クリティカルケア看護学 第2版
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- 最新の知見を盛り込み、初学者により理解しやすいテキストとなりました。
- 第1章では、クリティカルケア看護と、患者・家族の特徴を学びます。
- 第2章では、看護管理、チーム医療、倫理と法律について学びます。
- 第3章では、過大侵襲を受けた患者の生体反応と、さまざまな機能障害の病態生理・アセスメント・ケアについて学びます。
- 第4章では、アセスメント、呼吸管理、体液・循環管理、栄養管理などといった、さまざまな看護技術について学びます。
- 全ページカラー化し、図による理解を深められるようにしました。
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- 序文
- 目次
序文
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はしがき
クリティカルケア看護とは,急激に生命をおびやかす重度の侵襲にさいなまれた人々(患者)に対してさまざまな生体反応を緩和し,現在ある機能を最大限に高める援助である。その対象は患者のみならず,患者の家族も含まれる。
クリティカルな患者は,呼吸・循環・代謝などに重大な機能障害があり,生命の危機状態にある。それに対するケアは,患者が生命の危機状態を脱し,回復へ向かうよう,24時間の濃密な観察のもとに,先進医療技術を駆使して集中的に行われる。また,クリティカルケア看護の実践は場に規定されるものではないが,その多くが集中治療室(ICU)で展開されており,ICUは集中的・濃密な医療・看護体制と高度な診療機器を整備した看護単位として機能している。
ICUでは,重度の急性機能障害を最小限にとどめながら,患者を可能な限り早期に回復させるために多職種によるチーム医療が行われている。そのなかで,患者に最も密接にかかわりながら専門性の高いケアを実践しているのがクリティカルケア看護師である。その実践に際しては,高度先進医療・全身管理の知識と,患者の生命を守り生活を支える援助にかかわる幅広い知識が必要である。
看護の基礎教育では,クリティカルケア看護学という独立した科目を設けている大学・学校は少なく,急性期看護の一部として教授されることが多い。したがって,系統的に解説したテキストは限られており,1冊のテキストのみを用いて教授されることは少ないと思われる。しかし,病院での医療は年々高度化し,重症患者を専門的かつ集中的に看護する機会は増えているため,専用のテキストを用いて系統的にクリティカルケア看護を学ぶ意義は大いにある。
本書は,クリティカルケア看護をはじめて学ぶ看護学生用のテキストである。2009(平成21)年に刊行された初版を,この度全面的に改訂した。
本書の構成は,前半の総論と後半の各論に大きく分かれている。総論では,クリティカルケア看護の基本を理解するための内容を網羅しており,各論では,臓器系統別の病態やケア,看護技術を解説している。まず,前半でクリティカルケア看護を総論的に学び,後半でよく見られる重症疾患やそのケア,集中治療等で特徴的な看護技術を学べるようになっている。内容は初学者にわかりやすい解説としたが,臨床でも活用できる実践レベルの内容にも言及している。
クリティカルケア看護の基礎から臨床実践まで学べるテキストとして,本書が活用されることを願っている。
2020年1月
著者を代表して
道又元裕 山勢博彰
クリティカルケア看護とは,急激に生命をおびやかす重度の侵襲にさいなまれた人々(患者)に対してさまざまな生体反応を緩和し,現在ある機能を最大限に高める援助である。その対象は患者のみならず,患者の家族も含まれる。
クリティカルな患者は,呼吸・循環・代謝などに重大な機能障害があり,生命の危機状態にある。それに対するケアは,患者が生命の危機状態を脱し,回復へ向かうよう,24時間の濃密な観察のもとに,先進医療技術を駆使して集中的に行われる。また,クリティカルケア看護の実践は場に規定されるものではないが,その多くが集中治療室(ICU)で展開されており,ICUは集中的・濃密な医療・看護体制と高度な診療機器を整備した看護単位として機能している。
ICUでは,重度の急性機能障害を最小限にとどめながら,患者を可能な限り早期に回復させるために多職種によるチーム医療が行われている。そのなかで,患者に最も密接にかかわりながら専門性の高いケアを実践しているのがクリティカルケア看護師である。その実践に際しては,高度先進医療・全身管理の知識と,患者の生命を守り生活を支える援助にかかわる幅広い知識が必要である。
