硝子体手術入門 Book & Video
第一人者による硝子体手術の入門書の決定版
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わが国の硝子体手術の第一人者による,硝子体手術の入門書+ビデオ(73分)の決定版。近年,硝子体手術は適応が広がり,術者も増えてきたが,手術に重篤な合併症を引き起こす可能性がある点に変わりはない。本書では代表的な疾患を取り上げ,手術の目的と基本手技を解説した。ビギナーはもちろん,ベテランも必携のBook & Video。
編集 | 竹内 忍 / 荻野 誠周 / 樋田 哲夫 / 小椋 祐一郎 / 田野 保雄 |
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発行 | 2001年10月判型:B5頁:224 |
ISBN | 978-4-260-13773-7 |
定価 | 24,200円 (本体22,000円+税) |
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- 目次
- 書評
目次
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1 硝子体手術の必要性
2 手術器具と手術システム
A.手術器具
B.手術システム:セッティングから強膜創縫合まで
3 手術手技
A.硝子体切除
B.水晶体,脱臼水晶体の処理,IOL挿入
C.増殖膜の処理
D.出血の処置
E.液-空気置換,気圧伸展網膜復位
F.裂孔の処置とタンポナーデ
G.2手法手術
H.内視鏡
4 黄斑上膜
5 黄斑円孔
6 黄斑下手術
7 増殖性硝子体網膜症
8 裂孔原性網膜剥離
9 巨大裂孔網膜剥離
10 増殖糖尿病網膜症
11 その他の血管病変に対する硝子体手術
12 外傷
13 術中合併症とその処置
14 術後管理と合併症への対策
2 手術器具と手術システム
A.手術器具
B.手術システム:セッティングから強膜創縫合まで
3 手術手技
A.硝子体切除
B.水晶体,脱臼水晶体の処理,IOL挿入
C.増殖膜の処理
D.出血の処置
E.液-空気置換,気圧伸展網膜復位
F.裂孔の処置とタンポナーデ
G.2手法手術
H.内視鏡
4 黄斑上膜
5 黄斑円孔
6 黄斑下手術
7 増殖性硝子体網膜症
8 裂孔原性網膜剥離
9 巨大裂孔網膜剥離
10 増殖糖尿病網膜症
11 その他の血管病変に対する硝子体手術
12 外傷
13 術中合併症とその処置
14 術後管理と合併症への対策
書評
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日本における硝子体手術のバイブル的存在
書評者: 根木 昭 (神戸大教授・眼科学)
硝子体手術の技術革新はめざましく,適応の拡大とともに手術件数は飛躍的に増大し,日常診療に欠かせない手段となった。しかし,その技術の習得は施設ごとの徒弟制度や個人的な学習によることが多く,手術機器や手技の原理,基本操作の標準から系統的に解説した和文手術書は驚くほど少ない。
◆待望の硝子体手術解説書
私が研修医の手ほどきに使用しているのは,田野保雄氏と壇上眞次氏が訳したMachemer,Aabergの『硝子体手術』(医学書院)であったが,1984年の発行でありいささか古すぎる。本書は,以前に確実な網膜復位をめざして『網膜剥離の手術』(医学書院刊)を著したメンバーが中心になって編集された待望の硝子体手術解説書であり,手術ビデオもついている。
前半は,機器の説明と基本手技の解説である。汎用されている最新の機器の写真が多数掲載されている。硝子体切除器やレーザー装置など大型機器の機種による性能,利点の比較や,多種多様な剪刀,鉗子,照明器具類などの各小物の特徴まで述べられていて実践的である。基本操作は,明快な図で示されていてわかりやすい。また,各手技について,してはいけないこと,したらどういうことが起こるかが述べられていて,一読して正当な手技の理由が理解できる。さらに,この部分については付属のビデオに実際の手技が収録されていて,まさに一見して操作の要点を具体的に捉えることができる。
◆豊富な経験に裏打ちされた適応基準
後半では,各疾患ごとの病態,適応,手技,成績がまとめられている。疾患によっては,従来不鮮明であった適応についても,豊富な経験から確認された積極的適応と不適応の条件が明解に示されているのが特徴である。
