こどもの皮疹・口内咽頭所見チェックガイド
一般医がよく出会う皮疹と口内咽頭所見についてのガイドブック
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一般医がこどもを診る際によく出会う皮疹と口内咽頭所見を123枚のカラー写真で示し、診察、検査所見、鑑別のヒント、治療のポイント、そしてフォローアップやコンサルトのしかたなど有用な情報を提供する。さらに一般医が聞きたい日常臨床の要点をQ&Aとして末尾に付し、わかりやすく役立つガイドブックとなっている。
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こどもの皮疹所見 紅斑/丘疹・小結節/水疱/膿疱/鱗宵/色素斑/白斑/紫斑/結節・腫瘤/皮疹の鑑別のヒント/こどもの口内咽頭所見/感染症の咽頭所見のみかた(アデノウイルス感染を中心として)/チェックガイドQ&A
書評
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願いが実現,こどもの皮疹・口内咽頭所見の本
書評者: 崎山 弘 (崎山小児科)
子どもを診療する際に,皮疹や口内咽頭所見を診断の手がかりにする機会は非常に多い。特に皮疹は,親の目の前に見えている病変なので保護者の関心も高く,「これは何ですか」と説明を求められることもしばしばである。口内炎や扁桃腺炎の所見は専門的知識のない親の目にも明らかに認識できる。子どもを診察する医師ならば,「これは,手足口病です」などときっぱりと告げてみたいものである。
子どもの皮疹や口内咽頭所見はさまざまであるような気もするが,実際の疾患の種類はそれほど多いものではない。教科書にも出てこないような病気にそうざらにお目にかかるはずもない。しかし,いまさら教科書を読むのも難儀なことである。できれば誰か,重症度の高いものと頻度の大きいものだけでもまとめてほしい。この本はそんな願いを実現した。おそらくこの本1冊で,見落としてはならないものと,頻繁に見かける皮膚粘膜病変を網羅していると思われる。
◆百聞は一見に如かず-特記すべき臨床カラー写真
本書の内容として,特記すべきは豊富なカラー写真である。皮膚や粘膜の病変は触覚も大事ではあるが,五感の中でも特に視覚に訴える力が大きい。一度見ておけば忘れない。「百聞は一見に如かず」の言葉どおりに,皮膚の所見や咽頭,扁桃の特徴をうまく捕らえている123枚ものカラー写真がそれを物語っている。
各疾患を説明している本文は,診察所見の特徴や治療のポイント,アドバイスなど臨床上の核心に的を絞った簡潔で短い文章表現が使われているので理解しやすい。病理組織などの基礎的なことは思い切って省かれたのであろうが,臨床的知識の整理であればこれで必要十分である。
巻末の「皮疹の鑑別のヒント」では,21枚の表と3つの図が,鑑別診断の提示とその区別を助けてくれる。皮疹を見て,ただちに必要な鑑別診断が頭に思い浮かばない私には重宝する。皮膚科が専門である方からみれば常識的なことばかりであろうが,子どもを診察する可能性がある皮膚科以外に医師には,必携の書である。
毎日の診療の場で活用してほしい1冊
書評者: 竹内 可尚 (川崎市立川崎病院長)
医学書院の〈総合診療ブックス〉シリーズの7冊目として,『こどもの皮疹・口内咽頭所見チェックガイド』が発刊された。6人の執筆者は,いずれも大学や基幹病院で,教育・研究・診療に永年従事してこられた知識と経験豊富な方々ばかりである。現在でも多忙な診療の中から得られる疑問や発見を,同士と討論を重ねながら活発に研鑽を積まれている。本書では,通常の教科書ではなかなか得られない重要なポイントが平易に語られている。
◆視診の重要性と病原診断
臨床で最も大切なことは診断能力である。医学は経験科学である。いかにたくさん書物を読み理屈を頭に入れていても,目の前の患者にそれを応用できなければ悲しいではないか。診たての優劣は医者勘が働くか否かにかかっている。その時重要なのは視診である。小児の感染症では,さまざまな発疹性疾患に遭遇する。小児の年月齢,季節,他の随伴症状等を総合して,皮疹・粘膜疹を鑑別することができれば,それはすなわち病原診断に直結する。
中でも見事な咽頭のカラー写真を示して,実際にその患者から分離同定された病原体について教えていただける書物はざらにはない。これこそリサーチマインドのお手本である。苦労して得たノウハウを,自分だけの秘密にしないで公開してくださったのである。病原診断することで,念のために処方されてきた抗生剤も,今後は不要となる例が増えてくるであろうし,患者に対する説明も歯切れのよいものとなって安心を与えることができる。毎日の診療の場で活用していただきたい。今後も病原診断のできた症例を,きれいなカラー写真で,次々と追補しながら版を重ねていってくださることを祈念してやまない。
診察室に置いて常に参考にしたい良書
書評者: 宮田 隆夫 (宮田医院)
本書はカラーアトラスで皮疹を紅斑,丘疹,水疱などの病変を種類別に,しかも外来で遭遇する頻度の高い順に配列してあり,アトラスは非常に鮮明でよくこんなにはっきりときれいに写せたと感心するばかりである。本文の解説でもはじめに同じアトラスがあるため,その皮疹を何度も見ることになり覚えやすい。さらに診察所見の特徴,検査所見,治療のポイント,アドバイスがあり,その疾患に対して非常に理解しやすい。
