泌尿器科外来処方マニュアル
泌尿器科外来での薬物処方実践マニュアル
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泌尿器科外来診療の主要疾患、検査と処置で用いられる薬物処方の決定版マニュアル。疾患概要から処方例と薬剤薬品の解説、処方の解説まで、1項目見開き2頁を原則に、適切な情報を適切な量でコンパクトに整理。好評の『泌尿器科ベッドサイドマニュアル』姉妹編として、実践的なノウハウを駆使し、広く多様な読者のニーズに応える待望の書。
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I. 処方箋の書き方
II. 感染病
III. 排尿障害
IV. 前立腺肥大病
V. 尿路結石病
VI. 腫瘍
VII. 内分泌疾患
VIII. 腎不全
IX. その他
II. 感染病
III. 排尿障害
IV. 前立腺肥大病
V. 尿路結石病
VI. 腫瘍
VII. 内分泌疾患
VIII. 腎不全
IX. その他
書評
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より泌尿器科診療の実態に沿った実践的マニュアル
書評者: 松島 正浩 (東邦大教授・泌尿器科学)
◆EBMに基づく泌尿器科外来処方
このほど,医学書院より日本医科大学秋元成太名誉教授,堀内和孝助教授の編集による『泌尿器科外来処方マニュアル』が刊行されました。本書は,すでに好評を得ている『泌尿器科ベッドサイドマニュアル』の姉妹版として,日本医科大学泌尿器科学教室および同教室の関連各科のスタッフが総力をあげ,EBM(Evidence-based Medicine)に基づいて作られた持ち運びが簡単なポケットサイズの良書であります。
医療を行なう上で,とりわけ外科系の診療に携わる医師にとって最も大切なことは,最新の医学,医療に関する知識と優れた医療技術を持って,全人的医療を提供するということであるのは言うまでもありません。その中でもとりわけ,薬の正確な知識,その正しい処方や使い方に精通していることが,患者さんにとっても最も重要なことで,その診療科の評価にもつながるのです。
しかしながら,これまでに外来における薬の使い方に関して,いろいろな病態に応じてきめ細かに記載された医家向けの良書がなく,特に泌尿器科領域のニーズに応えたものは皆無と言っても過言ではありませんでした。本書がこうした状況に一石を投じた意義は深いものと思います。
ただ,本書は「外来処方」と謳っておりますが,薬剤治療の根幹である処方箋の書き方をはじめ,日常の外来診療で繁用されるアイソトープ,X線造影剤,麻酔薬,消毒薬,灌流液の使用法まで言及されており,より泌尿器科診療の実態に沿った形式で編集がなされております。
◆大変に利用しやすい作り
具体的には,「感染症」,「排尿障害」,「前立腺肥大症」,「尿路結石症」,「腫瘍」,「内分泌疾患」,「腎不全」を取りあげ,その各々の項目で疾患・病態の簡単な説明,治療の概要,代表的な処方例,薬剤の解説(種類,適応,副作用,禁忌など)が記載されており,随所にワンポイント・アドバイスも入っています。さらに,処方例の中で30日処方可能な薬剤の頭に*マークがつき,また,製薬会社への問い合わせが簡単にできるように,製造・販売会社名も付記してあり,大変に利用しやすい作りです。
付録には抗生物質・抗菌剤の重大な副作用,併用禁忌薬一覧,小児薬用量などの表が掲載されています。そして,何よりも本文中に取りあげた散剤,注射剤以外の薬の剤型一覧がカラー写真つきで載っているのが,患者さんへの説明の時など重宝する心遣いです。
臨床の第一線で日夜奮闘されている泌尿器科医に,役に立つ実践的マニュアルとして本書を推薦するゆえんです。
これは便利,泌尿器科疾患薬物治療情報
書評者: 宮川 征男 (鳥取大教授・泌尿器科学)
◆知っておきたい薬物治療情報が満載
大変ありがたい本です。実際に遭遇する泌尿器科的疾患について,薬物治療時に知っておきたい情報が,ほとんど全部記載されています。
