リハビリテーション看護 第7版
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- 構成・解説を刷新し、図表・写真を多く盛り込んで、初学者が理解しやすいように工夫をこらしました。
- 第1部では、リハビリテーション看護の目的や対象などの基礎知識をわかりやすくまとめ、リハビリテーション看護を学生がイメージできるようにこころがけました。
- 第2部では、機能障害を生活行動の視点からとらえ、対象者の生活の再構築を支援するための実践についてふれています。とくにアセスメントについては、国際生活機能分類(ICF)の枠組みを用いることで、障害が生活に及ぼす影響を理解できる構成としました。
- 脳血管障害、高次脳機能障害、下肢切断、心不全といった多くの事例から、看護過程の展開を学ぶことができます。
- リハビリテーション看護における多職種連携、チームアプローチ、さらには地域リハビリテーションについても解説を加え、近年ニーズが高まっている地域医療連携の視点を理解することができます。
- 動画を多数収載し、リハビリテーション看護の実践を見て学ぶことができます。
- 「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ | 系統看護学講座-別巻 |
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著者代表 | 原 三紀子 |
著 | 山本 恵子 / 髙村 祐子 / 荒木 暁子 / 北原 崇靖 / 小泉 雅子 / 嚴 桂子 / 佐野 かおり / 岩川 彰子 / 佐藤 由紀子 / 寺本 千鶴子 / 桑原 亮 / 山内 英樹 / 原沢 のぞみ / 牛之濱 久代 / 大橋 知子 / 粕谷 陽子 / 小山 友里江 / 六角 僚子 / 矢ヶ崎 香 / 松岡 千代 / 平田 美紀 |
発行 | 2023年02月判型:B5頁:360 |
ISBN | 978-4-260-04999-3 |
定価 | 2,860円 (本体2,600円+税) |
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はしがき
改訂の背景
現代医学の進歩は目ざましく,新たな治療法の開発・普及や,医療体制の整備が進んだことで,多くの病む人々に恩恵をもたらしてきた。一方で,完全な回復にはいたらず,慢性化した病気や障害をもちながら人生を歩まなければならない人たちが増加していることも見逃せない事実である。また近年,わが国の高齢化はますます加速し,加齢による障害が,もとよりある疾患・障害と重複的・複合的にからみ合う場合も少なくない。このような状況を受けて,2014(平成26)年度の診療報酬改定においては,急性期病棟でのADL(日常生活活動)維持向上体制に加算がなされ,また,地域包括ケアシステムの構築に向けて地域包括ケア病棟が新設されるなど,健康増進の段階から急性期・回復期・生活期,そして在宅への移行を通した切れ目のないリハビリテーションの提供の連続性が求められている。そのためには多職種による協働が不可欠であるが,なかでも看護師は,障害をもつ対象者の生活の視点からきめ細かく障害をとらえ,疾患の治療・回復とともに障害の改善,または重度化の予防をはかるうえで中核的な役割を果たす。
本書は,1983年に初版を発行して以来,障害をもつ人への看護にかかわる知識・技術について,生活環境をとりまく諸制度などの最新情報を織りまぜながら改訂を重ねてきた。障害をもちながら,その人らしく生きることを援助するというリハビリテーション看護の実践は,上記のような社会の趨勢をふまえると一層重要なものになっていると言えるだろう。
改訂内容
第7版では,新たな執筆陣のもとで全面的に内容を刷新し,リハビリテーション看護の専門性がより伝わるように構成をまとめ直した。とくに,人の営みの基本である生活行動に着目し,それが障害されることであらわれる影響について,国際生活機能分類(ICF)の枠組みに基づき解説を加えたことは大きな変更点である。そのほか,地域リハビリテーション看護などの近年ニーズが高まっているテーマや,リハビリテーション看護を展開するために必要な理論・概念といったさまざまな内容についてふれているが,全体を貫くのは,障害をもつ人のQOLを高める,すなわち生命lifeをまもり,生活lifeを再構築し,その人を生涯lifeにわたって支援するというリハビリテーション看護の理念である。
本書が読者の皆さんの学習をたすけ,さらにはリハビリテーション看護の発展と普及に役だつことを心から願っている。
2022年12月
著者ら
目次
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序章 リハビリテーション看護を学ぶにあたって (山本恵子)
1 リハビリテーションと看護
2 ICFの視点
3 本書の活用の仕方
第1章 リハビリテーション総論 (原三紀子・髙村祐子)
A リハビリテーションの概念
1 リハビリテーションが意味するもの
2 リハビリテーションの歴史的変遷
3 WHOによるリハビリテーションの定義の変遷
B リハビリテーションの領域
1 医学的リハビリテーション
2 教育的リハビリテーション
3 社会的リハビリテーション
4 職業的リハビリテーション
C チームアプローチとしてのリハビリテーション
1 リハビリテーションにおけるチーム医療
2 リハビリテーションチームにかかわる専門職と看護師の役割
第2章 リハビリテーション看護の概要 (山本恵子)
A リハビリテーション看護の歴史的背景
