レジデント初期研修マニュアル 第3版
新臨床研修制度に対応した,研修医のためのマニュアル
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平成16年度からスタートする新臨床研修制度により,総合的な卒後研修がすべての研修医に必修化される。本書はその具体的な研修内容を示す全面改訂版である。すべての項目にminimal requirementを掲げ,研修医は何を身につけるべきかの研修目標を示してアドバイスする。また外来診療の基本,精神科,産婦人科,診療所研修の項目も加えた。
シリーズ | レジデントマニュアル |
---|---|
編集 | 小泉 俊三 / 郡 義明 / 松村 理司 / 井村 洋 / 八田 和大 |
発行 | 2003年06月判型:B6変頁:480 |
ISBN | 978-4-260-10287-2 |
定価 | 4,400円 (本体4,000円+税) |
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- 目次
- 書評
目次
開く
1章 初期研修に不可欠な心構えと一般的な知識
2章 基本的診察法
3章 外来診療の基本
4章 基本的検査法
5章 画像診断・内視鏡検査
6章 病棟における基本的手技
7章 基本的治療法
8章 知っておきたい専門的検査・治療法の基本
9章 外科手術と術前・術後管理
10章 救急外来での診療と必要な手技
11章 小児の診察(救急を含む)
12章 新たな臨床研修
参考文献
索引
2章 基本的診察法
3章 外来診療の基本
4章 基本的検査法
5章 画像診断・内視鏡検査
6章 病棟における基本的手技
7章 基本的治療法
8章 知っておきたい専門的検査・治療法の基本
9章 外科手術と術前・術後管理
10章 救急外来での診療と必要な手技
11章 小児の診察(救急を含む)
12章 新たな臨床研修
参考文献
索引
書評
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定評ある研修マニュアルが,新制度に向けて改訂
書評者: 大滝 純司 (東大助教授・医学教育国際協力研究センター)
「初期研修」という書名と,初版から数えて14年になることからわかるように,特徴と定評のある本である。
色々な領域を幅広く研修する,卒後1―2年目の研修医に向けたマニュアル本なのだが,従来は,そのような研修をしている者は,多数派ではなかった。そうした状況は間もなく一変する。ご存知のように,2004年の春からは卒後臨床研修が必修化され,研修医のほぼ全員が多数の科や施設をローテーションする研修に突入する。しかも,これも初めて実施されたマッチングの結果として,ほとんどの研修の場で,さまざまな大学を卒業した研修医が一緒に研修することになる。このようなマニュアル本の需要が,一気に増すのだろう。
◆診療の「コツ」が満載
使いやすいマニュアル本に求められることの1つが,現場を熟知した人による具体的な解説だと思う。この本には,診療に関係した手技や方針に関する通り一遍の解説だけでなく,「指導医からの一言」「ピットフォール」「トラブルシューティング」など,まさに,診療の場で,直属の指導医から教えてもらう「コツ」のような情報が,たくさん載っている。
初期研修向けなので当然なのかもしれないが,内容は「基本」を重視している。特に,「輸液の基本」「救急外来での基本的な考え方」「小児の診療」などを読むと,患者さんや診療全体を俯瞰する眼を持つことを,重要な基本的能力として勧めていることがわかる。個々の手技や知識は,習得した直後から古くなるが,このような態度や判断力は,一度身につけるとなかなか古くならない。
勝手な要望だが,もう少し図があればさらにわかりやすいだろう。眼底診察や腰椎穿刺は,新米研修医にとっては,まずは手技を身につけることが切実な課題なので,そこにも触れてほしい。ACLSの手順の備忘録や,各筆者の専門領域の情報も入れて欲しかった。
研修医だけでなく,学生や指導医にも参考になる,安心して使えるマニュアルだと思う。
研修医の「どうしたらいいの?」を解決してくれる
書評者: 曽川 陽子 (虎の門病院内科)
◆誰もが1度は手に取る定番
