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新臨床内科学 [ポケット判] 第10版

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今回の改訂第10版では、症状・疾患の理解のツボを存分に盛り込んだ構成にリニューアル。試験で出ることの多い各疾患の特徴や臨床実習での注意点など、特に重要なポイントを囲みとして強調。章の冒頭には「理解するためのポイント」を新設し、各症状・疾患の全体像や学習のコツをまとめた。もちろん、定評のあった病態生理や診断、治療などの解説も充実。試験対策や実習、そして臨床と幅広い場面で役に立つ内容となっている。


 

『標準医学シリーズ 医学書院eテキスト版』は「基礎セット」「臨床セット」「基礎+臨床セット」のいずれかをお選びいただくセット商品です。
各セットは、該当する領域のタイトルをセットにしたもので、すべての標準シリーズがセットになっているわけではございません。

 

監修 矢崎 義雄
発行 2020年03月判型:A5頁:2002
ISBN 978-4-260-03807-2
定価 19,800円 (本体18,000円+税)

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第10版 序

 本書は1974年の初版発行以来,医学生をはじめ多くの読者の支持を受け,版を重ねてきた.40年以上の歴史を刻んだ内科学書の第10版刊行に携わることができ,監修者として大変うれしく感じている.
 前版の発行から11年が経過し,その間に医学は飛躍的な進歩を遂げた.当然ながら内科学においても新たな情報が加わり,その膨大な内容を学修するために医学生が多くの労力を強いられていることは想像にかたくない.
 そうした現状をふまえ,今回の第10版では,これまで本書が兼ね備えていた内科学の成書としての信頼性の高さを保持しつつ,読者にとって必要性の高い臨床情報をよりコンパクトかつわかりやすくまとめることを目的として,全面改訂を行った.
 まずは各章の最初のページをご覧いただきたい.ここでは,今回の改訂で復活した第1章の「主要症候」,および疾患各論(第2~14章)の全体像や学習のコツを責任編集の先生方に短くまとめていただいている.このパートは一通り読めば各領域を広く把握することができる優れものであり,今回の改訂における大きな特長の1つといえるだろう.
 次に各項目では,新たに「疾患を疑うポイント」「学びのポイント」「実習のポイント」といった要素を設け,その疾患で絶対に押さえておくべき特徴やキーワード,診療場面で気をつけるべき点などをピックアップした.また項末に設けた「トピックス」では,その疾患に関連する最新動向や変化について紹介しており,情報のアップデートをはかりたい読者のニーズにも応えられる内容となっている.従来系統別の総論としてまとめられることの多かった検査や治療などについては,「特論」として最も関連が深い疾患項目の近くで解説している.
 本のサイズについては,読者諸氏の用途にあわせて選んでいただけるように,前回同様コンパクトなA5判サイズと見やすいB5判サイズを用意した.
 今回執筆をしていただいた600名を超える先生方には,上記の改訂コンセプトをご理解のうえ,内科臨床の情報をわかりやすく,端的にまとめていただいた.この場を借りて篤く御礼申し上げたい.
 生まれ変わった本書第10版が,より多くの医学生・研修医・内科医に活用され,これからの医療の発展に貢献してくれることを切に願っている.

 2020年2月
 矢﨑義雄

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本書で使用した主な略語

第1章 主要症候
 症候から診断を理解するためのポイント
 疼痛
 体温の異常
 呼吸器系の症候
 循環器系の症候
 消化器系の症候
 腎臓・内分泌系の症候
 血液・リンパ系の症候
 神経・精神系の症候
 その他の症候

第2章 呼吸器疾患
 呼吸器疾患を理解するためのポイント
 肺感染症(感染性呼吸器疾患)
 閉塞性肺疾患
 間質性肺疾患
 肺循環障害
 気管支・肺の変形および形成障害
 呼吸調節異常
 呼吸不全
 まれながら覚えておきたい肺疾患
 腫瘍
 胸膜・縦隔・胸壁・横隔膜疾患

第3章 循環器疾患
 循環器疾患を理解するためのポイント
 虚血性心疾患
 不整脈
 心不全
 心筋疾患
 心膜疾患
 弁膜疾患
 先天性心疾患
 血圧異常
 動脈疾患
 静脈・リンパ管疾患
 肺循環疾患
 心臓腫瘍
 外傷
 全身疾患に伴う循環器疾患

第4章 消化管疾患
 消化管疾患を理解するためのポイント
 消化管内視鏡診断・治療
 口腔疾患
 食道疾患
 胃疾患
 腸疾患
 直腸・肛門疾患
 腹膜疾患
 急性腹症

第5章 肝・胆・膵疾患
 肝・胆・膵疾患を理解するためのポイント
 肝疾患
 胆疾患
 膵疾患

第6章 代謝・栄養疾患
 代謝・栄養疾患を理解するためのポイント
 糖代謝異常
 脂質代謝異常
 肥満症とやせ症(栄養異常)
 蛋白・アミノ酸代謝異常
 ビタミンの異常
 核酸代謝異常
 その他の代謝異常

第7章 内分泌疾患
 内分泌疾患を理解するためのポイント
 間脳・下垂体疾患
 甲状腺疾患
 副甲状腺(上皮小体)疾患とカルシウム・リン代謝異常
 副腎・髄質疾患
 性腺疾患
 その他の内分泌疾患