例えば,尿の排出障害をみてみましょう。まず,病態は膀胱機能の低下か尿道機能の亢進であることと,それぞれの原因について簡単に説明した後,実際の処方例が示されます。排尿筋収縮不全には,(1)べサコリン,(2)ウブレチド。排尿筋内尿道括約筋協調不全には,エブランチル,排尿筋外尿道括約筋協調不全には,ギャバロン。そして,各薬剤について説明され,例えばウブレチドなら,製造・販売は鳥居薬品,種類は抗コリンエステラーゼ剤,適応は低緊張性膀胱。副作用は下痢……,コリン作動性クリーク。禁忌は消化管閉塞……,脱分極性筋弛緩薬投与中,といった具合です。
次いで,処方についての解説があり,ウブレチドによる急性中毒(コリン作動性クリーク)の初期症状として,腹痛,下痢……,血清コリンエステラーゼの低下が出現したら,ただちに中止して硫酸アトロピン(0.5-1.0mg)を静注するよう示しています。最後にワンポイント・アドバイスとして,ウブレチドは,尿道抵抗の上昇をきたすことがあるので,α-1遮断薬を併用するよう勧めています。これだけの内容が,きわめて簡潔に,2頁にまとめてあります。
その他,本の最初には,処方箋の書き方が紹介してありますし,最後の付録には併用禁忌薬,小児薬用量,主な薬剤のサイズ,外形,カラー写真が示されています。ウブレチドについては白色・円形,9×3mmの錠剤であり,脱分極性筋弛緩薬のサクシン,レラキシンが併用禁忌薬であることがわかります。なお,疾患や病態の処方についてだけではなく,アイソトープ,X線造影剤,麻酔薬,潅流液,消毒薬についても解説があります。
◆ポケットにしのばせておきたい1冊
このマニュアルを参照すれば,薬物治療の際,薬の選択を間違えることや,患者への薬剤の説明が不足することはないでしょうし,投与中の患者への副作用の確認を忘れることもなくなるでしょう。われわれを守ってくれるマニュアルです。ぜひ,ポケットにしのばせておきたい1冊です(本書は,ポケットサイズになっています)。
広く多様な読者のニーズに応える泌尿器科外来処方の決定版
書評者: 鈴木 唯司 (弘前大教授・泌尿器科学)
◆求められる安全な医療情報提供
私ども医師は,患者さんにできる限り安全な医療を提供する義務があります。しかし,実際には医療の専門家としての必要な知識に欠けたり,経験が不足しているために起こる事故も少なくありません。医療人としては,このような未熟さをなくすために不断の努力が求められています。一方では,「人間であれば誰でもエラーを起こす」のは,医療人においても事実であり,医療組織としてエラーを誘発しない環境や,起こったエラーが重大な事故に発展しないシステムを作っていくことが求められていますが,第1には,1人ひとりの診療における慎重さが必要なのです。例えば,医師が外来で診療をする際に,ちょっと薬剤の常用処方量や禁忌を思い出せなかったり,処方薬剤の副作用を一部忘れていることは,あり得ないことではありません。忙しさにまぎれ,確認を怠ってしまい,小さなエラーと思われていたことが,重大なアクシデントを引き起こす事例が報告されています。このような時に,白衣のポケットからちょっと取り出して,処方について確認できるハンドブックがほしいものです。
秋元成太,堀内和孝両先生が編集にあたり,多くの泌尿器科を主とする専門家が執筆に携った『泌尿器科外来処方マニュアル』は,このような使い方にぴったりのハンドブックです。
◆本当に便利なテキスト
診療において最も大事な疾患は,ポピュラーな疾患であると言われていますが,本書に取り上げられている疾患は,ほとんどが泌尿器科外来の日常診療で頻繁に接する疾患で,一部を除きまれな疾患はありません。疾患ごとに具体的な処方例,薬剤や処方についての解説が簡潔に記載されています。当然処方禁忌,副作用についても知ることができます。疾患以外にRI,X線造影剤,麻酔などや消毒液までの記載もあり,小児投与量の計算式まで見られるなど大変役に立ちます。記載も記憶を思い起こすに十分な量であり,もし本書に記載がないまれな疾患や重大な疑問があれば,改めて文献を繙けばよいのです。
