注射・点滴エラー防止
「知らなかった」ではすまない!事故防止の必須ポイント

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医療事故で最も多いのが注射・点滴に関するもの。また、注射・点滴エラーは患者の生命に直結する、最も注意すべきものです。本書は、膨大なヒヤリ・ハット事例の分析から明らかになった注射・点滴の業務プロセスごとのチェックポイントや、特に注意が必要な薬剤の取り扱いについて、設問・事例を通して学ぶことができます。新人ナースや臨地実習に出る看護学生、必読の書。
シリーズ JJNブックス
編集 川村 治子
発行 2007年05月判型:AB頁:132
ISBN 978-4-260-00203-5
定価 2,420円 (本体2,200円+税)
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本書を読まれる皆さんへ
川村治子

 医療の現場は,他の職場と大きく異なる特性をもっています.そのなかで重要なものを3つあげてみます.
 まず1つは,対象が患者さんという心身に苦痛をもった人間であることです.2つめは,その患者さんに,あえて危険な行為を介してサービスを提供しなければならないということです.
 たとえば注射です.注射針を患者さんに刺すという行為ひとつをとっても,いかに治療目的とはいえ,非常に危険なことです.そして,刺した後に薬剤を体内に注入することは,さらに危険な行為です.
 薬剤は,その薬理作用にかなった目的と方法で投与されると,有益な結果をもたらしますが,まかり間違えば患者さんに傷害を与えたり,最悪の場合,死亡させてしまうことになりかねません.つまり,こうした危険行為にかかわる看護職は,他人を殺傷しうる手段を手にしている職業であることを自覚しておかなければならないのです.
 3つめの特性は,対象が患者さんであるがゆえに,急変や重症化により同時にいくつもの業務が発生するなど,私たちにプレッシャーを与えて誤り(エラー)を誘発する状況が,日常茶飯事として生じることです.
 医療が宿命的にもっているこうした危険な特性のために,誤れば患者さんの生命に直結するという怖さが,他の職業よりはるかに身近にあることも知っておいてください.
 さて,「誤りは人の常なり,これを許すは神の業(わざ)なり」という言葉があります.人は誰でも間違えるものだと言っているのです.経験を積んだ人でも,優秀な人でも,完璧ではありません.時に誤りを犯すことがあります.まして,知識や経験も乏しく,技術も未熟な新人であればなおさらです.
 卒前教育と卒後の臨床現場とのギャップにとまどい,心身ともに疲労困憊した新人時代を過ごした経験は,医療職であれば誰でももっています.特に看護職は,常に最前線にいて注射のような危険な業務にかかわることが多く,このギャップを乗り越えるまでの緊張は並大抵ではありません.この緊張のなかで,重大な誤りを犯す危険性も高いと言えます.
 本書は,こうした誤りを防ぐうえで必要な知識,特に新人ナースが実務につく前に必ず知っておいてほしい注射・点滴の知識を,ヒヤリ・ハット事例をもとに,設問と解説という形式でまとめたものです.重大事故を防止するために,本書の内容が身につくまで学んでほしいと思います.
 2006年12月 

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 本書を読まれる皆さんへ
I 注射・点滴事故を防ぐことの重要性
  注射・点滴事故はなぜこわいのか
  新人にとって重要な注射・点滴エラーとは?
II 業務プロセスからみた事故防止
 口頭指示への危険な思いこみ
 指示書の記載に注意
 遮光アンプルに注意-外観の似た薬剤の取り違え
 冷所保存薬ゆえのうっかりミス
 必要量の換算ミスに注意
 配合変化に注意
 溶解液は何でもいいの?
 患者確認は正しい?
 複数のラインと三方活栓の混同
 内服薬の静脈内誤注入に注意
 高カロリー輸液の投与ルートは?
 急速投与に注意
 「作業の中断」「ながら作業」の落とし穴
III 薬剤からみた事故防止
 急速・過量投与が生命にかかわるカリウム製剤
 まぎらわしい商品名の代表格
 そのインスリン投与は正しい?
 点滴漏れには要注意
 内視鏡検査前のブスコパン(R)筋注-禁忌疾患に注意
IV 輸液ポンプ,シリンジポンプの事故防止
 「輸液ポンプだから安心」ではない?
 輸液ポンプ操作のうっかりミス
 より慎重さが必要なシリンジポンプの操作
索引

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