心身医学標準テキスト 第3版
心身医学のスタンダードテキスト、待望の改訂
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わが国随一の歴史と伝統を誇る九州大学心療内科のスタッフ、およびその出身者を中心に執筆された、心身医学のスタンダードテキスト。7年ぶりの改訂にあたり、最新の知見と治療法を新項目として増補した。心身医学を学ぶ医学生はもとより、心療内科の日常診療、さらには今後の研究にまで役立つ、関係者必携の書。
編集 | 久保 千春 |
---|---|
発行 | 2009年10月判型:B5頁:392 |
ISBN | 978-4-260-00443-5 |
定価 | 10,120円 (本体9,200円+税) |
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- 目次
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序文
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第3版序
医学の進歩や変化は急速であり,それにあわせて改訂する必要に迫られ,このたび,「心身医学標準テキスト」を7年ぶりに大幅に改訂し,第3版を出版することになった。本書は,心身医学総論,基礎,検査,心身症各論,心身医学的治療法について幅広く全体を網羅している。今回の改訂では近年の心身医学の進歩を取り入れ,大変充実した内容となっている。執筆者は,今回も九州大学心療内科のスタッフと教室出身の方々が中心である。
1959年に精神身体医学会が設立され,1961年に精神身体医学教室が日本で最初に九州大学に創設され,本年50周年記念式典を開催した。その創立50周年に本書を新しく改訂して出版できることは喜ばしいことである。
21世紀に増加する病気としては,生活習慣病,老年病,ストレス病がある。これらの病気の診療には,生理・心理・社会的側面から総合的に診ていく心身医学が必要と思われる。本書はそのような日常診療に役立つ内容となっている。心身医学を専門とする人のみならず,プライマリケア,リハビリテーション,緩和医療,老年医学などの日常診療,および学生の教育,さらには今後の研究などに利用していただければ幸いである。
本書の出版にあたっては執筆者各位,医学書院の方に大変お世話になりました。感謝申し上げます。
2009年8月
久保千春
医学の進歩や変化は急速であり,それにあわせて改訂する必要に迫られ,このたび,「心身医学標準テキスト」を7年ぶりに大幅に改訂し,第3版を出版することになった。本書は,心身医学総論,基礎,検査,心身症各論,心身医学的治療法について幅広く全体を網羅している。今回の改訂では近年の心身医学の進歩を取り入れ,大変充実した内容となっている。執筆者は,今回も九州大学心療内科のスタッフと教室出身の方々が中心である。
1959年に精神身体医学会が設立され,1961年に精神身体医学教室が日本で最初に九州大学に創設され,本年50周年記念式典を開催した。その創立50周年に本書を新しく改訂して出版できることは喜ばしいことである。
21世紀に増加する病気としては,生活習慣病,老年病,ストレス病がある。これらの病気の診療には,生理・心理・社会的側面から総合的に診ていく心身医学が必要と思われる。本書はそのような日常診療に役立つ内容となっている。心身医学を専門とする人のみならず,プライマリケア,リハビリテーション,緩和医療,老年医学などの日常診療,および学生の教育,さらには今後の研究などに利用していただければ幸いである。
本書の出版にあたっては執筆者各位,医学書院の方に大変お世話になりました。感謝申し上げます。
2009年8月
久保千春
目次
開く
序
目次
I 心身医学総論
1 心身医学とは
2 心身医学の歴史
3 東西の心身医学の統合
4 心身医療研修システム
II 心身医学の基礎
1 ストレスの概念と歴史
2 ストレスと脳
3 情動のしくみ
4 ストレスと神経・内分泌・免疫
5 ストレスと身体反応
6 学習理論-行動の原理
7 精神力動論
III 心身医学的診断と検査
1 心身症の診断
2 インテーク面接
3 心理テスト
4 精神生理学的検査法
5 血液生化学検査
IV 心身症各論
1 循環器系の心身症
2 消化器系の心身症
3 呼吸器・アレルギー系の心身症
4 神経・筋肉系の心身症
5 内分泌・代謝系の心身症
6 摂食障害
7 疼痛性障害
8 小児期の心身症
9 思春期の心身症
10 中年期・更年期の心身症
11 老年期の心身症
12 女性心身医学
13 サイコオンコロジー
14 産業心身医学
V 心身医学的治療法
1 心身症の治療-総論-
2 薬物治療:向精神薬の使い方
3 心理療法
3-1 カウンセリング
3-2 自律訓練法
3-3 交流分析・ゲシュタルト療法
3-4 行動療法
3-5 認知行動療法
3-6 精神分析的療法
3-7 家族療法
3-8 ブリーフセラピー
3-9 バイオフィードバック療法
3-10 芸術療法
3-11 絶食療法
3-12 森田療法
3-13 内観療法
3-14 ヨガ,気功
3-15 最近の心理療法-PRISM
4 心身症の看護
索引
目次
I 心身医学総論
1 心身医学とは
2 心身医学の歴史
3 東西の心身医学の統合
4 心身医療研修システム
II 心身医学の基礎
1 ストレスの概念と歴史
2 ストレスと脳
3 情動のしくみ
4 ストレスと神経・内分泌・免疫
5 ストレスと身体反応
6 学習理論-行動の原理
7 精神力動論
III 心身医学的診断と検査
1 心身症の診断
2 インテーク面接
3 心理テスト
4 精神生理学的検査法
5 血液生化学検査
IV 心身症各論
1 循環器系の心身症
2 消化器系の心身症
3 呼吸器・アレルギー系の心身症
4 神経・筋肉系の心身症
5 内分泌・代謝系の心身症
6 摂食障害
