周産期遺伝相談
最新遺伝学の基礎知識を,遺伝相談に視点を据えてエキスパートが解説
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ヒト遺伝子解析の急速な解明は、周産期における遺伝相談のニーズを増し、新たな問題を惹起している。臨床医として知っておかなければならない最新遺伝学の基礎知識と、遺伝相談における体制、倫理を具体的な実例をまじえて、それぞれのエキスパートが解説した。産科医はもとより、新生児、小児保健、医療に携わる全ての医師必読の書。
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I. 序説 産科医のための指針
II. 出生前診断の検査法
III. 胎児・新生児の異常
IV. 不妊症・両親の染色体異常
V. 遺伝相談の体制と技法
VI. 遺伝相談困難例
VII. 遺伝子診断と遺伝相談の倫理
II. 出生前診断の検査法
III. 胎児・新生児の異常
IV. 不妊症・両親の染色体異常
V. 遺伝相談の体制と技法
VI. 遺伝相談困難例
VII. 遺伝子診断と遺伝相談の倫理
書評
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周産期臨床での遺伝の問題への貴重なアドバイス
書評者: 三橋 直樹 (順大伊豆長岡病院教授・産婦人科学)
産婦人科の臨床に携わっていると,毎日さまざまな問題に遭遇する。特に大学病院では遺伝に関する相談,妊娠中の薬剤に関する相談,妊娠中の感染症に関する相談が多い。大部分はその場で説明が可能なことであるが,まったく経験のない症例にあたり,患者さんに1週間程度待ってもらって,文献の検索など行なわねばならない例もしばしば経験する。
◆臨床で必要な問題を網羅
遺伝に関する相談が難しいのは,1つはその疾患に関する確実な知識を持っていなければならないことである。本書の最初に取り上げられているNuchal translucencyに関しても,それが胎児の染色体異常とどのような関連を持っているかの知識がなければ,患者さんに説明のしようがない。また習慣流産で染色体異常がみつかっても,今後の妊娠の予後について説明できなくては,患者さんは納得してくれない。そのような意味で,神崎教授らの編集による本書は,産婦人科の臨床で知っておくべき遺伝の知識がきわめてコンパクトにまとめられており,非常に実用性の高い書物である。従来の遺伝に関する本はややもすると症候群の羅列になってしまい,とても読み通すことなどできないものが多かった。しかし本書は200頁強の中に,臨床で必要な問題がほとんど網羅されているため,とりあえず通読することで最先端の知識を頭に入れておくことができる。
遺伝に関する相談が難しいもう1つの理由は,疾患に関することを患者さんやその家族に理解させるのが困難だからである。奇形とか染色体異常といった語句は,一般にはきわめて刺激的な言葉であり,下手な説明ではなかなか問題の本質を理解してもらえない。さらに,説明する側に問題を一緒に解決しようという姿勢がないと,知識ばかりでは患者さんの真の納得は得られない。その点でも本書は,遺伝の問題での倫理的な側面も取り上げられており,臨床での貴重なアドバイスが得られると確信している。
日本でも芽生えはじめた遺伝医療の包括的取組みの本
書評者: 工藤 隆一 (札幌医大教授・産婦人科学)
周産期遺伝相談の専門家ではない私が一気に本書を読んだ。神崎秀陽,玉置知子編集の『周産期遺伝相談』である。読了してこれが,「目から鱗が落ちた」ということなのかなと思った。
日本の周産期遺伝相談のシステムや専門医の数は,欧米から比較するとかなり遅れていることは,従来から指摘されてきたが,本書の中に掲載されている信州大学遺伝子診療部のように,軌道にのっている例を取りあげ,遺伝医療の包括的取り組みが,日本でも芽生えはじめたことはうれしく思う。現在,一般の産婦人科医の大部分は「高齢妊婦におけるダウン症の年齢別の発生率を知っている」あるいは,「出産時に奇形があれば小児科等の他科へ紹介すればよい」と見られがちである。しかし,日常臨床の場で,現在の周産期遺伝相談は,出生前診断も含め,的確に患者へ情報を提供しなくてはならないことが認識させられた。
