患者の声を医療に生かす
臨床では聞こえない声がある。
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新しい「患者の声」は、対立型でもお客様型でもない。医療者とともに良き医療をめざす《パートナーシップ型》だった――。患者が講師、医療者が学生というマスコミ注目の「でんぐりがえしプロジェクト」を、テーマごとに徹底編集。ナマの患者の声を知る「生きた教材」として、医学・看護教育に最適。
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目次
開く
I部 なぜ患者の声を聞くのか
1 なぜ患者の声を聞くのか
2 「でんぐりがえしプロジェクト」へようこそ
II部 多様な声、聞きなれない声、壁を崩す声
1 なぜ、いま、患者さんに学ぶ?
2 原点としてのピアサポート
3 納得できる説明とは?
4 医療情報はどこにあるのか
5 臨床試験と診療ガイドライン
6 医療者を育てる
7 コミュニケーションギャップを乗り越える
8 医療過誤から学ぶ
9 「ハンディキャップ」への挑戦
10 専門家と患者のパートナーシップ
11 行政・政策決定へ
III部 患者の声が果たす役割
1 本書の「声」の新しさ
2 日本の患者会をとりまく状況
3 アメリカの患者会
むすびにかえて
1 なぜ患者の声を聞くのか
2 「でんぐりがえしプロジェクト」へようこそ
II部 多様な声、聞きなれない声、壁を崩す声
1 なぜ、いま、患者さんに学ぶ?
2 原点としてのピアサポート
3 納得できる説明とは?
4 医療情報はどこにあるのか
5 臨床試験と診療ガイドライン
6 医療者を育てる
7 コミュニケーションギャップを乗り越える
8 医療過誤から学ぶ
9 「ハンディキャップ」への挑戦
10 専門家と患者のパートナーシップ
11 行政・政策決定へ
III部 患者の声が果たす役割
1 本書の「声」の新しさ
2 日本の患者会をとりまく状況
3 アメリカの患者会
むすびにかえて
書評
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率直,知的,誠実に語られた「患者の声」
書評者: 岡谷 恵子 (社団法人日本看護協会・専務理事)
私はこの著書の元になった国際医療福祉大学大学院の公開講座を聴講生として受講した。受講を思い立ったのは「患者の声を医療に生かす」という講義のテーマに惹かれたからにほかならない。
残念ながら,毎週木曜日の夕方に開講される講義には仕事が忙しくて2回しか出席できなかった。今あらためて本書を読んでみて,なぜ仕事をセーブして講義を優先しなかったのか悔やまれる。
◆「患者のために」のあやうさ
実際に講義で病気の子どもを持つ親の方,難病の患者さん,医療事故で息子さんを亡くされた遺族の方の話を聞き,患者と医療者との間に横たわるコミュニケーションギャップの大きさと,それを乗り越えることの大変さと重要性にあらためて思い至った。
われわれ看護師は看護教育においても,また実践現場でも,まず患者のニーズを知ること,患者の立場に立って考えること,患者の話を傾聴して気持ちを理解することが最も重要なことだと教えられる。
しかし実際にはどうであろうか。「患者のために」と医療者が勝手に考えることが患者や家族に押し付けられていることが多いのではないだろうか。
本書は,医療者と患者がどのように向き合っていくべきか,どう関係性を築いていくべきか,またそのためにはお互いにどうすればいいのかということについて,きわめて有効な示唆を与えてくれる。
◆非難するのではない立場
本書で患者の声を発信してくれるのは,病を体験している患者自身,障害者,病気の子どもを抱える親,医療事故被害者の遺族など多様な立場の36人である。各人が語る内容はどれも,個別的で,説得力があり,当事者にしか語れない知識と情報に溢れ,それゆえに深く共感できるものである。
語る内容は違ってもすべての人に共通しているのは,受けた医療の酷さやモラルに欠けた医療従事者をただ非難するのではなく,なんとかして医療を良くしよう,事故が二度と起こらないようにしようという切実な思いが根底にあるということである。
