専門基礎[4] 第4版
看護と倫理 患者の心理

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・オールカラーと豊富な図表を用い、より理解しやすい紙面となるよう努めました。
・「看護と倫理」では、看護倫理は特殊な場面で生じるのではなく、ナーシングケアと一体のものであることを理解できる内容となっています。
・​​​​​​​「患者の心理」では、基礎的なところから体系的に学べるように工夫されています。
・​​​​​​​理解のたすけとなるよう、事例を取り上げた記述としました。

シリーズ 新看護学 4
執筆 長田 久雄 / 長田 由紀子 / 片山 富美代 / 梶原 祥子 / 加納 尚美 / 河合 美子 / 菊池 和美 / 黒田 暢子 / 杉山 尚子 / 高橋 亮 / 田村 麻里子 / 塚本 伸一 / 塚本 尚子 / 服部 満生子 / 林 千冬 / 藤野 秀美 / 宮坂 道夫 / 吉川 三枝子
発行 2018年01月判型:B5頁:228
ISBN 978-4-260-03450-0
定価 2,530円 (本体2,300円+税)
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はしがき

看護を取り巻く環境
 私たちを取り巻く社会は目ざましい発展をとげ,治療法や医療技術,医療情報処理装置などの進歩も日々とどまるところを知らない。しかし一方では,高齢化・少子化の著しい進行と疾病構造の変化,労働力人口の逓減,世界規模での経済的な環境の変化など,広く社会構造に根ざし,医療界に波及する大きな問題が重くのしかかっている。
 それに伴って保健医療においても,法律・制度面だけでなく,業務の内容・運用や従事者の教育方針に関して真剣な検討や対応を迫られており,看護業務あるいは看護教育のあり方にもその影響が及びはじめている。
 このように情勢が大きくかわろうとしているいま,みなさんは「看護」という専門領域に進もうとしている。

看護の役割と「専門基礎科目」
 看護とは,「病んでいる」人間,つまり病人(患者)を対象とし,その生命の維持,健康への回復を援助する専門業務である。病人は,正常な身体機能に異常をきたした人である。そのような病人を対象としたとき,看護技術を単に覚えたというだけでは,本当の看護は実践できない。病人の身体の内部で生じている異常の意味を科学的に理解し,病人が示す症状や状態がなにに,どのように由来するのかということを追究しようとする姿勢が,看護実践の背景として必要とされるのである。
 「専門基礎科目」は,医学・生物学領域の知識の習得を通して,病人を正しく,正確に見る基礎を養うことを目的としている。学ぶ内容は,正常な人体のしくみ(身体の構造・解剖)とはたらき(機能・生理),およびそれらが異常をきたした場合(疾患),異常のおこり方や原因(病態生理),あるいは疾患からの回復を促進する方法(治療)などである。また,看護を行うにあたっては,倫理や心理に関する知識や,保健医療福祉のしくみ,看護に関係する法律について学ぶことも重要である。
 本書をもとに十分に学習し,しっかりとした知識を土台として,病む人の状態や心理が理解できる看護職者になられることを願ってやまない。

改訂の経過とカリキュラムの変遷
 本書は,1970(昭和45)年に准看護学生のための教科書として初版が刊行された。以来,その役割とその重要性に鑑みて,医学・看護学および周辺諸科学の発展・分化や,社会の変化などをいち早く読み取りながら,定期的に改訂を重ね,看護の質の向上に資するべく対応してきた。さらに,教科内容の設定なども含めて,あえてこれを教科書に具体化して示してきた。
 2002(平成14)年4月に導入された新カリキュラムでは,以前に増して総授業時間数が大幅に引き上げられる一方,「看護と倫理」「患者の心理」や「精神看護」などの新たな教科が追加された。新設の教科は講座に取り込み,また授業時間数が大きく増えた「専門基礎科目」の各教科とも,情報・記載量などを考慮して改訂を行った。同時に,この間,学習者の利便を考慮しながら,記載内容の刷新・増補,解説の平易化をはかり,より学びやすい教科書づくりに努めてきた。幸い,このような編集方針は全国の教育施設から評価をいただき,本書を幅広く利用していただくこととなった。

改訂の趣旨
 本書で扱う「看護と倫理」「患者の心理」は,看護の対象である人間を理解し,看護の質を保証するために必須の科目である。
 「看護と倫理」では,今回の改訂でも教育現場でよく取り上げられるテーマを事例としてあげた。また倫理とケアが一体であることを示唆する内容としている。「患者の心理」では,第1章で保健医療場面の心理や,心理アセスメントと支援に関する知識を学び,第2章で経過別・ライフサイクル別に患者の心理を学ぶ構成となっている。そして,先に学習したこれらの知識を再統合する意図で第3章をまとめた。
 なお,今回の改訂では,「看護と倫理」第2章を刷新した。性をめぐる倫理的問題,再生医療・遺伝子医療,資源配分の問題といった項目を追加し,今日の臨床現場で直面する倫理的な課題について,より広く学べる内容とした。
 本書は今後とも,有用で使いやすい教科書を目ざしていく所存である。本書を准看護師教育にご活用いただき,各位の忌憚ないご意見をお寄せいただければ幸いである。

 2017年11月
 著者ら

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看護と倫理
 看護と倫理を学ぶにあたって (林千冬)
 第1章 看護職者と倫理 (林千冬・服部満生子)
  A.看護の仕事と倫理
  B.専門職としての倫理への取り組み
  C.看護職の職場と倫理
 第2章 医療をめぐる倫理 (宮坂道夫)
  A.生命倫理
  B.生命倫理と看護職の責務
  C.性と生殖の生命倫理
  D.死の生命倫理
  E.先端医療をめぐる生命倫理
  F.医療資源の配分
 第3章 看護実践における倫理的問題 (吉川三枝子・黒田暢子・田村麻里子・梶原祥子・加納尚美)
  A.患者とのコミュニケーション
  B.告知
  C.チーム医療
  D.地域との連携(退院)
  E.人工妊娠中絶
  F.ドメスティックバイオレンス(DV)

患者の心理
 患者の心理を学ぶにあたって (長田久雄)
 第1章 保健医療場面の心理 (長田久雄・長田由紀子・河合美子・塚本尚子)
  A.健康と疾病・障害の心理
  B.患者の心理アセスメントと支援
  C.医療従事者の心理
 第2章 対象別にみた患者の心理 (藤野秀美・片山富美代・高橋亮・菊池和美)
  A.経過別にみた患者の心理
  B.ライフサイクルからみた患者の心理
 第3章 患者の心理を理解するための基礎 (長田久雄・杉山尚子・塚本伸一)
  A.個人の心理の理解
  B.個人の行動の理解
  C.社会・集団の心理的理解

付録 倫理規定などの資料
さくいん

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