手技については,硝子体手術の黎明期から携わっておられる各執筆者が,自己の体験から術中,術後の合併症をいかに減らすかという視点に重点を置いて,各手技における注意点をその理由も含めてきわめて懇切ていねいに解説してあり,大変興味深い。
安易な硝子体手術適応に対する警告もあり,本書の編集理念を伝える必読の書である。成績についても,最新の長期成績を扱ってある。最後に比較的よく遭遇する合併症とその対策,予防が簡潔にまとめられている。
本書では,黄斑移動術など,まだエビデンスの不十分な術式は避け,代表的な疾患を主体に扱ってあり,その意味で入門書となっているのだろうが,内容的には硝子体手術を手がけ始めた人,助手につく研修医はもちろんのこと,熟練者にとっても自分の技術を見つめ直し,また確認するのに絶好の書と言える。わが国の硝子体手術のバイブル的存在になると思う。
多くの困難を克服し工夫と経験をふまえ硝子体手術を集約
書評者: 堀 貞夫 (東女医大教授・眼科学)
1970年代の前半に試作され,その後半に少しずつ臨床応用されてきた硝子体手術は,1980年代と1990年代の20年間に眼を見張るほどの進歩をとげた。その中身は,器機の開発と手術手技の向上,そしてそれによる手術適応の拡大である。さまざまな器機が開発され,さまざまな手技が考案され,今日に至っている。その中では新たな技法に置き換えられて消えていったものもあり,さらに便利な器機の陰に隠れていったものもある。硝子体手術の進歩を初期の頃からみてきた私は,vitreous surgeonは実によく考えて工夫を凝らすものだといつも感心している。ただし,これらの工夫は奇抜な発想やひらめきによるものではない。対処するのが困難な網膜・硝子体疾患の病態を見きわめ,それを克服する何かよい手だてはないかという工夫である。
この『硝子体手術入門』は,現時点で硝子体手術の適応となる疾患を治療するにあたり,必要不可欠なセットアップと手術手技を紹介している。ここに書かれている内容は,この20年間に執筆者たちを含めた多くのvitreous surgeonが,対処が難しかった病態を克服するために,工夫と経験を積み重ねて修得したものの集約である。硝子体手術がなかった時代,また今は硝子体手術で治療している疾患が,まだ硝子体手術で治るとは思われなかった時代,新たな治療方法の開発に挑んで試行錯誤をさかんに積み重ねて,さらに改良を加えてできてきたものである。今はカタログから選んで簡単に手に入る器機も,多くのものは苦労や失敗を背景に工夫されて試作され,皆に認められて現時点で残っているものと言える。
◆明日から応用できる盛りだくさんのアドバイス
本書は,硝子体手術を新たに手がける人のために書かれたことを建前としている。しかし,すでに硝子体手術を相当数経験しているvitreous surgeonにとっては,初心者よりももっと興味深く読むことができ,また明日からすぐに応用できるアドバイスが盛りだくさんに書かれている。
白内障手術とは違って,硝子体手術には型にはまった術式というのはほとんどない。直面した病態にどう対応するか,多くの操作は応用問題である。応用問題の解き方を,本書は多く語ってくれている。読んでみて,「ほう,そんなやり方もあるのか。自分のやり方とは少し違うが,ちょっと試してみようか」と思うことがしばしばあった。ことに一体となっているビデオでは,文章では読みとれない実際の操作がつぶさに見えて大いに参考になる。初心者のみでなく,もうすでに相当数手術をしている人も,自分は硝子体手術のエキスパートと思っている人も,ぜひ読んでいただきたい書である。
書評者: 根木 昭 (神戸大教授・眼科学)
硝子体手術の技術革新はめざましく,適応の拡大とともに手術件数は飛躍的に増大し,日常診療に欠かせない手段となった。しかし,その技術の習得は施設ごとの徒弟制度や個人的な学習によることが多く,手術機器や手技の原理,基本操作の標準から系統的に解説した和文手術書は驚くほど少ない。
◆待望の硝子体手術解説書
私が研修医の手ほどきに使用しているのは,田野保雄氏と壇上眞次氏が訳したMachemer,Aabergの『硝子体手術』(医学書院)であったが,1984年の発行でありいささか古すぎる。本書は,以前に確実な網膜復位をめざして『網膜剥離の手術』(医学書院刊)を著したメンバーが中心になって編集された待望の硝子体手術解説書であり,手術ビデオもついている。
