標準微生物学 第14版

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定評ある微生物学の教科書改訂第14版。①3年間隔の定期的な改訂による最新かつ正確な記述、②臨床とのつながりを重視した構成、③よくまとまった図表・構成マップ・KEY POINTS、④オールカラーの紙面、⑤細菌・真菌・ウイルス・寄生虫をカバー、などの前版からの特徴はもとより、今版ではさらに項目を再編。最新の分類体系に従って各病原微生物の特徴を明快に学べる。COVID-19のパンデミックを経験し、全世界があらためて病原微生物の脅威を思い知らされることとなった今こそ読みたい、感染症と向き合うための確固たる土台を築く心強い1冊。

シリーズ 標準医学
監修 神谷 茂
編集 錫谷 達夫 / 松本 哲哉
発行 2021年03月判型:B5頁:704
ISBN 978-4-260-04331-1
定価 7,700円 (本体7,000円+税)

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第14版 序

 2019年末に発生した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界的な感染拡大を続け,今なお収束を見せていない.COVID-19のアウトブレイクは世界のあり方を大きく変えるとともに,病原微生物の脅威をあらためて人類に知らしめることとなった.感染症が常にわれわれの身近にあることが十分認識され,医学教育課程において感染症学の学修の基盤となる病原微生物学を学ぶ意義は大きい.
 本書『標準微生物学』は初版からこの第14版に至るまで,医学における微生物学はいかにあるべきかという理念を求め時代の要請に応えるとともに,時代のゆく先に指針を与えるべく改訂を重ねてきた.その結果培われてきた本書の特徴は以下のとおりである.

 ①臨床とのつながりを重視:基礎医学である病原微生物学を学ぶことが,臨床医学における感染症学にどのように展開していくのか.病原微生物学の学修は,この感染症学への応用という視点を欠けばその意味を失いかねない.一方,感染症学の理解も,個々の病原微生物学の生物学的特徴を知るという努力を欠けば危うい.そのため本書では臨床とのつながりを重視し,随所に参照頁を入れ,多層的理解を助ける構成をとっている.学生諸君は,クロスリファレンスの労をいとわず,学んだ知識を有機的に結び付けてほしい.
 ②最新かつ正確な記述:本書は総論から各論まで,医学生が基礎および臨床を通して必要とする病原微生物学の内容を網羅し,必要に応じAdvanced Studiesとしてより進んだ事項も記載している.また,各項目の記述が正確であることはもちろん,3年間隔で定期的に改訂することにより,常に最新の内容を盛り込んだ信頼ある微生物学の教科書となっていると自負している.
 ③分類学を基本とした,よく整理された目次構成:本書は,細菌学・真菌学・ウイルス学・寄生虫学のすべてを通して,各病原微生物の性状や最新の分類学を基本にした目次構成をとっている.これにより,微生物の体系的な理解が自然に身につくだろう.
 ④構成マップの付与:細菌学・真菌学・ウイルス学・寄生虫学の総論と各論を扱う第II編~第VII編では,冒頭に構成マップを付け,はじめにその編全体の内容を視覚的に概観できるようにしている.各論の構成マップでは各病原微生物の最新の分類体系が一覧できるようになっており,役立てていただきたい.
 ⑤KEY POINTSの掲載:同様に,第II編~第VII編では各章の冒頭にその章で学ぶべき要点をまとめた.これは細菌学・真菌学・ウイルス学・寄生虫学のエッセンスを凝縮した標準的学習事項を,簡潔かつ明快に示したものである.読者の効率的な学修を助けるだろう.
 ⑥オールカラーでビジュアルな紙面:全頁カラーとし,また図表も適宜刷新することで,より見やすいページ構成となるよう心がけている.

 これらの特徴を堅持し,この第14版からは新たに以下のような改訂を加えた.

 ・目次の再構成:前版でウイルス学各論をゲノムの性状による体系的な章建てに再編したが,今版では細菌学各論をグラム染色性,酸素要求性,形態などの性状や分類学に則った,より体系立てた章建てとした.またここ数年で細菌・ウイルス・真菌の分類は大きく変更されており,今回の改訂でも最新の分類に従って項目を再構成している.これらにより,読者の理解はさらに明確となり,最新の知識を学修できるはずである.
 ・項目の新設:近年,ヒトとの共生関係をもつ常在細菌叢のメタゲノム解析が進み,常在細菌叢の健康および疾患との密接な関連性が明らかとなっているため,「第8章 常在細菌叢」として独立して記載した.また「第46章 感染症の診断――微生物学から感染症学へ」では,基礎医学としての微生物学の理解を基盤に,臨床医学としての感染症学への応用を念頭に置いた診断学の基本的な考え方を解説した.基礎医学と臨床医学との橋渡しとなる内容ともいえる.