自分が体験した悲しみや怒り,理不尽さといったことを,ネガティブな体験に終わらせるのではなく,医療を変える力にすることでみずからの体験の意味を見出そうとするしなやかで強い行動力に感嘆させられた。そして,良き医療をめざすために医療者との協働,パートナーシップを求めている。
ここにきわめて率直に,知的に,誠実に語られた「患者の声」を集めた本書の新鮮さ,すばらしさがあると思う。
◆「協働」への希望
立場の違うもの同士が立場を超えて分かりあうのは容易なことではない。しかし,「その人に良かれと思ってかける言葉であればそれは必ず相手に伝わる」,「人間そのものを好きになってその方のことを全面的に見つめてサポートしていく,そういう気持ちがあればそれだけで十分」という患者さんの言葉には,人としての尊厳と優しさを感じる。
患者や家族の声を医療に誠実に生かして,真の患者中心の医療を実現するために,多くの看護者にぜひ本書を読んでいただきたい。体験からしか学べない多くのことを知ることができ,想像力を広げることのできるすばらしい本である。
書評 (雑誌『看護教育』より)
書評者: 田中 祐次 (東京大学医科学研究所探索医療 ヒューマンネットワークシステム部門)
この本は,国際医療福祉大学・開原成允大学院長より発案された,患者会の人たちを講師に医療スタッフやそのタマゴたちを聴講生とした公開講義の記録集である。
この講義は2005年4月より始まったのであるが,その評判は,当時米国にいた私自身の耳にも届いており,興味深く受け止めていた。改めて本の目次を見ると,講師は錚々たるメンバーであり,本に紹介されている講義風景の写真では会場が埋め尽くされ,真剣なまなざしの聴講生の姿が認められる。このスクールの試みは,これからの医療において大変意義深いものであったと考えられる。そして,その内容をまとめた本書によって,受講できなかった私のようなものでも講義の内容に触れることができた。この本の出版に感謝したい。
序文の結びに,「患者さんの声を聞くこと」が,日本の病院の運営や医療行政に浸透するときに,私は真の意味での日本の医療の改革の道が開けると思っている,と書かれている。これは,まさにEBM(Evidenced Based Medicine)が医療の中心である現代においての,NBM(Narrative Based Medicine)の存在すべき道であると感じた。
NBMが医療の中心であった19世紀から,医療器具の発見・発達,病院の設立によりEBMへと医療の中心が移った。そして,対象となる疾患が感染症から生活習慣病や癌へと移行してきた。これらの変化の後では,NBMの復活はきわめて重要であるものの,現代の医療にあった形のNBMの復活でなければならない。そこで,患者の声を聞くことから始める,という考えは,当たり前でありながらも,誰も行えていなかったことであり,かつ,現代にあうNBMの復活を期待することができる。今回の公開講座の意義,そして,その内容の本の持つ意義はとても重要なのである。
本の内容は,多彩な講師の個性あふれる講義風景が鮮烈にイメージされる,とても印象的なものであった。しかし,講師が患者会などのリーダー的な存在の人たちばかりであったことが惜しまれる。今までの患者会は,患者会を運営することができる人が代表者であった。しかし,インターネットの発達に伴い,個人のホームページのブーム,その後のブログのブームにより,手軽に自分の意見を世に示すことができるようになってからは,患者会ではないが(私自身は一種の患者会として捉えているが)影響力を持った団体(個人)が出現してきたと考えている。
その人たちは,より多くの患者たちからの共感や支持を得られており,つまり,患者の声の代表者であるとも言える。この人たちにも講師として参加してもらうことが,今後の日本の医療の発達に必要ではないかと感じた。
この公開講座は,第1回という位置づけで行われたと書かれている。私自身,第2回,第3回と会を重ね,それにあわせてこの本がシリーズ化することを強く願っている。将来,ここに書かれている内容がどうなったのか,それを見きわめていきたいと思う。
