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日常生活活動・社会生活行為学 第2版

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作業療法学専門分野のスタンダード・テキストの改訂版。作業療法に欠かすことのできない「日常生活活動(ADL)」と「社会生活行為学」を、イラスト・写真を多用し、初学者にわかりやすく解説。作業の行為ごとに評価、支援、治療プログラム(事例演習)に分け、実践をイメージしやすい内容となっている。「日常生活活動学」「生活行為学」などの科目に最適のテキスト。

*「標準作業療法学」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ 標準作業療法学 専門分野
編集 濱口 豊太
編集協力 曽根 稔雅
発行 2022年12月判型:B5頁:328
ISBN 978-4-260-05053-1
定価 4,950円 (本体4,500円+税)

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第2版 序

 生活行為は「Life=生命・生物・生活・人生」を人間の共通した行動から抽出した表象である.それは生命を維持するために人間が意図して行動するものであり,動作を行う者の人生段階とその社会での出来事や習慣が,知識や思想,文化などを背景に修飾され,時に目的のために用いられる物品も含んで構成される.作業療法は対象者の生活行為を成立させ,再現・持続できるように作業を用いて支援する.本書は,対象者の生活行為を作業療法士が支援するための構成要素を理解するために,総体として次のように表した.
 序章では,生活行為の構成を人間の振る舞いとして「運動」「動作」「行動」「活動」「行為」に分類した.作業療法士はこれらの固有の意義を考慮して,対象者の課題を発見し,計画的に支援するために優先順位をつける.このことは,第1章から学ぶ日常生活活動(ADL)と社会生活行為の基盤の考え方なのでここに示した.
 第1章では,ADLと社会生活行為の歴史的分類から国際保健機関のICF分類に照合した位置づけを解説し,作業療法士が対象者のADL・社会生活行為を支援するために行う評価,目標設定,治療計画,実践および効果判定までの流れを示した.ADLの評価とADL治療法の理論は,第2章から展開する作業療法の仕組みの基盤となっている.
 第2章では,対象者のADLと社会生活行為を治療・援助・指導するための評価と治療計画について障害別に解説した.ADLの評価では,動作手順・構成要素・観察の要点を示した.ADLの基礎練習・部分練習・全体練習は「運動」「動作」「行動」「活動」「行為」の組み合わせからなり,練習の到達点・強度・頻度・期間などが定められる.身体・精神・発達期におけるADL支援の様子は,演習の参考にしていただきたい.
 第3章では,教育と就労に対応する作業療法士の役割を取り上げた.居住地域を同じくする人間と文化とのかかわり,遊びへの考え方にも言及した.また,対象者の能力を発揮しやすい物理的環境と用具などは,それ自体が治療の要素の1つでもある.
 第4章では,装具・補装具と福祉用具,住環境への対応法を概説し,対象者の能力を代償してADLと社会生活行為を支援する作業療法の考え方を示す.
 人間の生活行為は,個人・家庭・社会の世界に時間軸でつながっている.本書で示した生活を支援する知と技をもとに,「生活」を再発見してほしい.

 2022年11月
 濱口豊太

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序章
   A 対象者を理解するために
   B 対象者の心身機能とADLをつなぐ

1 日常生活活動・社会生活行為学概論
 GIO,SBO,修得チェックリスト
 I ADL総論
   A 社会生活行為学とは
   B ADLを支援するために
   C 作業療法士がADLを支援するために
 II ADL の評価
   A ADLの評価分類・資料
   B 作業療法士の視点
   C 評価と記録方法
 III ADLの治療理論
   A 運動理論
   B 学習理論
   C 社会における活動の定着

2 日常生活活動の支援
 GIO,SBO,修得チェックリスト
 I-1 身体機能のADL──脳血管障害
  1 起居・移動
   A 脳血管障害の起居・移動
   B 評価と支援
   C 観察・動作練習
   D 事例演習
  2 食事
   A 評価
   B 食事練習・支援
   C 脳血管障害者(片麻痺,仮性球麻痺)に対する食事練習
  3 整容
   A 整容の評価
   B 整容の練習
   C 事例演習
  4 更衣
   A 評価
   B 練習・支援
   C 事例演習
  5 排泄
   A 排泄の評価
   B 排泄の練習・支援
   C 参加と体験(既知の環境への適応)
   D 事例演習
  6 入浴
   A 入浴の評価
   B 入浴の練習・支援
   C 事例演習
  7 睡眠・栄養・身体活動
   A 睡眠
   B 栄養
   C 身体活動とエネルギー代謝
 I-2 身体機能のADL
  1 運動器障害・整形外科疾患のADL
   A 病期によるADLのポイント
   B 上肢関節の機能的役割
   C ADLにおける修復組織別の注意点
  2 脊髄損傷のADL
   A 脊髄損傷の評価
   B SCIの起居動作に関する基礎練習
   C SCIの起居・移動
 II 精神障害のADL
   A 統合失調症
   B 大うつ病性障害
   C アルコール依存症
 III 発達過程のADL
   A 発達過程の作業療法
   B 脳性麻痺
   C 知的能力障害
   D 自閉スペクトラム症
   E 発達性協調運動症

3 社会生活行為の支援
 GIO,SBO,修得チェックリスト
 I 家庭生活行為
  1 炊事
   A 炊事の特徴
   B 炊事の構成要素・工程・手順
   C 炊事の評価
   D 支援方法
   E 障害別の特徴や注意点
   F 事例演習
  2 掃除・整理
   A 評価
   B 治療・支援
   C 事例演習
  3 買い物・経済管理
   A 作業療法の評価
   B 治療・支援
   C 事例演習
 II 教育
   A 評価
   B 療育・支援
   C 補助具と福祉機器
 III 就労
   A 就労とは
   B 障害者の就労支援に関する法律
   C 評価
   D 支援
   E 事例演習
 IV コミュニティ・遊び
   A 評価
   B 支援
   C 事例演習

4 装具・補装具,福祉用具,住環境
 GIO,SBO,修得チェックリスト
 I 装具・補装具
   A 補装具と自助具
   B 補装具の公的給付
   C 装具
   D 体幹装具
   E 上肢装具
   F 下肢装具
 II 福祉用具
   A 福祉用具
   B 起居・移乗・移動
   C ADLで用いる福祉用具
   D 家事に用いる福祉用具
 III 住環境
   A 住宅改修の基本的な考え方
   B 住宅改修の流れ
   C 関連する職種との連携
   D 住宅改修での基本的な配慮
 さらに深く学ぶために

索引

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