向精神薬マニュアル 第2版

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初版発行から3年の間に承認された多くの新薬の詳細な解説を中心に大幅改訂。付録には、「向精神薬の最大量」など臨床に直結した情報を追加、「向精神薬識別コード表」はより使いやすくなり、「向精神薬DI集」はほぼ全ての後発品までリストアップした。表紙裏には「向精神薬・精神科関連薬一覧」も新たに掲載。
融 道男
発行 2001年05月判型:A5頁:440
ISBN 978-4-260-11859-0
定価 5,500円 (本体5,000円+税)
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  • 目次
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第1章 抗精神病薬
 A. 抗精神病薬開発の歴史
 B. 精神分裂病の神経伝達異常
 C. 抗精神病薬の種類と特徴
 D. 抗精神病薬の使い方
 E. 抗精神病薬の副作用
 
第2章 抗うつ薬(抗躁薬を含む)
 A. 抗うつ薬・抗躁薬開発の歴史
 B. 感情障害の神経伝達物質異常と抗うつ薬の薬理
 C. 抗うつ薬・抗躁薬の種類と特徴
 D. 抗うつ薬・抗躁薬の使い方
 E. 抗うつ薬・抗躁薬の副作用
 
第3章 抗不安薬と睡眠薬
 A. 抗不安薬・睡眠薬開発の歴史
 B. 不安と睡眠障害の薬理
 C. 抗不安薬の種類と特徴
 D. 抗不安薬の使い方
 E. 睡眠薬の種類と特徴
 F. 睡眠薬の使い方
 G. 抗不安薬,睡眠薬の副作用
 
付録

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わが国の精神科医にとって大きな意義
書評者: 風祭 元 (帝京大名誉教授/前都立松沢病院長)
 1998年に融道男教授が東京医科歯科大学教授をご退官の折に出版された『向精神薬マニュアル』は,4年の内に4刷を重ね,その後に新しく認可された新薬を追加して完全に内容を一新した第2版がこのたび発刊された。
 薬物療法に関する指導書の執筆は,なかなか難しいところがある。合理的で科学的な薬物療法を行なうためには,薬理作用の基礎となる理論的な作用機序を読者に納得いくように解説する「科学性」と,医師が目の前にいる患者さんにどの薬をどういうふうに処方するかという「実用性」を2つとも備えることが要求される。本書の初版は,国際的な精神薬理学者である著者の神経化学の最新の知識が紹介されている科学性と,各々の薬の適応や用量,使用上の注意などのDI(Drug Information)が詳しく記載してある。実用性がバランスよく備えられており,研修医から専門医まで広く読まれたが,この第2版はその後認可された新薬を加え,また,受容体などに関する新しい知見を,初版にはなかったカラー頁で説明するなど,面目を一新したものになっている。

◆診察室で必要な情報がぎっしり

 内容は,「抗精神病薬」,「抗うつ薬(抗躁薬を含む)」,「抗不安薬と睡眠薬」の3章に大きく分かれ,各章ごとに,「開発の歴史」,「疾患の脳内神経伝達物質異常」,「薬物の種類と特徴」,「使い方」,「副作用」などが記されている。また,「付録」として,過量服用の際の処置,広義の向精神薬のDI(添付文書記載の情報)が載っている。さらに前後の表紙裏には,現在処方できる薬の一覧表と剤型,用量,用法などが印刷されており,医師が診察室の机上で必要な情報がぎっしりと詰まっている。また,すべての精神神経用薬剤の識別コード表がついているのも医師にとって実際に役立つ。標準的な向精神薬は,多くの製薬会社から異なる剤型と商品名で売られているのが現状であり,医師は他院から紹介状なしで転院してきた患者の服用薬の同定にいつも苦労するからである。
 向精神薬が臨床に導入されて約50年になるが,この数年はわが国の精神科薬物療法に1つのエポックが画された時期ではないかと思う。
 先進諸国にはやや遅れをとったが,いわゆる非定型抗精神病薬(SDAやMARTAなど)やセロトニン系抗うつ薬(SSRI)などが認可されて日常臨床で使用が可能になり,現在,精神科医は,それぞれの薬の効果や副作用についての手応えを,毎日の臨床の中で模索している時期ではないかと思う。この時期に,最新の神経科学の情報が簡潔にわかりやすくまとめられ,さらに日常診療の際の実用性を兼ね備えた本書が改訂出版されたことは,わが国の精神科医にとって大きな意義のあることと考える。

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