看護の基礎教育では,クリティカルケア看護学という独立した科目を設けている大学・学校は少なく,急性期看護の一部として教授されることが多い。したがって,系統的に解説したテキストは限られており,1冊のテキストのみを用いて教授されることは少ないと思われる。しかし,病院での医療は年々高度化し,重症患者を専門的かつ集中的に看護する機会は増えているため,専用のテキストを用いて系統的にクリティカルケア看護を学ぶ意義は大いにある。
本書は,クリティカルケア看護をはじめて学ぶ看護学生用のテキストである。2009(平成21)年に刊行された初版を,この度全面的に改訂した。
本書の構成は,前半の総論と後半の各論に大きく分かれている。総論では,クリティカルケア看護の基本を理解するための内容を網羅しており,各論では,臓器系統別の病態やケア,看護技術を解説している。まず,前半でクリティカルケア看護を総論的に学び,後半でよく見られる重症疾患やそのケア,集中治療等で特徴的な看護技術を学べるようになっている。内容は初学者にわかりやすい解説としたが,臨床でも活用できる実践レベルの内容にも言及している。
クリティカルケア看護の基礎から臨床実践まで学べるテキストとして,本書が活用されることを願っている。
2020年1月
著者を代表して
道又元裕 山勢博彰
目次
開く
第1章 クリティカルケア看護とは (道又元裕・山勢博彰)
A クリティカルケア看護の特性
1 クリティカルケア看護とは
2 クリティカルケア看護の場
3 看護師の役割と求められる能力
B クリティカルケアを必要とする患者・家族の特徴
1 患者の特徴
2 家族の特徴
第2章 クリティカルケア看護の実践に必要なマネジメント,倫理・法律 (道又元裕・井上奈々・北村愛子・大江理英)
A クリティカルケアと看護管理
1 クリティカルケアユニットの特徴と看護体制・看護方式
2 患者安全
B クリティカルケア看護とチーム医療
1 クリティカルケア看護におけるチーム医療の特徴と看護の役割
2 関連するおもな医療チーム
3 他職種との連携
C クリティカルケア看護と倫理・法律
1 患者の権利と擁護
2 終末期における倫理
3 脳死と臓器移植
4 関連する法令と看護
第3章 クリティカルな患者の病態の理解と看護 (道又元裕・田戸朝美・立野淳子・山勢博彰・岡田彩子・益田美津美・佐藤正美・江川幸二・露木菜緒・大山太・嶌田理佳・西村祐枝)
A 過大侵襲を受けた患者の生体反応
1 生体反応の全体像
2 生体侵襲と神経系・内分泌系の反応
3 生体侵襲と免疫系の反応
B 呼吸機能障害
1 呼吸機能障害の病態生理
2 呼吸機能障害のアセスメント
3 呼吸機能障害のケア
C 循環機能障害
1 循環機能障害の病態生理
2 循環機能障害のアセスメント
3 循環機能障害のケア
D 脳・神経機能障害
1 脳・神経機能障害の病態生理
2 脳・神経機能障害のアセスメント
3 脳・神経機能障害のケア
E 消化機能障害
1 消化機能障害の病態生理
2 消化機能障害のアセスメント
3 消化機能障害のケア
F 栄養・代謝機能障害
1 栄養・代謝機能障害の病態生理
2 栄養・代謝機能障害のアセスメント
3 過大侵襲時の栄養・代謝機能障害に対するケア
G 凝固・線溶系障害
1 播種性血管内凝固(DIC)の病態生理
2 DICのアセスメント
3 DICのケア
H 腎機能障害
1 急性腎障害(AKI)の病態生理
2 AKIのアセスメント
3 AKIのケア
I 多臓器障害
1 多臓器障害の病態生理
2 多臓器障害のアセスメント
3 多臓器障害のケア
J 精神機能障害
1 急性ストレス障害と心的外傷後ストレス障害
2 せん妄
第4章 クリティカルケア看護に必要な看護技術 (立野淳子・小島善和・田戸朝美・安井大輔・清水孝宏・西村祐枝・山勢博彰・中田諭・嶌田理佳)
A 観察と全身状態のアセスメント
1 重症患者への系統別アセスメント
2 重症救急患者の全身状態のアセスメント
3 検査
B 心肺蘇生法
1 院内急変対応時の特徴
2 心停止の予防
3 心停止の発見から心肺蘇生までの流れ
C 呼吸管理
1 人工呼吸器による呼吸管理
2 酸素療法
D 体液・循環管理
1 体液バランスと循環動態のモニタリング
2 輸液の管理
3 輸血
4 補助循環療法
5 血液浄化療法
E 栄養管理の実際
1 栄養投与ルートの選択
2 経腸栄養
3 静脈栄養
4 重症患者への栄養と看護
F 鎮痛・鎮静管理
1 集中治療を受ける患者の鎮痛・鎮静の必要性
2 鎮痛管理
3 鎮静管理
G 体温管理
1 体温の異常と全身への影響
2 体温管理の実際
H 感染予防対策
1 標準予防策(スタンダードプリコーション)
2 感染経路別予防策
3 カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)予防策
4 血管内留置カテーテル関連血流感染症(CRBSI)予防策
5 人工呼吸器関連肺炎(VAP)予防策
