小児科学 第6版

もっと見る

本書ではPT・OTを目指す学生にとって必要十分な小児科学の基礎的知識を学習できるようになっている。基本構成は前版を踏襲しつつ、臨床における重要度から小児の発達や脳性麻痺などの項目を中心に、全体を刷新しさらに充実度を高めた。

*「標準理学療法学・作業療法学」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ 標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野
シリーズ監修 奈良 勲 / 鎌倉 矩子
編集 前垣 義弘 / 小倉 加恵子
発行 2023年01月判型:B5頁:288
ISBN 978-4-260-05013-5
定価 4,730円 (本体4,300円+税)

お近くの取り扱い書店を探す

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。

  • 序文
  • 目次

開く

第6版 序

 2000年2月に初版が発刊された本書には,PT,OTを目指す学生が現場で活躍できるよう育ってほしいという冨田豊先生の熱意が込められている.その序に「国家試験だけを考えるとかなり内容が片寄るので,学生諸氏が将来PT,OTとして現場で小児に携わるようになったとき,少なくとも最初の数年間の間にぶつかるであろう小児の諸問題を取り上げるようにした」とある.私は,第4版より主に神経疾患の章の執筆を担当するようになり,第6版より編集を任された.冨田先生のマインドを引き継ぐことを肝に銘じて,小倉加恵子先生とともに編集を行った.
 医療は日進月歩であり,急性期医療の進歩や新しい治療法の開発などにより,疾患の臨床経過が大きく変わってきた.症状が緩和され,長期生存できるようになった.それに伴って医療や福祉,教育,行政の制度も整えられてきている.一方で,従来であれば短命であった難病の子どもが障害がありながら生存できるようになった.その結果,医療的ケア児が全国で増加し,その多くが在宅で生活している.重症心身障害児や医療的ケア児の支援を行う訪問診療医や看護師および訪問リハビリテーションへのニーズが増してきている.このような背景から,2021年9月に「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)」が施行された.それに伴って,第6版では重症心身障害児・医療的ケア児について詳しく記述した.
 さらに,近年ニーズの高い発達障害(神経発達症)についても,1つの章として独立させ内容を充実させた.発達障害の子どもは成長とともにニーズが変化するため,リハビリテーションの視点も状態に合わせて柔軟に変更することや家族支援の重要性を強調した.
 その他の章も今回の改訂にあたり,医療の最新の知見と齟齬がないように,各疾患の専門の先生方に執筆を依頼した.
 子どもは家族や地域社会の中で育てられ,いずれは自立していく.障害のある子どもも同じであり,必要なサポートを受けながら自立し,自分らしい人生を歩んでほしいと願っている.PT,OTは,子どもと家族に密にかかわる重要なキーパーソンであり,広い視野をもった専門職となることを期待している.本書がそのために役立てたら幸いである.

 2022年12月
 前垣義弘

開く

序説 PT・OTと小児科学のかかわり
 A 小児科医が求めるPT・OTのかかわり
 B PT・OTが子どもにかかわるうえで大切なこと

1 小児科学概論
 A 小児科の特徴
 B 小児の成長・発育と発達
 C 栄養と摂食
 D 小児の保健
 E 理学・作業療法との関連事項

2 診断と治療の概要
 A 診断と検査
 B 小児の治療法
 C 理学・作業療法との関連事項

3 新生児・未熟児と疾患
 A 胎児期,周産期,新生児期
 B 新生児の評価と問題
 C 早産児(未熟児)の神経学的所見
 D 新生児・周産期異常症状
 E 代表的中枢神経障害と疾患
 F 理学・作業療法との関連事項

4 先天異常と遺伝病
 A 先天異常と遺伝
 B 遺伝と病気
 C 染色体疾患
 D 先天異常
 E 先天代謝異常症
 F 理学・作業療法との関連事項

5 神経・筋疾患
 A 診断と検査
 B 中枢神経疾患(急性疾患)
 C 中枢神経疾患(先天性疾患,その他)
 D てんかん
 E 脳性麻痺
 F 脊髄性疾患
 G 末梢神経障害
 H 筋疾患
 I 理学・作業療法との関連事項

6 発達障害とその周辺疾患,二次障害
 A 発達障害
 B 知的障害
 C 理学・作業療法との関連事項

7 骨・関節疾患
 A 骨・関節疾患
 B 理学・作業療法との関連事項

8 循環器疾患
 A 心血管系の発生と胎外環境への適応
 B 症状と検査
 C 発症頻度と原因
 D 先天性心疾患
 E 後天性心疾患とその他の心疾患
 F 理学・作業療法との関連事項

9 呼吸器疾患
 A 発生と機能
 B 症状と検査
 C 治療と処置
 D 呼吸器疾患
 E 理学・作業療法との関連事項

10 感染症
 A 症状
 B 診断と治療
 C 各年代での代表的感染症
 D 理学・作業療法との関連事項

11 消化器疾患
 A 消化器の発生
 B 機能的発達と症状
 C 消化器疾患
 D 理学・作業療法との関連事項

12 内分泌・代謝疾患
 A 内分泌疾患
 B 糖代謝異常
 C 理学・作業療法との関連事項

13 血液疾患
 A 造血組織の発生
 B 血液の成分
 C 赤血球系の異常
 D 白血球系の異常
 E 出血性・血栓性疾患
 F 理学・作業療法との関連事項

14 免疫・アレルギー疾患,膠原病
 A 免疫
 B アレルギー
 C 自己免疫疾患,膠原病
 D 理学・作業療法との関連事項

15 腎・泌尿器系,生殖器疾患
 A 腎・泌尿器系疾患
 B 生殖器疾患(男児)
 C 理学・作業療法との関連事項

16 腫瘍性疾患
 A 悪性腫瘍の発生頻度
 B 各論
 C 理学・作業療法との関連事項

17 習癖・睡眠関連病態・心身医学的疾患
 A 習癖
 B 睡眠関連病態
 C 心身医学的疾患
 D 理学・作業療法との関連事項

18 重症心身障害児・医療的ケア児
 A 重症心身障害児と医療的ケア児
 B 健康管理
 C 理学・作業療法との関連事項

19 眼科的疾患
 A 視機能の異常
 B 眼科的疾患
 C 理学・作業療法との関連事項

20 耳鼻科的疾患
 A 多い訴え
 B 聴覚検査
 C 聴覚障害
 D 耳鼻科的疾患
 E 理学・作業療法との関連事項

21 児童虐待・事故
 A 児童虐待
 B 事故
 C 理学・作業療法との関連事項

セルフアセスメント

索引

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。