救急レジデントマニュアル

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救急医療の現場にもEBMという考え方が導入されるようになった。また,2004年から必須化される卒後初期研修では救急部のローテートも組みこまれる。こうした状況を踏まえ,読者対象を初期研修医に設定し,その視点から全体を見直し,新しい知見も積極的に取り入れて改訂。救急医療に携わる人,必携のマニュアル。
*「レジデントマニュアル」は株式会社医学書院の登録商標です。
編集 相川 直樹 / 堀 進悟
発行 2003年04月判型:B6変頁:576
ISBN 978-4-260-12249-8
定価 6,380円 (本体5,800円+税)
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  • 目次
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I. 救急患者の診療にあたって
 --レジデントとしての心構え
II. 救急診療の進め方
III. 救急蘇生法
IV. 症候からみた初期治療
V. 外傷の初期治療
VI. 中毒・環境障害の初期治療
VII. 各科救急の初期治療
VIII. 救急治療手技
IX. 緊急検査と評価
X. 救急室のシステム
XI. 救急医療関連事項
付録
 1. 注射用抗菌薬一覧
 2. 経口抗菌薬一覧
 3. 妊娠と薬剤
 4. 抗不整脈薬の分類
 5. 体表面積換算図表(小児,成人)
索引

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救急医療に臨む研修医に愛され続ける1冊
書評者: 明石 勝也 (聖マリアンナ医大教授・救急医学)
◆初版から10年,さらに洗練された内容

 平成16年度からの新しい医師卒後臨床研修制度必修化に向けて,このところ研修医向けの新たな救急医療関連書籍が出版されはじめた。かねてよりレジデントに好評であった本書もこれに合わせたように第3版が上梓された。しかしながら誤解してはならない。初版からの本書のコンセプトが,レジデントにとって必要な救急医療の知識として,軽症から重症まで救急外来を訪れるすべての患者に初期対応できるものとされていたのである。今回初めて表紙に「ER(Emergency Room)」と明記されている点にも著者らの意識が強く表れているように思う。

 初版からの10年間に実際にレジデントによって使われ続けた結果,第3版では各項目の記述は簡潔かつ明確な内容にいっそう高められている。「症候からみた初期治療」の章などは項目の分け方などに経験に基づく吟味が感じられる。ACLSがアルゴリズムとして記載されるようになったところ,ATLSにFASTがside memoとして解説されているところなど細かなところにも配慮がなされている。

◆実践の場で役立つ工夫

 本書が救急医療の実践の場で役立つマニュアルとして優れている点は,症候別に対処法が記載されていること,初期治療に焦点が当てられていること,各項目が救急診療の手順にのっとり,最初の処置,重症度の判定に始まり,入院・帰宅の判断まで順序よく記載されていること,必要な手技もわかりやすくコツがつかめるように書かれていることなどである。しかし最も優れているところは,これだけの内容をポケットに収まるサイズにコンパクトに仕上げている点であると思う。

 われわれの救命センターでもオリジナルマニュアルの作成に取り組んだことがあるが,本書の存在を知って以来,レジデントには本書を配布するようにしている。第3版も彼らに高く評価されることは間違いなかろう。

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