◆「やる気が出る」遺伝相談
当教室においても,近年の情報化社会の変化や高齢妊婦の増加に対応すべく,希望する妊婦に対して,羊水細胞や絨毛による胎児染色体検査や筋ジストロフィーの遺伝子診断を十分なインフォームド・コンセント後に行なっているが,今やWilliams症候群のように,それほど稀ではない疾患をはじめとした心血管系構造異常やQT延長症候群等の心筋伝導障害など,これほど多くの遺伝子診断ができるとは正直驚いた。倫理的側面を十分配慮し,今後当科で取り入れていかなくてはならないものは取り入れていく考えである。
本書はわずか200頁強の本で,すでに発行済みの同様な内容の書物からみると,内容的には現在の情報化社会では,クライアントの多様なニーズに対応するには,不十分ではないかと思われがちだが,一般の産婦人科医が日常臨床にあたる際,本書は出生前診断における超音波診断も取り入れ,多様な遺伝カウンセリングに必要な知識が十二分に提示されている。しかし,妊娠20週までの出生前診断で,triple markerを取り入れ評価することが,より効果的であるとされている反面,昨年の「母体血清マーカー検査に関する見解」についての報告書の見解を具体的にどのように判断して診療にあたるのかが問題点である。
最後に,執筆者の諸氏は,みな周産期の遺伝関連の第一人者であると同時に,日常多くの患者を診療されている方々である。本書は,各執筆者が,自分の考えを優先させて,評論されることなく,あくまで客観的立場にたって執筆されている。出生前診断やそれに伴う遺伝相談は,常に倫理的側面を背負って診療にあたっている産婦人科が,このような医療技術の進歩を「模範」とするか「警鐘」と判断するかは自由である。だが,少なくともこの本を読んで「やる気が出る」ことは間違いない。また,興味ある人間には購読を勧めたいと思う。
ゲノム時代に見事に応えた遺伝相談に関する内容
書評者: 荻田 幸雄 (阪市大教授・産婦人科学)
◆外来でも求められる出生前診断情報
近年,ヒトゲノム解析が進み,これをマスコミが詳しく取りあげたことも手伝って,医学関係者だけではなく一般にも遺伝子という概念が深く浸透してきた。あらゆる疾患,あらゆる体質が,出生以前に遺伝的に全て決定されているという錯覚すら抱いてしまいそうな時代となった。これに伴なって,産婦人科外来においても出生前診断に関する情報を患者から求められることが以前にもまして頻繁になってきたと言える。患者自身がかなりの知識をすでに有している場合もしばしばであり,遺伝学や出生前診断は,産婦人科医師が日頃から十分に身につけておくべき分野の1つとなっている。
◆随所に言及されている患者への対応
本書は,このような時代的要求に実に見事に応えた内容を有していると言える。従来の遺伝相談は,家系的にすでにハイリスクであることが明らかな患者群がその対象の大部分を占めていた。これらの患者に対しては,羊水穿刺や絨毛採取によって染色体や疾患関連遺伝子が専門家によって解析されるが,本書では各先天性疾患についての診断方法や,その限界,予後のみならず,患者への実際の対応について随所に言及されている。一方,最近ではまったく低リスクの患者からも,漠然とした不安から胎児異常についての検討を求められることがある。こういったすべての患者を対象に侵襲的な検査を安易に施行することは事実上不可能である。そこで,本書では染色体異常の超音波検査によるスクリーニング的検出についても具体的かつ詳細に述べられている。また,IVF-ETやICSIなど生殖補助技術の進歩と普及に伴って,倫理的な問題が多々包含される反面,わが国においても着床前診断に対する要望が高まりつつあると考えられるが,これについてもその方法のみならず,問題点についても触れられている。
