標準外科学 第11版

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広範な内容を扱う外科学の知識・情報を1冊に凝縮。外科総論と臓器・部位別の各論に分けた構成で、理解すべき事項を過不足なく記載。従来のシェーマによるわかりやすい解説に加え、検査画像、術中写真、病理写真等を多数呈示し、ビジュアル画も拡充。“読む”、“見る”、“調べる”のすべてに対応した外科学教科書の決定版。
シリーズ 標準医学
監修 松野 正紀
編集 北島 政樹 / 加藤 治文 / 畠山 勝義 / 北野 正剛
発行 2007年05月判型:B5頁:912
ISBN 978-4-260-00392-6
定価 9,350円 (本体8,500円+税)
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第11版 序
編者
 
 本書は1976年に初版が上梓されて以来,最新の外科学の急速な変遷に順応すべく最近の情報を盛り込むように改訂を重ね,今回第11版を刊行するに至った.分子生物学,医用工学の進歩と相まって,外科学の概念も常に変化するため,ほぼ3年ごとに改訂を行い,足かけ30年を経て第11版の上梓となったが,外科学の展開を見ていくと,改訂の間隔が3年というのは長い感じがする.しかしながら,本書の執筆者はすべて,外科系諸学会において指導的立場であると同時に外科学の変遷もよく理解されている方々ばかりであるので,今後も多くの意見を頂きながらリニューアルを繰り返していけば本書の特徴である“今日に役立つ外科学の成書”としてお認めいただけるであろう.臨床経験も豊かで立派な業績をお持ちの多くの方々にご執筆いただけたことに対し紙面をお借りして御礼を述べたい.
 今回は,第10版の編集者の松野正紀先生が監修者になられ,新たに畠山勝義教授,北野正剛教授が編集者に加わることになった.編集委員会としては,初版からの編集の基本方針を継承しながら,本書を愛用していただいた学生諸君はもちろんのこと,外科学教育に携わる教授陣や研修医諸君の意見を参考にして改訂を加えることを編集の基本方針としてきた.
 初版の編集者であった相馬智教授,武藤輝一教授が心がけてこられた編集の基本方針は,(1)外科学のminimum requirementを充足させる,(2)必要にして十分な内容を記載しながら,コンパクトかつハンディな教科書とする,(3)実地臨床で役立つ内容の取捨選択を行う,など現在も終始一貫,継承されていることは周知の事実である.
 これらの方針を遵守しながら,今回の改訂にあたり編集者が特に留意したのはビジュアル面の充実である.本書では第9版まで写真を用いず,図は線画で表現することを原則としてきたが,前版より典型画像等,写真の掲載に踏み切った.今回は前版に掲載した写真をチェックし直し,さらに必要な写真を追加した.また,線画表現も見直し,読者の理解をいっそう高めるように努めた.
 また,今回は執筆者の大幅な交替を図り,新しい執筆者として20名に加わっていただいた.執筆者の所属する大学は延べ39校にも及んでいる.学生,研修医諸君が医学教育,特に外科学において何を望んでいるのか,教育の現場にいて,それをじかに肌で感じている執筆者が,その経験と知識を巧みにマッチングし,理解しやすく記述しているのが本書の特徴である.国家試験を視野に入れると同時に柔軟性をもった手引書として刊行され,今日まで確固たる地位を築いてきた本書に,編集者は誇りを感じると同時に,完成した外科学成書として自負している.
 本書の改訂の度に執筆者の方々には,教科書としての一貫性を備えるために,最新の理論,技術をわかりやすく記述していただくべく,数回にわたり,数多くの注文を申し上げ,大変なご努力をしていただいたことに改めて衷心より感謝申し上げる次第である.
 医学教育の改革が迅速に進み,CBT,OSCEやPBLチュートリアルなど新教育法の導入は周知の事実である.また,医師国家試験の前倒しに伴い,各大学において,臨床教育を早期に開始し,その内容の充実をはかっているなかで,卒前外科学教育の重要性はいよいよ増していることは否定し得ない.これまで『標準外科学』は,国家試験や卒前教育における外科学の「バイブル」として多くの学生諸君に愛用され親しまれてきた.それは,膨大な情報を重点的に要約し,簡潔に理解しやすい記述に徹し,ハンディな1冊本にこだわり続けてきた本書への読者の暖かい評価と理解している.第11版が,さらに多くの方々に活用され,お役に立てば編者として望外の喜びである.
 最後に,初版の企画から第11版の上梓まで編集,執筆に携わり,本書をここまで育て上げて下さった歴代執筆者のご功績に対し,心から感謝申し上げる.また,第11版においては,今まで以上にご尽力いただいた医学書院の方々に謝意を表したい.
 2007年4月

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総論
 1. 外科の歴史と外科医の医療への貢献
 2. 外科的侵襲の病態生理
 3. ショック
 4. 外科的診断法
 5. 無菌法(滅菌法および消毒法)
 6. 基本的外科手術手技
 7. 基本的外科処置
 8. 出血,止血,輸血
 9. 救急外科
 10. 急性腹症
 11. 損傷
 12. 外科的感染症
 13. 腫瘍
 14. 外科と免疫
 15. 外科と分子生物学
 16. 臓器移植
 17. 人工臓器
 18. 再生医学
 19. 術前術後管理と術後合併症
 20. 外科とリスクマネジメント
 21. 卒前臨床実習およびコア・カリキュラム
各論
 1. 顔面および口腔
 2. 頸部
 3. 乳腺
 4. 胸壁および胸膜
 5. 気管・気管支および肺
 6. 心臓
 7. 血管
 8. 縦隔および横隔膜
 9. 食道
 10. 腹壁,臍,腹膜,大網および後腹膜
 11. ヘルニア
 12. 胃および十二指腸
 13. 小腸および結腸
 14. 直腸および肛門管
 15. 肝臓
 16. 胆嚢および肝外胆道系
 17. 膵臓
 18. 脾臓および門脈
 19. 副腎
 20. リンパ系
 21. 老人外科
 22. 小児外科
和文索引
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