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≪標準言語聴覚障害学≫

発声発語障害学


(第2版)

シリーズ監修:藤田 郁代
編集:