基本からわかるEBN

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今日注目を集めているEBN(Evidence-Based Nursing)の解説書。EBNは,従来の経験や直感にもとづいた看護から,研究データや検証された事実などの科学的根拠にもとづいた看護をめざしている。本書は,EBNの基本概念から臨床への応用に至るまでを,わかりやすく紹介する。
監修 日野原 重明
発行 2001年06月判型:A5頁:168
ISBN 978-4-260-33142-5
定価 1,980円 (本体1,800円+税)
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  • 目次
  • 書評

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第1章 サイエンスとしての看護とEBN
第2章 医療ケアでのEBM/Nの必要性
第3章 臨床における患者ケアの質とEBM/N
第4章 EBMとEBNは何が違うのか
第5章 看護におけるEBN
第6章 海外のEBN事情
第7章 EBNと文献検索の仕方
第8章 EBNの情報源リスト

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なぜ今EBNなのかを解き明かす
書評者: 古橋 洋子 (看護コンサルタント)
 本書はサイエンスとしての看護とEBN(Evidence Based Nursing),また,なぜ今EBNなのか,についてわかりやすく解き明かそうとしている。本書においてEBM/Nは,「自然科学的な技法を効果的に使い,その証拠を材料にして目の前の患者の健康問題をより効果的に解決する技法」と定義され,8人の執筆者で解説されいる。

◆わかりやすく解説されているエビデンスの基本

 構成は,「看護とEBN」,「患者ケアと質」,「EBNとEBMの違い」,「海外事情と文献検索の仕方」について,各分野の専門家がコンパクトに要点をふまえ解説している。タイトルがEBNと看護婦向けになっているが,医療の分野すべての方に参考になるようにエビデンスの基本は何かという原点をわかりやすく解説している。
 臨床の現場でエビデンスという言葉を耳にすることが多くなったが,これは看護ケアを実施して成果を出すだけではなく,根拠に基づくケアが必要であり,これが看護を行なう上でどのような意味を持つかが理解できる本となっている。
 本書では,看護学教育や臨床の場でエビデンスを使う場合,どう使えば妥当性があるかについて詳しく述べられている。特に大切であると思われる点を下記に述べておく。
 まず文献を読むことは,常に最新情報を元手にしながら教育や実践をしていくことになる。すると看護婦の実践は,新しい情報にある根拠に基づき,考えながら行動することにより看護の向上を図ることができる。
 また看護基礎教育では大切なことの1つが,正しい文献の読み方である。よい文献を見極める力を学生時代に身につけさせることは欠かせない。エビデンスに基づいた教育であれば,時代遅れの看護技術などを指導することもないだろう。本書においては,文献検索の仕方が詳しく解説されているのもうれしい本である。
 本書では,現在多くの研究がなされ蓄積されており,臨床の場や教育の分野でそれを活用し,実践しているだろうかとEBNは疑問を投げかけている。最新の研究成果を生かした看護ケアや教育が形作られていけば,チーム医療においてもコンセンサスが得やすくなるという結果になる。
 患者の健康問題をより効果的に解決するためには,エビデンスに基づいて行動するようになる。その結果が成果となり現れ,それがエビデンスの効果として看護の科学性を明らかにするためにも重要なことであることを本書は示唆している。

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