CCUレジデントマニュアル 第2版
CCUおよび循環器科の日常診療で湧き上がる疑問に応える実践マニュアル
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CCUおよび循環器科で働く研修医、専門医をめざす循環器医のための実践マニュアル。膨大な臨床試験を背景とするガイドラインは、現時点における専門家の総意であり、本書ではさらに、聖路加国際病院心血管センターの循環器内科、心臓血管外科、成人先天性疾患分野のスタッフが、医学的、時間的、人的、社会的など多くの制約の下で創意工夫して行う診療の実際をまとめた。日々の臨床に役立つサイドメモ40題も収載。
*「レジデントマニュアル」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ | レジデントマニュアル |
---|---|
編集 | 高尾 信廣 / 西 裕太郎 |
発行 | 2016年03月判型:B6変頁:576 |
ISBN | 978-4-260-02412-9 |
定価 | 6,160円 (本体5,600円+税) |
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- 目次
序文
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序
科学技術の進歩は目覚ましく,医療分野でも膨大な臨床試験を背景にさまざまなガイドラインが登場しています.ガイドラインは本来「指針」であり,その時点における専門家の総意としてお勧めですが,添付文書と同様に法律解釈の判断基準として一人歩きを始めたガイドラインに義務感だけでなく恐怖すら覚えます.循環器領域のすべてのガイドラインを網羅して,この小さなマニュアルに詰め込むことは到底できません.またガイドラインの要約集が本書の目的でもありません.大規模臨床試験の結果を直接当てはめられない除外基準を満たす患者は数多くいます.臨床現場は,医学的,時間的,人的,社会的などいろいろな制約下で創意工夫を行いながら行う小実験の連続です.残念ながら上手くいかないことも多くあります.ここ数年間にわれわれが経験したことを踏まえて,日々の臨床に役立つようにまとめました.聖路加国際病院循環器科も2008年から心血管センターとして循環器内科と心臓血管外科の拡充だけでなく,成人先天性心疾患分野が新たに加わりました.循環器医に必要な先天性心疾患の最低限の知識にも触れました.
CCUレジデントマニュアル(第1版 1997年)を上梓してすでに20年弱が経過してしまいました.その間改訂作業を怠り,多くの方にご迷惑をおかけしました.今回,聖路加国際病院心血管センターに関係した多くの仲間に執筆協力を求め,本書が完成しました.本書の内容の一貫性を保ち,読みやすくするため省略,加筆,統合を編者の責任で行いました.編集の大幅な遅れにもかかわらず辛抱強く支えていただいた医学書院医学書籍編集部の中根冬貴氏,制作部の加藤寛之氏に感謝します.
最後に共同編者の西裕太郎先生が2015年5月21日に急逝しました.臨床を大切にし,部長としてわれわれをリードしてきた先生を偲び,謹んで哀悼の意を表し,本書を捧げたいと思います.
2016年2月
高尾信廣
科学技術の進歩は目覚ましく,医療分野でも膨大な臨床試験を背景にさまざまなガイドラインが登場しています.ガイドラインは本来「指針」であり,その時点における専門家の総意としてお勧めですが,添付文書と同様に法律解釈の判断基準として一人歩きを始めたガイドラインに義務感だけでなく恐怖すら覚えます.循環器領域のすべてのガイドラインを網羅して,この小さなマニュアルに詰め込むことは到底できません.またガイドラインの要約集が本書の目的でもありません.大規模臨床試験の結果を直接当てはめられない除外基準を満たす患者は数多くいます.臨床現場は,医学的,時間的,人的,社会的などいろいろな制約下で創意工夫を行いながら行う小実験の連続です.残念ながら上手くいかないことも多くあります.ここ数年間にわれわれが経験したことを踏まえて,日々の臨床に役立つようにまとめました.聖路加国際病院循環器科も2008年から心血管センターとして循環器内科と心臓血管外科の拡充だけでなく,成人先天性心疾患分野が新たに加わりました.循環器医に必要な先天性心疾患の最低限の知識にも触れました.
CCUレジデントマニュアル(第1版 1997年)を上梓してすでに20年弱が経過してしまいました.その間改訂作業を怠り,多くの方にご迷惑をおかけしました.今回,聖路加国際病院心血管センターに関係した多くの仲間に執筆協力を求め,本書が完成しました.本書の内容の一貫性を保ち,読みやすくするため省略,加筆,統合を編者の責任で行いました.編集の大幅な遅れにもかかわらず辛抱強く支えていただいた医学書院医学書籍編集部の中根冬貴氏,制作部の加藤寛之氏に感謝します.