前半は,機器の説明と基本手技の解説である。汎用されている最新の機器の写真が多数掲載されている。硝子体切除器やレーザー装置など大型機器の機種による性能,利点の比較や,多種多様な剪刀,鉗子,照明器具類などの各小物の特徴まで述べられていて実践的である。基本操作は,明快な図で示されていてわかりやすい。また,各手技について,してはいけないこと,したらどういうことが起こるかが述べられていて,一読して正当な手技の理由が理解できる。さらに,この部分については付属のビデオに実際の手技が収録されていて,まさに一見して操作の要点を具体的に捉えることができる。
◆豊富な経験に裏打ちされた適応基準
後半では,各疾患ごとの病態,適応,手技,成績がまとめられている。疾患によっては,従来不鮮明であった適応についても,豊富な経験から確認された積極的適応と不適応の条件が明解に示されているのが特徴である。
手技については,硝子体手術の黎明期から携わっておられる各執筆者が,自己の体験から術中,術後の合併症をいかに減らすかという視点に重点を置いて,各手技における注意点をその理由も含めてきわめて懇切ていねいに解説してあり,大変興味深い。
安易な硝子体手術適応に対する警告もあり,本書の編集理念を伝える必読の書である。成績についても,最新の長期成績を扱ってある。最後に比較的よく遭遇する合併症とその対策,予防が簡潔にまとめられている。
本書では,黄斑移動術など,まだエビデンスの不十分な術式は避け,代表的な疾患を主体に扱ってあり,その意味で入門書となっているのだろうが,内容的には硝子体手術を手がけ始めた人,助手につく研修医はもちろんのこと,熟練者にとっても自分の技術を見つめ直し,また確認するのに絶好の書と言える。わが国の硝子体手術のバイブル的存在になると思う。
多くの困難を克服し工夫と経験をふまえ硝子体手術を集約
書評者: 堀 貞夫 (東女医大教授・眼科学)
1970年代の前半に試作され,その後半に少しずつ臨床応用されてきた硝子体手術は,1980年代と1990年代の20年間に眼を見張るほどの進歩をとげた。その中身は,器機の開発と手術手技の向上,そしてそれによる手術適応の拡大である。さまざまな器機が開発され,さまざまな手技が考案され,今日に至っている。その中では新たな技法に置き換えられて消えていったものもあり,さらに便利な器機の陰に隠れていったものもある。硝子体手術の進歩を初期の頃からみてきた私は,vitreous surgeonは実によく考えて工夫を凝らすものだといつも感心している。ただし,これらの工夫は奇抜な発想やひらめきによるものではない。対処するのが困難な網膜・硝子体疾患の病態を見きわめ,それを克服する何かよい手だてはないかという工夫である。
この『硝子体手術入門』は,現時点で硝子体手術の適応となる疾患を治療するにあたり,必要不可欠なセットアップと手術手技を紹介している。ここに書かれている内容は,この20年間に執筆者たちを含めた多くのvitreous surgeonが,対処が難しかった病態を克服するために,工夫と経験を積み重ねて修得したものの集約である。硝子体手術がなかった時代,また今は硝子体手術で治療している疾患が,まだ硝子体手術で治るとは思われなかった時代,新たな治療方法の開発に挑んで試行錯誤をさかんに積み重ねて,さらに改良を加えてできてきたものである。今はカタログから選んで簡単に手に入る器機も,多くのものは苦労や失敗を背景に工夫されて試作され,皆に認められて現時点で残っているものと言える。
◆明日から応用できる盛りだくさんのアドバイス
本書は,硝子体手術を新たに手がける人のために書かれたことを建前としている。しかし,すでに硝子体手術を相当数経験しているvitreous surgeonにとっては,初心者よりももっと興味深く読むことができ,また明日からすぐに応用できるアドバイスが盛りだくさんに書かれている。
白内障手術とは違って,硝子体手術には型にはまった術式というのはほとんどない。直面した病態にどう対応するか,多くの操作は応用問題である。応用問題の解き方を,本書は多く語ってくれている。読んでみて,「ほう,そんなやり方もあるのか。自分のやり方とは少し違うが,ちょっと試してみようか」と思うことがしばしばあった。ことに一体となっているビデオでは,文章では読みとれない実際の操作がつぶさに見えて大いに参考になる。初心者のみでなく,もうすでに相当数手術をしている人も,自分は硝子体手術のエキスパートと思っている人も,ぜひ読んでいただきたい書である。
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