児童・思春期の子どもたちが学校で直面する多様な精神的問題に、どのようなケアを提供できるのか。スクールカウンセラー、心理士、精神科医、教員……子どもにかかわるすべての人が知っておくべきDSM-5の知識を、ベテラン心理士が解説する。
著者略歴
謝辞
監訳者略歴
訳者略歴
第1章 はじめに:本書の目的と特長
・本書の意図
・本書の構成について
・6種のコラムとその目的
第1部 診断の問題とDSM-5の使用法
第2章 精神医学的診断:学校心理士に関わる問題
・学校という場における課題としての精神医学的診断
・精神医学的分類と学校の場におけるその役割
・誰がDSM-5を使って診断することができるだろうか?
・小児や思春期の人を診断する際の発達的な配慮
第3章 DSM-5診断体系についての総説
・精神障害とその他の状態の基本的定義
・多軸診断体系の廃止
[筆者の意見] 多軸診断体系の廃止を悼む
[コラム]コード ICD-10の導入
[コラム]専門家へのアドバイス 医師以外の専門家による医学的診断の使用
・診断の前提:診断の習慣,階層,複数診断
・小児や思春期の人の精神保健とDSM-5
第4章 DSM-5の使用法を学ぶ
・カテゴリー分類
・鑑別診断
[コラム]適用のポイント 「除外せよ」
・診断の順位
[コラム]適用のポイント 主診断と受診理由
・診断に関する自信の程度
・どのように診断を記録するか
・他の情報源からの診断的印象をどのように解釈するか
第2部 現在の問題の評価についてのガイドライン
第5章 知的能力と認知の問題
・概要
・知的能力障害と関連の問題
[筆者の意見] 知的能力障害のレッテル貼り
[コラム]適用のポイント 知的能力障害と発達:発症年齢の定義
[コラム]適用のポイント 知的能力障害のDSM-5下位分類:重症度
[筆者の意見] 知的能力障害の重症度
[コラム]専門家へのアドバイス DSM-5とAAIDDの定義による知的能力障害
[コラム]IDEA 知的能力障害とIDEA
[コラム]専門家へのアドバイス 知的能力障害と教育の可能性への期待
[コラム]コード 「Vコード」
・神経認知障害群
[コラム]IDEA 外傷性脳損傷とIDEA
第6章 学習,コミュニケーション,運動の問題
・概要
・学習症群/学習障害群と関連の問題
[コラム]DSM-IV-TR 限局性学習症に関するDSM-5の変更点
[コラム]専門家へのアドバイス 精神保健の診断法に関する
幅広い社会的意味合い
[コラム]IDEA 学習症とIDEA
・コミュニケーション症群/コミュニケーション障害群
[コラム]IDEA コミュニケーション症群とIDEA
・運動症群/運動障害群
[コラム]DSM-IV-TR 発達性協調運動症に関するDSM-5の変更点
[コラム]IDEA 発達性協調運動症とIDEA
第7章 きわめて非定型的な症状パターン:自閉スペクトラム症群と精神病性障害群
・概要
・自閉スペクトラム症群/自閉症スペクトラム障害群
[コラム]DSM-IV-TR 5つから1つの自閉スペクトラム症へ
[コラム]IDEA 自閉スペクトラム症群とIDEA
・精神病群
[コラム]IDEA 精神病性障害
[コラム]DSM-IV-TR 統合失調症に関するDSM-5の変更点
[コラム]コード 小児や思春期の統合失調症様障害
[コラム]コード 小児や思春期の統合失調感情障害
[コラム]コード 他の特定される統合失調症スペクトラム障害および
他の精神病性障害と短期精神病性障害
第8章 気分の問題
・概要
・特定の気分の障害のパターン
[コラム]IDEA 気分関連の障害および病態とIDEA
・気分の症状を呈する精神障害
[コラム]DSM-IV 双極性障害および関連障害群に関するDSM-5の変更点
[コラム]DSM-IV 抑うつ障害群に関するDSM-5の変更点
・その他の気分関連障害および状態
・気分障害群の評価についての問題
第9章 不安の問題
・概要
[コラム]DSM-IV 不安症と関連症に関するDSM-5の変更点
[コラム]IDEA 不安関連の精神障害とIDEA
・特定の不安のパターン