(『看護教育』2006年6月号掲載)
初めての講座,初めての本――ぜひ一読を
書評者: 高久 史麿 (日本医学会長/自治医大学長)
◆患者が講師,医療者が聴講生
このたび大熊由紀子,開原成允,服部洋一3氏の編集による『患者の声を医療に生かす』が医学書院から刊行された。この本は開原成允氏が大学院長,大熊由紀子氏が教授として勤務されている国際医療福祉大学大学院が企画した乃木坂スクール「患者の声を医療に生かす」での13回にわたる公開講座の記録をまとめたものである。
この公開講座の特徴は,さまざまな患者会の人たちが「講師」となり,医師,看護師,医学生,看護学生など医療側の人たちが「聴講生」となっていることである。この講師と聴講生との組み合わせは講座名からして当然と考えられるが,実際にこのような試みがなされたのは,私が知っている限りではわが国で初めてである。この公開講座の開設を考えられた開原成允氏に深甚の敬意を表する次第である。
本書はこの公開講座の内容を,各講師の講演,さらに各セッション後の討論も含めてまとめたものである。各講師の講演内容の多くは見開き2頁に入るよう要領よく収載されており,編集でのご苦労を伺い知ることができた。公開講座の開設と同様に,このような本の刊行も,わが国としては初めての試みではないかと推定している。
◆ガイドライン作成に関与する患者会も
講師のなかには私が以前から存じ上げている方々が何人かおられたが,書評を書くために本書を通読することによって,私自身多くのことを学ばさせていただいた。特に印象に残ったのは,患者会の方々が特定の疾患のガイドラインの作成に直接関与されたことや,医学生や看護学生にご自身の経験や考えを講義されたときの感想を述べられていたことである。
最近,「患者の声を直接聞く」ことが学生にとってきわめて意義のあることであるとの考えが医療系大学の教員のあいだで一般的になっているが,この本ではまさにその講義の一端が紹介されている。おそらく本書の刊行によって,このようなカリキュラムを組む医療系大学がさらに増加するものと思われる。
ただ本書のなかに記されている講師の方々のお話では,医科大学では低学年の学生に講義しているようであったが,私は臨床実習のカリキュラムが始まる高学年の医学生,さらに卒後臨床研修のカリキュラムのなかで,患者会の方々の生の声を聞く必要があるのではないかと考えている。
◆まずは患者側の声を聞こう
わが国の病院をとりまく医療の環境にはきわめて厳しいものがあり,地域によっては崩壊に近い状態にあるといっても過言ではない。このような状況下にある病院の医療を立て直すためには,医療者と患者とが共同して諸問題の解決に当たることがぜひ必要である。
そのためには,まず医療者側に,患者側の声を聞き,それを真摯に受け止めることが要求される。その患者側の声が直接語られている本書の刊行は,上述の観点からもきわめて有意義なことだと考える。
一人でも多くの医療者にぜひ読んでいただきたいというのが,本書を読んだ後の率直な感想である。
書評者: 岡谷 恵子 (社団法人日本看護協会・専務理事)
私はこの著書の元になった国際医療福祉大学大学院の公開講座を聴講生として受講した。受講を思い立ったのは「患者の声を医療に生かす」という講義のテーマに惹かれたからにほかならない。
残念ながら,毎週木曜日の夕方に開講される講義には仕事が忙しくて2回しか出席できなかった。今あらためて本書を読んでみて,なぜ仕事をセーブして講義を優先しなかったのか悔やまれる。
◆「患者のために」のあやうさ
実際に講義で病気の子どもを持つ親の方,難病の患者さん,医療事故で息子さんを亡くされた遺族の方の話を聞き,患者と医療者との間に横たわるコミュニケーションギャップの大きさと,それを乗り越えることの大変さと重要性にあらためて思い至った。
われわれ看護師は看護教育においても,また実践現場でも,まず患者のニーズを知ること,患者の立場に立って考えること,患者の話を傾聴して気持ちを理解することが最も重要なことだと教えられる。
