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呼吸音聴診ガイドブック

見る・聴くWeb付録付

著:山内 豊明

  • 判型 B5
  • 頁 96
  • 発行 2018年04月
  • 定価 2,484円 (本体2,300円+税8%)
  • ISBN978-4-260-03159-2
大切なサインを見逃さないために、もっと確かな聴診力を。
気道が狭くなっている? 誤嚥を起こしているかも? 呼吸音の聴診によって、患者さんの身体の中で起きていることを予測できます。呼吸音の聴診で必要なのは、異常な呼吸音5つ、正常呼吸音3つをしっかり頭に入れておくこと。それぞれの音の特徴がわかれば、呼吸音の聴診は確実に身につけられる技能です。ステップに沿って学び、自信を持って聴診に臨みましょう。呼吸音が生じるメカニズムを繰り返し見て、聴けるWeb付録付。
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序 文
はじめに

 交差点にある交通信号は,何色で,それぞれ何色と言いますか?
 3色で,赤・黄・青,これは全国どこでも同じですね。みんなに共通すべき情報は地域によってその数や呼び名が違ったら困ります。
 交通信号は道路を使う場合に必要となる情報です。そして呼吸音は身体のケアに関わる...
はじめに

 交差点にある交通信号は,何色で,それぞれ何色と言いますか?
 3色で,赤・黄・青,これは全国どこでも同じですね。みんなに共通すべき情報は地域によってその数や呼び名が違ったら困ります。
 交通信号は道路を使う場合に必要となる情報です。そして呼吸音は身体のケアに関わる際に不可欠な情報です。

 呼吸音の聴診とは,呼吸音という音情報を聴くことで身体の様子を判別することです。
 「判別」とは判じて別々に扱うことですから,情報源を白か黒のようにきっぱりと線引きをすることであり,グラデーションのように境界が曖昧なままにしておくのでは判別とはなりません。その後どのように振り分けるか,そのためにはどのように線引きをするかを先に定めておき,その場ではあらかじめ用意した受け皿への振り分け作業を行うこと,それが判別という行為です。
 「音」という材料はその場で扱うことはできても,材料自体を自分の中に残すことはできません。聴きたい音だけを頭の中に録音することは不可能です。音を判別材料にするためには,同時に鳴っている様々な音の中から聴くべき音を扱うために,それ以外の音を聞き流す必要があります。なぜならば,判別を担当する脳は1人1つしか持っておらず,並列処理は不可能だからです。
 これらのことから聴診技能の必要条件が明確になります。残せない「音」という材料を,どこに振り分けるかを,その場で即断即決する必要があるのです。そのためには,「振り分け先」を正しく知っていること,そのための「振り分け方とその線引き」を正しく運用できること,そしてその振り分け先に「正しい共通用語」を当てがうこと,となります。

 本書では,身体ケアに関わる際に,その場で間髪入れずに判断しなければならない呼吸音について,正しく振り分けをし,ケア行為に結び付けるために正しい共通用語を当てがうための方法を,この原理に基づいてステップ・バイ・ステップで習得できるように構成しています。
 呼吸音をどう分けて,それをどう線引きし,何と呼ぶかを明確にするということは,交通信号を,「赤っぽい色」「黄色っぽい色」「青(ないしは緑)っぽい色」の3つに分け,それぞれを「赤信号」「黄色信号」「青信号」と呼んで扱うのと同じ原理です。
 呼吸音の聴診は,道路で交通信号に戸惑うことなく安心して道路を通ることができるのと同じように,容易で確実な技能です。
 さあ,自信を持って呼吸音聴診に臨めるように進みましょう。

 2018年2月
 山内豊明
目 次
はじめに
本書の構成&使い方

聴診の目的を確認する
 (1)呼吸音の聴診をする目的
 (2)聴診をケアにつなげるために
 (3)呼吸音のアセスメントが大切な理由

呼吸器系の働きを理解し,呼吸音の「カタログ」を整理する
 (1)呼吸器系の働きと,呼吸音の聴診によってわかること
 (2)呼吸音をどこで聴取するか
 (3)聴診の基本
 (4)聴診器の使い方
 (5)正常呼吸音と副雑音の分類
 (6)実際の呼吸音を聴いてみよう

復習テスト
聴診テスト
解答・解説

副雑音を聴き分け,患者さんの状態を推測する
 (1)連続性副雑音が示すのは「気道の狭まり」
 (2)低調性と高調性の違いは「気道の狭まり具合」
 (3)連続性副雑音は「変化」に注意
 (4)細かい断続性副雑音が示すのは「肺胞の伸びの悪さ」
 (5)細かい断続性副雑音が聴取された場合の考え方
 (6)粗い断続性副雑音が示すのは「気道に過剰な水分があること」
 (7)粗い断続性副雑音が聴取された場合の考え方
 (8)胸膜摩擦音は肺を包む膜から生じる音
 (9)副雑音の判断の仕方
 (10)副雑音の重複

復習テスト
聴診テスト
解答・解説

「呼吸音は正常」と言い切るための道筋を理解する
 (1)正常呼吸音 気管(支)音
 (2)正常呼吸音 肺胞音
 (3)正常呼吸音 気管支肺胞音
 (4)「呼吸音は正常である」とはどういうことか
 (5)「呼吸音は正常」と言い切るために(1) 副雑音と左右差
 (6)「呼吸音は正常」と言い切るために(2) 気管支呼吸音化

復習テスト
聴診テスト
解答・解説

聴診のためのコラム
 (1)呼吸に関連する解剖用語の整理
 (2)肺の「どのあたりか」を正しく伝えるために
 (3)長期臥床していると換気効率が悪くなる理由
 (4)人工呼吸器装着時の聴診
 (5)胸部疾患と聴診所見

索引