標準外科学 第16版

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外科学全般を網羅したスタンダードな教科書。各領域のエキスパートが平明に解説する。臓器・器管別の外科的疾患の概説はもとより、外科に関連する腫瘍学、免疫学、分子生物学など基礎的事項も充実。定期的に改訂を重ね、最新の各種診療ガイドライン、診断基準に対応。読者限定のWeb付録では標準的な手術のビデオや紙面に非掲載の画像を提示する。外科学の変わらない本質と絶え間ない進展を反映し、磨き上げた定番テキスト。


 

『標準医学シリーズ 医学書院eテキスト版』は「基礎セット」「臨床セット」「基礎+臨床セット」のいずれかをお選びいただくセット商品です。
各セットは、該当する領域のタイトルをセットにしたもので、すべての標準シリーズがセットになっているわけではございません。

 

シリーズ 標準医学
監修 北野 正剛 / 坂井 義治
編集 田邉 稔 / 池田 徳彦 / 大木 隆生
発行 2022年03月判型:B5頁:752
ISBN 978-4-260-04782-1
定価 9,350円 (本体8,500円+税)

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第16版 序

 本書『標準外科学』の初版が1976年(昭和51年)に上梓されて以来,ほぼ3年ごとに改訂がなされ,今回,第16版を刊行するに至った.初版の序を読むと,本書は医学生や研修医,そして若き外科医の教科書を目的として創刊されたことがわかる.実際に私も学生時代に外科学の教科書として,また国試対策として利用したことを思い出す.本書が,現在に至るまで,わが国を代表する「外科学」の教科書として高い評価を受けていることは,創刊時の初志が監修者,編集者ならびに執筆者に連綿と受け継がれてきたことを物語るものであろう.今回,このような書籍の編集に関わることができ,大変誇りに感じている.
 医学の進歩は加速度的である.がんの薬物治療も,殺細胞作用を有する抗がん剤に加えて,がん細胞表面の受容体あるいはそのリガンドを標的とする薬剤,細胞内シグナル伝達の阻害剤,さらには免疫細胞を修飾する薬剤などが次々と開発され,臓器別のがん薬物治療から個々のがん細胞の遺伝子情報に基づく薬物治療へと移行している.外科治療においても医療機器の開発・進歩により,30年の間に開腹手術から内視鏡手術へ,そしてロボット支援下手術へと移行しており,まもなく術中navigationも普及するであろう.このように新知見を含む膨大な知識・情報を整理・理解する一助となるのが本書である.医学生,研修医,若き外科医のみならず,すべての外科医にとって,まさに終身学習のための教材にまで成長したともいえる.
 今回の改訂では執筆者53名中10名が新規執筆者である.すべての執筆者に,ページ数を増やすことなく,新たなガイドラインや新知見などを加筆していただくようお願いした.この二律背反的作業に適切に対応していただき,心よりお礼申し上げたい.目次構成として変わったのは,「肥満外科手術とメタボリックサージェリー」を総論から各論に移し,章題を「減量・代謝改善手術」に変更したことである.医学生・研修医に覚えていただきたい知識を箇条書きにまとめた「Point」は前版と同様であるが,アドバンスな内容は「Note」から「Frontier」に変更した.Web 付録に掲載したビデオは10本,画像は38点であるが,前版に採用した「外科関連の医師国家試験過去問題」は利用数を鑑み割愛させていただいた.
 Web検索により容易に欲しい情報を得ることが日常となった今,わざわざ本を手にして活字を追うことは旧態と思われがちである.しかし,史実や普遍的な解剖・病態生理を理解しつつ,新たな外科系医学情報を習得できる本書は非常に希有で貴重な書籍といってもよい.日々診療に忙殺されているなかで,興味ある1章をめくっていただければ,効率よく知識をリフレッシュできることも感じていただけるだろう.医学生や研修医ばかりでなく一人でも多くの外科医が本書を手にされることを望む次第である.
 最後にご多忙のなか,執筆に時間を割いていただいた先生,医学書院の皆様に心より感謝申し上げたい.

 2022年1月
 編者

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総論
 第1章 外科の歴史と外科医の医療への貢献
 第2章 外科侵襲の病態生理
 第3章 ショック
 第4章 外科的診断法
 第5章 無菌法(消毒法および滅菌法)
 第6章 手術用器械と基本手技
 第7章 基本的外科処置
 第8章 内視鏡外科
 第9章 出血,止血,輸血
 第10章 損傷
 第11章 外傷外科
 第12章 外科的感染症
 第13章 急性腹症
 第14章 腫瘍
 第15章 外科と免疫
 第16章 外科と分子生物学
 第17章 高齢者の外科
 第18章 臓器移植
 第19章 人工臓器
 第20章 再生医学
 第21章 術前術後管理と術後合併症
 第22章 外科とリスクマネジメント

各論
 第1章 頸部
  リンパ節
  甲状腺
  副甲状腺
 第2章 乳腺
 第3章 胸壁および胸膜
  胸壁
  胸膜
  胸部外傷
 第4章 気管・気管支および肺
  開胸法,肺切除術および閉胸法
 第5章 心臓
  先天性心疾患
  後天性心疾患
 第6章 血管
 第7章 縦隔および横隔膜
  縦隔
  横隔膜
 第8章 食道
 第9章 胃および十二指腸
 第10章 小腸および結腸
 第11章 直腸および肛門管
 第12章 腹壁,臍,腹膜,大網および後腹膜
  開腹・閉腹術
 第13章 ヘルニア
 第14章 肝臓
  肝臓の手術
 第15章 胆囊および肝外胆道系
 第16章 膵臓
  膵臓の手術
 第17章 減量・代謝改善手術
 第18章 脾臓および門脈
  脾臓
  門脈圧亢進症
 第19章 リンパ系
 第20章 小児外科

和文索引
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