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医療英会話キーワード辞典

そのまま使える16000例文

著:森島 祐子/仁木 久恵/Flaminia Miyamasu 

  • 判型 B6
  • 頁 776
  • 発行 2019年04月
  • 定価 4,104円 (本体3,800円+税8%)
  • ISBN978-4-260-02813-4
キーワードからピンポイントで答えが見つかる! 和英辞典型の新感覚英会話サポーター
さまざまな医療場面で必要になる英語表現がキーワードからピンポイントで探せる、これまでになかった和英辞典スタイルの英会話サポートツール。病歴聴取や患者指導、検査、会計などよくある場面・状況については、生きた文例を流れに沿って収載。また「説明する」「大丈夫」「自己負担」など日常よく使う日本語もパッと英語に!
序 文


 社会のグローバル化が進むなかで,外国人が医療機関を受診するケースが増えている.医療の現場では,情報の収集,検査・治療方針の説明,ケアなど,多方面にわたる患者支援のために,言語コミュニケーションは欠かすことのできないツールである.もしコミュニケーションが適切に行われなければ,...


 社会のグローバル化が進むなかで,外国人が医療機関を受診するケースが増えている.医療の現場では,情報の収集,検査・治療方針の説明,ケアなど,多方面にわたる患者支援のために,言語コミュニケーションは欠かすことのできないツールである.もしコミュニケーションが適切に行われなければ,疾病の診断や治療が円滑に進まず,患者に身体的・心理的不利益が生じてしまう.
 先に医学書院より発刊した『そのまま使える 病院英語表現5000』は,幸いにも多くの読者からご支持をいただいた.しかし,同書では用例を診療の時系列や領域別に沿って配置しているために,系統的な検索には有用である一方で,一つの語彙から派生する英語表現の検索には向いていない.そこで,同書の初版を出版した2006年に,「現場で使いやすい医療英会話用例辞典を作ろう」というコンセプトのもとに本書の執筆を開始した.手探りで始めた辞書作りではあったが,医学英語教育に携わるFlaminia Miyamasu,多くの一般英和・和英辞典や看護英和辞典の執筆を手掛けてきた仁木久恵,臨床医学に身をおく森島祐子の3人がタッグを組むことで,これまでにない実用性の高い医療英会話辞典が完成した.本書は日本で外国人の診療を行う際に役立つことはもちろんのこと,海外での診療,さらには英語で症例報告をするような場面でも活用することができる.
 必要な語彙や例文がすぐに探せる本書が,医師や看護師をはじめとする医療スタッフ,将来医療に従事する医学生や看護学生たちの必携の一冊としてお役に立てれば幸いである.
 10年余の歳月を要してようやく上梓の日を迎えるにあたり,その間,お世話くださった医学書院の方々に心からお礼を申し上げる.

 2019年3月
 著者を代表して 森島祐子 
書 評
  • 病歴聴取や説明,治療同意で使える英語をバラエティー豊かな例文で学べる
    書評者:川名 正敏(東女医大特任教授・総合診療科)

     最近の外国人旅行者の増加,そして今後の外国人労働者の受け入れ拡大が議論される中,医療現場における外国人への対応は喫緊の課題になっています。

     筑波大の森島祐子先生らが2006年に発刊された本書の兄貴(姉貴)分である『...
    病歴聴取や説明,治療同意で使える英語をバラエティー豊かな例文で学べる
    書評者:川名 正敏(東女医大特任教授・総合診療科)

     最近の外国人旅行者の増加,そして今後の外国人労働者の受け入れ拡大が議論される中,医療現場における外国人への対応は喫緊の課題になっています。

     筑波大の森島祐子先生らが2006年に発刊された本書の兄貴(姉貴)分である『そのまま使える 病院英語表現5000』は,外来,救急現場,病棟などさまざまな場所で大活躍しており,私もこの本の大ファンの一人です。外国人の患者さんに対して最初のコンタクトを取る際に,受付,外来診察室,手術室など,それぞれの関連ページを開いてそこに記載されている文章を読み上げれば(場合によってはお見せすれば)よいということで,多職種の人たちがあまりちゅうちょせずに外国人の患者さんとのコミュニケーションを取れるようになってきました。

     次のステップは,もう少し詳しい病歴を聞いたり,やや複雑な病態生理を説明して検査や治療の同意を得たりということになるのですが,この場面でいくつかのキーワードから英語の文章を発展させていくことがなかなか難しいことがありました。

     森島先生が仁木久恵先生,Flaminia Miyamasu先生と周到な準備のもと集大成として発刊された本書『医療英会話キーワード辞典―そのまま使える16000例文』は,このような場面でとても便利に使うことができます。

     例えば,「きょうしんしょう 狭心症」の項では「狭心症 angina(pectoris)」の表記の次に
    ・狭心症は心臓への血液の供給が減ることによって起こります Angina is caused by a decrease in blood supply to the heart.
    という例文が入っていて,患者さんにはこのような表現をすればいいんだ! とすぐにわかります。

     この辞典はいわゆる“医学用語辞典”ではありません。医療機関で英会話をする時によく出てくる普通の語句が大変多く収載されていて,それを病院ではこのように使うという例文が,実に臨場感を持った形で紹介されているのです。例えば「きょうゆう 共有する」の項では,下記のような例文が載っています。
    ・患者と医療者間で臨床上の情報を共有する patients and physicians share clinical information(with each other)
    ・この冷蔵庫は共有になります This is a communal refrigerator for use by patients.

     また,「こまる 困る」の項を見ますと,
    ・何かお困りのことがありますか(心配事があるか) Is anything bothering[troubling]you?/(何か問題があるか)Is anything wrong?
    ・排尿のコントロールに困っていますか Do you have(any)difficulty(in)controlling your bladder?
    ・便秘で困っているのですか Do you have any trouble with constipation?
    ・困ることがあれば,相談に来て下さい If you have any problems[If you’re ever in trouble], feel free to come and talk with me.
    ・それは困りましたねえ That’s too bad.
    というように,医療機関内に特化してはいますが,実にバラエティーに富んだ例文が紹介されているのです。

     このような使い方をしていますと,ある単語を調べた後に,つい傍の単語を読み込んでしまうという,紙の辞書ならではの良さを久しぶりに感じることができました。

     さらに,この辞典は英文の紹介状,診断書から症例報告や臨床論文を書く際にも威力を発揮します。最近海外赴任する方の紹介状を作成したのですが,この表現で“適切”かどうかを確認するのに本書は大変役立ちました。

     本書を医師,看護師をはじめとする医療スタッフのみならず,医学生・看護学生からヘルスケア関連企業の方にも必携の一冊としてお薦めします。