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ロイ適応看護理論の理解と実践


(第2版)

編集:小田 正枝

  • 判型 B5
  • 頁 312
  • 発行 2016年02月
  • 定価 2,808円 (本体2,600円+税8%)
  • ISBN978-4-260-02469-3
ここから、これから、ロイの理論を看護に活かす!
ロイ理論をわかりやすく概説し、教育・臨床に活かすための具体的な方法を明らかにする。特に、ロイ理論に基づく看護過程についての記述が充実。また独自の試みとして、ロイの示す看護診断とNANDA‐I看護診断の対応を一覧化。さらに、看護過程の具体的な記録や評価方法にも触れ、初学者だけでなく教員・臨床看護師にも役立つ。第2版では最新の理論内容に対応し、NANDA‐Iとの連携も強化。ロイ理論の本質に迫る1冊!
序 文


 『ロイ適応看護理論の理解と実践』を医学書院より刊行して以来,6年が経過しました.そこでこのたび,改訂を行い内容面のさらなる充実を図り第2版として本書を発刊することとなりました.第2版では,看護学生や新人看護師に役立つ臨床の最新情報を追加し内容の吟味を行いました.
 現在,...


 『ロイ適応看護理論の理解と実践』を医学書院より刊行して以来,6年が経過しました.そこでこのたび,改訂を行い内容面のさらなる充実を図り第2版として本書を発刊することとなりました.第2版では,看護学生や新人看護師に役立つ臨床の最新情報を追加し内容の吟味を行いました.
 現在,わが国では看護教育や臨床において看護理論の学習や活用が盛んに行われています.看護の本質を追究する1つの手がかりになるのは,看護理論です.1948年にブラウンは,専門職としての看護がどうあるべきかをレポート「Nursing for the Future」に著しました.このレポートが,看護教育の変革に与えた影響は大きなものでした.その後米国を中心として看護の高等教育化が進み,ぺプロウ,ヘンダーソン,オレム,ロイ,ニューマン,ロジャース,そしてパースィらによって看護理論が次々と発表されるようになりました.今日に至るまで,看護界の多くのリーダーや理論家たちが,知識体系としての看護分野の特徴や要素を明らかにしてきました.こうした努力によって,現在では,看護は科学の1分野であり,かつ知的職業であると認識されています.ここ60年ほどの間に“看護学”の概念が形成されました.現在でも,看護実践に必要な知識は蓄積され,一層の発展を遂げています.
 このような背景と変化の中で,ロイ適応看護理論は日本の文化に馴染む理論として看護教育・看護実践に活用されてきています.そしてロイは,21世紀における看護を視野に入れ,適応を通して生命・生活過程を促進するという考えを拡大しています.
 本書の内容は,筆者らが長年,共に研究会でロイ適応看護理論の本質に迫る努力を重ねてきた中から生み出されたものです.それは,筆者らが看護の本質や看護独自の視点,役割について探究する中でたどり着いたものと言えます.本書の執筆にあたっては,ロイ適応看護理論に関する過去の文献,特に『ザ・ロイ適応看護モデル』(松木光子監訳,医学書院,2002年)およびその原書の最新版『The Roy Adaptation Model 3rd ed』を翻訳した 『ザ・ロイ適応看護モデル 第2版』(松木光子監訳,医学書院,2010年)を読み解き,引用または参照しました.このロイの最新版では,集団という概念が拡張されてより多くの記述がなされています.
 本書は主として,ロイ適応看護理論を看護教育や看護実践の基本として使われることを意図して書かれています.看護学生,新人看護師,そして看護教員に必要な内容を含んでいます.
 第1章,第2章では看護学としてのロイ適応看護理論の概念の基本について概説し,第3章,第4章では看護過程について基本から適用に至る知識を詳述しています.さらに第5章では肯定的指標,適応問題,NANDA‐I看護診断の関連を一覧にし,実践の場での活用が容易になるように考案しました.第6章では看護過程の実践と評価の方法について具体的に言及し,第7章ではそれに基づいた専門領域別の事例展開を提示しています.そして,第8章ではロイ適応看護理論の研究が現在どのように発展しているのかを記述しました.
 最後に,本書の編集・校正の労をお取りいただきました医学書院看護出版部の皆様,特に金子力丸様,北原拓也様に心より感謝申し上げます.

