フィジカルアセスメント[聴診音CD-ROM付] 第4版
ナースに必要な診断の知識と技術
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- 目次
- 書評
- 付録・特典
目次
開く
第1章 看護と診察技術
第2章 全身のみかた
第3章 呼吸器系のみかた
第4章 循環器系のみかた
第5章 腹部のみかた
第6章 神経系のみかた
第7章 小児のみかた
第8章 高齢者のみかた
索引
CD-ROM操作ガイド
第2章 全身のみかた
第3章 呼吸器系のみかた
第4章 循環器系のみかた
第5章 腹部のみかた
第6章 神経系のみかた
第7章 小児のみかた
第8章 高齢者のみかた
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CD-ROM操作ガイド
書評
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今や誰もが看護師に高い臨床判断能力を求めている
書評者: 明石 惠子 (名古屋市立大学教授・看護学部)
本書には,編著者から看護師への大きな期待を感じます。そして,書名に示されているように,その期待に看護師が応えるために必要な知識と技術が満載です。
1978年に本書の第1版が刊行され,1980年の第2版,1983年の第3版と続き,その後23年の歳月を経てようやく第4版が刊行されました。この間に医療をとりまく状況は著しく変化し,今や誰もが看護師に高い臨床判断能力を求めています。編著者である日野原氏は,30年も前の第1版の序ですでにそれを指摘され,「よき臨床ナースになるための『ナースの診断学』の書」と記されています。そのような本の出版自体が看護師への大きな期待であるといえます。そして,このたびの第4版には,卒後臨床研修医が修得するような診断の知識と技術が具体的に記述されており,看護師のフィジカルアセスメント能力の向上が大いに期待されていると感じました。
◆看護師に必要とされる,患者情報の的確な把握と伝達する力
医師あるいは看護師の中にも,フィジカルアセスメント能力が看護師に本当に必要なのか,という疑問をもつ人がいるかもしれません。看護師の「ミニドクター化」に対する批判や仕事が増えることへの反発もあるでしょう。しかし,看護師は患者や家族に最初に接するとともに,関わる時間が最も長い職種です。あらゆる医療の場面でチーム医療の重要性が強調され,看護師に期待される能力の1つに患者情報の的確な把握と伝達があげられます。言うまでもなく,適切な方法で問診や身体診察を行い,患者の状態とその変化,そして治療や看護の効果を正しく判断し,さらに,それらを医療チームに正確に伝える必要があります。そのためには,本書で述べられているような知識や技術の理解と共通の言葉による情報交換が要求されるのではないでしょうか。
ただし,本書の内容をすべて看護師が修得するべきである,と言うつもりはありません。まず,日常的によく経験する診察や遭遇する機会の多い症状・徴候を学習すればよいと思います。医師が行う診察の目的や方法を理解したうえで看護師が診察の補助を行えば,患者の負担も軽くなるでしょう。
◆フィジカルアセスメント能力を修得するために,不可欠な1冊
本書の第1章「看護と診察技術」では,診察の基本と看護にその技術が必要な理由が述べられています。改めて診察・診断の考え方を知り,そのおもしろさを感じることができます。
次の第2章から第6章までは全身,呼吸器系,循環器系,腹部,神経系のみかたです。診察方法や診察結果の根拠となる人体の解剖や生理,病態がていねいな文章とわかりやすい図で示されています。他のフィジカルアセスメントの書籍と比較し,その充実ぶりを実感しました。
また,呼吸音・心音・腸音を収録したCD―ROMもついています。視診や触診の方法は他人の診察技術を盗むことができますが,聴診は自分の耳が頼りです。パソコンにイヤホンを接続して何度も聴くことをお薦めします。
そして第7章と第8章には,診察方法と判断に注意が必要な小児,高齢者のみかたが述べられています。成長発達や加齢に伴う変化をふまえ,実際に診察する上でのコツが示されています。
このように本書は,フィジカルアセスメントとしての身体診察の方法だけではなく,解剖学,生理学,臨床病態学,そして,医療者としての心構えといった幅広い内容となっています。まさに患者の「みかた」が述べられており,フィジカルアセスメント能力の修得を目指す看護師に不可欠な1冊であると確信します。
書評者: 明石 惠子 (名古屋市立大学教授・看護学部)
本書には,編著者から看護師への大きな期待を感じます。そして,書名に示されているように,その期待に看護師が応えるために必要な知識と技術が満載です。
1978年に本書の第1版が刊行され,1980年の第2版,1983年の第3版と続き,その後23年の歳月を経てようやく第4版が刊行されました。この間に医療をとりまく状況は著しく変化し,今や誰もが看護師に高い臨床判断能力を求めています。編著者である日野原氏は,30年も前の第1版の序ですでにそれを指摘され,「よき臨床ナースになるための『ナースの診断学』の書」と記されています。そのような本の出版自体が看護師への大きな期待であるといえます。そして,このたびの第4版には,卒後臨床研修医が修得するような診断の知識と技術が具体的に記述されており,看護師のフィジカルアセスメント能力の向上が大いに期待されていると感じました。
◆看護師に必要とされる,患者情報の的確な把握と伝達する力
医師あるいは看護師の中にも,フィジカルアセスメント能力が看護師に本当に必要なのか,という疑問をもつ人がいるかもしれません。看護師の「ミニドクター化」に対する批判や仕事が増えることへの反発もあるでしょう。しかし,看護師は患者や家族に最初に接するとともに,関わる時間が最も長い職種です。あらゆる医療の場面でチーム医療の重要性が強調され,看護師に期待される能力の1つに患者情報の的確な把握と伝達があげられます。言うまでもなく,適切な方法で問診や身体診察を行い,患者の状態とその変化,そして治療や看護の効果を正しく判断し,さらに,それらを医療チームに正確に伝える必要があります。そのためには,本書で述べられているような知識や技術の理解と共通の言葉による情報交換が要求されるのではないでしょうか。
ただし,本書の内容をすべて看護師が修得するべきである,と言うつもりはありません。まず,日常的によく経験する診察や遭遇する機会の多い症状・徴候を学習すればよいと思います。医師が行う診察の目的や方法を理解したうえで看護師が診察の補助を行えば,患者の負担も軽くなるでしょう。
◆フィジカルアセスメント能力を修得するために,不可欠な1冊
本書の第1章「看護と診察技術」では,診察の基本と看護にその技術が必要な理由が述べられています。改めて診察・診断の考え方を知り,そのおもしろさを感じることができます。
次の第2章から第6章までは全身,呼吸器系,循環器系,腹部,神経系のみかたです。診察方法や診察結果の根拠となる人体の解剖や生理,病態がていねいな文章とわかりやすい図で示されています。他のフィジカルアセスメントの書籍と比較し,その充実ぶりを実感しました。
また,呼吸音・心音・腸音を収録したCD―ROMもついています。視診や触診の方法は他人の診察技術を盗むことができますが,聴診は自分の耳が頼りです。パソコンにイヤホンを接続して何度も聴くことをお薦めします。
そして第7章と第8章には,診察方法と判断に注意が必要な小児,高齢者のみかたが述べられています。成長発達や加齢に伴う変化をふまえ,実際に診察する上でのコツが示されています。
このように本書は,フィジカルアセスメントとしての身体診察の方法だけではなく,解剖学,生理学,臨床病態学,そして,医療者としての心構えといった幅広い内容となっています。まさに患者の「みかた」が述べられており,フィジカルアセスメント能力の修得を目指す看護師に不可欠な1冊であると確信します。
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