実際
第5章 内科領域の輸血
第6章 小児科・産科領域の輸血
第7章 輸血副作用
第8章 自己血輸血
第9章 血漿交換
第10章 造血幹細胞移植
付録1 輸血療法の実施に関する指針
付録2 血液製剤の使用指針(要約)
付録3 血小板製剤の適正使用について
付録4 輸血におけるインフォームド・コンセントに関する報告書
付録5 自己血輸血:採血及び保管管理マニュアル
付録6 輸血によるGVHD予防のための血液に対する放射線照射ガイドラインIV
第1章 献血
第2章 輸血検査
第3章 血液製剤
第4章 輸血の実際
第5章 内科領域の輸血
第6章 小児科・産科領域の輸血
第7章 輸血副作用
第8章 自己血輸血
第9章 血漿交換
第10章 造血幹細胞移植
付録1 輸血療法の実施に関する指針
付録2 血液製剤の使用指針(要約)
付録3 血小板製剤の適正使用について
付録4 輸血におけるインフォームド・コンセントに関する報告書
付録5 自己血輸血:採血及び保管管理マニュアル
付録6 輸血によるGVHD予防のための血液に対する放射線照射ガイドラインIV
書評
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最近の輸血学の成果を取り入れた実践的な解説書
書評者: 前川 平 (京大病院教授・輸血部/分子細胞治療センター長)
故関口定美博士の薫陶を受けた北海道赤十字血液センターの先生方の執筆により,『輸血ハンドブック』(第2版)が霜山龍志博士編集により医学書院から出版された。280頁のコンパクトな構成であるが,各章の最初に要点がまとめてあり,わかりやすい図表とともに本書を特色あるものにしている。また,新たに巻末に「輸血療法の実施に関する指針」,「血液製剤の使用指針(要約)」,「血小板製剤の適正使用について」,「輸血におけるインフォームド・コンセントに関する報告書」,「自己血輸血:採血及び保管管理マニュアル」,「輸血によるGVHD予防のための血液に対する放射線照射ガイドラインIV」など輸血療法に関する種々のガイドラインが要約されて掲載されており,まことに便利である。このようなコンパクトな輸血医学書は,ほかに全国国立大学附属病院輸血部会議によるものがあるが,それよりも活字も大きくより見やすいように工夫されている。
昨今,過誤輸血などの問題が大きくとりあげられることが多いが,本書の上記巻末付録「輸血療法の実施に関する指針」には,輸血管理体制の在り方も項目を設けて記載されている。具体的な輸血管理については,各病院ごとにマニュアルが作成されているところではあるが,次回の改訂時にはできれば図解するなどして一目瞭然にされることをぜひお願いしたい。また,輸血管理のリスクマネジメントは,その重要性から本編のなかに新たな章を設けて解説していただければ,よりプラクティカルなものになると思われる。今回,医学部学生の講義の準備をするにあたり,本書を随分参考にさせていただいた。
◆求められる臨床の現場に即した輸血医学教育の構築
私も尊敬してやまない故関口先生の言われる「サイエンスにもとづく輸血医学の確立」と同時に,より臨床の現場に即した輸血医学教育の構築が,今後の輸血医療の実践には求められると考えられる。ボリュームもまったく本書とは異なるが,『Rossi’s Principles of Transfusion Medicine』(3rd edition, 2002)には,新たに輸血を受けた症例の報告とその検討などが,“Case”として随所に書き加えられている。こういった観点も今後必要になると考えられる。
京都大学の輸血医学講義は9コマあり,客員講師に3コマをお願いしている。輸血医学は臨床に立脚したものでなければならないと思われ,学生の講義を行なうにあたり,従来の系統講義だけではなく,可能な限り輸血を受けた症例をまず示して考えさせた。そして,それについての解説を加えるというスタイルにしたところきわめて好評であった。各講義のテーマを前もって示しておき,予習プリントを配布しておく。勉強してくる学生は,自分で基礎知識を調べてくる。学生から何かよい本を教えて欲しいと問われ,迷わず本書を参考書として推薦させていただいた次第である。
書評者: 前川 平 (京大病院教授・輸血部/分子細胞治療センター長)
故関口定美博士の薫陶を受けた北海道赤十字血液センターの先生方の執筆により,『輸血ハンドブック』(第2版)が霜山龍志博士編集により医学書院から出版された。280頁のコンパクトな構成であるが,各章の最初に要点がまとめてあり,わかりやすい図表とともに本書を特色あるものにしている。また,新たに巻末に「輸血療法の実施に関する指針」,「血液製剤の使用指針(要約)」,「血小板製剤の適正使用について」,「輸血におけるインフォームド・コンセントに関する報告書」,「自己血輸血:採血及び保管管理マニュアル」,「輸血によるGVHD予防のための血液に対する放射線照射ガイドラインIV」など輸血療法に関する種々のガイドラインが要約されて掲載されており,まことに便利である。このようなコンパクトな輸血医学書は,ほかに全国国立大学附属病院輸血部会議によるものがあるが,それよりも活字も大きくより見やすいように工夫されている。
昨今,過誤輸血などの問題が大きくとりあげられることが多いが,本書の上記巻末付録「輸血療法の実施に関する指針」には,輸血管理体制の在り方も項目を設けて記載されている。具体的な輸血管理については,各病院ごとにマニュアルが作成されているところではあるが,次回の改訂時にはできれば図解するなどして一目瞭然にされることをぜひお願いしたい。また,輸血管理のリスクマネジメントは,その重要性から本編のなかに新たな章を設けて解説していただければ,よりプラクティカルなものになると思われる。今回,医学部学生の講義の準備をするにあたり,本書を随分参考にさせていただいた。
◆求められる臨床の現場に即した輸血医学教育の構築
私も尊敬してやまない故関口先生の言われる「サイエンスにもとづく輸血医学の確立」と同時に,より臨床の現場に即した輸血医学教育の構築が,今後の輸血医療の実践には求められると考えられる。ボリュームもまったく本書とは異なるが,『Rossi’s Principles of Transfusion Medicine』(3rd edition, 2002)には,新たに輸血を受けた症例の報告とその検討などが,“Case”として随所に書き加えられている。こういった観点も今後必要になると考えられる。
京都大学の輸血医学講義は9コマあり,客員講師に3コマをお願いしている。輸血医学は臨床に立脚したものでなければならないと思われ,学生の講義を行なうにあたり,従来の系統講義だけではなく,可能な限り輸血を受けた症例をまず示して考えさせた。そして,それについての解説を加えるというスタイルにしたところきわめて好評であった。各講義のテーマを前もって示しておき,予習プリントを配布しておく。勉強してくる学生は,自分で基礎知識を調べてくる。学生から何かよい本を教えて欲しいと問われ,迷わず本書を参考書として推薦させていただいた次第である。
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