 本書を活用することで,学生諸君が病原微生物学の生きた知識を身につけてくれることを望む.

 最後に,改訂の趣旨を了解し,編者からの少なからぬ無理な要求にも快く応じられ執筆に協力してくださった分担執筆者に御礼申し上げる.また,校正は細心の注意をもって行ったが,なお意を尽くさぬところを懼れる.この点に関し,ぜひとも読者からのご叱正を賜りたい.誤記についてはもちろんのこと,ご指摘いただいた内容については編者らが必ず検討を加え,増刷あるいは改訂の際に適切に反映させている.お気づきの点があれば,医学書院『標準微生物学』編集室宛にご連絡いただければ幸いである.

 2021年3月
 監修 神谷 茂
 編集 錫谷達夫 松本哲哉

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第I編 微生物学の歴史と対象
 第1章 微生物学の歴史
 第2章 微生物の種類と病原微生物学

第II編 細菌学総論
 第II編の構成マップ
 第3章 細菌の構造と機能
 第4章 細菌の代謝
 第5章 細菌遺伝学
 第6章 細菌の病原性
  細菌の侵入経路
  細菌の病原因子
  細菌毒素
  エンドトキシン(リポ多糖)
 第7章 細菌の分類と同定
 第8章 常在細菌叢
 第9章 細菌の検査室診断
 第10章 細菌感染症と化学療法

第III編 細菌学各論
 第III編の構成マップ
 第11章 グラム陽性球菌
 第12章 グラム陽性桿菌
  有芽胞菌
  無芽胞菌
 第13章 グラム陰性通性嫌気性桿菌
  腸内細菌科
  モルガネラ科
  ハフニア科
  エルシニア科
  ビブリオ科
  エロモナス科
  パスツレラ科
  レプトトリキア科
 第14章 グラム陰性好気性桿菌
 第15章 グラム陰性好気性球菌
 第16章 グラム陰性偏性嫌気性桿菌
 第17章 グラム陰性偏性嫌気性球菌
 第18章 らせん菌
  スピロヘータ目
  レプトスピラ目
  ブラキスピラ目
  その他のらせん菌
 第19章 アクチノバクテリア門
 第20章 口腔細菌
 第21章 マイコプラズマ
 第22章 リケッチア
 第23章 クラミジア

第IV編 真菌学
 第IV編の構成マップ
 第24章 真菌学総論
 第25章 真菌学各論
  子囊菌門
  担子菌門
  ムーコル門

第V編 ウイルス学総論
 第V編の構成マップ
 第26章 ウイルスの形態・構造・組成
 第27章 ウイルスの分類と命名
 第28章 ウイルスの増殖
 第29章 ウイルスの遺伝・進化
 第30章 ウイルスの病原性
 第31章 ウイルスの検出と検査
 第32章 ウイルス感染症の治療

第VI編 ウイルス学各論
 第VI編の構成マップ
 第33章 DNAウイルス
 第34章 プラス鎖RNAウイルス
 第35章 マイナス鎖RNAウイルス
 第36章 2本鎖RNAウイルス
 第37章 逆転写酵素を持つウイルス
 第38章 所属科未定のウイルス
 第39章 プリオン

第VII編 寄生虫学
 第VII編の構成マップ
 第40章 寄生虫と宿主
 第41章 原虫学
 第42章 蠕虫学

第VIII編 微生物学の臨床への展開
 第43章 感染症の制圧と予防
 第44章 日和見感染症と医療関連感染
 第45章 敗血症の病態
 第46章 感染症の診断――微生物学から感染症学へ
 第47章 滅菌と消毒
 第48章 バイオセーフティと病原微生物の取り扱い

付録 細菌学実習に役立つ培地の基礎

付1 主要細菌名カナ表記一覧
付2 本書で用いた略語一覧
微生物名索引
和文索引
欧文索引

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