1 わが国におけるリハビリテーション看護の導入
2 わが国におけるリハビリテーション看護の広がり
B リハビリテーション看護の定義と役割
1 リハビリテーション看護の定義
2 QOLの維持・向上をはかるリハビリテーション看護の役割
3 ARNにおけるリハビリテーション看護の役割
C リハビリテーション看護の実践の場
1 医療施設・介護施設におけるリハビリテーション看護
2 地域におけるリハビリテーション看護
第3章 リハビリテーション看護の対象 (荒木暁子)
A 障害の概念
1 国際障害分類(ICIDH)
2 国際生活機能分類(ICF)
B 障害をもつ人の法的定義
1 障害者基本法による定義
2 身体障害者福祉法による定義
3 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)による定義
4 発達障害者支援法による定義
5 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)による定義
C 障害者の実態
第4章 リハビリテーション看護に関連する法制度 (北原崇靖)
A わが国の障害者施策の変遷
B 障害者をまもり支える法律・サービス
1 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)
2 障害者手帳
3 その他の法律・サービス
第5章 ステージ別リハビリテーション看護 (原三紀子・山本恵子)
A 経過別リハビリテーション看護
1 予防的リハビリテーションと看護
2 急性期リハビリテーションと看護
3 回復期リハビリテーションと看護
4 生活期リハビリテーションと看護
5 終末期リハビリテーション
B 発達段階別リハビリテーション看護
1 小児期のリハビリテーション看護
2 成人期のリハビリテーション看護
3 老年期のリハビリテーション看護
第6章 リハビリテーション看護を展開するための基盤 (原三紀子・小泉雅子・嚴桂子・佐野かおり・岩川彰子)
A リハビリテーションを阻害する要因と促進する要因
1 リハビリテーションを阻害する要因
2 リハビリテーションを促進する要因
B リハビリテーション看護の対象理解を深めるための理論・概念
1 ノーマライゼーション
2 セルフケア
3 自己効力感
4 エンパワメント
5 日常生活活動(ADL)
6 ストレングス
7 レジリエンス
8 パートナーシップ
C 障害をもつ人の心理的問題
1 障害の心理的影響
2 障害受容
D 療養生活を支える家族への援助
1 障害の理解と介護方法の習得
2 家族を支える社会資源
3 家族に対する心理的援助
E 社会資源の活用
1 社会資源の特徴
2 福祉用具
3 就労支援
4 ボランティア
F リハビリテーション看護における倫理的課題
1 安全の確保と尊厳の保持の問題
2 意思決定能力の問題
第7章 生活者としての対象を支えるリハビリテーション看護 (佐藤由紀子・寺本千鶴子・桑原亮・山内英樹・原三紀子・原沢のぞみ・牛之濱久代・大橋知子・粕谷陽子・山本恵子・小山友里江)
A 運動機能障害
1 動くという生活行動
2 運動機能障害の原因と特徴
3 評価尺度
4 リハビリテーション看護の方法
B 摂食嚥下障害
1 食べるという生活行動
2 摂食嚥下障害の原因と特徴
3 評価尺度
4 リハビリテーション看護の方法
C 排泄機能障害
1 排泄という生活行動
2 排泄機能障害の原因と特徴
3 評価尺度
4 リハビリテーション看護の方法
D 呼吸機能障害
1 呼吸機能
2 呼吸機能障害の原因と特徴
3 評価尺度
4 リハビリテーション看護の方法
E 言語障害
1 言語機能
2 言語障害の原因と特徴
3 評価尺度
4 リハビリテーション看護の方法
F 高次脳機能障害
1 高次脳機能
2 高次脳機能障害の原因と特徴
3 評価尺度
4 リハビリテーション看護の方法
G 性機能障害
1 性と性機能
2 性機能障害の原因と特徴
3 評価尺度
4 リハビリテーション看護の方法
H 視覚障害
1 見るという生活行動
2 視覚障害の原因と特徴
3 評価尺度
4 リハビリテーション看護の方法
I 聴覚障害
1 聞くという生活行動
2 聴覚障害の原因と特徴
3 評価尺度
4 リハビリテーション看護の方法
J 事例展開
1 急性期の脳血管障害患者のリハビリテーション看護
2 回復期の脳血管障害患者のリハビリテーション看護
3 高次脳機能障害をもつ対象者のリハビリテーション看護
4 下肢切断患者のリハビリテーション看護
5 心不全患者のリハビリテーション看護
第8章 これからのリハビリテーション看護 (六角僚子・矢ヶ崎香・松岡千代・平田美紀)
A 地域リハビリテーション看護
1 地域リハビリテーションの概要
2 地域包括ケアシステムにおける地域リハビリテーション看護の考え方
3 異なる住まいの場での地域リハビリテーション看護
4 地域リハビリテーション看護実践のためのアセスメント
5 事例に基づく地域リハビリテーション看護実践のためのアセスメント
B がんリハビリテーション看護
1 がんリハビリテーションの考え方
2 がんや治療に伴う機能喪失・障害に対するリハビリテーション看護
C 災害時のリハビリテーション看護
1 障害者と災害
2 災害リハビリテーション
3 災害におけるリハビリテーション看護
D さまざまな機器の活用とリハビリテーション看護
1 安全・安楽に関する機器
2 ADLを支援する機器
3 在宅で活用できるIoT
巻末資料
動画一覧
索引
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