しかし実際にはどうであろうか。「患者のために」と医療者が勝手に考えることが患者や家族に押し付けられていることが多いのではないだろうか。
本書は,医療者と患者がどのように向き合っていくべきか,どう関係性を築いていくべきか,またそのためにはお互いにどうすればいいのかということについて,きわめて有効な示唆を与えてくれる。
◆非難するのではない立場
本書で患者の声を発信してくれるのは,病を体験している患者自身,障害者,病気の子どもを抱える親,医療事故被害者の遺族など多様な立場の36人である。各人が語る内容はどれも,個別的で,説得力があり,当事者にしか語れない知識と情報に溢れ,それゆえに深く共感できるものである。
語る内容は違ってもすべての人に共通しているのは,受けた医療の酷さやモラルに欠けた医療従事者をただ非難するのではなく,なんとかして医療を良くしよう,事故が二度と起こらないようにしようという切実な思いが根底にあるということである。
自分が体験した悲しみや怒り,理不尽さといったことを,ネガティブな体験に終わらせるのではなく,医療を変える力にすることでみずからの体験の意味を見出そうとするしなやかで強い行動力に感嘆させられた。そして,良き医療をめざすために医療者との協働,パートナーシップを求めている。
ここにきわめて率直に,知的に,誠実に語られた「患者の声」を集めた本書の新鮮さ,すばらしさがあると思う。
◆「協働」への希望
立場の違うもの同士が立場を超えて分かりあうのは容易なことではない。しかし,「その人に良かれと思ってかける言葉であればそれは必ず相手に伝わる」,「人間そのものを好きになってその方のことを全面的に見つめてサポートしていく,そういう気持ちがあればそれだけで十分」という患者さんの言葉には,人としての尊厳と優しさを感じる。
患者や家族の声を医療に誠実に生かして,真の患者中心の医療を実現するために,多くの看護者にぜひ本書を読んでいただきたい。体験からしか学べない多くのことを知ることができ,想像力を広げることのできるすばらしい本である。
書評 (雑誌『看護教育』より)
書評者: 田中 祐次 (東京大学医科学研究所探索医療 ヒューマンネットワークシステム部門)
この本は,国際医療福祉大学・開原成允大学院長より発案された,患者会の人たちを講師に医療スタッフやそのタマゴたちを聴講生とした公開講義の記録集である。
この講義は2005年4月より始まったのであるが,その評判は,当時米国にいた私自身の耳にも届いており,興味深く受け止めていた。改めて本の目次を見ると,講師は錚々たるメンバーであり,本に紹介されている講義風景の写真では会場が埋め尽くされ,真剣なまなざしの聴講生の姿が認められる。このスクールの試みは,これからの医療において大変意義深いものであったと考えられる。そして,その内容をまとめた本書によって,受講できなかった私のようなものでも講義の内容に触れることができた。この本の出版に感謝したい。
序文の結びに,「患者さんの声を聞くこと」が,日本の病院の運営や医療行政に浸透するときに,私は真の意味での日本の医療の改革の道が開けると思っている,と書かれている。これは,まさにEBM(Evidenced Based Medicine)が医療の中心である現代においての,NBM(Narrative Based Medicine)の存在すべき道であると感じた。
NBMが医療の中心であった19世紀から,医療器具の発見・発達,病院の設立によりEBMへと医療の中心が移った。そして,対象となる疾患が感染症から生活習慣病や癌へと移行してきた。これらの変化の後では,NBMの復活はきわめて重要であるものの,現代の医療にあった形のNBMの復活でなければならない。そこで,患者の声を聞くことから始める,という考えは,当たり前でありながらも,誰も行えていなかったことであり,かつ,現代にあうNBMの復活を期待することができる。今回の公開講座の意義,そして,その内容の本の持つ意義はとても重要なのである。
