基礎看護学[4]
臨床看護総論 第8版

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  • 第1章では看護の対象を個人と家族からとらえ、個人はライフサイクルから、また家族は機能という視点から解説しています。
  • 第2章では対象の健康状態の経過に基づき、それぞれの経過の特徴や対象者のニーズ、看護援助を解説しています。
  • 第3章では対象者の症状から、また第4章では治療・処置から看護実践を展開するときの基本的な思考過程にそって、最新のガイドラインなどに基づいて、看護援助を説明しています。
  • 第5章では臨床看護を想定し、看護過程と臨床判断について事例を通して学習していきます。また多職種連携に関する事例を追加しています。
  • 付章では現場でよく利用されている医療機器の安全な使用方法から医療機器を使用する患者の理解について解説しています。
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はしがき

本書の特徴
 本書「臨床看護総論」は,1989(平成元)年の保健師助産師看護師学校養成所指定規則の改正に伴い誕生した科目に対応して編纂された。「臨床看護総論」は,健康障害をもつ対象(者)を理解し,状態に応じた看護について認識していくことがその科目内容の意図であった。その後,1996(平成8)年の同規則改正に伴い,この「臨床看護総論」という科目内容は基礎看護学に包含され,同時に科目の名称ではなく教育内容として提示された。2009(平成21)年の改正では,看護学の教育内容が専門分野I,IIならびに統合分野の3つに分けられ,「基礎看護学」ならびに「臨地実習:基礎」は,専門分野Iとして位置づけられた。そして,各看護学や在宅看護論の基盤となる基礎的理論や基礎的技術を学ぶ「基礎看護学」を構成するものとして,「看護学概論」「看護技術」と並んで「臨床看護総論」が提示され,教育内容として再度強調されることとなった。
 さらに,2021(令和3)年より施行の同規則の改正では,基礎看護学の留意点として「臨床判断能力や看護の基盤となる基礎的理論や基礎的技術,看護の展開方法等を学ぶ」があげられた。本書の前回の改訂では,第5章として「事例による看護実践の展開」を加え,臨床判断を行うための基礎的能力を修得できるようにはかった。
 第8版となる今改訂では,初学者が臨床で看護を学ぶ際に,多職種連携・協働を意識できるよう内容を見直した。発刊以来の基本理念である「看護の基本である,多様な健康上のニーズをもつあらゆる発達段階の人々に,基本的な看護学の知識や技術を統合し,応用するプロセスの学習を目ざす」という目的を継承しつつ,進展する看護学の知見を反映させた。この多職種連携の視点を重視した改訂は,前版より加わった「第5章 事例による看護実践の展開」においても同様であり,科学的根拠に基づいた判断をふまえつつ構成を再編した。ほかの章においても,連携・協働に関する記述を強化し,現代の看護に求められる実践力をはぐくむ内容とした。
 看護学の各々の基礎的な知識や技術はそれぞれの科目で学習されるが,これらの知識や技術は個々の看護職者のなかで統合され,それぞれが実践している看護援助の根拠や基盤として表出される。しかし,はじめて看護学生として,看護の対象となる人々に看護援助を行う基礎看護学実習において,既習科目の基礎的な知識や技術を統合し,自分の看護実践を具現化していくためには,その手がかりが必要であろう。
 本書は,看護が提供される場で,看護の対象となる人々と実際にかかわりながら看護実践を行う臨床看護の全体を総括した内容,つまり総論である。しかし,総論にとどまらず,基礎的知識や技術が実践のなかでどのように統合されているのかが,看護の対象者の状況(ライフサイクル,場,健康状態,症状,治療)に応じて理解できるように構成されている。

