基礎看護[1] 第16版
看護概論

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・カリキュラム改正に対応し、看護職に求められる倫理ならびに現在の医療における倫理的問題を、第5章として事例とともに取り上げています。
・災害看護と国際看護についてもカリキュラム改正に対応し、各領域を専門とする著者による要点を絞った内容を、第7章として掲載しています。
・保健・医療・福祉のしくみは全面的に改訂し、豊富な図とともにストーリを持った展開で看護とのかかわりを述べています。
・「新看護学」シリーズの他巻と同様に、新たに各章末に復習問題を新設しました。

シリーズ 新看護学 5
著者代表 雑賀 美智子
発行 2022年01月判型:B5頁:276
ISBN 978-4-260-04704-3
定価 2,200円 (本体2,000円+税)

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はしがき

カリキュラム改正
 本書は,1970年に初版が発行されて以来,看護を取り巻く社会の変化に伴って改訂を重ねてきた。
 2022年度から開始されるカリキュラムでは,教育の基本的考え方について,保健・医療・福祉を取り巻く状況等をふまえた内容の明確化がはかられた。それに伴って,2002年度から専門基礎科目に位置づけられていた「看護と倫理」と「患者の心理」が,「基礎看護」のなかで教育されることになった。
 今回の改訂においては,カリキュラムの改正の意図を吟味し,「基礎看護」はこれまでの3巻構成を抜本的に見直すこととなった。その結果,大幅に内容を拡充・刷新して4巻構成に再編成するにいたった。

学習にあたって
 「基礎看護」とは,看護職を目ざす皆さんが最初に出会う専門科目である。基礎看護では,これから学習するすべての看護の科目において最も基本となる知識や技術,そして態度について学んでいく。
 「看護する」ということは,人間の生老病死に直接かかわる行為であり,その行為のよしあしが対象者の生死や人生に大きく影響する。准看護師は,科学的根拠をもったうえで,対象者1人ひとりについて必要なケアを見きわめ,ケアを行う技術を身につけなければならない。そして,みずからの役割を自覚し,保健医療福祉のチームの一員としてともに協力し,対象者の期待にこたえていかなければならない。
 本書『看護概論』では,看護に対する自分の考え方や態度を養うことを学習の目的とし,看護とはなにか,看護の対象である人間とはどのような存在であるかを学び,看護がなにを目的とし,どのような方法で行われるのかについて基本的な事項を学ぶ。看護について理解するためには,①人間(看護の対象としての人間),②健康(医療・看護が目ざす人間の健康),③環境(人間が健康生活を送るための環境),④看護(看護の目的,対象,方法)のそれぞれについて理解し,その関連性について学ぶ必要があり,本書はこれらを基本として構成した。目的をもって主体的に学習に取り組んでほしい。

改訂の趣旨
 保健・医療・福祉の連携のもと,准看護師に期待される役割についての基本的な考え方はこれまでの内容を踏襲しつつ,今回の改訂ではとくに,新カリキュラムに対応して,全体の章構成と記述の見直しを行った。
 第1章「看護とは」ならびに第2章「看護の対象としての人間」では,近年の看護の対象と場の広がりをふまえて構成を見直し,生活者としての人間理解,心理・社会的側面からの人間理解についての内容を充実させた。
 第3章「健康と保健・医療・福祉」では,保険・医療・福祉のしくみについての情報を更新し,看護とのかかわりに関する記述を充実させた。
 第4章「看護活動」は,看護活動の概要について初学者にわかりやすく解説し,あとの章にスムーズに学習が展開できるよう,構成を見直した。
 看護職に求められる倫理ならびに医療における倫理的問題については,第5章「看護と倫理」にまとめ,豊富な事例とともに展開した。看護活動に必要な法律や,看護管理の概念,看護研究については第6章「看護活動をささえるもの」に,新カリキュラムに対応した「災害看護・国際看護」については第7章にまとめた。第8章「看護の変遷」では,貴重な資料とともに看護史を展開し,これからの看護のあり方についても学べる構成とした。それぞれ,准看護師に必要な情報に絞り,簡潔な表現を心がけた。
 さらに,学習のふり返りと知識の定着のため,各章の章末には復習問題を新設している。
 なお,文中では,特定の場合を除いて看護師・准看護師に共通する事項は「看護者」として表現し,准看護師のみをさす場合には「准看護師」として示した。また保健師・助産師・看護師・准看護師など,看護の有資格者を指す場合には,「看護職」とした。
 今回の改訂では,准看護師を目ざして学習する皆さんが,看護の基本的な内容についてできるだけ理解しやすいように,そして興味をもって学習に取り組んでいただけるように意を尽くしたつもりであるが,まだまだ不十分な点もある。読者および有識者の方々の率直なご教示をお寄せいただければ筆者として幸いである。

