健康支援と社会保障制度[1]
医療概論 第2版

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  • 患者の人生にかかわる医療者の姿や、病院内の組織や施設構造、医療保険のしくみ、生命に関する倫理など、医療の全体像をつかむためのテキストです。
  • 看護教育以前に知っておきたい医療職としての基本事項をわかりやすく解説しています。病院実習に出る前に学んでおくことで、臨床の理解が深まります。
  • ①人がどのように生まれ・老い・病み・死ぬか、②医学がどのように歩みを進めて現代の医療を支えているか、③日本の社会保障制度や医療・介護システムの概要、④医療倫理・医療安全・医薬品・医療情報・先端医療の概要と今日的な問題点、⑤医療と経済・政策とのかかわりなどについて学ぶことができます。
  • 学生が自分のこととして読み進められるように、患者とのかかわりを描く事例やコラムを多数掲載しています。イメージカットを多用し、これまで医療について知る機会のなかった学生にもわかりやすい紙面になっています。
  • 本文は高校生でも読むことができる平易な表現に努め、難しい漢字にはルビをふり、専門用語には注釈で補足説明を入れています。
  • 「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ 系統看護学講座-専門基礎分野
執筆 康永 秀生
発行 2026年01月判型:B5頁:232
ISBN 978-4-260-06194-0
定価 2,420円 (本体2,200円+税)

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はしがき

 『医療概論』を手に取っていただいた学生の皆さんへ。本書は,医療者を目ざす皆さんを応援しサポートするために書いた一冊です。希望にあふれ,夢をいだいている皆さんに,著者は本書を通して心からのエールを送ります。
 医療の現場は,生きることと死ぬこと,喜びと悲しみ,希望と絶望が行き交う,人間味あふれる世界です。医療はときに,病に苦しむ患者を絶望のふちから救い出すことができます。しかし医療には限界があり,ときに無力です。患者が不治のやまいによって生きる道をふさがれ,手の施しようがないという厳しい現実に直面することもあります。
 医療者の仕事は,けっしてなまやさしいものではありません。どんなときにも医療者は,つねに患者に寄り添い,ともに病気に向き合っていかねばなりません。その責任を果たすためには,十分な知識や技術に裏打ちされた,職業人としてのプロ意識が必要です。医療者を志す皆さんは,このことを心にとめて,勉学に励んでください。

●本書の構成と特徴
 本書は,皆さんが医療を学ぶ第一歩として,医療全体を見渡し,すべての教科につながる基礎知識を学び,将来医療を実践する心がまえを身に着けるためのヒントを多く盛り込んでいます。
 第1章「生きることと死ぬこと」を読んで,生命をとうとぶ心,死をいたむ心,すこやかに生きること,おだやかに死ぬことについて,学び,考えてください。
 第2章「医学と医療」では,医学の歴史,科学としての医学,エビデンスに基づく医療について解説しています。
 第3章「保健・医療・介護──切れ目ないサポートの実現」では,社会保障制度や保健・医療・介護のシステムといった幅広い分野について,基本的な内容を解説しています。本章は,皆さんがこれから学ぶ各教科,なかでも『看護学概論』や「健康支援と社会保障制度」の各巻(『公衆衛生』『社会保障・社会福祉』『看護関係法令』)を学ぶ前準備として,現代の医療全体を概観できるものになっています。
 第4章「医療と社会」では,医の倫理,医療安全,医薬品,先端医療,医療情報といった,現代の医療にかかわる諸問題についてわかりやすく解説しています。
 第5章「医療経済学と医療政策」では,医療現場の視点にとどまらず,社会全体の視点に立って,経済学や政策を通じて医療をよくするという考え方の基本を学んでください。
 さらに本書には,「医療者を志すあなたへ」と題し,学生の皆さんへの熱いメッセージを多く盛り込みました。医療現場で働く看護師・保健師,その他の医療者の方々に直接取材し,彼ら・彼女らのなまの声を反映しています。本文中にも,医療や保健の現場での実際のエピソードを題材に,現場の息づかいが伝わるようないきいきとした挿話を随所にちりばめました。本文の少しかた苦しい文章を読んだあとに,息抜きとして楽しみながら読める内容です。それでいて,きっと皆さんの向上心を刺激し,職業意識を高めてくれるでしょう。
 本書が一冊の教科書という枠をこえ,単なる基礎知識の習得にとどまらず,皆さんの夢と希望をサポートし,一人前の医療者としての心がまえを身に着けることに役だてば幸いです。