末尾には,一般医から寄せられた質問に対して小児科医がアドバイスするチェックガイドQ&Aがある。ここでは経験豊かな小児科医が子どもの皮疹,口内咽頭所見に対してその診かた,鑑別診断,治療などにおいて貴重なアドバイスが述べられており,われわれ小児科医にとっても非常に勉強になる。
付録としてラミネートカードがある。これには「ステロイド外用剤の選択,小児の軟膏処方量のめやす」があり,便利でいつも診察室に置いて参考にしたい良書である。
書評者: 崎山 弘 (崎山小児科)
子どもを診療する際に,皮疹や口内咽頭所見を診断の手がかりにする機会は非常に多い。特に皮疹は,親の目の前に見えている病変なので保護者の関心も高く,「これは何ですか」と説明を求められることもしばしばである。口内炎や扁桃腺炎の所見は専門的知識のない親の目にも明らかに認識できる。子どもを診察する医師ならば,「これは,手足口病です」などときっぱりと告げてみたいものである。
子どもの皮疹や口内咽頭所見はさまざまであるような気もするが,実際の疾患の種類はそれほど多いものではない。教科書にも出てこないような病気にそうざらにお目にかかるはずもない。しかし,いまさら教科書を読むのも難儀なことである。できれば誰か,重症度の高いものと頻度の大きいものだけでもまとめてほしい。この本はそんな願いを実現した。おそらくこの本1冊で,見落としてはならないものと,頻繁に見かける皮膚粘膜病変を網羅していると思われる。
◆百聞は一見に如かず-特記すべき臨床カラー写真
本書の内容として,特記すべきは豊富なカラー写真である。皮膚や粘膜の病変は触覚も大事ではあるが,五感の中でも特に視覚に訴える力が大きい。一度見ておけば忘れない。「百聞は一見に如かず」の言葉どおりに,皮膚の所見や咽頭,扁桃の特徴をうまく捕らえている123枚ものカラー写真がそれを物語っている。
各疾患を説明している本文は,診察所見の特徴や治療のポイント,アドバイスなど臨床上の核心に的を絞った簡潔で短い文章表現が使われているので理解しやすい。病理組織などの基礎的なことは思い切って省かれたのであろうが,臨床的知識の整理であればこれで必要十分である。
巻末の「皮疹の鑑別のヒント」では,21枚の表と3つの図が,鑑別診断の提示とその区別を助けてくれる。皮疹を見て,ただちに必要な鑑別診断が頭に思い浮かばない私には重宝する。皮膚科が専門である方からみれば常識的なことばかりであろうが,子どもを診察する可能性がある皮膚科以外に医師には,必携の書である。
毎日の診療の場で活用してほしい1冊
書評者: 竹内 可尚 (川崎市立川崎病院長)
医学書院の〈総合診療ブックス〉シリーズの7冊目として,『こどもの皮疹・口内咽頭所見チェックガイド』が発刊された。6人の執筆者は,いずれも大学や基幹病院で,教育・研究・診療に永年従事してこられた知識と経験豊富な方々ばかりである。現在でも多忙な診療の中から得られる疑問や発見を,同士と討論を重ねながら活発に研鑽を積まれている。本書では,通常の教科書ではなかなか得られない重要なポイントが平易に語られている。
◆視診の重要性と病原診断
臨床で最も大切なことは診断能力である。医学は経験科学である。いかにたくさん書物を読み理屈を頭に入れていても,目の前の患者にそれを応用できなければ悲しいではないか。診たての優劣は医者勘が働くか否かにかかっている。その時重要なのは視診である。小児の感染症では,さまざまな発疹性疾患に遭遇する。小児の年月齢,季節,他の随伴症状等を総合して,皮疹・粘膜疹を鑑別することができれば,それはすなわち病原診断に直結する。
中でも見事な咽頭のカラー写真を示して,実際にその患者から分離同定された病原体について教えていただける書物はざらにはない。これこそリサーチマインドのお手本である。苦労して得たノウハウを,自分だけの秘密にしないで公開してくださったのである。病原診断することで,念のために処方されてきた抗生剤も,今後は不要となる例が増えてくるであろうし,患者に対する説明も歯切れのよいものとなって安心を与えることができる。毎日の診療の場で活用していただきたい。今後も病原診断のできた症例を,きれいなカラー写真で,次々と追補しながら版を重ねていってくださることを祈念してやまない。
診察室に置いて常に参考にしたい良書
書評者: 宮田 隆夫 (宮田医院)
本書はカラーアトラスで皮疹を紅斑,丘疹,水疱などの病変を種類別に,しかも外来で遭遇する頻度の高い順に配列してあり,アトラスは非常に鮮明でよくこんなにはっきりときれいに写せたと感心するばかりである。本文の解説でもはじめに同じアトラスがあるため,その皮疹を何度も見ることになり覚えやすい。さらに診察所見の特徴,検査所見,治療のポイント,アドバイスがあり,その疾患に対して非常に理解しやすい。
末尾には,一般医から寄せられた質問に対して小児科医がアドバイスするチェックガイドQ&Aがある。ここでは経験豊かな小児科医が子どもの皮疹,口内咽頭所見に対してその診かた,鑑別診断,治療などにおいて貴重なアドバイスが述べられており,われわれ小児科医にとっても非常に勉強になる。
付録としてラミネートカードがある。これには「ステロイド外用剤の選択,小児の軟膏処方量のめやす」があり,便利でいつも診察室に置いて参考にしたい良書である。
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