成人看護[2] 第14版
血液・造血器 内分泌・代謝 脳・神経 運動器 [特論]リハビリテーション看護

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  • 本シリーズではまず「成人看護総論」(9巻)で、成人患者の特徴を理解し、その後に各系統にそって看護の学習に入れるように構成してあります。
  • それぞれの疾患の看護では、まず各系統別に看護の特徴が示され、その後、第1章では解剖生理、病態生理、検査、治療・処置などの基礎的事項を、第2章で主要な疾患を学習し、ついで第3章で疾患をもつ患者の看護の実際を学習する順序となっています。
  • 「脳・神経疾患患者の看護」では、改訂により第1、2章の記述を全体的に見直し、書き改めています。
  • 「運動器疾患患者の看護」では、疾患の頻度などにあわせた項目順としました。また、運動器不安定症やロコモティブシンドロームについても解説をしています。
シリーズ 新看護学 10
執筆 魚住 遥 / 尾矢 博子 / 苅田 達郎 / 草刈 由美子 / 倉持 江美子 / 小林 優子 / 近藤 泰児 / 嶋野 ひさ子 / 鈴木 祥生 / 鈴木 由美 / 鈴木 竜司 / 高尾 昌樹 / 高橋 奈津子 / 田代 千香 / 藤本 純子 / 宮川 義隆 / 柳井田 恭子
発行 2023年01月判型:B5頁:456
ISBN 978-4-260-05001-2
定価 3,080円 (本体2,800円+税)

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はしがき

学習にあたって

 みなさんはこれまで,「専門基礎」および「基礎看護」を通して,看護を実践するうえで必要な知識と技術,および看護従事者としての普遍的な態度について学んできた。本書「成人看護」では,「専門基礎」「基礎看護」で学んだことをふまえ,現実に健康上の障害をもった成人期の患者に対して,それぞれの知識や技術をどのように展開したらよいのかについて学習する。
 看護の対象の中心となるのは健康上の問題や課題をもった人間であり,看護はその人を中心に展開されなければならない。しかし,ひとくちに成人といっても,きわめて幅広い年齢層の人々が含まれ,男性もいれば女性もいる。また成人期は人生における活動期であり,個人がそれぞれの価値観や生活をもち,職業や学業,家事,育児などに力を注ぐ時期でもある。
 これら成人期の人々の健康をまもり,疾病や障害からの回復に向けて援助していくためには,疾患について基本的な知識を修得することが必要である。そして,患者を中心とした看護を展開するためには,人間の行動や生活,社会のシステムなど,さまざまな側面から看護を学んでいかなければならない。
 本書「成人看護」の領域では,まず「成人看護総論」を通して成人患者の特徴を理解し,その後,各系統にそって学習を展開していく。各系統別では,はじめに「看護の役割」で看護の特徴を把握したうえで,第1章で解剖生理,病態生理,検査,治療・処置などの基礎的な事項を学習する。次に第2章では主要な疾患について学ぶ。これらは,専門基礎科目において履修した知識を確認しつつ学習することが望ましい。これらの基礎知識をふまえて,第3章では診察や治療などの補助,症状への対応,疾患をもつ患者への療養指導などといった,看護の実際を学習する。
 さまざまな知識を臨床の場に適用し,それを実践能力にまで高めていくためには,たゆまぬ学習が求められる。本書は,そうした自己学習にも十分に対応できるよう配慮されている。本書での学習を通じて,さまざまな状態にある成人の患者に対して,准看護師として適切に対応し,看護を提供する能力を養ってほしい。

改訂の経過とカリキュラムの変遷
 本書は,1970(昭和45)年に准看護学生のための教科書として初版が刊行された。以来,その役割とその重要性に鑑みて,医学・看護学および周辺諸科学の発展・分化や,社会の変化などをいち早く読み取りながら,看護の質の向上に資するべく定期的に改訂を重ねてきた。あわせて,学習者の利便を考慮しながら,記載内容の刷新・増補,解説の平易化をはかり,より学びやすい教科書となるように努めてきた。幸い,このような編集方針は全国の教育施設から評価をいただき,本書を幅広く利用していただくこととなった。
 2022(令和4)年度より適用となる新カリキュラムでは,成人看護と老年看護の時間数は210時間が維持された。一方,臨地実習の留意点に「在宅などの多様な場における対象者の療養生活を学ぶ内容とする」が加わったように,成人看護においても多様な場での看護を意識した教育が求められることになった。『新看護学 成人看護』の各巻では,社会の変化に伴い要請される看護の役割を担えるよう,准看護師として求められる情報量を考慮しつつ内容の充実をはかり改訂を進めている。