 2025年10月
 康永秀生

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第1章 生きることと死ぬこと
 A 生命を尊ぶ心
  1 誕生の喜び
  2 命をいつくしむ心
  3 生命の価値
  4 生活の質(QOL)
  5 死について考える
 B 健やかに生きる
  1 健康とは
  2 ヘルスリテラシー
  3 ヘルスプロモーション──人々の健康をサポートする
  4 社会と健康
 C 老いてこそ人生
  1 「老い」と向き合う
  2 老年病学──老いに向き合う医学
  3 高齢患者の権利をまもる
  4 認知症と向き合う
 D おだやかに死ぬこと
  1 死にいたる3つのパターン
  2 苦痛の緩和
  3 終末期における患者の意思決定

第2章 医学と医療
 A 温故知新──医学の歴史に学ぶ
  1 古代の医術
  2 ヒポクラテスに学ぶ──現代に通じる医療哲学
  3 ヴェサリウスに学ぶ──医学の基本は観察
  4 ジェンナーに学ぶ──予防医学の原点
  5 パスツール,スノウに学ぶ──科学的方法論
  6 フレミングに学ぶ──医学をかえた大発見
  7 ナイチンゲールに学ぶ──看護の科学的実践
  8 リハビリテーション医学のはじまり
  9 わが国の医学・医療を支えた先人たち
  10 西洋医学の隆盛
 B 科学と医療
  1 科学としての医学
  2 科学だけでは割りきれない医療
  3 基礎医学研究と臨床研究
  4 臨床疫学──医療の不確実性に挑む科学
  5 エビデンスに基づく医療(EBM)
  6 エビデンスをみずから生み出す

第3章 保健・医療・介護──切れ目ないサポートの実現
 A 保健・医療・介護を取り巻く社会環境の変化
  1 少子高齢化と地域社会の変容
  2 疾病構造の変化
 B 社会保障制度
  1 社会保険
  2 公的扶助
  3 社会福祉
 C 公衆衛生と保健
  1 公衆衛生の概要
  2 感染症対策──見えない敵とたたかう
  3 母子保健──ママと子ども,そろって健やかに
  4 学校保健──学びの場での安全と健康
  5 産業保健──働く人々の安全と健康
  6 精神保健──心を病む人々のサポート
  7 環境保健──公害の歴史から学ぶこと
  8 国際保健──国境をこえる健康問題
  9 生活習慣病予防──「メタボ」への介入
  10 がん対策
 D 医療
  1 わが国の基幹医療システム
   a 病院と診療所
   b 医療従事者
   c 病院の構造と機能
   d 受診からの流れ
   e 地域医療連携
  2 救急医療
  3 災害医療
  4 集中治療
  5 チーム医療
  6 リハビリテーション
 E 介護
  1 介護保険サービス
  2 介護がかかえるさまざまな課題
  3 地域包括ケア

第4章 医療と社会
 A 医の倫理
  1 倫理とは
  2 生命倫理とは
  3 患者の権利
  4 医療者の権利
  5 研究倫理
 B 医療安全
  1 医療事故と医療過誤
  2 医療安全対策のはじまり
  3 医療過誤の原因と対策
  4 医療事故調査制度
 C 医薬品
  1 医薬品の分類
  2 医薬分業
  3 新薬の開発
  4 後発医薬品
  5 ポリファーマシー
  6 医薬品の有害事象
  7 薬害
 D 先端医療
  1 臓器移植医療
  2 生殖補助医療
  3 再生医療
  4 ゲノム医療
 E 医療情報
  1 医療情報と個人情報保護
  2 医療ビッグデータ
  3 人工知能(AI)による医療支援

第5章 医療経済学と医療政策
 A 経済学を用いて医療を読みとく
  1 医療者が経済学を学ぶ意義
  2 医療サービスの特殊性
  3 公的医療保険がなぜ必要か──誰もが安心して受けられる医療
  4 医療の質評価と情報公開
  5 医療サービスの規制
  6 医療職の不足
 B 転換を迫られる医療政策
  1 国民医療費
  2 これまでの医療費抑制策
  3 急性期医療の集約化
  4 医療サービスの費用効果分析
  5 まとめ──医療者がもつべきコスト意識

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