小児の看護アセスメント

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<最新看護ガイド>シリーズの1冊。健康歴のとり方、バイタルサインの測定、身体系統別のアセスメント、その他のアセスメント(発達・児童虐待のアセスメント)について、そのアセスメントを行うことの意味、アセスメントの実際の手技、所見の解釈、注意すべき逸脱、そして考えられる看護診断を述べる。小児科看護婦必携の本。
原著 Joyce Engel
監訳 塚原 正人
発行 2001年02月判型:A5変頁:292
ISBN 978-4-260-33115-9
定価 3,520円 (本体3,200円+税)
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  • 目次
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第1部 健康歴のとり方
 1.アセスメントの開始
 2.健康歴の範囲
 3.家族アセスメント
 4.家庭訪問とアセスメント
 5.フィジカルアセスメント
 6.検査の準備
 7.栄養状態アセスメントの内容 
第2部 バイタルサインの測定
 8.体温・脈拍・呼吸
 9.血圧 
第3部 身体系統のアセスメント
 10.体表
 11.頭部と頸部
 12.耳
 13.眼
 14.顔面・鼻・口腔
 15.胸郭と肺
 16.心血管系
 17.腹部
 18.リンパ系
 19.生殖器系
 20.筋骨格系
 21.神経系 
第4部 一般的アセスメント
 22.発達
 23.小児虐待のアセスメント 
第5部 アセスメントの終了
 24.検査の終了

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小児看護のための待望のアセスメントガイド
書評者: 濱中 喜代 (慈恵医大助教授・看護学科)
 Joyce Engel著の『Pocket Guide to Pediatric Assessment』(Mosby)の第3版を山口大学の塚原教授が中心になって邦訳された。邦題は,『〈最新看護ガイド〉小児の看護アセスメント』である。アセスメントに関する解説書は,最近になって訳本を含め少しずつみられているものの,小児を対象としたものはこれまでほとんどみられなかった。その意味で,本書は小児看護に携わる者にとって,まさに待ち望んだ1冊と言えよう。

 本書の構成は,第1部が「健康歴のとり方」,第2部が「バイタルサインの測定」,第3部が「身体系統のアセスメント」,第4部が「一般的アセスメント」,第5部が「アセスメントの終了」となっている。原本は,その名のとおりポケットサイズであるが,日本版もA5変型サイズで292頁と手に持ちやすい大きさになっている。37点の図と57点の表がほどよく配置されており,読み手にとってたいへん理解しやすく工夫されている。

◆21世紀の小児看護を見据えた魅力満載の内容

 本書全体の内容の魅力や特徴について,頁を追って紹介しよう。

 第1部では,この第3版から新しく追加された子どもの家族のアセスメントに影響を及ぼす文化的な差異や,子どもと家族へのアプローチに関する情報が盛り込まれ,グローバルな視点が開かれている。また家族アセスメントでは,現在日本でも支持者の多いWrightとLeaheyによるカルガリーの家族看護アセスメントモデル(1984)が応用されており,理解が得やすい内容となっている。「家庭訪問」の章も新しく加わっており,在宅看護にも役立てることができる。

 第2部では,「バイタルサインの測定」の基本が実際的・具体的に紹介されており,活用しやすい形になっている。

 第3部の「身体系統のアセスメント」では,12系統に分けて,全体のほぼ半分の頁を使って解説しており,知りたい情報についてポイントを絞って調べるのにたいへん便利である。

 第4部では,小児の理解に欠かせない「発達」について,生後1か月から思春期後期までを10頁にわたって詳細に解説しており,何歳の子どもの発達は,どうなのかということはもちろん,子どもの発達を全体的にとらえるのに役立つ内容となっている。

 第5部は,シンプルに1頁だけであるが,第1部の最初のアセスメント開始と対応して,両親への対応の仕方や情報の整理,記録の仕方の注意点が解説され,終了時のポイントがよくわかる。

 この他に全体を通して,関連する疾患や看護診断の解説が随所に盛り込まれており,21世紀の健康問題に対処するべく看護者に求められるアセスメント能力を十分サポートしてくれる。

◆本書を今後いかに使いこなすかが問われる

 臨床,在宅それぞれの小児看護に携わるナースはもちろんのこと,看護教育を受ける学生にとっても本書が必携の書となることは間違いない。小児の看護アセスメントの基本を多角的に表現している本書の出版により,日本の看護教育が今まで必要性を認めながらも,実際には1歩踏み込めなかったアセスメント技能の教育の分野に光がさすことは疑いようもない。今後は,この本をいかに使いこなすかが,教育や臨床の現場にいる人々に問われることになろう。

 最後に,看護教育に多大なご理解を示され,本書の翻訳という価値あるお仕事にご尽力された塚原教授をはじめ翻訳に関係された方々に感謝を申し上げ,書評としたい。

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