・強迫症および関連症群/強迫性障害および関連障害群
[コラム]DSM-IV-TR 強迫症および関連症群に関するDSM-5の変更点
・強迫症とともに議論される障害
・心的外傷およびストレス因関連障害群
[コラム]DSM-IV-TR 心的外傷およびストレス因関連障害群に関するDSM-5の変更点
・併存
・不適切な養育
第10章 他の内在化の問題
・概要
・身体症状症および関連症群
[コラム]IDEA 身体症状症および関連症群とIDEA
[コラム]DSM-IV 身体症状症および関連症群に関するDSM-5の変更点
・身体症状を呈する他の精神障害と病態
・解離症群/解離性障害群
[コラム]IDEA 解離症群とIDEA
[コラム]専門家へのアドバイス 解離性幻覚
第11章 素行の問題
・概要
[コラム]IDEA 秩序破壊的行動障害とIDEA
[コラム]IDEA 秩序破壊的行動障害とIDEAに関する注意点
・鑑別診断
[コラム]DSM-IV-TR 反抗挑発症に関するDSM-5の変更点
[コラム]適用のポイント 秩序破壊的行動の問題の鑑別診断
・特定の行動パターン
[コラム]DSM-IV-TR 素行症に関するDSM-5の変更点
[コラム]DSM-IV-TR 間欠爆発症に関するDSM-5の変更点
第12章 衝動制御の問題
・概要
[筆者の意見] 「サーズデー・チャイルド」への同情
・注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害
[コラム]IDEA 注意欠如・多動症とIDEA
[コラム]DSM-IV-TR 注意欠如・多動症に関するDSM-5の変更点
・他の特定されるまたは特定不能の注意欠如・多動症/
他の特定されるまたは特定不能の注意欠如・多動性障害
・他の衝動制御障害群
・他の特定される,あるいは特定不能の秩序破壊的・衝動制御・素行症
第13章 特に焦点を当てられた症状パターン
・概要
・摂食の問題
・特定の摂食障害パターン
・摂食障害に関して臨床的に考慮すべき点
[コラム]IDEA 摂食障害とIDEA
[コラム]DSM-IV 食行動障害および摂食障害群に関するDSM-5の変更点
・排泄症群
・性別違和
[コラム]IDEA 性別違和とIDEA
・パラフィリア障害群
・睡眠-覚醒障害群
第14章 物質関連の問題と他の嗜癖行動
・概要
・他の嗜癖行動
・併存
・若年者の物質使用の問題の診断について今後も継続する課題
[コラム]IDEA アルコールおよび物質使用障害とIDEA
第15章 パーソナリティ障害群
・若年者のパーソナリティ障害の診断:論争と注意点
・パーソナリティ障害の診断に関するその他の注意点
[コラム]IDEA パーソナリティ障害群とIDEA
・A群(奇妙,風変わり)パーソナリティ障害
・B群(演技的,情緒的)パーソナリティ障害
・C群(不安,恐怖)パーソナリティ障害
・残遺の事例
・パーソナリティ障害群の代替DSM-5モデル
第16章 追加のコードとカテゴリー
・他の精神疾患群
・臨床的関与の対象となることのある他の状態
・新しい尺度とモデル
第3部 DSM-5の学校への応用:その課題と話題
第17章 評価における倫理と専門家の責任
・精神保健評価に学校心理士が果たす役割
・学校心理士に向けた診断に関する最善の実践への提案
[コラム]専門家へのアドバイス 精神保健診断に関する地域の方針と州の規則
第18章 事例の記録:診断のためのデータと支持する記録
・守秘義務,情報の自由,親子の権利
・記録の保持
[コラム]専門家へのアドバイス 精神保健記録の保持
第19章 学校の場における評価と診断に関する償還申請
・医師の現在の医療行為に関する用語コード
・基準としての「医学的必要性」
・請求に関する倫理的および専門家としての責任
・診断の不一致
第20章 DSM-5と障害者教育法
第21章 DSM-5についての懸念
・精神医学的分類全般に関する懸念
・DSM-5の全般的な概念化と構成に関する懸念
・DSM-5に関する特定の懸念
・DSM-5は正しい方向に進んだか?
・結論
文献
監訳者あとがき
索引