さらに主な剤型が,本の末尾にカラー写真入りで掲載されているのも親切な配慮でしょう。ひょっとして処方した薬剤が,どんな型をしているか知らない医師もいるのではないでしょうか。薬剤の処方が,このハンドブックだけでもちろん十分とは言えませんが,経験のある泌尿器科医の備忘録として,研修医が自分の処方が正しいかどうかを再認識する時,また医学生がBSLに参加して,受持ち患者にどのような薬剤が処方されているかを簡単に知る時,さらに看護師さんが処方内容について知るためにも,これは本当に便利なテキストで,白衣のポケットに入れておきたいものです。なお,本書は,小さい本であるにもかかわらず,近眼で老眼の私にも読みやすかったことを申し添えます。
書評者: 松島 正浩 (東邦大教授・泌尿器科学)
◆EBMに基づく泌尿器科外来処方
このほど,医学書院より日本医科大学秋元成太名誉教授,堀内和孝助教授の編集による『泌尿器科外来処方マニュアル』が刊行されました。本書は,すでに好評を得ている『泌尿器科ベッドサイドマニュアル』の姉妹版として,日本医科大学泌尿器科学教室および同教室の関連各科のスタッフが総力をあげ,EBM(Evidence-based Medicine)に基づいて作られた持ち運びが簡単なポケットサイズの良書であります。
医療を行なう上で,とりわけ外科系の診療に携わる医師にとって最も大切なことは,最新の医学,医療に関する知識と優れた医療技術を持って,全人的医療を提供するということであるのは言うまでもありません。その中でもとりわけ,薬の正確な知識,その正しい処方や使い方に精通していることが,患者さんにとっても最も重要なことで,その診療科の評価にもつながるのです。
しかしながら,これまでに外来における薬の使い方に関して,いろいろな病態に応じてきめ細かに記載された医家向けの良書がなく,特に泌尿器科領域のニーズに応えたものは皆無と言っても過言ではありませんでした。本書がこうした状況に一石を投じた意義は深いものと思います。
ただ,本書は「外来処方」と謳っておりますが,薬剤治療の根幹である処方箋の書き方をはじめ,日常の外来診療で繁用されるアイソトープ,X線造影剤,麻酔薬,消毒薬,灌流液の使用法まで言及されており,より泌尿器科診療の実態に沿った形式で編集がなされております。
◆大変に利用しやすい作り
具体的には,「感染症」,「排尿障害」,「前立腺肥大症」,「尿路結石症」,「腫瘍」,「内分泌疾患」,「腎不全」を取りあげ,その各々の項目で疾患・病態の簡単な説明,治療の概要,代表的な処方例,薬剤の解説(種類,適応,副作用,禁忌など)が記載されており,随所にワンポイント・アドバイスも入っています。さらに,処方例の中で30日処方可能な薬剤の頭に*マークがつき,また,製薬会社への問い合わせが簡単にできるように,製造・販売会社名も付記してあり,大変に利用しやすい作りです。
付録には抗生物質・抗菌剤の重大な副作用,併用禁忌薬一覧,小児薬用量などの表が掲載されています。そして,何よりも本文中に取りあげた散剤,注射剤以外の薬の剤型一覧がカラー写真つきで載っているのが,患者さんへの説明の時など重宝する心遣いです。
臨床の第一線で日夜奮闘されている泌尿器科医に,役に立つ実践的マニュアルとして本書を推薦するゆえんです。
これは便利,泌尿器科疾患薬物治療情報
書評者: 宮川 征男 (鳥取大教授・泌尿器科学)
◆知っておきたい薬物治療情報が満載
大変ありがたい本です。実際に遭遇する泌尿器科的疾患について,薬物治療時に知っておきたい情報が,ほとんど全部記載されています。
例えば,尿の排出障害をみてみましょう。まず,病態は膀胱機能の低下か尿道機能の亢進であることと,それぞれの原因について簡単に説明した後,実際の処方例が示されます。排尿筋収縮不全には,(1)べサコリン,(2)ウブレチド。排尿筋内尿道括約筋協調不全には,エブランチル,排尿筋外尿道括約筋協調不全には,ギャバロン。そして,各薬剤について説明され,例えばウブレチドなら,製造・販売は鳥居薬品,種類は抗コリンエステラーゼ剤,適応は低緊張性膀胱。副作用は下痢……,コリン作動性クリーク。禁忌は消化管閉塞……,脱分極性筋弛緩薬投与中,といった具合です。