本書は臨床医として働きはじめた研修医であれば誰もが1度は手に取る,初期研修マニュアルの定番です。研修医も患者さんに問診・診察し,検査を行ない,診断をつけ,治療を行なうわけでずが,このプロセスを行なう際に頼りになるのが本書なのです。診察の仕方,検査所見の見方,診断の仕方,そして治療法にわたって網羅し,コンパクトに記載されているのが特徴であり,ポケットに入るほどのサイズの小ささがまた便利なのです。教科書にはない実践に即した,研修医の“どうしたらいいの?”という疑問の答えを見つけられる1冊です。
◆手技についても充実した記載
巻頭には“初期研修に不可欠な診療における心構えと一般的な知識”がまとめられており,実際に働きはじめる前の研修医には必読といえると思います。研修医が最初にぶつかる壁である“病棟における基本的手技”に関してもわかりやすい内容でまとめられていますが,本書の姉妹本である“レジデント臨床基本技能イラストレイテッド”とリンクしており,あわせて読むとさらに理解が深まります。加えて本書の後半には外科・救急・小児科・産婦人科における診察・治療に関しても記載があり,病棟だけでなく外来や当直の際にも役立つ内容となっています。
働きはじめて間もない,迷える研修医には是非手に取って読んでもらい,自信を持って診療に励んでいただきたいと思います。そして初期研修を終えた今,本書を読み返すと,日常診療の中で得てきた知識を再チェックできました。初期研修を終えた先生方にも初心にかえって一読していただくといいなと思います。
初期研修医に必要な知識が凝縮
書評者: 荒岡 秀樹 (東京厚生年金病院研修医)
◆随所で「なるほど」と納得
本書は初期研修医が医師としての一歩を踏み出すにあたって,マスターすべきことがらが見事にまとまっています。医師としての心構えから,診察法,検査法,手技,治療法,各科救急,外科,小児科,産婦人科,精神科の分野まで多岐にわたって実践的な知識を得ることができます。それぞれの項目ごとに「Minimal requirement」として簡潔にその特徴が示されていて,本文はもちろんのこと,トラブルシューティング,ピットフォール,指導医からの一言など「なるほど」と思わせる記述が随所にあり,私たちを飽きさせることがありません。さらに,「レジデント臨床基本技能イラストレイテッド第2版」の参照ページが記載されており,併用することで学習効果がアップし,知識として定着しやすくなると考えます。
◆知識と実践をつなぐ橋
私たち研修医の日々は忙しく,なかなか厚い本を通読する余裕はないかと思いますが,本書は一項目ごとに完結した内容であるため,少しあいた時間に読むのに最適です。私自身も一項目を読むごとに抜けていた知識を発見することができ,さらに興味をもった部分に関しては成書を手にとって新たな知識を得ることが可能で一石二鳥だと感じています。このように,本書はこれまで私たちが主に机上で得てきた知識と臨床の場での実践で要求されることがらとの橋渡しをしてくれるものになると考えます。
新しい臨床研修制度を迎えるにあたって,本書のような幅広い視点に立った研修の手引書は貴重だと思います。研修をはじめられて間もない方,これから研修をはじめられる方はもちろんのこと,研修後期の先生方も知識の再認識に一度ご覧になってはいかがでしょうか。
書評者: 大滝 純司 (東大助教授・医学教育国際協力研究センター)
「初期研修」という書名と,初版から数えて14年になることからわかるように,特徴と定評のある本である。
色々な領域を幅広く研修する,卒後1―2年目の研修医に向けたマニュアル本なのだが,従来は,そのような研修をしている者は,多数派ではなかった。そうした状況は間もなく一変する。ご存知のように,2004年の春からは卒後臨床研修が必修化され,研修医のほぼ全員が多数の科や施設をローテーションする研修に突入する。しかも,これも初めて実施されたマッチングの結果として,ほとんどの研修の場で,さまざまな大学を卒業した研修医が一緒に研修することになる。このようなマニュアル本の需要が,一気に増すのだろう。
◆診療の「コツ」が満載
使いやすいマニュアル本に求められることの1つが,現場を熟知した人による具体的な解説だと思う。この本には,診療に関係した手技や方針に関する通り一遍の解説だけでなく,「指導医からの一言」「ピットフォール」「トラブルシューティング」など,まさに,診療の場で,直属の指導医から教えてもらう「コツ」のような情報が,たくさん載っている。
