消化器内科レジデントマニュアル
第一線の消化器内科医の知見と経験を結実させた実践的診療マニュアル
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第一線の消化器内科医の知見と経験を結実させた実践的診療マニュアル。検査・手技上注意すべき点,診断のポイント,治療の原則,患者への説明の要点など,現場で求められる情報・ノウハウを過不足なく記載。個々の患者に合った適切な診療を行うためのツールとして,研修医・若手医師はもとより,臨床医一般にも有用。
*「レジデントマニュアル」は株式会社医学書院の登録商標です。
編 | 東京大学消化器内科 |
---|---|
発行 | 2003年02月判型:B6変頁:412 |
ISBN | 978-4-260-10276-6 |
定価 | 4,950円 (本体4,500円+税) |
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- 書評
目次
開く
I 検査・治療手技の実際
A 消化管
B 肝臓
C 胆道・膵臓
II 消化器疾患の症候と診察のポイント
III 消化器疾患の診断と治療のポイント
A 消化管疾患
B 肝疾患
C 胆道・膵臓疾患
索引
付録
A 消化管
B 肝臓
C 胆道・膵臓
II 消化器疾患の症候と診察のポイント
III 消化器疾患の診断と治療のポイント
A 消化管疾患
B 肝疾患
C 胆道・膵臓疾患
索引
付録
書評
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消化器内科専門集団の経験を濃縮した,若手医師必携の書
書評者: 藤原 研司 (埼玉医大教授・消化器・肝臓内科)
◆多忙な医療の最前線にはマニュアルが必要
医学・医療の進歩はめざましい。良質な最先端医療を受けることは誰もが望んでいる。しかし,わが国においては1ベッドあたりの医師や看護師数が米国の5分の1であるにもかかわらず欧米並の医療提供が求められるため,最近は医療者の労働過重が加速度的に強まっている。特に医療の最前線を担うレジデントは,現場での経験を通して学ぶ以外に時間的な余裕はほとんどない。加えて,わが国においては世界に誇る国民皆保険制度により,すべての国民は容易に希望する病院を受診できるため,大病院への患者集中が年々高まっている。このため医師の診療時間も限られ,レジデントにとってはマニュアルを手に診療することが効率的,実際的となる。
日常診療において消化器系疾患はもっとも多い。全国の医療施設を10月のある1日に利用した患者の実態を推計した厚労省の調査によると,平成11年の患者数は入院148万人,外来684万人である。この両者につき15歳未満を除いて傷病別にみると,消化器系疾患は働き盛りである35―64歳の年齢層にもっとも頻度の高い疾患である。その内訳は,20歳台から増加傾向にある上部消化管疾患と肝疾患が35歳以降には次第に増え,また,それらの悪性腫瘍や下部消化管の悪性腫瘍が高齢となるにつれ増えている。平成11年の死亡者総数は98万人で,第1位の悪性腫瘍は全死亡者数の30%であり,そのうち消化器系疾患は全体の56%を占めている。しかも,悪性腫瘍以外の消化器系疾患として日常診療でもっとも頻繁に遭遇する胃潰瘍,十二指腸潰瘍,肝疾患,ヘルニア,腸閉塞のすべてが主要な死亡原因となっている。これらも含めると5人に1人が消化器系疾患で死亡していることになる。かくして消化器専門医には,高度の医学・医療の知識と技術面での手腕,さらには豊かな人間性がもっとも問われることになる。
◆豊富な診療経験にもとづいた実際的な内容
この度出版された『消化器内科レジデントマニュアル』は,東大消化器内科で現在活躍中の専門医が中心となって執筆されたものである。東大消化器内科では,1つの基本理念を掲げていると聞いている。常に患者の立場を守り,肉親の思いを抱いて,共に病魔に闘いを挑むことを信条とする専門集団をめざしているのである。しかも,いまだ難治とされる疾患における最先端治療,特に肝細胞癌の経皮的治療や消化管・胆膵系悪性腫瘍に対する内視鏡的治療などは,おそらく世界的にももっとも数多くの症例において行なわれている施設の1つである。