6 スキンケア
7 口腔ケア
I 創傷管理
1 手術創の順調な回復のための全身管理
2 手術創の特徴と管理
3 術後の創傷管理
4 心理的支援
J ドレーン管理
1 ドレーン管理の原則
2 ドレーンの自己(事故)抜去の予防
K 早期回復への援助
1 早期リハビリテーションの概要
2 急性期リハビリテーション看護
L ME機器管理
1 モニタリング機器
2 呼吸補助関連機器
3 循環補助関連機器
4 血液浄化関連機器
M 危機状態にある患者・家族へのケア
1 心のケア
2 危機介入
索引
A クリティカルケア看護の特性
1 クリティカルケア看護とは
2 クリティカルケア看護の場
3 看護師の役割と求められる能力
B クリティカルケアを必要とする患者・家族の特徴
1 患者の特徴
2 家族の特徴
第2章 クリティカルケア看護の実践に必要なマネジメント,倫理・法律 (道又元裕・井上奈々・北村愛子・大江理英)
A クリティカルケアと看護管理
1 クリティカルケアユニットの特徴と看護体制・看護方式
2 患者安全
B クリティカルケア看護とチーム医療
1 クリティカルケア看護におけるチーム医療の特徴と看護の役割
2 関連するおもな医療チーム
3 他職種との連携
C クリティカルケア看護と倫理・法律
1 患者の権利と擁護
2 終末期における倫理
3 脳死と臓器移植
4 関連する法令と看護
第3章 クリティカルな患者の病態の理解と看護 (道又元裕・田戸朝美・立野淳子・山勢博彰・岡田彩子・益田美津美・佐藤正美・江川幸二・露木菜緒・大山太・嶌田理佳・西村祐枝)
A 過大侵襲を受けた患者の生体反応
1 生体反応の全体像
2 生体侵襲と神経系・内分泌系の反応
3 生体侵襲と免疫系の反応
B 呼吸機能障害
1 呼吸機能障害の病態生理
2 呼吸機能障害のアセスメント
3 呼吸機能障害のケア
C 循環機能障害
1 循環機能障害の病態生理
2 循環機能障害のアセスメント
3 循環機能障害のケア
D 脳・神経機能障害
1 脳・神経機能障害の病態生理
2 脳・神経機能障害のアセスメント
3 脳・神経機能障害のケア
E 消化機能障害
1 消化機能障害の病態生理
2 消化機能障害のアセスメント
3 消化機能障害のケア
F 栄養・代謝機能障害
1 栄養・代謝機能障害の病態生理
2 栄養・代謝機能障害のアセスメント
3 過大侵襲時の栄養・代謝機能障害に対するケア
G 凝固・線溶系障害
1 播種性血管内凝固(DIC)の病態生理
2 DICのアセスメント
3 DICのケア
H 腎機能障害
1 急性腎障害(AKI)の病態生理
2 AKIのアセスメント
3 AKIのケア
I 多臓器障害
1 多臓器障害の病態生理
2 多臓器障害のアセスメント
3 多臓器障害のケア
J 精神機能障害
1 急性ストレス障害と心的外傷後ストレス障害
2 せん妄
第4章 クリティカルケア看護に必要な看護技術 (立野淳子・小島善和・田戸朝美・安井大輔・清水孝宏・西村祐枝・山勢博彰・中田諭・嶌田理佳)
A 観察と全身状態のアセスメント
1 重症患者への系統別アセスメント
2 重症救急患者の全身状態のアセスメント
3 検査
B 心肺蘇生法
1 院内急変対応時の特徴
2 心停止の予防
3 心停止の発見から心肺蘇生までの流れ
C 呼吸管理
1 人工呼吸器による呼吸管理
2 酸素療法
D 体液・循環管理
1 体液バランスと循環動態のモニタリング
2 輸液の管理
3 輸血
4 補助循環療法
5 血液浄化療法
E 栄養管理の実際
1 栄養投与ルートの選択
2 経腸栄養
3 静脈栄養
4 重症患者への栄養と看護
F 鎮痛・鎮静管理
1 集中治療を受ける患者の鎮痛・鎮静の必要性
2 鎮痛管理
3 鎮静管理
G 体温管理
1 体温の異常と全身への影響
2 体温管理の実際
H 感染予防対策
1 標準予防策(スタンダードプリコーション)
2 感染経路別予防策
3 カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)予防策
4 血管内留置カテーテル関連血流感染症(CRBSI)予防策
5 人工呼吸器関連肺炎(VAP)予防策
6 スキンケア
7 口腔ケア
I 創傷管理
1 手術創の順調な回復のための全身管理
2 手術創の特徴と管理
3 術後の創傷管理
4 心理的支援
J ドレーン管理
1 ドレーン管理の原則
2 ドレーンの自己(事故)抜去の予防
K 早期回復への援助
1 早期リハビリテーションの概要
2 急性期リハビリテーション看護
L ME機器管理
1 モニタリング機器
2 呼吸補助関連機器
3 循環補助関連機器
4 血液浄化関連機器
M 危機状態にある患者・家族へのケア
1 心のケア
2 危機介入
索引
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