 2016年1月
 著者を代表して 小田正枝
目 次


第1章 ロイ適応看護理論の概説
 1.ロイ適応看護理論の背景
 2.看護学のメタパラダイムをどのように述べているか
 3.哲学的主張をどのように述べているか
 4.「システム」と「適応」という重要概念をどのように述べているか
 5.理論開発にみるロイ適応看護理論

第2章 ロイ適応看護理論の概念構造
 1.適応システムとしての人間
  システムモデル
  システムとロイ適応看護理論の関係
  刺激
  適応レベル
  行動
 2.対処プロセス
  対処プロセスとは
  調節器サブシステム
  認知器サブシステム
 3.適応様式
  適応様式とは
  生理的様式の概要
  自己概念‐集団アイデンティティ様式の概要
  役割機能様式の概要
  相互依存様式の概要
 4.人間・環境・健康・看護
  人間
  環境
  健康
  看護

第3章 ロイ適応看護理論に基づく看護過程
 1.ロイ適応看護理論と看護過程
 2.行動のアセスメント
 3.刺激のアセスメント
 4.看護診断
 5.目標の設定
 6.介入
  刺激と対処プロセスヘの介入
  実行可能なアプローチの見極めと分析
  選択したアプローチの実施
 7.評価
  目標の反映としての評価
  評価で用いられる技能
  看護過程の継続性
 8.まとめ

第4章 適応様式の解説
 1.生理的様式の理解
  重要概念の解説
  酸素化
  栄養
  排泄
  活動と休息
  保護(防衛)
  感覚
  体液・電解質,酸・塩基平衡
  神経学的機能
  内分泌機能
 2.自己概念‐集団アイデンティティ様式の理解
  重要概念の解説
  個人の自己概念様式
  関係のある人々の集団アイデンティティ様式
 3.役割機能様式の理解
  重要概念の解説
  個人の役割機能様式
  関係のある人々の集団役割機能様式
 4.相互依存様式の理解
  重要概念の解説
  個人の相互依存様式
  関係のある人々の相互依存様式

第5章 看護診断の解釈および用語の解説
 1.ロイ適応看護理論とNANDA‐I看護診断
 2.生理的様式
  酸素化
  栄養
  排泄
  活動と休息
  保護(防衛)
  感覚
  体液・電解質
  神経学的機能
  内分泌機能
 3.自己概念‐集団アイデンティティ様式
 4.役割機能様式
 5.相互依存様式

第6章 ロイ適応看護理論と実践
 1.ロイ適応看護理論に基づく記録様式
 2.ロイ適応看護理論に基づく記録のガイドライン
  行動のアセスメント
  刺激のアセスメント
  看護診断
  目標
  介入
  評価
 3.看護記録の評価

第7章 専門領域別の実践例
 1.ロイ適応看護理論に基づく看護過程の事例
 2.急性期 左下腿骨折(開放)の大腿下端部より切断術後2日目の患者の看護過程
 3.慢性期 パーキンソン病をもつ人の看護過程
 4.終末期 死にゆくことに不安を抱えている人の看護過程
 5.老年 左半身麻痺と認知症,心不全がある患者の看護過程
 6.小児 化学療法を受けている男児の看護過程
 7.精神 うつ病患者の看護過程
 8.在宅 自宅療養している成人男性の看護過程

第8章 ロイ適応看護理論の研究
 1.はじめに
 2.ロイ適応モデルに基づいた海外の研究 2000~2015年までの文献の傾向
 3.ロイ適応モデルに基づいた国内の研究の取り組み

索引