巻末には,実際に遺伝相談専門外来を担ってきた2病院の遺伝相談に対する考え方や現状についても詳しく触れられている。本書は遺伝相談専門を志す医師のみならず,不妊症や産科外来担当医師にとっても有用かつ最新の内容が十分に含まれており,ぜひ手元に備えられることをお薦めする1冊である。
周産期医療に必要な遺伝学の知識を1冊に
書評者: 瓦林 達比古 (福岡大教授・産婦人科学)
一般産科臨床の中で,超音波機器の急速な発達と普及によって,胎児各臓器の形態診断のみならず,機能診断までが広範囲に行なわれるようになりましたが,さらに多くの胎児情報を得るための検体に関しましても,羊水,絨毛,胎児尿や胎児胸・腹水だけではなく,臍帯血管穿刺による胎児血採取も可能になりました。さらに,不妊症治療としての体外受精・胚移植や顕微授精などの生殖補助医療技術の進歩も著しく,受精卵の一部を検体とすることも可能になっています。
◆現場の医師に要求される見識
一方では,世界中でヒトの遺伝子解析が急速に進められることによって,多くの疾患の遺伝子異常や遺伝的背景が明らかにされ,遺伝医療情報そのものが医療関係者のみならず,一般の人々にも大変身近なものになってきました。その結果として,遺伝子異常を含む胎児異常の出生前診断精度もさらに高まり,その中で胎児治療の可能な疾患も類別できるようになってきています。
このような周産期医療全体の変革の中で,臨床の現場で働く1人ひとりの医師にも正確な遺伝学の知識と倫理学や哲学に立脚した高い見識が,ますます要求されるようになってきました。ところがそれらを学習するに当たって,現在までわが国においては,研修医から専門医およびコメディカルスタッフにまですべての医療従事者にわたって理解できる,最新の情報を網羅したわかりやすい解説書は見当たりませんでした。
◆外来・病棟ですぐに役立つ
そういう意味で,今回出版された本書は時宜にかなったものであり,わが国の現状に則した検査法やその評価,着床前診断を含めた胎児や新生児の異常,不妊症に関係する両親の染色体異常,実例提示を含む遺伝相談の体制や技法などを,わが国の社会的かつ倫理的背景を重視した立場から丁寧に解説されており,外来または病棟で今すぐ役に立つ,待ち望まれていた実用的な良書です。
さらに,巻末には遺伝関連資料や遺伝子診断施設のインターネット検索のためのホームページ一覧まで添付されており,周産期医療に携わるすべての人たちの必読書として,また座右の書として推薦できるものです。一読されることをお勧めいたします。
書評者: 三橋 直樹 (順大伊豆長岡病院教授・産婦人科学)
産婦人科の臨床に携わっていると,毎日さまざまな問題に遭遇する。特に大学病院では遺伝に関する相談,妊娠中の薬剤に関する相談,妊娠中の感染症に関する相談が多い。大部分はその場で説明が可能なことであるが,まったく経験のない症例にあたり,患者さんに1週間程度待ってもらって,文献の検索など行なわねばならない例もしばしば経験する。
◆臨床で必要な問題を網羅
遺伝に関する相談が難しいのは,1つはその疾患に関する確実な知識を持っていなければならないことである。本書の最初に取り上げられているNuchal translucencyに関しても,それが胎児の染色体異常とどのような関連を持っているかの知識がなければ,患者さんに説明のしようがない。また習慣流産で染色体異常がみつかっても,今後の妊娠の予後について説明できなくては,患者さんは納得してくれない。そのような意味で,神崎教授らの編集による本書は,産婦人科の臨床で知っておくべき遺伝の知識がきわめてコンパクトにまとめられており,非常に実用性の高い書物である。従来の遺伝に関する本はややもすると症候群の羅列になってしまい,とても読み通すことなどできないものが多かった。しかし本書は200頁強の中に,臨床で必要な問題がほとんど網羅されているため,とりあえず通読することで最先端の知識を頭に入れておくことができる。