本書の構成と使い方
 本書の構成は,「第1章 健康上のニーズをもつ対象者と家族への看護」「第2章 健康状態の経過に基づく看護」「第3章 主要な症状を示す対象者への看護」「第4章 治療・処置を受ける対象者への看護」「第5章 事例による看護実践の展開」「付章 医療機器とその実際」となっている。
 第1章では,看護の対象を個人と家族という1つのユニットでとらえ,個をライフサイクル,家族を機能という視点でみている。さらに人々の存在する場を加え,3つの観点からその特徴を概観している。そして,それぞれの観点において健康上のニーズ,つまり看護のかかわる課題の特徴を論じている。第2章では,個人を中心に,動的な健康状態についての特徴,対象者のニーズ,看護援助の特徴について説明している。
 このように第1章と第2章では,臨床看護において看護の対象者を理解するための基盤を扱っている。とくに,第2章は,看護学を学びはじめた初学者にも看護の実際がイメージできるように,事例とともに看護援助の特徴を説明している。
 第3章と第4章では,具体的な対象者の症状や治療・検査の基礎的知識とともに,「アセスメント──診断──援助方法」という看護実践を展開するときの基本的な思考過程にそって,それぞれの看護援助を説明している。とくに第3章では,症状のメカニズムを基盤に,アセスメントの視点や看護援助の根拠を,初学者にもわかりやすく記述した。
 これら第1章から第4章までの学習内容を,個々の対象者の状況に応じて統合して1つにまとめていくことで,臨床における対象者に適した看護援助の実践に役だてることができるだろう。
 第5章では,従来から取り上げてきた,①対象となる人の状況を的確に把握し,看護の視点から課題を抽出・解決していく看護過程の概要,②看護過程に基づく実践の展開,③臨床における状況の変化に対応した適切な判断(臨床判断)の事例演習,という3つの点に加え,前述したように,新たに④看護実践における多職種連携の視点を導入した。これにより,臨床における看護実践の展開をより明確にとらえられるだろう。
 また,付章として,医療現場において看護職者に身近かつ代表的な医療機器の原理や使用の実際についてまとめている。現代医療において医療機器は不可欠なものであり,看護実践における情報を得る手段として,また援助の手段として使用されている。正しく機器を使用し,正しい成果を得るためには,個々の機器の原理を理解したうえで,安全かつ適切に活用することが大切であり,実習の場でおおいに役だててもらうことを期待する。
 はじめて看護実践と対峙する学生の皆さんにとって,看護の対象となる人々を理解し,看護学を基盤とした根拠に基づいた看護実践をするために,本書が参考になるのであれば幸いである。

 2025年11月
 著者ら

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第1章 健康上のニーズをもつ対象者と家族への看護 (水戸優子・村上裕子)
 A ライフサイクルからとらえた対象者と家族の健康上のニーズ
   a 健康について
   b 健康上のニーズ
  1 人のライフサイクルからとらえた看護
  2 子どもの理解と看護
  3 成人の理解と看護
  4 高齢者の理解と看護
  5 親になる人の理解と看護
 B 家族の機能からとらえた対象者と家族の健康上のニーズ
  1 家族形態の変遷
  2 家族システムの機能・役割
  3 家族の発達段階と発達課題
  4 対象者と家族の健康上のニーズと看護
 C 人々の暮らしからとらえた健康上のニーズとケアサービスの拠点
  1 人々の暮らしの理解
  2 地域形態の変化と地域共生社会の実現に向けて
  3 地域における医療の変化
  4 地域における施設の機能と看護
  5 地域の施設に応じた看護
  6 地域のなかで健康上のニーズを満たして暮らしつづけること

第2章 健康状態の経過に基づく看護 (香春知永・鈴木浩子・加藤木真史・谷本真理子・三次真理)
 A 健康状態と看護
  1 健康とは
  2 健康状態の理解と看護
  3 人々の健康を多職種で支える
 B 健康の維持・増進を目ざす時期の看護
  1 健康の維持・増進を目ざす時期の看護の特徴
  2 健康の維持・増進を目ざす時期の人々のニーズ
  3 健康の維持・増進を目ざす時期の人々への看護援助
 C 急性期における看護
  1 急性期
  2 急性期の患者のニーズ
  3 急性期にある患者への看護援助
 D 回復期における看護
  1 回復期
  2 回復期の患者のニーズ
  3 回復期にある患者への看護援助
 E 慢性期における看護
  1 慢性期
  2 慢性期の患者のニーズ
  3 慢性期にある患者への看護援助
 F 終末期における看護
  1 終末期
  2 終末期の患者のニーズ
  3 終末期にある患者への看護援助