初期研修向けなので当然なのかもしれないが,内容は「基本」を重視している。特に,「輸液の基本」「救急外来での基本的な考え方」「小児の診療」などを読むと,患者さんや診療全体を俯瞰する眼を持つことを,重要な基本的能力として勧めていることがわかる。個々の手技や知識は,習得した直後から古くなるが,このような態度や判断力は,一度身につけるとなかなか古くならない。
勝手な要望だが,もう少し図があればさらにわかりやすいだろう。眼底診察や腰椎穿刺は,新米研修医にとっては,まずは手技を身につけることが切実な課題なので,そこにも触れてほしい。ACLSの手順の備忘録や,各筆者の専門領域の情報も入れて欲しかった。
研修医だけでなく,学生や指導医にも参考になる,安心して使えるマニュアルだと思う。
研修医の「どうしたらいいの?」を解決してくれる
書評者: 曽川 陽子 (虎の門病院内科)
◆誰もが1度は手に取る定番
本書は臨床医として働きはじめた研修医であれば誰もが1度は手に取る,初期研修マニュアルの定番です。研修医も患者さんに問診・診察し,検査を行ない,診断をつけ,治療を行なうわけでずが,このプロセスを行なう際に頼りになるのが本書なのです。診察の仕方,検査所見の見方,診断の仕方,そして治療法にわたって網羅し,コンパクトに記載されているのが特徴であり,ポケットに入るほどのサイズの小ささがまた便利なのです。教科書にはない実践に即した,研修医の“どうしたらいいの?”という疑問の答えを見つけられる1冊です。
◆手技についても充実した記載
巻頭には“初期研修に不可欠な診療における心構えと一般的な知識”がまとめられており,実際に働きはじめる前の研修医には必読といえると思います。研修医が最初にぶつかる壁である“病棟における基本的手技”に関してもわかりやすい内容でまとめられていますが,本書の姉妹本である“レジデント臨床基本技能イラストレイテッド”とリンクしており,あわせて読むとさらに理解が深まります。加えて本書の後半には外科・救急・小児科・産婦人科における診察・治療に関しても記載があり,病棟だけでなく外来や当直の際にも役立つ内容となっています。
働きはじめて間もない,迷える研修医には是非手に取って読んでもらい,自信を持って診療に励んでいただきたいと思います。そして初期研修を終えた今,本書を読み返すと,日常診療の中で得てきた知識を再チェックできました。初期研修を終えた先生方にも初心にかえって一読していただくといいなと思います。
初期研修医に必要な知識が凝縮
書評者: 荒岡 秀樹 (東京厚生年金病院研修医)
◆随所で「なるほど」と納得
本書は初期研修医が医師としての一歩を踏み出すにあたって,マスターすべきことがらが見事にまとまっています。医師としての心構えから,診察法,検査法,手技,治療法,各科救急,外科,小児科,産婦人科,精神科の分野まで多岐にわたって実践的な知識を得ることができます。それぞれの項目ごとに「Minimal requirement」として簡潔にその特徴が示されていて,本文はもちろんのこと,トラブルシューティング,ピットフォール,指導医からの一言など「なるほど」と思わせる記述が随所にあり,私たちを飽きさせることがありません。さらに,「レジデント臨床基本技能イラストレイテッド第2版」の参照ページが記載されており,併用することで学習効果がアップし,知識として定着しやすくなると考えます。
◆知識と実践をつなぐ橋
私たち研修医の日々は忙しく,なかなか厚い本を通読する余裕はないかと思いますが,本書は一項目ごとに完結した内容であるため,少しあいた時間に読むのに最適です。私自身も一項目を読むごとに抜けていた知識を発見することができ,さらに興味をもった部分に関しては成書を手にとって新たな知識を得ることが可能で一石二鳥だと感じています。このように,本書はこれまで私たちが主に机上で得てきた知識と臨床の場での実践で要求されることがらとの橋渡しをしてくれるものになると考えます。
新しい臨床研修制度を迎えるにあたって,本書のような幅広い視点に立った研修の手引書は貴重だと思います。研修をはじめられて間もない方,これから研修をはじめられる方はもちろんのこと,研修後期の先生方も知識の再認識に一度ご覧になってはいかがでしょうか。