遺伝に関する相談が難しいもう1つの理由は,疾患に関することを患者さんやその家族に理解させるのが困難だからである。奇形とか染色体異常といった語句は,一般にはきわめて刺激的な言葉であり,下手な説明ではなかなか問題の本質を理解してもらえない。さらに,説明する側に問題を一緒に解決しようという姿勢がないと,知識ばかりでは患者さんの真の納得は得られない。その点でも本書は,遺伝の問題での倫理的な側面も取り上げられており,臨床での貴重なアドバイスが得られると確信している。
日本でも芽生えはじめた遺伝医療の包括的取組みの本
書評者: 工藤 隆一 (札幌医大教授・産婦人科学)
周産期遺伝相談の専門家ではない私が一気に本書を読んだ。神崎秀陽,玉置知子編集の『周産期遺伝相談』である。読了してこれが,「目から鱗が落ちた」ということなのかなと思った。
日本の周産期遺伝相談のシステムや専門医の数は,欧米から比較するとかなり遅れていることは,従来から指摘されてきたが,本書の中に掲載されている信州大学遺伝子診療部のように,軌道にのっている例を取りあげ,遺伝医療の包括的取り組みが,日本でも芽生えはじめたことはうれしく思う。現在,一般の産婦人科医の大部分は「高齢妊婦におけるダウン症の年齢別の発生率を知っている」あるいは,「出産時に奇形があれば小児科等の他科へ紹介すればよい」と見られがちである。しかし,日常臨床の場で,現在の周産期遺伝相談は,出生前診断も含め,的確に患者へ情報を提供しなくてはならないことが認識させられた。
◆「やる気が出る」遺伝相談
当教室においても,近年の情報化社会の変化や高齢妊婦の増加に対応すべく,希望する妊婦に対して,羊水細胞や絨毛による胎児染色体検査や筋ジストロフィーの遺伝子診断を十分なインフォームド・コンセント後に行なっているが,今やWilliams症候群のように,それほど稀ではない疾患をはじめとした心血管系構造異常やQT延長症候群等の心筋伝導障害など,これほど多くの遺伝子診断ができるとは正直驚いた。倫理的側面を十分配慮し,今後当科で取り入れていかなくてはならないものは取り入れていく考えである。
本書はわずか200頁強の本で,すでに発行済みの同様な内容の書物からみると,内容的には現在の情報化社会では,クライアントの多様なニーズに対応するには,不十分ではないかと思われがちだが,一般の産婦人科医が日常臨床にあたる際,本書は出生前診断における超音波診断も取り入れ,多様な遺伝カウンセリングに必要な知識が十二分に提示されている。しかし,妊娠20週までの出生前診断で,triple markerを取り入れ評価することが,より効果的であるとされている反面,昨年の「母体血清マーカー検査に関する見解」についての報告書の見解を具体的にどのように判断して診療にあたるのかが問題点である。
最後に,執筆者の諸氏は,みな周産期の遺伝関連の第一人者であると同時に,日常多くの患者を診療されている方々である。本書は,各執筆者が,自分の考えを優先させて,評論されることなく,あくまで客観的立場にたって執筆されている。出生前診断やそれに伴う遺伝相談は,常に倫理的側面を背負って診療にあたっている産婦人科が,このような医療技術の進歩を「模範」とするか「警鐘」と判断するかは自由である。だが,少なくともこの本を読んで「やる気が出る」ことは間違いない。また,興味ある人間には購読を勧めたいと思う。
ゲノム時代に見事に応えた遺伝相談に関する内容
書評者: 荻田 幸雄 (阪市大教授・産婦人科学)
◆外来でも求められる出生前診断情報
近年,ヒトゲノム解析が進み,これをマスコミが詳しく取りあげたことも手伝って,医学関係者だけではなく一般にも遺伝子という概念が深く浸透してきた。あらゆる疾患,あらゆる体質が,出生以前に遺伝的に全て決定されているという錯覚すら抱いてしまいそうな時代となった。これに伴なって,産婦人科外来においても出生前診断に関する情報を患者から求められることが以前にもまして頻繁になってきたと言える。患者自身がかなりの知識をすでに有している場合もしばしばであり,遺伝学や出生前診断は,産婦人科医師が日頃から十分に身につけておくべき分野の1つとなっている。