次いで,処方についての解説があり,ウブレチドによる急性中毒(コリン作動性クリーク)の初期症状として,腹痛,下痢……,血清コリンエステラーゼの低下が出現したら,ただちに中止して硫酸アトロピン(0.5-1.0mg)を静注するよう示しています。最後にワンポイント・アドバイスとして,ウブレチドは,尿道抵抗の上昇をきたすことがあるので,α-1遮断薬を併用するよう勧めています。これだけの内容が,きわめて簡潔に,2頁にまとめてあります。
その他,本の最初には,処方箋の書き方が紹介してありますし,最後の付録には併用禁忌薬,小児薬用量,主な薬剤のサイズ,外形,カラー写真が示されています。ウブレチドについては白色・円形,9×3mmの錠剤であり,脱分極性筋弛緩薬のサクシン,レラキシンが併用禁忌薬であることがわかります。なお,疾患や病態の処方についてだけではなく,アイソトープ,X線造影剤,麻酔薬,潅流液,消毒薬についても解説があります。
◆ポケットにしのばせておきたい1冊
このマニュアルを参照すれば,薬物治療の際,薬の選択を間違えることや,患者への薬剤の説明が不足することはないでしょうし,投与中の患者への副作用の確認を忘れることもなくなるでしょう。われわれを守ってくれるマニュアルです。ぜひ,ポケットにしのばせておきたい1冊です(本書は,ポケットサイズになっています)。
広く多様な読者のニーズに応える泌尿器科外来処方の決定版
書評者: 鈴木 唯司 (弘前大教授・泌尿器科学)
◆求められる安全な医療情報提供
私ども医師は,患者さんにできる限り安全な医療を提供する義務があります。しかし,実際には医療の専門家としての必要な知識に欠けたり,経験が不足しているために起こる事故も少なくありません。医療人としては,このような未熟さをなくすために不断の努力が求められています。一方では,「人間であれば誰でもエラーを起こす」のは,医療人においても事実であり,医療組織としてエラーを誘発しない環境や,起こったエラーが重大な事故に発展しないシステムを作っていくことが求められていますが,第1には,1人ひとりの診療における慎重さが必要なのです。例えば,医師が外来で診療をする際に,ちょっと薬剤の常用処方量や禁忌を思い出せなかったり,処方薬剤の副作用を一部忘れていることは,あり得ないことではありません。忙しさにまぎれ,確認を怠ってしまい,小さなエラーと思われていたことが,重大なアクシデントを引き起こす事例が報告されています。このような時に,白衣のポケットからちょっと取り出して,処方について確認できるハンドブックがほしいものです。
秋元成太,堀内和孝両先生が編集にあたり,多くの泌尿器科を主とする専門家が執筆に携った『泌尿器科外来処方マニュアル』は,このような使い方にぴったりのハンドブックです。
◆本当に便利なテキスト
診療において最も大事な疾患は,ポピュラーな疾患であると言われていますが,本書に取り上げられている疾患は,ほとんどが泌尿器科外来の日常診療で頻繁に接する疾患で,一部を除きまれな疾患はありません。疾患ごとに具体的な処方例,薬剤や処方についての解説が簡潔に記載されています。当然処方禁忌,副作用についても知ることができます。疾患以外にRI,X線造影剤,麻酔などや消毒液までの記載もあり,小児投与量の計算式まで見られるなど大変役に立ちます。記載も記憶を思い起こすに十分な量であり,もし本書に記載がないまれな疾患や重大な疑問があれば,改めて文献を繙けばよいのです。
さらに主な剤型が,本の末尾にカラー写真入りで掲載されているのも親切な配慮でしょう。ひょっとして処方した薬剤が,どんな型をしているか知らない医師もいるのではないでしょうか。薬剤の処方が,このハンドブックだけでもちろん十分とは言えませんが,経験のある泌尿器科医の備忘録として,研修医が自分の処方が正しいかどうかを再認識する時,また医学生がBSLに参加して,受持ち患者にどのような薬剤が処方されているかを簡単に知る時,さらに看護師さんが処方内容について知るためにも,これは本当に便利なテキストで,白衣のポケットに入れておきたいものです。なお,本書は,小さい本であるにもかかわらず,近眼で老眼の私にも読みやすかったことを申し添えます。
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