内科レジデントアトラス
内科研修医が必要な所見の見方・診断のポイントを視覚的に構成
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内科研修医が知っておきたい皮膚・粘膜所見、眼所見、血液所見、細菌所見、当直の際にも役立つ重要な画像所見まで小冊ながら全てをカバーした画期的アトラス。視覚的情報が即診断につながるよう疾患特異的な所見を選りすぐり収載し、所見の見方・診断のポイントを解説。大好評の『内科レジデントマニュアル』とともに常に携帯して安心の1冊。
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■皮膚・粘膜アトラス
■眼アトラス
■画像アトラス
■血液アトラス
■細菌アトラス
■眼アトラス
■画像アトラス
■血液アトラス
■細菌アトラス
書評
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深い洞察にもとづく内容,臨場感溢れる初期研修アトラス
書評者: 小峰 光博 (昭和大藤が丘病院教授・血液内科)
患者さんの前に立つ時,医師はオールマイティの存在でありたいと願うし,また患者さんも医師をそのように見ていると感じるものである。その期待を裏切らないために,最も必要とされるのは,百科事典のような知識の集積でなく,臨床の原理,原則にそった的確な情報収集とその合理的分析のプロセスであろう。多少迂遠のように見えても,直感や反射的な判断には思わぬ落とし穴が潜んでいることが少なくないのである。冷静と沈着は,臨床の現場ではことさらに重要性が増すものである。
◆困難な初期研修を支えてくれる
それでも臨床研修の初期段階にあって,なんらの武装もせず無防備に足を踏み出すことはきわめて危険である。せめて頻度が高く基本的で,判断の適否がその後の展開の鍵を握るようなことについては,進んで密かに,かつ確実に身につけておく必要がある。日常の臨床活動では,それらに肉づけし,厚みと深みを増すように心がけることを怠ってはならないと考えている。
患者の訴えとその経過を把握し,身体所見を整理した時,次に予期すべきことがいくつか頭に浮かんでくれば,基本的スクリーニング検査で得られるデータをより深く解釈する途も開けてくる。
『内科レジデントアトラス』と題されたこの書物は,まさにその辺りの状況に深い洞察を持つ最前線の活力あふれる指導者によって,それを最も必要とする若い初期研修の途上にあるレジデントの支援のためにまとめられた簡潔かつ実務的なポケット判である。本文280頁,原則見開き2頁で1項目を説いているので,ちょっとした隙間の時間を活用してもれなくキチンと読みとおすように設計されているものと受けとめた。
◆経験に裏づけられた勘どころの集積
内容は,「皮膚・粘膜」,「眼」,「画像」,「血液」,「細菌」の各アトラスに分類されている。アトラスとするゆえんは,項目あたり1-2件の視覚素材が選定されており,ついで極度に贅肉を削り純化した基本的事項のみがそえられている。項目の選択基準は,現場で即役立つ実践的な必須度にあるとしてよいもののようである。執筆者は,聖路加国際病院の内科レジデントを指導する立場にある気鋭の専門医であるだけに,経験に裏づけられた勘どころのおさえ方がよく効いている。皮膚・粘膜の所見や眼底所見を取り上げているのは,それらの内科臨床における頻度の高さと重要性を考慮してのことであり,見たことがあるとの自信が,何よりものを言う臨場感あふれる緊迫度を高めるのに有効に作用している。
決して細大もらさぬと言った緻密一辺倒の取り組みでなく,むしろ「天網恢恢疎にしてもらさず」に近く,骨子を散りばめることで,臨床応用の幅を広げるような意図を感じる親身さと温かさを感じさせる1品と言えよう。評者も空いた電車の半端な時間を利用しつつ,間もなく全編に目をとおすことができ,若返ってたくさんのものを吸収できたのである。気軽だが軽すぎはしない実用の書であり,執筆者が実体験を振り返って注意深い配慮の上で,資料が選別されてできあがったという信頼感も湧いてくる,小振りながら実のある好著と言える。研修医諸君がこわがらずに臨床に励むためにも,事前になすべき投資として,費やす時間からみても十分に見合うと納得するであろう。
書評者: 小峰 光博 (昭和大藤が丘病院教授・血液内科)
患者さんの前に立つ時,医師はオールマイティの存在でありたいと願うし,また患者さんも医師をそのように見ていると感じるものである。その期待を裏切らないために,最も必要とされるのは,百科事典のような知識の集積でなく,臨床の原理,原則にそった的確な情報収集とその合理的分析のプロセスであろう。多少迂遠のように見えても,直感や反射的な判断には思わぬ落とし穴が潜んでいることが少なくないのである。冷静と沈着は,臨床の現場ではことさらに重要性が増すものである。
◆困難な初期研修を支えてくれる
それでも臨床研修の初期段階にあって,なんらの武装もせず無防備に足を踏み出すことはきわめて危険である。せめて頻度が高く基本的で,判断の適否がその後の展開の鍵を握るようなことについては,進んで密かに,かつ確実に身につけておく必要がある。日常の臨床活動では,それらに肉づけし,厚みと深みを増すように心がけることを怠ってはならないと考えている。
患者の訴えとその経過を把握し,身体所見を整理した時,次に予期すべきことがいくつか頭に浮かんでくれば,基本的スクリーニング検査で得られるデータをより深く解釈する途も開けてくる。
『内科レジデントアトラス』と題されたこの書物は,まさにその辺りの状況に深い洞察を持つ最前線の活力あふれる指導者によって,それを最も必要とする若い初期研修の途上にあるレジデントの支援のためにまとめられた簡潔かつ実務的なポケット判である。本文280頁,原則見開き2頁で1項目を説いているので,ちょっとした隙間の時間を活用してもれなくキチンと読みとおすように設計されているものと受けとめた。
◆経験に裏づけられた勘どころの集積
内容は,「皮膚・粘膜」,「眼」,「画像」,「血液」,「細菌」の各アトラスに分類されている。アトラスとするゆえんは,項目あたり1-2件の視覚素材が選定されており,ついで極度に贅肉を削り純化した基本的事項のみがそえられている。項目の選択基準は,現場で即役立つ実践的な必須度にあるとしてよいもののようである。執筆者は,聖路加国際病院の内科レジデントを指導する立場にある気鋭の専門医であるだけに,経験に裏づけられた勘どころのおさえ方がよく効いている。皮膚・粘膜の所見や眼底所見を取り上げているのは,それらの内科臨床における頻度の高さと重要性を考慮してのことであり,見たことがあるとの自信が,何よりものを言う臨場感あふれる緊迫度を高めるのに有効に作用している。
決して細大もらさぬと言った緻密一辺倒の取り組みでなく,むしろ「天網恢恢疎にしてもらさず」に近く,骨子を散りばめることで,臨床応用の幅を広げるような意図を感じる親身さと温かさを感じさせる1品と言えよう。評者も空いた電車の半端な時間を利用しつつ,間もなく全編に目をとおすことができ,若返ってたくさんのものを吸収できたのである。気軽だが軽すぎはしない実用の書であり,執筆者が実体験を振り返って注意深い配慮の上で,資料が選別されてできあがったという信頼感も湧いてくる,小振りながら実のある好著と言える。研修医諸君がこわがらずに臨床に励むためにも,事前になすべき投資として,費やす時間からみても十分に見合うと納得するであろう。
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