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訪問看護ステーションのマネジメント A to Z

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訪問看護ステーションが伸び悩んでいる。マネジメント上の問題を抱えている管理者が少なくないのもその一因かもしれない。管理・経営上のキーワードであるAからZまでの26項目を,この制度の発足に深くかかわった著者がわかりやすく丹念に解説。雑誌『訪問看護と介護』の連載が新生し,ステーション管理者必携の指南書がここに蘇る。
小山 秀夫
発行 2004年04月判型:A5頁:188
ISBN 978-4-260-33335-1
定価 2,750円 (本体2,500円+税)
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  • 目次
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Administration ステーションの運営管理
Business ステーションの経営
Client ステーションの利用者
Demand ステーションの需要
Ethics ステーションの倫理
Financial Management ステーションの財務管理
Grievance Management ステーションの苦情処理
Home Helper ステーションとホームヘルパー
Image Gap ステーションのイメージ・ギャップ
Jurisprudence ステーションの法律学
Know-how ステーションのノウ・ハウ
Leadership ステーションのリーダーシップ
Marketing ステーションのマーケティング
Non-price competition ステーションの非価格競争
Organization ステーションの組織
Process Benchmarking ステーションのプロセス・ベンチマーキング
Quality Assurance/Quality Certification System ステーションの品質保証
Relationship ステーション間の関係
Strategy ステーションの戦略的経営
Target ステーションの目標
User Management ステーションの利用者管理
Venture Business ステーションのベンチャービジネス
Work Rule ステーションの職場慣行
X Day ステーションの転換日
YAHOO ステーションの情報検索
Zigzag ステーションの試行錯誤
さくいん

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切れ味のよい論理でステーション発展の方向性を示す
書評者: 湯沢 八江 (国際医療福祉大学大学院)
 この本の著者,小山秀夫氏の話を聞いたことがありますか? 具体的事象とそれを裏付ける理論展開,的を射た,切り口鋭いプレゼンテーションは,聞き手に活力を与えてくれます。この本はそのような著者の魅力が満載の一冊です。

 訪問看護ステーションは,今でこそしっかりと制度の中に定着していますが,ここに達するまでには看護職の努力だけでなく,他領域の専門家や医師,行政担当者など,多くの人の支援と熱意がありました。著者は訪問看護という制度を立ち上げ,定着させるために最前線で尽力してきた国立機関の研究者です。

 本書は表題のとおり,訪問看護ステーションを経営していく上での基本的知識と発展のための方向性が見えるように構成され,訪問看護ステーションのマネジメントの現状と課題が,経営科学的視点で明瞭に分析されています。

 ステーションが制度の中で定着した今は,次の競争が始まっているとして,その中で経営体として生き残っていく戦略についても具体的方策を述べています。顧客の創造が在宅ケアをさらに進める,というメッセージを送る著者は,「ステーションの顧客はだれなのか」と問いかけています。ここでは訪問看護者が陥りがちな狭い視野を経営学的視点から分析し直して,顧客創造への根拠を与えます。

 訪問看護ステーションマネジメントの方策は,こうして潜在需要測定の行動提案まで,著者独特の明確な現状分析と切れ味のよい論理で展開されており,読むだけでなく,ぜひ多くの関係者に実行してもらいたい内容となっています。

 また,本書は現在訪問看護ステーションに関わっている人だけでなく,看護師としての方向性に迷いがある人,キャリア開発に興味がある人にもお薦めです。なぜなら,訪問看護ステーションは,単に医師からの要請だけではなく,社会的なニーズに基づいて,多くの人の支援によって制度が作られ,これからも業務の拡大や質の向上など発展的な要素を内包させているからです。

 訪問看護ステーションで働くことは,病院で働くより多くの可能性を看護職に与えてくれます。それは同時に新しい試練も要求してきます。訪問看護はチャレンジ精神のある看護職が看護の醍醐味を感じる場として,今後さらに発展できる可能性を秘めた魅力ある分野であることを,読む者に気づかせてくれます。

 さらに,経営学に興味を持つ看護職にも本書はお薦めです。評者は現在看護系大学院で院生の指導にあたっていますが,最近は経営に興味を持つ学生が増えてきていると実感しています。しかし残念なことに,流行する経営用語だけに振り回されている学生も少なくありません。

 著者は一般企業で生まれた経営科学の知識を保健医療分野に応用する場合の手法や成果の可能性について,国際的な視野で調査研究を続けている医療経営学の研究者ですから,国際的に通用する理論をわかりやすく解釈し,課題事象を評価しています。読者は,多くの示唆を本書から得ながら読み進めることができるでしょう。

(『訪問看護と介護』Vol. 9 No. 12より)

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