内科レジデント治療マニュアル
総合診療としての一般外来で必要なノウハウを分かりやすく解説
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総合診療としての一般外来で必要なノウハウを分かりやすく説明し、内科診療の能力を高める本格的マニュアル。レジデント教育で定評のある東京都済生会中央病院のスタッフが一丸となって、その総力を結集した内容になっている。EBM(Evidence-based Medicine)に準拠して、適切な診断、治療、ケアから予後、専門医への照会などの実際が簡潔に示されている。
シリーズ | レジデントマニュアル |
---|---|
編集 | 北原 光夫 / 渥美 義仁 / 高木 誠 |
発行 | 2001年05月判型:A5変頁:704 |
ISBN | 978-4-260-11973-3 |
定価 | 7,480円 (本体6,800円+税) |
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- 書評
目次
開く
1. 内科治療総論と関連領域
2. 感染症
3. 集中治療
4. 循環器疾患
5. 呼吸器疾患
6. 消化器疾患
7. 神経疾患
8. 内分泌・代謝疾患
9. 腎・尿路疾患
10. 水・電解質、酸塩基平衡の異常
11. 血液疾患
12. リウマチ性疾患
13. 悪性腫瘍
2. 感染症
3. 集中治療
4. 循環器疾患
5. 呼吸器疾患
6. 消化器疾患
7. 神経疾患
8. 内分泌・代謝疾患
9. 腎・尿路疾患
10. 水・電解質、酸塩基平衡の異常
11. 血液疾患
12. リウマチ性疾患
13. 悪性腫瘍
書評
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臨床エキスパートのノウハウとコツが醸し出される
書評者: 齋藤 宣彦 (聖マリアンナ医大教授・内科学)
手元に同じくらいの大きさの『診断マニュアル』,『研修マニュアル』,『レジデントマニュアル』,『診療ガイド』等々似たような本が何冊かある。
なぜ類書を沢山買い込んであるかというと,もちろん時代に遅れないようにしなければという個人的な強迫観念もあるが,初期臨床研修や卒前のクリニカルクラークシップで,どこまで必要なのかを確認するのに,この種の書物はきわめて役に立つからである。それは,これらの書物はどれも,それぞれの執筆者がエビデンスと自身の臨床経験とに照らして,膨大な教科書や文献の中からコアとなる部分を苦労して抽出してくれた結果が示されていることによる。
確かにどの書も書名の似たものが多い。しかしよく見ると,治療と銘打って方向づけをしているものは少ない。これまでの多くの書は診断に焦点を合わせ,治療方針は概略を述べるにとどまっていた。近年になって,治療にまで踏み込んだハンドブックがいくつか出版されてきた。本書もその1つである。
治療に焦点を合わせた場合,多くの内科疾患についての治療指針を1冊にまとめると,枕にするのにちょうどよいくらい膨大な大きさの書物になってしまう。それはそれ,確認用として書架に置くか,CD-ROM版を備えて置くか,いずれにしてもあると重宝ではある。しかし,ポケッタブルな書として持ち歩いていて実践の場で治療指針を思い起こし,治療薬のうちの代表的なものの市販名まで確かめるという時には本書が役に立つ。
◆発揮された編集者の日頃の臨床経験と見識
治療マニュアルを組み立てる時の難しさは,その内容を病態解説と臨床薬理学とに終始させると実践的ではなくなるし,かといって治療薬の方向に向き過ぎると薬の解説書になってしまうことである。そのバランス感覚を養うのは,編集者の日頃の臨床経験である。さらに,数ある疾患や病態をどのように整理してまとめていくか,これも編集者の見識のみせどころで,この種の書物を作ろうという時,教科書の目次を参考に拾っていこうとすると,あれも必要,これも収載,ということになって,結局収集がつかなくなる。そこで発揮されるのが編集者の臨床経験から醸し出されたノウハウであり,コツなのである。
◆卒前にも有用な1冊
以上の観点から本書を見ると,編集者の3人が,きわめて多くの臨床経験を有する人々であることは,この方々を知らない人々でも,臨床の道を歩み始めた人にはわかるはずである。そのとおり,この3人の編集者は,いずれもよく知られた臨床のエキスパートとして,つとに名高い。本書の読者対象を卒後のレジデントに絞る必要はまったくない。医師国家試験でも,病態治療の知識を要求する問題が増大しつつあるのは周知のとおり。卒前のクリニカルクラークシップにも有用な書の1冊である。
書評者: 齋藤 宣彦 (聖マリアンナ医大教授・内科学)
手元に同じくらいの大きさの『診断マニュアル』,『研修マニュアル』,『レジデントマニュアル』,『診療ガイド』等々似たような本が何冊かある。
なぜ類書を沢山買い込んであるかというと,もちろん時代に遅れないようにしなければという個人的な強迫観念もあるが,初期臨床研修や卒前のクリニカルクラークシップで,どこまで必要なのかを確認するのに,この種の書物はきわめて役に立つからである。それは,これらの書物はどれも,それぞれの執筆者がエビデンスと自身の臨床経験とに照らして,膨大な教科書や文献の中からコアとなる部分を苦労して抽出してくれた結果が示されていることによる。
確かにどの書も書名の似たものが多い。しかしよく見ると,治療と銘打って方向づけをしているものは少ない。これまでの多くの書は診断に焦点を合わせ,治療方針は概略を述べるにとどまっていた。近年になって,治療にまで踏み込んだハンドブックがいくつか出版されてきた。本書もその1つである。
治療に焦点を合わせた場合,多くの内科疾患についての治療指針を1冊にまとめると,枕にするのにちょうどよいくらい膨大な大きさの書物になってしまう。それはそれ,確認用として書架に置くか,CD-ROM版を備えて置くか,いずれにしてもあると重宝ではある。しかし,ポケッタブルな書として持ち歩いていて実践の場で治療指針を思い起こし,治療薬のうちの代表的なものの市販名まで確かめるという時には本書が役に立つ。
◆発揮された編集者の日頃の臨床経験と見識
治療マニュアルを組み立てる時の難しさは,その内容を病態解説と臨床薬理学とに終始させると実践的ではなくなるし,かといって治療薬の方向に向き過ぎると薬の解説書になってしまうことである。そのバランス感覚を養うのは,編集者の日頃の臨床経験である。さらに,数ある疾患や病態をどのように整理してまとめていくか,これも編集者の見識のみせどころで,この種の書物を作ろうという時,教科書の目次を参考に拾っていこうとすると,あれも必要,これも収載,ということになって,結局収集がつかなくなる。そこで発揮されるのが編集者の臨床経験から醸し出されたノウハウであり,コツなのである。
◆卒前にも有用な1冊
以上の観点から本書を見ると,編集者の3人が,きわめて多くの臨床経験を有する人々であることは,この方々を知らない人々でも,臨床の道を歩み始めた人にはわかるはずである。そのとおり,この3人の編集者は,いずれもよく知られた臨床のエキスパートとして,つとに名高い。本書の読者対象を卒後のレジデントに絞る必要はまったくない。医師国家試験でも,病態治療の知識を要求する問題が増大しつつあるのは周知のとおり。卒前のクリニカルクラークシップにも有用な書の1冊である。
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