最後に共同編者の西裕太郎先生が2015年5月21日に急逝しました.臨床を大切にし,部長としてわれわれをリードしてきた先生を偲び,謹んで哀悼の意を表し,本書を捧げたいと思います.
2016年2月
高尾信廣
目次
開く
第1章 急性期
1.急性循環不全
A 心肺蘇生法
B 急性左心不全
C 心原性ショック
D 特殊な心不全や心原性ショック(たこつぼ心筋症,褐色細胞腫,甲状腺,脚気心)
E 急性右心不全
F 急性心筋炎(劇症型心筋炎を含む)
G 心膜炎
H 心タンポナーデ
2.急性心筋虚血
A 急性冠症候群
B 急性冠症候群の重篤な合併症とその対策
C 緊急カテーテル検査・PCIの要点
3.急性大動脈解離
A 急性大動脈解離:画像診断
B 急性大動脈解離:診断と治療
4.肺塞栓症
5.感染性心内膜炎
6.致死的不整脈
7.急性下肢虚血(critical limb ischemiaを含む)
8.巨大血腫(腸腰筋,腎被膜下など):診断と治療
第2章 慢性期
1.慢性心筋虚血
2.心臓弁膜症
A 大動脈弁狭窄症
B バルーン大動脈弁形成術,経カテーテル大動脈弁留置術
C 大動脈弁逆流
D 僧帽弁狭窄症
E 経皮的僧帽弁交連切開術,TMVI
F 僧帽弁閉鎖不全症
G 三尖弁逆流
H 三尖弁狭窄
I 肺動脈狭窄症
J 連合弁膜症
K 人工弁の管理
3.心筋症
A 肥大型心筋症
B 拡張型心筋症
C 拘束型心筋症
F 不整脈原性右室心筋症
E 二次性心筋症
4.慢性心不全(急性増悪を除く)
5.不整脈(非致死性不整脈の治療戦略)
A 期外収縮
B 頻脈(PSVT,PAT,WPWなど上室性頻脈を中心に)
C 心房細動・心房粗動の治療戦略(抗凝固治療を含む)
D 徐脈
6.慢性心筋炎
7.肺高血圧症
8.大動脈瘤および陳旧性大動脈解離
A 大動脈瘤および陳旧性大動脈解離
B 大動脈ステントグラフト(ステントグラフト内挿術)
9.慢性心嚢液貯留(収縮性心膜炎,放射線性心障害を含む)
10.心臓腫瘍
11.下肢慢性動脈閉塞
第3章 動脈硬化
1.高血圧
A 高血圧および冠危険因子のコントロール(血圧管理を中心に)
B 尿酸の異常:高尿酸血症(痛風)
2.運動療法
A 運動療法の効果
B 心臓リハビリテーションの実際
3.薬物相互作用からみた薬物治療のコツ
第4章 成人でよくみる先天性心疾患(adult congenital を含む)
1.心房中隔欠損
2.ASD closure(デバイス閉鎖)
3.心室中隔欠損
4.修正大血管転位
5.Ebstein病
6.Marfan症候群
7.Eisenmenger症候群
8.Fallot四徴症,完全大血管転位
9.成人先天性心疾患診療のコツ
第5章 心臓病と他科疾患
1.心疾患・高血圧を有する患者の非心臓手術時の術前評価
2.妊娠と心疾患
3.抗癌剤と心疾患
4.心臓神経症(神経循環無力症,Da Costa症候群)
第6章 検査
1.心電図診断のピットフォール
2.胸部X線写真(ポータブル撮影を中心に)
3.心エコー
4.生化学(troponin,hs-CRP,BNP/NT-pro BNP)
5.心臓核医学検査
6.CT検査
7.心臓MRI
8.冠動脈造影,左室造影
A 冠動脈造影,左室造影
B Swan-Ganzカテーテル(SGカテーテル)
C 側副血行路,冠動静脈瘻
9.冠動脈狭窄の新しい評価法(IVUS,OCT,FFR)
第7章 デバイス治療
1.不整脈植込みデバイス
2.アブレーション
A カテーテルアブレーション(経皮的心筋焼灼術)
B アブレーション手術
3.非侵襲的陽圧換気
4.補助循環(IABP,PCPS),補助人工心臓(VAD)と心臓移植
第8章 循環器疾患と栄養
1.急性循環不全の栄養の特徴
2.栄養はいつから,どの程度開始するのか?