 2021年11月
 著者ら

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第1章 看護とは
 A.看護の概念の歴史
  1.看護の始まり
  2.ナイチンゲールと近代看護
  3.包括的看護の必要性
  4.専門職業としての看護
  5.法律による看護の規定
 B.現代における看護の概念
  1.ニードに基づいた看護
  2.人間関係を重視した看護
  3.適応と看護
  4.セルフケアと看護
  5.ケアおよびケアリングと看護
  6.自然治癒力と看護
  7.職能団体と看護の定義
 C.看護の目的・対象・方法
  1.看護の目的
  2.看護の対象
  3.看護の方法
  4.看護過程の理解
  5.看護問題を把握するための看護診断
  6.看護師の業務内容と准看護師の役割

第2章 看護の対象としての人間
 A.人間を理解する
  1.人間の共通性と個別性
  2.看護における人間観
 B.看護からみた人間
  1.統合体としての人間
  2.環境への適応機構
  3.ニードと人間
  4.成長・発達と人間
  5.性と人間
  6.環境と人間
 C.人間の生活と人の理解
  1.人間の生活の理解
  2.生活者としての人間
  3.看護の対象としての家族
  4.看護の対象としての集団・地域
 D.患者を理解するために
  1.保健行動(病気対処行動)
  2.患者がおかれている状況
  3.患者の心理過程

第3章 健康と保健・医療・福祉
 A.健康の価値
 B.健康観
  1.WHOによる健康の定義
  2.日本国憲法第25条における健康
 C.健康の概念
  1.病気でない状態をこえた良好な状態(ウェルネス)
  2.環境への積極的な適応
  3.健康のレベルと連続性・相対性
  4.全人的な生活概念
  5.主観的健康観と客観的健康観
 D.保健・医療・福祉のしくみと看護
  1.保健・医療・看護をめぐる状況
  2.保健・医療・福祉の統合
  3.医療制度と看護のかかわり
  4.看護サービスの提供の場
  5.保健医療福祉チームと従事者

第4章 看護活動――看護の実施
 A.看護活動
 B.看護活動の種類
  1.日常生活への支援
  2.診療の補助
  3.相談
  4.指導(教育的援助)
  5.調整
 C.疾病の経過と看護活動
  1.疾病の経過
  2.健康づくり(健康の保持・増進,疾病の予防・早期発見)
  3.急性期にある人の看護
  4.慢性期にある人の看護
  5.回復期にある人の看護
  6.終末期にある人の看護
  7.地域・在宅医療における看護
 D.看護の継続性
  1.継続看護
  2.連絡・報告・記録
 E.安全なケア環境の確保
  1.医療安全
  2.感染管理
  3.個人情報の保護と守秘義務

第5章 看護と倫理
 A.看護者と倫理
  1.倫理とそれに基づく判断
  2.看護と倫理
  3.社会のニーズの変化と看護倫理
  4.倫理的ジレンマ
  5.専門職としての倫理への取り組み
 B.現代の医療における倫理的問題
  1.在宅療養をめぐる倫理
  2.死をめぐる倫理
  3.精神科医療をめぐる倫理
  4.先端医療をめぐる倫理
  5.倫理的課題に取り組むしくみ
 C.看護実践での倫理上の問題場面
  1.看護の平等
  2.看護のジレンマ

第6章 看護活動を支えるもの
 A.看護職と法
  1.保健師助産師看護師法の目的
  2.看護職者の資格・名称・業務
  3.准看護師の役割と業務
  4.療養上の世話における責任
  5.診療の補助行為における責任
 B.専門職とキャリア形成
  1.看護基礎教育と継続教育
  2.看護職能団体
  3.専門看護師・認定看護師
  4.特定行為にかかわる看護師の研修制度
 C.看護管理
  1.組織と看護管理
  2.病院における看護管理
 D.看護研究
  1.看護研究の意義
  2.看護研究の目的と倫理
  3.看護研究の分類
  4.文献検索
  5.研究成果の活用

第7章 災害看護・国際看護
 A.災害時における看護
  1.災害看護の概念と構造
  2.災害と健康
  3.災害サイクルにそった看護活動
  4.心理的回復の過程
  5.災害への備え
 B.国際化と看護
  1.国際看護学
  2.国際保健と国際協力
  3.日本に在留する外国人の看護
  4.異文化理解

第8章 看護の変遷
 A.古代における医学と看護
  1.看護の発生
  2.古代文明と看護
 B.宗教的看護の時代
  1.初期キリスト教と看護
  2.中世キリスト教と看護
  3.イスラム教と看護
 C.わが国における仏教と看護
  1.仏教と救済事業
  2.仏教を離れた医療と看護
 D.近代看護の確立
  1.宗教を離れた看護
  2.ナイチンゲールと近代看護
  3.アメリカにおける看護
  4.国際看護師協会の設立
  5.わが国における近代看護
 E.現代の看護
  1.アメリカにおける看護の発展と看護概念の拡大
  2.わが国における看護

資料
さくいん

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