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ヘリコバクター・ピロリ除菌治療Q&A

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2000年11月から保険適用となったヘリコバクター・ピロリ除菌治療について、各種の診断法や治療法の実際、副作用とその対策、除菌判定の方法、さらに胃癌やMALTリンパ腫との関係に至るまで、この分野で指導的役割を果たしてきた著者が豊富な臨床経験をもとにわかりやすく解説し、除菌療法をめぐる疑問に余すところなく答える。
榊 信廣
発行 2001年04月判型:A5頁:160
ISBN 978-4-260-11971-9
定価 3,300円 (本体3,000円+税)
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  • 目次
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第1章 除菌治療の基本(1)-まずこれだけはおさえよう 
第2章 除菌治療の基本(2)-除菌治療のこれまでと現在 
第3章 ピロリ菌感染の検査法-ピロリ菌をどう見つけるか 
第4章 ピロリ菌の基礎知識-ピロリ菌とはどんな菌? 
第5章 潰瘍の除菌治療-潰瘍は治る時代に 
第6章 ピロリ菌が起こす病気-ピロリ菌はこんな病気にも関係している

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忙しい臨床家のためにズバリ即答,除菌治療のコツ
書評者: 菅野 健太郎 (自治医大教授・消化器内科学)
 ヘリコバクター・ピロリの除菌治療が,わが国でもようやく保険診療として認められ,わが国の消化性潰瘍治療体系が欧米諸国に近づいてきたことは喜ばしいことである。しかし,これまで除菌治療に造詣の深い専門家の手によって行なわれてきた除菌治療が,だれでも可能となったことに伴い,全国各地でヘリコバクター・ピロリ感染の診断,適応症,治療法,その後の経過観察の方法,ならびに除菌判定法など,除菌治療におけるさまざまなポイントで,保険診療上の混乱が起きていることが明らかになっている。除菌治療が認可され,製薬メーカーも各地で精力的に講演会を開催して,除菌治療についての啓蒙活動を行ない,また各地の医師会も,現場の混乱に対応するために注意を呼びかけているが,今しばらくさまざまな問題や疑問が生じてくることが予想される。

◆適正な除菌治療を行なうために

 榊博士は,内視鏡診断や除菌治療に関するわが国でも有数の臨床研究者であり,すでに多数の著書を発表され,全国各地で講演を行なっておられるが,その経験に基づいて,現場臨床医の除菌治療をめぐるさまざまな疑問に答える本書を著されたのは,まさに時宜を得たものであると言えよう。
 本書の特筆すべき点は,その内容が「質問と解答(Q&A)」の形式となっていて,現場の医師の疑問や患者さんへの説明にすぐ役立ち,しかも気軽に読みやすく配慮されていて感心させられた。質問に対する答えも,忙しい臨床家のために,そのものズバリの短い解答とともに,その根拠となる,より詳細な解説の2段階になっているので,時間にあわせて読むのに都合がよい。そのうえ向学心の強い医師向けには,解説の中に原著の参考文献まで付せられているので,これらを併せて読むことによって,これまでまったく除菌治療を行なった経験のない医師でも,除菌治療の実際が明快かつ詳細に理解できると思われる。このような本の体裁の工夫には,医学書院の編集者の努力も大きかったのかもしれない。もちろん専門家からみても,榊博士の解説には傾聴させられる点が多く,興味を持って一気に読み進められる。
 現在保険認可となっている除菌治療は,これまで長い試行錯誤に基づいてようやく確立されたものであるが,その過程でさまざまな問題点も有していることが明らかにされている。本書は医師が除菌治療を適正に行なうために,大いに役立つばかりでなく,除菌治療を受ける患者さんにもぜひ一読をお勧めしたいと思う。

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