生化学 第2版

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まず物質の解説をすませてから,それらの代謝を学ぶ方が理解しやすい,というユーザーの希望を参考にして,今改訂では「1章 生体物質の構造」,「2章 生体物質の代謝」に分割した。新たに学生のニーズを知悉している保健学科の現役教授を執筆者に迎えるとともに,図解に工夫をこらして,より理解しやすい教科書とした。
編集 菅野 剛史 / 松田 信義
亀井 幸子 / 小島 洋子 / 原 諭吉 / 松本 暁子
発行 2002年04月判型:B5頁:196
ISBN 978-4-260-27430-2
定価 4,620円 (本体4,200円+税)
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  • 目次
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1. 生体物質の構造
2. 生体物質の代謝
3. 器官の生化学
4. がん
5. 遺伝医学
6. 実習

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視覚化され自然に生化学の知識が吸収できる臨床検査教科書
書評者: 高木 康 (昭和大助教授・臨床病理学)
 生化学は,血液や免疫あるいは微生物など臨床検査の主要領域と比較して,中・高校で学習している部分も多く馴染みやすい基礎学問である。しかし必ずしも十分に理解されているとは言えず,化学反応や代謝マップは苦手であるとする学生も少なくない。これは記憶だけを強調する教科書が多く,興味をひく記載あるいは将来的な臨床検査への展望を記載している教科書が少ないためであろう。

◆明確化された教育目標

 今回,《臨床検査技術学》の『生化学』が亀井幸子先生らにより改訂された。本書を拝読して,いくつかのすばらしい点に気がついた。まず,他の教科書と比較して図表が多いことである。今回の改訂により2色刷となり,この図表が要領よく本文を説明している。本文も平易な言葉でわかりやすく書かれており,理解しにくいとされる「癌の生化学」,「遺伝の生化学」の項についても,自然に知識が吸収されるようになっている。
 次に「キーワード」と「学習の要点」である。昨今,医学教育においては,一般目標(GIO)と到達目標(SBOs)を設定することが行なわれている。本書の「キーワード」と「学習の要点」は,そのまま各項でのSBOsに相当し,これらの活用範囲は大きい。また実習については,臨床検査室で実際に使用する測定法について要領よく記載されており,将来身につけるべき手技や基本的知識を効率よく習得できるようになっている。
 序文には,「日常的な臨床検査や,国家試験という短期的な視野では,あるいは活用の機会が少ないかもしれないが,生化学のよりよい理解のために重要な役割を果たし,卒業後も役に立つことを希望している」と記されているように,本書は,卒業後での知識の整理や講義・講演での知識のまとめにも適している。最近の知見を取り入れたために,学生が学習すべき内容から大きく逸脱した「教科書」に比較すると,多少の卒後の習得事項はあるものの,適切な内容と記載である。技師学校の学生諸君が座右に置き,卒前の学習に,また卒後の技師生活での学習に大いに役立ててほしい。

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