7 疼痛性障害
8 小児期の心身症
9 思春期の心身症
10 中年期・更年期の心身症
11 老年期の心身症
12 女性心身医学
13 サイコオンコロジー
14 産業心身医学
V 心身医学的治療法
1 心身症の治療-総論-
2 薬物治療:向精神薬の使い方
3 心理療法
3-1 カウンセリング
3-2 自律訓練法
3-3 交流分析・ゲシュタルト療法
3-4 行動療法
3-5 認知行動療法
3-6 精神分析的療法
3-7 家族療法
3-8 ブリーフセラピー
3-9 バイオフィードバック療法
3-10 芸術療法
3-11 絶食療法
3-12 森田療法
3-13 内観療法
3-14 ヨガ,気功
3-15 最近の心理療法-PRISM
4 心身症の看護
索引
書評
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歴史と伝統に裏打ちされ,かつ最新の知識を網羅した教科書
書評者: 樋口 輝彦 (国立精神・神経センター総長)
「心身医学標準テキスト」が7年ぶりに改訂された。本書の初版は1996年に出版されたが,そのオリジンは1968年に遡る。わが国初の心療内科が1963年に九州大学医学部に設立されたことは誰もが知るところであるが,同時に心身医学の教育も開始された。その講義に使用するための「心身医学・心療内科オリエンテーション・レクチュア」が1968年に発行されたのであり,本書の原型をここに見ることができる。この講義用の冊子が基になり,1996年に全面改訂されたのが「心身医学標準テキスト 初版」であった。
本書の特徴はその執筆陣にある。初版以来,執筆者は九州大学心療内科のスタッフと教室出身者で構成されている。このような一教室に限定した執筆陣で構成された教科書は大変めずらしい。多くは販売のことも考慮して,多くの大学や医療機関を巻き込むかたちで執筆者が構成される。しかし,本書の場合は,先に述べたようにわが国の心療内科の老舗とも言える九大心療内科が日本の心身医学の教育をリードしてきた歴史と,今日においても全国でその出身者が指導的立場で活躍されていることを考えると,本書は一大学,一教室でつくられた教科書ではなく,まさに日本を代表する心身医学の教科書である。本年,九大心身医学教室は創設50周年を迎えたが,その記念の年にこの改訂版が出版されたことは素晴らしいことである。
心身医学は神経症を対象に心身相関の理論から研究が開始された。フロイトの理論がバックグラウンドを成したことは言うまでもない。その後,その対象は神経症から心理的,社会的因子が関連する身体疾患(心身症)に移り,心身症中心の時代が続いた。そして,今や心身医学は全人的医療・医学へと発展し,いわば医学・医療のbasic theoryともいえる位置を占めるに至っている。
本書は5部構成であり,I部 心身医学総論,II部 心身医学の基礎,III部 心身医学的診断と検査,IV部 心身症各論,V部 心身医学的治療法からなる。心身医学の基礎から臨床,治療に至るまで網羅的に,わかりやすく書かれた教科書であり,学生,研修医はもちろん,コメディカルの方々にも適する心身医学の入門書であり,専門書である。歴史と伝統に裏打ちされ,かつ最新の知識が網羅されている本書を手にとってお読みになる方は,必ずやその有用性に満足されることであろう。
書評者: 樋口 輝彦 (国立精神・神経センター総長)
「心身医学標準テキスト」が7年ぶりに改訂された。本書の初版は1996年に出版されたが,そのオリジンは1968年に遡る。わが国初の心療内科が1963年に九州大学医学部に設立されたことは誰もが知るところであるが,同時に心身医学の教育も開始された。その講義に使用するための「心身医学・心療内科オリエンテーション・レクチュア」が1968年に発行されたのであり,本書の原型をここに見ることができる。この講義用の冊子が基になり,1996年に全面改訂されたのが「心身医学標準テキスト 初版」であった。
本書の特徴はその執筆陣にある。初版以来,執筆者は九州大学心療内科のスタッフと教室出身者で構成されている。このような一教室に限定した執筆陣で構成された教科書は大変めずらしい。多くは販売のことも考慮して,多くの大学や医療機関を巻き込むかたちで執筆者が構成される。しかし,本書の場合は,先に述べたようにわが国の心療内科の老舗とも言える九大心療内科が日本の心身医学の教育をリードしてきた歴史と,今日においても全国でその出身者が指導的立場で活躍されていることを考えると,本書は一大学,一教室でつくられた教科書ではなく,まさに日本を代表する心身医学の教科書である。本年,九大心身医学教室は創設50周年を迎えたが,その記念の年にこの改訂版が出版されたことは素晴らしいことである。
心身医学は神経症を対象に心身相関の理論から研究が開始された。フロイトの理論がバックグラウンドを成したことは言うまでもない。その後,その対象は神経症から心理的,社会的因子が関連する身体疾患(心身症)に移り,心身症中心の時代が続いた。そして,今や心身医学は全人的医療・医学へと発展し,いわば医学・医療のbasic theoryともいえる位置を占めるに至っている。
本書は5部構成であり,I部 心身医学総論,II部 心身医学の基礎,III部 心身医学的診断と検査,IV部 心身症各論,V部 心身医学的治療法からなる。心身医学の基礎から臨床,治療に至るまで網羅的に,わかりやすく書かれた教科書であり,学生,研修医はもちろん,コメディカルの方々にも適する心身医学の入門書であり,専門書である。歴史と伝統に裏打ちされ,かつ最新の知識が網羅されている本書を手にとってお読みになる方は,必ずやその有用性に満足されることであろう。
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更新情報はありません。
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