看護教育における授業設計 第3版
第3版では授業設計のほかに、模擬授業・授業研究の方法を提示
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看護教員が授業を行うときの手引き書として版を重ね、このたび第3版の発行となった。講義・演習・臨地実習の指導案のつくり方、略案のつくり方、評価方法に加え、第3版では自分のつくった指導案にもとづき実際にやってみる模擬授業のすすめ方、自分の行った授業を検証する授業研究の方法を具体的に述べた。付録に実習指導案を掲載。
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- 目次
- 書評
目次
開く
まえがき
本書の特徴と使い方
序章 授業設計の前に
第I章 授業設計と指導案
第II章 「講義」の指導案
第III章 「演習(技術)」指導案
第IV章 「臨地実習」指導案
第V章 模擬授業
第IV章 授業研究
第VII章 看護教育における教授-学習方法
付録1 母性看護学実習指導案(日案)-褥婦の看護
付録2 小児看護学実習指導案(週案)
付録3 精神看護学実習指導案(週案)
索引
本書の特徴と使い方
序章 授業設計の前に
第I章 授業設計と指導案
第II章 「講義」の指導案
第III章 「演習(技術)」指導案
第IV章 「臨地実習」指導案
第V章 模擬授業
第IV章 授業研究
第VII章 看護教育における教授-学習方法
付録1 母性看護学実習指導案(日案)-褥婦の看護
付録2 小児看護学実習指導案(週案)
付録3 精神看護学実習指導案(週案)
索引
書評
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書評 (雑誌『看護教育』より)
書評者: 関根 龍子 (目白大学看護学部学部長)
いまや看護教育は年々高等教育化が進み,2007年4月には看護大学が150校になろうとしている。この急速な変化に際して看護教員の不足が叫ばれ,教員及び教育の質が問われている。
本書を手にとり,『看護教育における授業設計 第3版』という表題のそばに記されている著者たちの名前を見て,看護教育を長い間担当された方々であり,経験を積み重ねてまとめられたもので,看護教員が授業設計する際には欠かすことのできない書であると感じた。なぜなら,1979(昭和53)年,現在の厚生労働省看護研修研究センターの前身が開設された当時,教員養成課程の一教員として教育原理を土台とした「看護学教育方法」「教育実習」などを担当していた私にとって,この書の内容は,自分も看護教育の歴史とともに歩んできたことから,納得しながら,時に刺激を受けながら読んだからである。
この書は,序章に始まり,授業設計と授業案の作成に必要な原理・原則と構成要素について先に述べられ,「講義」「演習(技術)」「臨地実習」の指導案が例題を示して記述されている。そして,教員が事前に授業を実施して学生に理解できる教案であるかを評価するものとして,「模擬授業」の方法,「授業研究」にまで言及している。最後の第7章は「看護教育における教授―学習方法」である。
これらの各章に示されている教案作成の「ポイント」は,教員が教案を作成する段階でよりどころとなるものであろう。指導要領において,専修学校での看護教員になる要件は,「5年以上業務に就いた者で,その後1年間の教員養成課程ならびに教員養成講習会修了者」等であることが義務づけられているが,看護系大学の教員の各職位にはこのような義務づけはなされていないため,教員養成課程の取得者でなければこの書に記述されている内容を具体的に経験しているとは言い難い。この書にある「教材構造」「教育観」「学習者観」「指導観」に関する明確な見解を看護教員自身がもたなければ,たとえ教案を作成したとしてもテキストをそのまま教える教員となり,思考力や判断力を学生に身につけさせることはできないと考える。
教案作成に必要な原理や原則を形から学ぶ方法として,本書は看護教員の必読書といえる。しかし,形にとらわれることなく,作成した教案が教育課程全般のどこに位置づけられているかを考える必要があるだろう。
本書は看護教員となるための最初の学びの書であり,経験を積み重ねることで自分なりの教案のフォーマット(原型)を導くことができれば,この書はさらに生かされる。
第7章に,「看護教育における教授―学習方法」や試験問題の作り方などが追加されているが,いま話題となっている技術教育や国家試験の見直しなどを考えると再考の余地があるだろう。また,FD(ファカルティ・ディベロップメント)やSDなど外部評価機構を受ける教育機関においては,角度を変えた評価を考え直す必要があるとも考えた次第である。
(『看護教育』2006年11月号掲載)
書評者: 関根 龍子 (目白大学看護学部学部長)
いまや看護教育は年々高等教育化が進み,2007年4月には看護大学が150校になろうとしている。この急速な変化に際して看護教員の不足が叫ばれ,教員及び教育の質が問われている。
本書を手にとり,『看護教育における授業設計 第3版』という表題のそばに記されている著者たちの名前を見て,看護教育を長い間担当された方々であり,経験を積み重ねてまとめられたもので,看護教員が授業設計する際には欠かすことのできない書であると感じた。なぜなら,1979(昭和53)年,現在の厚生労働省看護研修研究センターの前身が開設された当時,教員養成課程の一教員として教育原理を土台とした「看護学教育方法」「教育実習」などを担当していた私にとって,この書の内容は,自分も看護教育の歴史とともに歩んできたことから,納得しながら,時に刺激を受けながら読んだからである。
この書は,序章に始まり,授業設計と授業案の作成に必要な原理・原則と構成要素について先に述べられ,「講義」「演習(技術)」「臨地実習」の指導案が例題を示して記述されている。そして,教員が事前に授業を実施して学生に理解できる教案であるかを評価するものとして,「模擬授業」の方法,「授業研究」にまで言及している。最後の第7章は「看護教育における教授―学習方法」である。
これらの各章に示されている教案作成の「ポイント」は,教員が教案を作成する段階でよりどころとなるものであろう。指導要領において,専修学校での看護教員になる要件は,「5年以上業務に就いた者で,その後1年間の教員養成課程ならびに教員養成講習会修了者」等であることが義務づけられているが,看護系大学の教員の各職位にはこのような義務づけはなされていないため,教員養成課程の取得者でなければこの書に記述されている内容を具体的に経験しているとは言い難い。この書にある「教材構造」「教育観」「学習者観」「指導観」に関する明確な見解を看護教員自身がもたなければ,たとえ教案を作成したとしてもテキストをそのまま教える教員となり,思考力や判断力を学生に身につけさせることはできないと考える。
教案作成に必要な原理や原則を形から学ぶ方法として,本書は看護教員の必読書といえる。しかし,形にとらわれることなく,作成した教案が教育課程全般のどこに位置づけられているかを考える必要があるだろう。
本書は看護教員となるための最初の学びの書であり,経験を積み重ねることで自分なりの教案のフォーマット(原型)を導くことができれば,この書はさらに生かされる。
第7章に,「看護教育における教授―学習方法」や試験問題の作り方などが追加されているが,いま話題となっている技術教育や国家試験の見直しなどを考えると再考の余地があるだろう。また,FD(ファカルティ・ディベロップメント)やSDなど外部評価機構を受ける教育機関においては,角度を変えた評価を考え直す必要があるとも考えた次第である。
(『看護教育』2006年11月号掲載)
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