3.特殊な栄養素:ビタミンB1,CoQ10,Se
付録
1.食品中のビタミンK含有量
2.warfarin使用のコツ
3.妊娠と薬剤(特に循環器系薬剤)
4.鎮静
事項索引
薬剤索引
▼side memo
1.急性循環不全
A 心肺蘇生法
B 急性左心不全
C 心原性ショック
D 特殊な心不全や心原性ショック(たこつぼ心筋症,褐色細胞腫,甲状腺,脚気心)
E 急性右心不全
F 急性心筋炎(劇症型心筋炎を含む)
G 心膜炎
H 心タンポナーデ
2.急性心筋虚血
A 急性冠症候群
B 急性冠症候群の重篤な合併症とその対策
C 緊急カテーテル検査・PCIの要点
3.急性大動脈解離
A 急性大動脈解離:画像診断
B 急性大動脈解離:診断と治療
4.肺塞栓症
5.感染性心内膜炎
6.致死的不整脈
7.急性下肢虚血(critical limb ischemiaを含む)
8.巨大血腫(腸腰筋,腎被膜下など):診断と治療
第2章 慢性期
1.慢性心筋虚血
2.心臓弁膜症
A 大動脈弁狭窄症
B バルーン大動脈弁形成術,経カテーテル大動脈弁留置術
C 大動脈弁逆流
D 僧帽弁狭窄症
E 経皮的僧帽弁交連切開術,TMVI
F 僧帽弁閉鎖不全症
G 三尖弁逆流
H 三尖弁狭窄
I 肺動脈狭窄症
J 連合弁膜症
K 人工弁の管理
3.心筋症
A 肥大型心筋症
B 拡張型心筋症
C 拘束型心筋症
F 不整脈原性右室心筋症
E 二次性心筋症
4.慢性心不全(急性増悪を除く)
5.不整脈(非致死性不整脈の治療戦略)
A 期外収縮
B 頻脈(PSVT,PAT,WPWなど上室性頻脈を中心に)
C 心房細動・心房粗動の治療戦略(抗凝固治療を含む)
D 徐脈
6.慢性心筋炎
7.肺高血圧症
8.大動脈瘤および陳旧性大動脈解離
A 大動脈瘤および陳旧性大動脈解離
B 大動脈ステントグラフト(ステントグラフト内挿術)
9.慢性心嚢液貯留(収縮性心膜炎,放射線性心障害を含む)
10.心臓腫瘍
11.下肢慢性動脈閉塞
第3章 動脈硬化
1.高血圧
A 高血圧および冠危険因子のコントロール(血圧管理を中心に)
B 尿酸の異常:高尿酸血症(痛風)
2.運動療法
A 運動療法の効果
B 心臓リハビリテーションの実際
3.薬物相互作用からみた薬物治療のコツ
第4章 成人でよくみる先天性心疾患(adult congenital を含む)
1.心房中隔欠損
2.ASD closure(デバイス閉鎖)
3.心室中隔欠損
4.修正大血管転位
5.Ebstein病
6.Marfan症候群
7.Eisenmenger症候群
8.Fallot四徴症,完全大血管転位
9.成人先天性心疾患診療のコツ
第5章 心臓病と他科疾患
1.心疾患・高血圧を有する患者の非心臓手術時の術前評価
2.妊娠と心疾患
3.抗癌剤と心疾患
4.心臓神経症(神経循環無力症,Da Costa症候群)
第6章 検査
1.心電図診断のピットフォール
2.胸部X線写真(ポータブル撮影を中心に)
3.心エコー
4.生化学(troponin,hs-CRP,BNP/NT-pro BNP)
5.心臓核医学検査
6.CT検査
7.心臓MRI
8.冠動脈造影,左室造影
A 冠動脈造影,左室造影
B Swan-Ganzカテーテル(SGカテーテル)
C 側副血行路,冠動静脈瘻
9.冠動脈狭窄の新しい評価法(IVUS,OCT,FFR)
第7章 デバイス治療
1.不整脈植込みデバイス
2.アブレーション
A カテーテルアブレーション(経皮的心筋焼灼術)
B アブレーション手術
3.非侵襲的陽圧換気
4.補助循環(IABP,PCPS),補助人工心臓(VAD)と心臓移植
第8章 循環器疾患と栄養
1.急性循環不全の栄養の特徴
2.栄養はいつから,どの程度開始するのか?
3.特殊な栄養素:ビタミンB1,CoQ10,Se
付録
1.食品中のビタミンK含有量
2.warfarin使用のコツ
3.妊娠と薬剤(特に循環器系薬剤)
4.鎮静
事項索引
薬剤索引
▼side memo