基礎看護[2] 第17版
基礎看護技術Ⅰ
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- 「基礎看護」のなかで「患者等の心理の理解」を指導することを踏まえて改訂しました。実習や臨床を見すえた高いコミュニケーション技術の学習のために第1章を設けました。
- 第1章は、患者等と信頼関係を深めることができるコミュニケーション技術の習得を目的に構成しました。看護におけるコミュニケーションの特徴と患者の心理の概要、コミュニケーションの技法を学び、実習や臨床で遭遇しやすい事例を用いて学習を深めます。
- 第2章では看護を実施するうえでの基礎知識として、「安全・安楽」「姿勢と動作」「感染予防」について豊富なイラスト・写真を用いて学習できるようにまとめています。
- 第3章では、看護師の立案した看護計画をもとに看護を実践するための基礎的な技術を掲載しました。「看護過程」では、看護過程の流れを理解するための事例を追加・拡充しています。
- 各節末の復習問題を拡充しました。
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- 序文
- 目次
序文
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はしがき
カリキュラム改正
本書は,1970年に初版が発行されて以来,看護を取り巻く社会の変化に伴って改訂を重ねてきた。
2022年度から開始されるカリキュラムでは,教育の基本的考え方について,保健・医療・福祉を取り巻く状況等をふまえた内容の明確化がはかられた。それに伴って,2002年度から専門基礎科目に位置づけられていた「看護と倫理」と「患者の心理」が,「基礎看護」のなかで教育されることになった。
今回の改訂においては,カリキュラムの改正の意図を吟味し,「基礎看護」はこれまでの3巻構成を抜本的に見直すこととなった。その結果,大幅に内容を拡充・刷新して4巻構成に再編成するにいたった。
学習にあたって
看護は,たとえば,親が子どもの世話をし,育て,ぐあいがわるいときには付き添い,見まもるという,本能的な愛情ややさしさから発生する,ある意味では誰にでもできる行為である。ただし,看護を専門職として行おうとすると,専門的知識とすぐれた看護技術をもち,しかも他人である対象者に関心を向けて,やさしさや,ときには厳しさをもって援助ができなくてはならない。
本書を手にする皆さんは,そのような専門職としての看護を目ざして学習に取り組もうとしている。それは,けっして簡単なことではないだろう。しかし,技術を身につけて専門的でよい看護を提供することで,対象者は健康を回復,維持・増進し,あるいは安らかな死を迎えることができる。その過程をともにすることで看護職は対象者から影響を受け,学び,癒され,人間として成長するのである。それが看護のやりがいとなり,看護職を継続する意欲へとつながる。そのような看護職を目ざして,ぜひとも学習を積み重ねてほしい。
改訂の趣旨
今回の「基礎看護技術」の改訂では,新しいカリキュラムにおける「基礎看護」の内容・教育時間数の拡充に伴って,『新看護学6 基礎看護[2] 基礎看護技術I』と『新看護学7 基礎看護[3] 基礎看護技術II』の2巻構成へ移行することとなった。
改訂にあたっては,新カリキュラムに適合する基礎看護技術とはなにかを検討し,新たに策定された「准看護師に求められる実践能力と卒業時の到達目標」も参考に,1人の准看護師として看護実践の場にたつための知識・技術とはなにかを意識し,項目の刷新と整理をおこなった。
第17版における『新看護学6 基礎看護[2] 基礎看護技術I』のおもな編集方針は次の通りである。
(1)患者等の心理を理解し,信頼関係を深めることができるコミュニケーション技術を身につけるための内容を盛り込んだ。患者の心理やコミュニケーションの技法の基礎知識をまとめるとともに,臨床で遭遇しやすい場面を題材とした事例を用いて,そのポイントを解説した。
(2)臨床で看護師とともに業務にあたることを念頭に,「看護過程」(第3章C節)を節として独立させた。
(3)各節末の「復習問題」を拡充し,基礎的な知識の定着をはかれるように目ざした。
編集にあたっては,表現の煩雑さを避けるため,特定の場合を除き,看護師・准看護師に共通する事項は「看護師」と表現し,准看護師のみをさす場合には「准看護師」として示した。また,保健師・助産師などを含めた看護の有資格者をさす場合は「看護職」,広く看護を行う者をさす場合には「看護者」とした。なお,執筆にあたっては,全国の准看護学校から寄せられた貴重なご意見を尊重し,項目の設定や内容を検討する際に参考にさせていただいた。ここであらためて御礼申し上げる。
本書は,「教科書に書いてある技術と臨床現場で必要とされる技術は別ものだ」とはならないよう,できるだけ現在の,あるいはこれからの臨床現場で必要とされる基本技術と内容を選定した。その構成は,用語の定義,目的,メカニズム,必要物品,事前準備,手順,あとかたづけというように,知識習得から実施までを時系列で示したものとなっている。これによって学生の皆さんが,メカニズムや根拠をふまえて,看護技術を効果的・効率的に習得することを期待する。しかしながら,本書の内容はまだまだ洗練させる必要がある。学生や教員,有識者の方々からの率直なご意見をいただければ幸いである。
2021年10月
著者ら
目次
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序章 看護技術とはなにか
第1章 患者の心理の理解とコミュニケーションの技術
A.コミュニケーションのための心理の理解
1.コミュニケーションの意義と目的
2.コミュニケーションの基礎
3.患者・家族の心理の特徴
4.患者のおかれた状況の理解
5.ライフサイクルによる心理的な特徴
6.看護師の心理
B.コミュニケーションの技法と実際
1.良好なコミュニケーションの前提
2.看護師として心がけること
3.援助的関係としてのコミュニケーション技術
4.患者・家族とのコミュニケーションの実際
第2章 看護を安全に実施するための知識・技術
A.安全・安楽
1.安全・安楽の定義
2.安全・安楽を阻害する因子
3.安全・安楽をまもる看護の役割
4.安全・安楽をまもる技術
B.姿勢と動作
1.姿勢
2.体位と肢位
3.動作
4.ボディメカニクスの原則と実際
C.感染予防
1.感染予防とその目的
2.感染予防の基礎知識
3.感染経路の遮断
4.病原体の除去
5.手指衛生
6.個人防護具(PPE)
7.無菌操作
8.リネン類,廃棄物の取り扱い
9.隔離
10.院内感染予防
第3章 対象者の観察と看護の展開のための技術
A.身体および心理・社会的側面の観察
1.身体および心理・社会的側面の観察とその目的
2.ヘルスアセスメント
3.観察の方法
4.バイタルサイン
5.身体の測定
B.情報の収集と記録・報告
1.情報の収集
2.記録・報告
C.看護過程
1.看護過程の定義と意義
2.看護過程の構成要素とその特徴
3.看護過程の展開例
さくいん
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