第8章 血液・造血器疾患
 血液・造血器疾患を理解するためのポイント
 赤血球数の異常を生じる疾患(造血器腫瘍を除く)
 白血球数の異常を生じる疾患(造血器腫瘍を除く)
 血小板数の異常を生じる疾患(造血器腫瘍を除く)
 血小板減少症以外の原因による出血傾向
 血栓症を生じる疾患
 造血器腫瘍

第9章 腎・尿路疾患,水・電解質代謝異常
 腎・尿路疾患,水・電解質代謝異常を理解するためのポイント
 主要症候と病態の評価
 水・電解質代謝異常
 慢性腎臓病
 急性腎障害
 腎代替療法
 原発性糸球体障害
 全身疾患に伴う腎障害
 遺伝性腎疾患
 尿細管機能異常
 腎・尿路の疾患
 腎・尿路・男性生殖器の腫瘍
 妊娠と腎臓
 薬剤・重金属などによる腎障害

第10章 神経疾患
 神経疾患を理解するためのポイント
 神経学的所見のとりかたのエッセンス
 脳・脊髄血管障害
 脳腫瘍
 感染・炎症性疾患
 脱髄疾患
 認知症性疾患
 基底核変性疾患
 運動ニューロン疾患
 脊髄小脳変性疾患
 代謝性疾患
 中毒性疾患
 末梢神経・神経筋接合部・筋疾患
 けいれん・機能性疾患
 自律神経疾患
 全身性疾患に伴う神経・筋障害
 脳死
 骨・軟部腫瘍と類似疾患
 その他の重要な小児領域の疾患

第11章 感染症疾患
 感染症疾患を理解するためのポイント
 細菌感染症
 非定型病原体
 真菌感染症
 寄生虫感染症
 ウイルス感染症,プリオン
 感染症の制御

第12章 アレルギー疾患
 アレルギー疾患を理解するためのポイント
 アレルギー診療の基本重要事項
 各種のアレルギー疾患

第13章 膠原病・リウマチ性疾患,原発性免疫不全症
 膠原病・リウマチ性疾患,原発性免疫不全症を理解するためのポイント
 膠原病・リウマチ性疾患
 原発性免疫不全症

第14章 中毒・環境要因疾患
 中毒・環境要因疾患を理解するためのポイント
 中毒疾患
 環境要因疾患

和文索引
欧文索引

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新しい時代の医学生のための教科書
書評者: 安達 洋祐 (久留米大医学教育研究センター教授)
◆ポケット判に一目ぼれ

 大学の書店で『新臨床内科学 第10版[ポケット判]』を見つけました。シンプルな表紙と優しい手ざわりに,久しぶりに胸が高鳴る「一目ぼれ」でした。早速,「序」を読み,編集コンセプトを見ました。「内科学の成書としての信頼性」を守って「コンパクトかつわかりやすく」まとめた「全面改訂」です。

 第1章に「主要症候」があり,65症候が96ページにわたって,定義・病態生理・初期対応・鑑別診断・治療方針に,90点の図表が添えられています。また,第2章以降の臓器系統別の章は,冒頭の数ページで「ざっくりわかる呼吸器疾患」のような形で,編集者が疾患群の全体像を解説していて,各章の手引きになっています。

◆スマートでわかりやすい

 内科の伝統的な教科書は「分厚い・重い・難解」というイメージがありますが,本書は少々違います。新しい時代の「医学生のための教科書」に変身しています。本文は疾患ごとに,定義・病態・診断・治療が短い文で簡潔明瞭に書かれ,重要な語句は橙色のゴシック体で強調されています。

 色塗りの箇条書きで疾患ごとに設けられている「疾患を疑うポイント」は疾患の症候からみた特徴が明快で,「学びのポイント」は疾患のエッセンスが一目瞭然です。随所に見られる「特論」では専門的な検査や治療が詳しく解説されています。

 「実習のポイント」は,診療参加型臨床実習で患者を受け持った医学生に対する指導医のアドバイス,「トピックス」は疾患を学んで基礎知識がついた医学生に対する専門医のレクチャーのようです。図表・イラスト・カラー写真が豊富で,索引が80ページと充実しているのも,本書の魅力です。

◆「One Team」637人が執筆

 本書の特長の一つは,類書にない充実した執筆陣です。「One Team」となって監修・編集されている安心感と信頼感があります。医学の本道である内科学の最新情報を効率よく把握できるように,各章の編集者が原稿を細部までチェックしています。14人の編集者の熱意と使命感がうかがえます。

 総勢637人の執筆者は,診療と教育の専門家です。医療の現場で患者の診療に携わり,臨床研修病院で研修医を指導し,大学病院で医学生を教育している医師が,各自の専門領域や得意分野を担当しており,日本の内科医の英知の結集です。

◆腰を据えて教科書を読破

 全国の医学生の皆さん。新型コロナウイルスの感染拡大で臨床実習が制限され,自分で勉強する時間が増えたと思います。この際,余裕ができた時間を,『新臨床内科学』を読む時間に使ってみませんか。

 本文が全部で1880ページ。1日10ページ読めば6か月,1週間に1章なら3か月で読破できます。第1章の「主要症候」は最後に読むのがいいかも。(過去問や選択肢に奮闘するより)典型的な疾患像や患者像(illness script)を頭に入れることがいかに大切か,実感できるでしょう。

 内科の教科書を読破すれば,大きな力と自信になり,医師になるための土台固めができます。学生時代に内科の勉強を怠けたことを反省している元外科医の「学問のすすめ」です。

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