保健医療福祉行政論 第5版

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・本巻は,保健師国家試験出題基準(平成30年版)の次の内容に対応しています。
・保健医療福祉行政論(1.保健医療福祉行政の基本 2.保健医療福祉の行政・財政の理念と仕組み 3.保健医療福祉行政の分野と制度の基本 4.社会福祉制度と政策 5.医療制度と政策 6.保健医療福祉分野における政策への住民参加 7.保健医療福祉分野における政策と動向)
・保健師として公衆衛生看護を実践するうえで必要となる保健医療福祉のしくみやその歴史,行政計画の策定・評価などについて,理解が深まるように具体的に解説します。
・本巻の執筆者は,保健師としての現場経験豊富な看護大学教員,地域保健活動に詳しい公衆衛生医師らです。この執筆陣が,「現場の匂いのするテキスト」をコンセプトに執筆します。

*「標準保健師講座」は株式会社医学書院の登録商標です。

シリーズ 標準保健師講座-別巻 1
著者代表 藤内 修二
発行 2021年01月判型:B5頁:268
ISBN 978-4-260-04222-2
定価 3,410円 (本体3,100円+税)

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はしがき

 少子高齢社会のなか,保健師活動では予防の重要性が強くうたわれ,健康な地域づくりが重要な課題となっています。さらに,在宅看護の需要の拡大から療養支援には生活の視点が重要になっています。公衆衛生看護学は,保健師だけでなく看護師にとっても必要不可欠なものです。多くの看護職が公衆衛生看護の志向をもつことが求められています。
 いま保健師教育の場は,これまでの3年制の看護学に1年制の保健師教育を付加する養成所や短期大学専攻科における教育における養成に加え,看護学に統合された4年制大学および大学院修士課程など多様化しつつあります。なかでも多くの4年制大学では,公衆衛生看護学について限られた時間内で講義や臨地実習をしており,教員が信頼して学生に読ませることのできるテキストが必要とされています。また,大学生には看護師と保健師の2つの国家試験を受験するため,保健師国家試験にむけて短時間で効率よく,自己学習できるテキストが求められています。
 本講座は,教員や学生のニーズに応え,標準的な保健師教育のための教科書として,保健師に求められる基本的な知識と技術を修得することをめざし企画されました。
 本講座の特色は,改定された保健師国家試験出題基準の項目をすべて網羅したかたちで,保健師として押さえておくべき内容をコンパクトにまとめたことです。
 本来,保健師の仕事は,応用が必要で創造的なものですが,基本がおろそかでは,応用的な課題に対応できないといえます。「理念や理論を押さえたうえでの基本の理解と,実践能力豊かな専門職の教育」を本講座のねらいとしました。

 本講座は『公衆衛生看護学概論』『公衆衛生看護技術』『対象別公衆衛生看護活動』の本巻3巻と『保健医療福祉行政論』『疫学・保健統計』の別巻2巻の全5巻構成です。
 本巻3冊は,保健師の基本として理念や考え方を述べた1巻『公衆衛生看護学概論』,保健師が公衆衛生看護を実践するうえで必要とされる技術をまとめた2巻『公衆衛生看護技術』,対象別・課題別の活動を解説する3巻『対象別公衆衛生看護活動』です。
 さらに,保健師の習得しておくべき基本的知識として,主たる活動の場と保健医療福祉の制度についての理解を深める『保健医療福祉行政論』,保健活動をデータで方向づける『疫学・保健統計』を,別巻の2冊としてコンパクトにまとめました。
 執筆者は保健師として現場経験豊富な看護大学教員や,地域保健に詳しい公衆衛生医師らで構成しました。