本書には,これらの豊富な診療経験をもとに,わが国において注目されているすべての消化器系疾患にかかわる診断の実際と手技や留意点,症候と診察面での要点,各種消化器系疾患の特徴や治療におけるポイントが重点的に網羅されている。事項によって,特に新しい検査・治療法についての患者への説明方法も,膨大なデータからのエビデンスをもとに記載されている。また,索引を充実させ,欧文の略語にはフルスペルが併記されていることも本書の特徴である。いわば生きた現場の経験が詰まった,若手医師必携の書である。
書評者: 藤原 研司 (埼玉医大教授・消化器・肝臓内科)
◆多忙な医療の最前線にはマニュアルが必要
医学・医療の進歩はめざましい。良質な最先端医療を受けることは誰もが望んでいる。しかし,わが国においては1ベッドあたりの医師や看護師数が米国の5分の1であるにもかかわらず欧米並の医療提供が求められるため,最近は医療者の労働過重が加速度的に強まっている。特に医療の最前線を担うレジデントは,現場での経験を通して学ぶ以外に時間的な余裕はほとんどない。加えて,わが国においては世界に誇る国民皆保険制度により,すべての国民は容易に希望する病院を受診できるため,大病院への患者集中が年々高まっている。このため医師の診療時間も限られ,レジデントにとってはマニュアルを手に診療することが効率的,実際的となる。
日常診療において消化器系疾患はもっとも多い。全国の医療施設を10月のある1日に利用した患者の実態を推計した厚労省の調査によると,平成11年の患者数は入院148万人,外来684万人である。この両者につき15歳未満を除いて傷病別にみると,消化器系疾患は働き盛りである35―64歳の年齢層にもっとも頻度の高い疾患である。その内訳は,20歳台から増加傾向にある上部消化管疾患と肝疾患が35歳以降には次第に増え,また,それらの悪性腫瘍や下部消化管の悪性腫瘍が高齢となるにつれ増えている。平成11年の死亡者総数は98万人で,第1位の悪性腫瘍は全死亡者数の30%であり,そのうち消化器系疾患は全体の56%を占めている。しかも,悪性腫瘍以外の消化器系疾患として日常診療でもっとも頻繁に遭遇する胃潰瘍,十二指腸潰瘍,肝疾患,ヘルニア,腸閉塞のすべてが主要な死亡原因となっている。これらも含めると5人に1人が消化器系疾患で死亡していることになる。かくして消化器専門医には,高度の医学・医療の知識と技術面での手腕,さらには豊かな人間性がもっとも問われることになる。
◆豊富な診療経験にもとづいた実際的な内容
この度出版された『消化器内科レジデントマニュアル』は,東大消化器内科で現在活躍中の専門医が中心となって執筆されたものである。東大消化器内科では,1つの基本理念を掲げていると聞いている。常に患者の立場を守り,肉親の思いを抱いて,共に病魔に闘いを挑むことを信条とする専門集団をめざしているのである。しかも,いまだ難治とされる疾患における最先端治療,特に肝細胞癌の経皮的治療や消化管・胆膵系悪性腫瘍に対する内視鏡的治療などは,おそらく世界的にももっとも数多くの症例において行なわれている施設の1つである。
本書には,これらの豊富な診療経験をもとに,わが国において注目されているすべての消化器系疾患にかかわる診断の実際と手技や留意点,症候と診察面での要点,各種消化器系疾患の特徴や治療におけるポイントが重点的に網羅されている。事項によって,特に新しい検査・治療法についての患者への説明方法も,膨大なデータからのエビデンスをもとに記載されている。また,索引を充実させ,欧文の略語にはフルスペルが併記されていることも本書の特徴である。いわば生きた現場の経験が詰まった,若手医師必携の書である。
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