いたみの教科書
「疼痛医学」ダイジェスト版
「いたみ」に出会ったら、まずはここから学ぶ
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本邦初のテキスト『疼痛医学』のダイジェスト版。なかなか取れない「いたみ」を訴える患者さんと出会ったとき、「いたみ」の機序を知りたいとき、「いたみ」への対応を求められたとき、「いたみ」の今がザックリつかめるように編集しました。1日で通読できる、疼痛医学の超入門書。
編集 | 一般財団法人 日本いたみ財団 |
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発行 | 2021年12月判型:A5頁:120 |
ISBN | 978-4-260-04906-1 |
定価 | 2,420円 (本体2,200円+税) |
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序文
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序
人から痛みによる苦しみを取り除くことは医療分野における大きな命題の1つである.しかし,痛み症状の緩和に関しては,情報の氾濫により,科学的根拠の乏しい治療も行われており,それらを科学的目線から評価するシステムも確立されていない.さらに社会的な課題である慢性の痛みの形成や維持の背景には,患者の身体的側面のほかに,患者を取り巻く社会的あるいは心理的側面が存在している.
本書の目的は,痛みの治療にあたり,痛みの本質や適切な痛みに対する医療を知り,痛みに難渋する患者への対応を学んでもらうことである.
現在,厚生労働省の慢性疼痛診療システム普及・人材養成モデル事業において,慢性疼痛診療研修会が行われている.その際のテキスト資料として,本邦で初めての疼痛医学の教科書(『疼痛医学』)での研修を行ってきたが,最新の情報をより身近に学習してもらうことを目的に本書『いたみの教科書――「疼痛医学」ダイジェスト版』の発行に至った.
本書が痛み教育の入門書となり,多くの方に痛みについて興味をもっていただき,知識を深めていただくものとなることを願っている.また,本書によって痛みに難渋する患者の助けになる医療従事者が一人でも多くなることを願う.
制作にあたり,ご執筆いただいた第一線で疼痛の研究・教育に携わっている先生方,このダイジェスト版発行にご協力いただきました先生方に感謝申し上げる.
2021年12月
一般財団法人 日本いたみ財団
目次
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第I編 総論:痛みの多元性
1 痛みの生物学的意義
2 侵害受容性,神経障害性,痛覚変調性疼痛の区別
3 慢性疼痛の診断とICD-11分類
1 慢性疼痛診療に必要な医療対応システムの分類(K-S軸分類)
4 疫学
1 厚生労働省の調査
2 筆者らの調査
3 他の慢性疼痛調査
第II編 基礎科学
1 末梢受容体と一次求心性線維の役割
1 侵害受容器
2 侵害受容器の構造
3 末梢侵害刺激受容体
4 TRP(transient receptor potential)チャネル
2 運動器の痛みのメカニズム
1 筋痛
2 骨・関節痛
3 疼痛行動に関連する精神症状と社会的問題
1 疼痛と関係する精神症状
2 疼痛行動に影響する社会的要因
第III編 臨床病態
1 急性疼痛
2 慢性疼痛
1 線維筋痛症(fibromyalgia;FM)
2 慢性頚部痛,慢性腰痛
3 神経障害性疼痛
4 変形性関節症
5 慢性術後疼痛,慢性外傷後疼痛
6 複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome;CRPS)
7 頭痛
8 顎関節症
9 がん関連疼痛
3 特定の痛みの問題
1 子どもの痛み
2 高齢者の痛み
3 薬物などの依存と乱用
第IV編 痛みの評価と治療
1 評価
1 痛みの多面的評価
2 身体的機能評価
2 治療
1 薬物療法
1)非ステロイド性抗炎症薬,解熱薬,オピオイド
2)鎮痛補助薬
3)多角的鎮痛法(multimodal analgesia)
2 精神療法と行動のアプローチ
1)コミュニケーションスキル
2)心理療法(認知行動療法など)
3)バイオフィードバック
3 リハビリテーション医学的アプローチ
1)エクササイズなどの積極的な治療と心肺機能
2)ストレッチングや関節可動域運動
3)物理療法と温熱療法
4 神経調節技術
1)脊髄刺激療法
2)鍼
3)神経ブロック
a 超音波ガイド下神経ブロック
b 神経破壊技術を用いた神経ブロック
5 外科的治療
1)関節外科技術
2)脊椎手術
索引
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