第3章 主要な症状を示す対象者への看護 (香春知永・渡邉惠・羽入千悦子・水戸優子・長谷川真澄・土谷朋子・佐々木杏子・髙橋美賀子)
 A 呼吸に関連する症状を示す対象者への看護
  1 呼吸機能障害に関連する症状のメカニズム
  2 呼吸機能障害に関連する看護上のニーズ判別のためのアセスメント
  3 呼吸機能障害に関連するニーズ充足に向けた看護援助
 B 循環に関連する症状を示す対象者への看護
  1 循環障害に関連する症状のメカニズム
  2 循環障害に関連する看護上のニーズ判別のためのアセスメント
  3 循環障害に関連するニーズ充足に向けた看護援助
 C 栄養や代謝に関連する症状を示す対象者への看護
  1 栄養障害や代謝障害に関連する症状のメカニズム
  2 栄養・代謝障害に関連する看護上のニーズ判別のためのアセスメント
  3 栄養・代謝障害に関連するニーズ充足に向けた看護援助
 D 排泄に関連する症状を示す対象者への看護
  1 排泄機能障害に関連する症状のメカニズム
  2 排泄機能障害に関連する看護上のニーズ判別のためのアセスメント
  3 排泄機能障害に関連するニーズ充足に向けた看護援助
 E 活動や休息に関連する症状を示す対象者への看護
  1 身体的不活動・休息障害に関連する症状のメカニズム
   a 身体的不活動に関連する症状のメカニズム
   b 休息・睡眠障害に関連する症状のメカニズム
  2 活動と休息の障害に関連する看護上のニーズ判別のためのアセスメント
  3 活動と休息の障害に関連するニーズ充足に向けた看護援助
 F 認知や知覚に関連する症状を示す対象者への看護
  1 認知や知覚の障害に関連する症状のメカニズム
  2 認知や知覚に関連する看護上のニーズ判別のためのアセスメント
  3 認知障害・感覚障害に関連するニーズ充足に向けた看護援助
   a 認知障害に関連するニーズ充足に向けた看護援助
   b 感覚障害に関連するニーズ充足に向けた看護援助
 G コーピングに関連する症状を示す対象者への看護
  1 コーピングに関連する症状のメカニズム
  2 コーピングに関連する看護上のニーズ判別のためのアセスメント
  3 コーピングに関連するニーズ充足に向けた看護援助
 H 安全や生体防御機能に関連する症状を示す対象者への看護
  1 安全や生体防御機能の障害に関連する症状のメカニズム
  2 安全や生体防御機能に関連する看護上のニーズ判別のためのアセスメント
  3 安全や生体防御機能の障害に関連するニーズ充足に向けた看護援助
 I 安楽に関連する症状を示す対象者への看護
  1 安楽に関連する症状のメカニズム
  2 安楽に関連する看護上のニーズ判別のためのアセスメント
  3 安楽に関連するニーズ充足に向けた看護援助

第4章 治療・処置を受ける対象者への看護 (安藤幸枝・三次真理・村上好恵・橋内伸介・冨田亮三・高畑和恵)
 A 輸液療法を受ける対象者への看護
  1 輸液療法
  2 輸液療法を受ける対象者への看護援助
 B 化学療法を受ける対象者への看護
  1 化学療法
  2 化学療法を受ける対象者への看護援助
 C 放射線療法を受ける対象者への看護
  1 放射線療法
  2 放射線療法を受ける対象者への看護援助
 D 手術療法を受ける対象者への看護
  1 手術療法
  2 周手術期の看護援助
 E 集中治療を受ける対象者への看護
  1 集中治療
  2 集中治療を受ける対象者への看護援助
 F 創傷処置・創傷ケアを受ける対象者への看護
  1 創傷
  2 創傷処置・創傷ケアを受ける対象者への看護援助
 G 身体侵襲を伴う検査を受ける対象者への看護
  1 身体侵襲を伴う検査
  2 身体侵襲を伴う検査を受ける対象者への看護援助

第5章 事例による看護実践の展開 (水戸優子・渡邉惠)
 A 看護実践展開のためのガイド
  1 患者の身体的・精神的・社会的側面からの全体像の把握
  2 看護過程の展開
 B 看護過程に基づく実践展開
  1 患者の把握
  2 看護過程の展開
 C 臨床判断モデルを取り入れた実践展開
  1 臨床判断とは
  2 事例による学習
  3 臨床判断モデルを取り入れた事例演習
 D 多職種連携を基盤とした看護実践
  1 よりよい看護実践に必要な多職種連携
  2 看護学生による多職種連携の効果

付章 医療機器とその実際 (長島俊輔)
 A 医療機器の概要
  1 医療機器の定義と種類
  2 医療機器の理解
  3 医療機器を使用するために必要な要素
  4 医療機器を使用する患者の理解
 B 医療機器の実際
  1 検査のための医療機器
  2 医療の補助を行う医療機器
  3 看護の補助を行う機器

索引

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