◆随所に言及されている患者への対応
本書は,このような時代的要求に実に見事に応えた内容を有していると言える。従来の遺伝相談は,家系的にすでにハイリスクであることが明らかな患者群がその対象の大部分を占めていた。これらの患者に対しては,羊水穿刺や絨毛採取によって染色体や疾患関連遺伝子が専門家によって解析されるが,本書では各先天性疾患についての診断方法や,その限界,予後のみならず,患者への実際の対応について随所に言及されている。一方,最近ではまったく低リスクの患者からも,漠然とした不安から胎児異常についての検討を求められることがある。こういったすべての患者を対象に侵襲的な検査を安易に施行することは事実上不可能である。そこで,本書では染色体異常の超音波検査によるスクリーニング的検出についても具体的かつ詳細に述べられている。また,IVF-ETやICSIなど生殖補助技術の進歩と普及に伴って,倫理的な問題が多々包含される反面,わが国においても着床前診断に対する要望が高まりつつあると考えられるが,これについてもその方法のみならず,問題点についても触れられている。
巻末には,実際に遺伝相談専門外来を担ってきた2病院の遺伝相談に対する考え方や現状についても詳しく触れられている。本書は遺伝相談専門を志す医師のみならず,不妊症や産科外来担当医師にとっても有用かつ最新の内容が十分に含まれており,ぜひ手元に備えられることをお薦めする1冊である。
周産期医療に必要な遺伝学の知識を1冊に
書評者: 瓦林 達比古 (福岡大教授・産婦人科学)
一般産科臨床の中で,超音波機器の急速な発達と普及によって,胎児各臓器の形態診断のみならず,機能診断までが広範囲に行なわれるようになりましたが,さらに多くの胎児情報を得るための検体に関しましても,羊水,絨毛,胎児尿や胎児胸・腹水だけではなく,臍帯血管穿刺による胎児血採取も可能になりました。さらに,不妊症治療としての体外受精・胚移植や顕微授精などの生殖補助医療技術の進歩も著しく,受精卵の一部を検体とすることも可能になっています。
◆現場の医師に要求される見識
一方では,世界中でヒトの遺伝子解析が急速に進められることによって,多くの疾患の遺伝子異常や遺伝的背景が明らかにされ,遺伝医療情報そのものが医療関係者のみならず,一般の人々にも大変身近なものになってきました。その結果として,遺伝子異常を含む胎児異常の出生前診断精度もさらに高まり,その中で胎児治療の可能な疾患も類別できるようになってきています。
このような周産期医療全体の変革の中で,臨床の現場で働く1人ひとりの医師にも正確な遺伝学の知識と倫理学や哲学に立脚した高い見識が,ますます要求されるようになってきました。ところがそれらを学習するに当たって,現在までわが国においては,研修医から専門医およびコメディカルスタッフにまですべての医療従事者にわたって理解できる,最新の情報を網羅したわかりやすい解説書は見当たりませんでした。
◆外来・病棟ですぐに役立つ
そういう意味で,今回出版された本書は時宜にかなったものであり,わが国の現状に則した検査法やその評価,着床前診断を含めた胎児や新生児の異常,不妊症に関係する両親の染色体異常,実例提示を含む遺伝相談の体制や技法などを,わが国の社会的かつ倫理的背景を重視した立場から丁寧に解説されており,外来または病棟で今すぐ役に立つ,待ち望まれていた実用的な良書です。
さらに,巻末には遺伝関連資料や遺伝子診断施設のインターネット検索のためのホームページ一覧まで添付されており,周産期医療に携わるすべての人たちの必読書として,また座右の書として推薦できるものです。一読されることをお勧めいたします。
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