本の内容は,多彩な講師の個性あふれる講義風景が鮮烈にイメージされる,とても印象的なものであった。しかし,講師が患者会などのリーダー的な存在の人たちばかりであったことが惜しまれる。今までの患者会は,患者会を運営することができる人が代表者であった。しかし,インターネットの発達に伴い,個人のホームページのブーム,その後のブログのブームにより,手軽に自分の意見を世に示すことができるようになってからは,患者会ではないが(私自身は一種の患者会として捉えているが)影響力を持った団体(個人)が出現してきたと考えている。
その人たちは,より多くの患者たちからの共感や支持を得られており,つまり,患者の声の代表者であるとも言える。この人たちにも講師として参加してもらうことが,今後の日本の医療の発達に必要ではないかと感じた。
この公開講座は,第1回という位置づけで行われたと書かれている。私自身,第2回,第3回と会を重ね,それにあわせてこの本がシリーズ化することを強く願っている。将来,ここに書かれている内容がどうなったのか,それを見きわめていきたいと思う。
(『看護教育』2006年6月号掲載)
初めての講座,初めての本――ぜひ一読を
書評者: 高久 史麿 (日本医学会長/自治医大学長)
◆患者が講師,医療者が聴講生
このたび大熊由紀子,開原成允,服部洋一3氏の編集による『患者の声を医療に生かす』が医学書院から刊行された。この本は開原成允氏が大学院長,大熊由紀子氏が教授として勤務されている国際医療福祉大学大学院が企画した乃木坂スクール「患者の声を医療に生かす」での13回にわたる公開講座の記録をまとめたものである。
この公開講座の特徴は,さまざまな患者会の人たちが「講師」となり,医師,看護師,医学生,看護学生など医療側の人たちが「聴講生」となっていることである。この講師と聴講生との組み合わせは講座名からして当然と考えられるが,実際にこのような試みがなされたのは,私が知っている限りではわが国で初めてである。この公開講座の開設を考えられた開原成允氏に深甚の敬意を表する次第である。
本書はこの公開講座の内容を,各講師の講演,さらに各セッション後の討論も含めてまとめたものである。各講師の講演内容の多くは見開き2頁に入るよう要領よく収載されており,編集でのご苦労を伺い知ることができた。公開講座の開設と同様に,このような本の刊行も,わが国としては初めての試みではないかと推定している。
◆ガイドライン作成に関与する患者会も
講師のなかには私が以前から存じ上げている方々が何人かおられたが,書評を書くために本書を通読することによって,私自身多くのことを学ばさせていただいた。特に印象に残ったのは,患者会の方々が特定の疾患のガイドラインの作成に直接関与されたことや,医学生や看護学生にご自身の経験や考えを講義されたときの感想を述べられていたことである。
最近,「患者の声を直接聞く」ことが学生にとってきわめて意義のあることであるとの考えが医療系大学の教員のあいだで一般的になっているが,この本ではまさにその講義の一端が紹介されている。おそらく本書の刊行によって,このようなカリキュラムを組む医療系大学がさらに増加するものと思われる。
ただ本書のなかに記されている講師の方々のお話では,医科大学では低学年の学生に講義しているようであったが,私は臨床実習のカリキュラムが始まる高学年の医学生,さらに卒後臨床研修のカリキュラムのなかで,患者会の方々の生の声を聞く必要があるのではないかと考えている。
◆まずは患者側の声を聞こう
わが国の病院をとりまく医療の環境にはきわめて厳しいものがあり,地域によっては崩壊に近い状態にあるといっても過言ではない。このような状況下にある病院の医療を立て直すためには,医療者と患者とが共同して諸問題の解決に当たることがぜひ必要である。
そのためには,まず医療者側に,患者側の声を聞き,それを真摯に受け止めることが要求される。その患者側の声が直接語られている本書の刊行は,上述の観点からもきわめて有意義なことだと考える。
一人でも多くの医療者にぜひ読んでいただきたいというのが,本書を読んだ後の率直な感想である。
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