 本書は,「保健師国家試験出題基準(平成30年版)」の保健医療福祉行政論において示された全内容(大項目1.保健医療福祉行政・財政の理念と仕組み 2.社会情勢の変化と保健医療福祉行政の考え方の変遷 3.保健医療福祉行政の分野と制度 4.保健医療福祉の計画と評価)に対応しています。
 本書では,保健師として公衆衛生看護を実践するうえで不可欠な知識として,保健医療福祉行政のしくみや制度の変遷とその内容,保健福祉計画の策定から評価まで具体的に解説しています。また,近年とくに保健師に求められている施策化能力を身につけるための教材として,保健事業の立案プロセスを学ぶ紙上演習を掲載しています。それぞれのテーマについて,本文で基本的な解説を記し,図表やプラス・ワン欄によって具体的な情報を掲載することで,「現場のにおい」が感じられるような実践的な学習ができるように配慮してあります。

 本書を活用されたみなさんが,公衆衛生看護を担う保健師として活躍されることを願っています。

 2020年10月
 著者ら

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1章 保健医療福祉行政の基本
 A 保健医療福祉行政の基本となるもの
  1.保健医療福祉行政の根拠
  2.公衆衛生の理念と戦略

2章 保健医療福祉制度の変遷
 A 公衆衛生の基盤形成
  1.世界の公衆衛生の曙
  2.日本の近代公衆衛生
  3.戦後の公衆衛生政策の基盤形成
  4.近年の公衆衛生政策の発展
 B 保健医療福祉行政の動向(平成以降)
  1.保健所法から地域保健法へ
  2.少子化対策の進展
  3.各分野における政策の転換と充実

3章 保健医療福祉行政・財政の理念としくみ
 A 国・都道府県・市区町村の行政のしくみと役割
  1.行政のしくみと役割
  2.公衆衛生行政
 B 行政における保健師の役割と活動
  1.保健師の配置
  2.保健師の活動体制
  3.地域における保健師の保健活動に関する指針
 C 保健医療福祉の財政
  1.はじめに:財政とは
  2.国と地方公共団体の財政のしくみ
  3.予算の機能と原則
  4.社会保障の給付と財源,国民負担
 D 公衆衛生に関する国際的な活動
  1.国際保健の潮流
  2.保健医療分野の国際協力
  3.国際保健に関するおもな国際機関

4章 地域保健行政と保健師活動
 A 地域保健に関する公的機関
  1.地域保健体系における都道府県と市町村の役割分担
  2.都道府県型保健所(県型保健所)
  3.政令市保健所(市型保健所)
  4.市町村保健センター
 B 関係機関との連携
  1.地域・職域連携の推進
  2.地域保健と学校保健の連携
  3.ボランティア・NPOとの協働

5章 社会保障制度と政策
 A 社会保障制度の理念としくみ
  1.社会保障制度とは
  2.社会保障給付費
  3.社会保障の法規と行政体系
  4.社会保障制度をめぐる環境の変化と制度改革
 B 医療制度と政策
  1.医療制度と医療保険のしくみ
  2.医療提供体制の管理と整備
  3.医療安全対策
  4.医療対策と医療提供体制
 C 介護保険制度
  1.介護保険制度の概要
  2.介護保険サービスの内容
  3.地域包括支援センター
  4.地域包括ケアシステムにおける自治体の役割
  5.介護保険事業の実施状況と保健師の役割
 D 社会保障・社会福祉の制度
  1.年金保険
  2.雇用保険と労働者災害補償保険
  3.公的扶助(生活保護)
  4.児童家庭福祉
  5.高齢者福祉
  6.障害者福祉
  7.成年後見制度と日常生活自立支援事業

6章 保健医療福祉の計画と評価
 A 地方公共団体の保健医療福祉計画
  1.保健医療福祉計画の種類と目的
  2.地域の保健医療福祉施策の各種計画
 B 保健計画の策定プロセス
  1.所属内でのコンセンサスづくり
  2.保健計画の策定についての学習
  3.現状の課題やニーズの把握
  4.対策や取り組みの検討
  5.目標値の設定
  6.政策決定への住民参加
  7.保健計画策定とエンパワメント
 C 保健計画の推進と評価
  1.保健計画の推進のために
  2.保健計画の評価
  3.評価の実際
 D 演習:保健事業の立案プロセスを学ぶ
  演習A:メタボリックシンドローム対策の企画・立案
  演習B:健康づくり応援団事業による介護予防対策の企画・立案
  演習C:糖尿病重症化予防対策の企画・立案

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