臨床医のための周産期検査マニュアル
データの読み方から評価まで
多様化する周産期の検査を第一線の臨床家が解説
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周産期医療をめぐる各種の検査法は分子生物学的手法や工学技術の進歩により多様化と精度の向上、簡便化に一層拍車がかかっている。それだけに医師は、個々の検査の意味を正しく理解し、診断と病態把握のためにより効率のよい検査手順を尽くすことを要求される。本書は母体、胎児、新生児、妊娠時期など、それぞれの対象や場面に応じたもっともリーズナブルな検査法と、得られたデータの読み方、評価について第一線の臨床家が解説した。
編集 | 岡井 崇 |
---|---|
発行 | 2001年05月判型:B5頁:240 |
ISBN | 978-4-260-13061-5 |
定価 | 7,480円 (本体6,800円+税) |
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- 書評
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A 総論
I. 妊婦の検査―週数ごとの基準値
II. 妊婦の検査―計画と実施手順
III. 産褥の検査
IV. 新生児の検査
B 各論 疾患別検査の実際と診断・治療の指針
I. 妊娠前の検査
II. 妊娠初期異常の検査
III. ハイリスク妊娠の検査
IV. 合併症妊娠の検査
V. 感染症,母子感染の検査
VI. 分娩・産褥期異常の検査
I. 妊婦の検査―週数ごとの基準値
II. 妊婦の検査―計画と実施手順
III. 産褥の検査
IV. 新生児の検査
B 各論 疾患別検査の実際と診断・治療の指針
I. 妊娠前の検査
II. 妊娠初期異常の検査
III. ハイリスク妊娠の検査
IV. 合併症妊娠の検査
V. 感染症,母子感染の検査
VI. 分娩・産褥期異常の検査
書評
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周産期医療現場での格好のマニュアル
書評者: 武谷 雄二 (東大教授・産婦人科学)
診断学の要諦は,個々の状況に応じて過不足なく諸検査を駆使し,正確な診断に至ることである。周産期医療においても同様のことが言えるが,それに加えるに母児を対象とする固有の検査診断法が存在する。また一般診療において行なわれる検査であっても,妊婦に特有な生理的変化を考慮した解釈が必要となり,さらに妊婦に禁忌な検査法もある。したがって,周産期医療の検査診断法は,他科とは異なった独自の検査法ならびに診断技法が必要となる。
◆熟慮された企画編集内容
これまで,周産期医学に関する数多くの成書が刊行されているが,検査・診断法に焦点をあてた解説書は希少と言える。一方,現実の診療では問診に引き続き,まずいかなる検査を選択するかが大切であり,確定診断を得るか否かは,適切な検査を行なったか否かによって決まるといっても過言ではない。その点で,特にプラクティカル・メディスンの立場からみると,本書は大変熟慮されて企画編集されていると言える。
本書の構成として前半では,妊婦・新生児を対象とした各種検査法の意義やその解釈が妊婦特有の生理との関連で平易に解説されている。さらに妊娠週数に応じた検査値の変動なども示されており,いわゆる“データ・ブック”としての利用性もあわせもっている。このように前半の部分は,いわば周産期診療への横断的アプローチと言える。
◆検査法の位置づけと利用法が多面的に
本書の後半の部分は,各種産科合併症や妊産婦の偶発合併症,母子感染症など妊産婦における諸疾患や病態における検査手順や実地診療を想定したかたちで縦断的かつ網羅的に説明している。前半の部分とあわせて周産期医療の検査法の位置づけと利用法が多面的に巧みに述べられている。臨床の現場でのマニュアルとしての活用はもちろんのこと,1つの成書として通読しても興味がそそられるものである。
本書の執筆陣は,いずれも当該領域を代表される方々が名を連ねており,現在ほぼコンセンサスが得られている事項が細大もらさず紹介されており,不偏的かつオーソドックスなマニュアルと言える。周産期医療に携わる医師,助産婦,看護婦(士),検査技師など多くの方が診療の現場で適宜利用していただく格好のマニュアルであるとともに,看護や助産婦の教材としても利用価値が高いものと考えられる。
書評者: 武谷 雄二 (東大教授・産婦人科学)
診断学の要諦は,個々の状況に応じて過不足なく諸検査を駆使し,正確な診断に至ることである。周産期医療においても同様のことが言えるが,それに加えるに母児を対象とする固有の検査診断法が存在する。また一般診療において行なわれる検査であっても,妊婦に特有な生理的変化を考慮した解釈が必要となり,さらに妊婦に禁忌な検査法もある。したがって,周産期医療の検査診断法は,他科とは異なった独自の検査法ならびに診断技法が必要となる。
◆熟慮された企画編集内容
これまで,周産期医学に関する数多くの成書が刊行されているが,検査・診断法に焦点をあてた解説書は希少と言える。一方,現実の診療では問診に引き続き,まずいかなる検査を選択するかが大切であり,確定診断を得るか否かは,適切な検査を行なったか否かによって決まるといっても過言ではない。その点で,特にプラクティカル・メディスンの立場からみると,本書は大変熟慮されて企画編集されていると言える。
本書の構成として前半では,妊婦・新生児を対象とした各種検査法の意義やその解釈が妊婦特有の生理との関連で平易に解説されている。さらに妊娠週数に応じた検査値の変動なども示されており,いわゆる“データ・ブック”としての利用性もあわせもっている。このように前半の部分は,いわば周産期診療への横断的アプローチと言える。
◆検査法の位置づけと利用法が多面的に
本書の後半の部分は,各種産科合併症や妊産婦の偶発合併症,母子感染症など妊産婦における諸疾患や病態における検査手順や実地診療を想定したかたちで縦断的かつ網羅的に説明している。前半の部分とあわせて周産期医療の検査法の位置づけと利用法が多面的に巧みに述べられている。臨床の現場でのマニュアルとしての活用はもちろんのこと,1つの成書として通読しても興味がそそられるものである。
本書の執筆陣は,いずれも当該領域を代表される方々が名を連ねており,現在ほぼコンセンサスが得られている事項が細大もらさず紹介されており,不偏的かつオーソドックスなマニュアルと言える。周産期医療に携わる医師,助産婦,看護婦(士),検査技師など多くの方が診療の現場で適宜利用していただく格好のマニュアルであるとともに,看護や助産婦の教材としても利用価値が高いものと考えられる。
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