病理学 第5版

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理学療法士・作業療法士養成校学生のための教科書.疾患が発生する原因・メカニズムおよび疾患の基となる病態を解明する病理学の基本的事項を、学生が使いこなせるように内容を精査し、コンパクトにまとめた。今版では最新の形態学的・分子病理学的知識や、国試出題基準も網羅するための加筆を行った。各章末「復習のポイント」を穴埋め問題方式に変更、巻末の「セルフアセスメント」と併せ、試験対策に活用しやすくなった。

*「標準理学療法学・作業療法学」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ 標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野
シリーズ監修 奈良 勲 / 鎌倉 矩子
監修 横井 豊治
編集 村雲 芳樹 / 佐藤 康晴
発行 2022年10月判型:B5頁:328
ISBN 978-4-260-04986-3
定価 5,060円 (本体4,600円+税)

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第5版 序

 理学療法士・作業療法士教育を目的として,2000年に初版が発行された標準理学療法学・作業療法学シリーズの『病理学』は,2003年の第2版,2009年の第3版,2017年の第4版と改訂を重ね,このたび5年ぶりに第5版を刊行することとなった.この5年の間にも,医学は目覚ましい発展を遂げ,病理学においても分子レベルでの病態の解明がまさに日進月歩で進んでいる.「分子病理学」は過去には実験病理学を指す言葉であったが,今では診断病理の新たな分野として確立された.
 病理学は,疾患が発生する原因・メカニズムを明らかにし,どのような仕組みで症状が出ているのか,疾患の基となる病態を解明していく学問であり,医療に携わるすべての職種について,その養成課程において学ぶべき必須の科目となっている.本書は理学療法士・作業療法士を目指す学生の多くに支持され,病理学の学習のために活用されてきた.さらに本書は,海外でもその内容が評価され,初版,第3版,第4版が韓国語に翻訳され出版されている.今回の改訂は,さらに内容を充実させるために,最新の形態学的知識,分子病理学的知識を取り入れたうえで,学生が学びやすいようになるべくコンパクトにまとめることに留意した.また,国家試験出題基準も網羅するように必要な記述項目を追加した.さらに,各章末にある「復習のポイント」を穴埋め問題方式に変更し,学生がより取り組みやすいよう工夫を加えた.
 第5版では,前版にて中心的な編集者を務めた横井豊治(愛知医科大学名誉教授)が監修を担当する一方,編集者として新たに佐藤康晴(岡山大学教授)が参加し,村雲芳樹(北里大学教授)とともに2人で編集を担当した.また執筆者にも,定年を迎えられ大学を去られた先生の代わりに,現役の教員として教鞭を執っている4名の病理学者に加わっていただいた.
 最終稿を総覧してみると,記述内容,図表にも学生の理解を深めるための創意工夫が凝らされていることがよくわかり,学生の間のみならず,臨床の現場に出てからも手に取って活用できる教科書になったと確信している.多くの医療技術系学生,医療従事者,また教員にも活用していただければ,幸いである.
 最後に,本書の出版に際し,貴重な助言をいただき,親身に編集に携わっていただいた医学書院の関係者各位に心より感謝申し上げる.

 2022年8月
 村雲 芳樹
 佐藤 康晴

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序説 PT・OTと病理学のかかわり

総論
 1 病理学の概要
 2 病因論
  A 病因とは
  B 内因
  C 外因
  D 栄養障害
  E 理学・作業療法との関連事項
 3 退行性病変,進行性病変
  A 退行性病変
  B 進行性病変
  C 理学・作業療法との関連事項
 4 代謝異常
  A 蛋白質・アミノ酸代謝異常
  B 核酸代謝異常
  C 脂質代謝異常
  D 糖質代謝異常
  E 無機物質代謝異常
  F 色素代謝異常
  G 理学・作業療法との関連事項
 5 循環障害
  A 体液循環の機構
  B 局所の循環障害
  C 全身の循環障害
  D 理学・作業療法との関連事項
 6 免疫
  A 免疫の概念
  B 免疫の成立
  C 免疫反応がもたらす傷害・疾患
  D 移植
  E 理学・作業療法との関連事項
 7 炎症,感染症
  A 炎症
  B 感染症
  C 理学・作業療法との関連事項
 8 腫瘍
  A 腫瘍とは
  B 腫瘍の命名と分類
  C 腫瘍の形態
  D 悪性腫瘍の進展形式
  E 悪性腫瘍の進行度
  F 悪性腫瘍の統計
  G 腫瘍発生の原因
  H 発がんのメカニズム
  I がんゲノム医療
  J 理学・作業療法との関連事項
 9 老化
  A 生理的老化と寿命
  B 加齢による生理的老化
  C 加齢による各臓器の変化と加齢に伴い増加する疾患
  D 加齢とともに増加する全身疾患
  E 理学・作業療法との関連事項
 10 先天異常
  A 先天異常とは
  B 遺伝子異常による疾患と遺伝性疾患
  C 遺伝性疾患
  D 染色体異常
  E 先天性形成異常(奇形)
  F 理学・作業療法との関連事項

各論
 11 循環器
  A 心臓
  B 血管
  C 理学・作業療法との関連事項
 12 呼吸器
  A 呼吸器系の構造
  B 上気道
  C 下気道
  D 胸膜
  E 理学療法・作業療法との関連事項
 13 消化器
  A 口腔・咽頭疾患
  B 食道
  C 胃
  D 小腸
  E 大腸と肛門
  F 腹膜
  G 肝臓
  H 胆囊および胆管
  I 膵臓
  J 理学・作業療法との関連事項1
 14 神経系
  A 中枢神経系
  B 末梢神経系
  C 理学・作業療法との関連事項
 15 運動器
  A 骨,軟骨
  B 関節とその付属器
  C 筋肉系
  D 理学・作業療法との関連事項
 16 泌尿・生殖器
  A 腎臓
  B 下部尿路
  C 男性生殖器
  D 女性生殖器
  E 乳腺疾患
  F 理学・作業療法との関連事項
 17 内分泌臓器
  A 視床下部
  B 下垂体
  C 甲状腺
  D 副甲状腺
  E 副腎
  F 膵Langerhans島
  G 消化管ホルモンの異常
  H 多発性内分泌腫瘍症
  I 異所性ホルモン産生腫瘍
  J 理学・作業療法との関連事項
 18 造血器
  A 骨髄
  B リンパ節
  C 脾臓
  D 胸腺
  E 理学・作業療法との関連事項
 19 皮膚,感覚器
  A 皮膚
  B 眼
  C 耳
  D 理学・作業療法との関連事項

セルフアセスメント
参考図書一覧
索引

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