改訂の趣旨
 今改訂においても,引き続き「成人看護」に関する新知見を盛り込み,内容の刷新に努めた。全体を通じて,記述はなるべく簡潔・平易なものとし,日常生活で目にすることの少ない漢字・用語については,ふりがな(ルビ)を充実させた。また,より学習に取り組みやすくするため,それぞれの系統の導入部となる「看護の役割」には,イラストや写真などを挿入して,患者のすがたと看護の役割を具体的にイメージできるようにした。さらに,前回の改訂に引きつづき,知識の定着と学習のたすけとなるよう,各章末には「復習問題」を設けた。
 なお,編集にあたって,表現の煩雑さを避けるため,特定の場合を除いて看護師・准看護師に共通する事項は「看護師」と表現し,准看護師のみをさす場合には「准看護師」とした。また保健師・助産師などを含めた看護の有資格者をさす場合には「看護者」あるいは「看護職」としたので,あらかじめご了解いただきたい。
 今後とも准看護師教育のさらなる充実・発展を目ざし,本書が適切で使いやすいテキストとなるように最善の努力を重ねてまいりたい。本書をご活用いただいた読者や有識者の皆さまより,忌憚のないご意見をお寄せいただければ幸いである。

 2022年11月
 著者ら

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血液・造血器疾患患者の看護
 看護の役割 (高橋奈津子)
 第1章 基礎知識 (宮川義隆)
  A.血液のはたらきと造血のしくみ
  B.おもな症状と病態生理
  C.おもな検査
  D.おもな治療・処置
 第2章 おもな疾患 (宮川義隆)
  A.貧血
  B.白血病
  C.その他の造血器腫瘍
  D.出血性疾患
 第3章 患者の看護 (高橋奈津子)
  A.共通する看護
  B.おもな症状に対する看護
  C.検査を受ける患者の看護
  D.治療・処置時の介助
  E.急性白血病患者の看護

内分泌・代謝疾患患者の看護
 看護の役割 (柳井田恭子)
 第1章 基礎知識 (鈴木竜司)
  A.内分泌器官のしくみとはたらき
  B.栄養素代謝のあらまし
  C.おもな症状と病態生理
  D.おもな検査
  E.おもな治療・処置
 第2章 おもな疾患 (鈴木竜司)
  A.内分泌疾患
  B.代謝疾患
 第3章 患者の看護 (柳井田恭子)
  A.共通する看護
  B.内分泌疾患患者の看護
  C.代謝疾患患者の看護
  D.手術を受ける患者の看護

脳・神経疾患患者の看護
 看護の役割 (嶋野ひさ子)
 第1章 基礎知識 (鈴木祥生・髙尾昌樹)
  A.脳・神経のしくみとはたらき
  B.症状とその病態生理
  C.おもな検査
  D.おもな治療
 第2章 おもな疾患 (鈴木祥生・髙尾昌樹)
  A.脳血管障害(脳血管疾患)
  B.脳腫瘍
  C.神経系の感染性疾患
  D.神経系の変性疾患,遺伝性疾患
  E.脱髄疾患
  F.頭部外傷
  G.水頭症
  H.てんかん
  I.認知症
  J.末梢神経障害(末梢性ニューロパチー)
  K.筋疾患
  L.中毒
 第3章 患者の看護 (藤本純子・嶋野ひさ子)
  A.共通する看護
  B.診察・検査を受ける患者の看護
  C.症状および障害に対する看護
  D.脳・神経疾患患者の看護
  E.手術(開頭術)を受ける患者の看護

運動器疾患患者の看護
 看護の役割 (草刈由美子)
 第1章 基礎知識 (近藤泰児)
  A.運動器のしくみとはたらき
  B.診察と検査
  C.おもな治療法
 第2章 おもな疾患 (苅田達郎・近藤泰児)
  A.外傷性疾患
  B.四肢循環障害と阻血性壊死性疾患
  C.感染性疾患
  D.関節リウマチとその類縁疾患
  E.代謝性骨疾患
  F.変形性関節症とその類縁疾患
  G.変形性脊椎症とその類縁疾患
  H.運動器不安定症・ロコモティブシンドローム
  I.四肢・脊椎の変形をきたす疾患
  J.腫瘍および腫瘍性疾患
  K.神経疾患
 第3章 患者の看護 (草刈由美子・田代千香・尾矢博子・小林優子)
  A.共通する看護
  B.症状に対する看護
  C.診察・検査を受ける患者の看護
  D.治療・処置を受ける患者の看護
  E.運動器疾患患者の看護

[特論]リハビリテーション看護
 第1章 リハビリテーションにおける看護 (倉持江美子・魚住遥)
  A.リハビリテーションと看護
  B.チームアプローチによるリハビリテーション
 第2章 リハビリテーションの実際 (鈴木由美)
  A.リハビリテーションの流れ
  B.リハビリテーションの内容
 第3章 患者・家族の主体性を引き出す看護 (魚住遥)
  A.ADL機能向上のための援助
  B.患者・家族への教育

さくいん

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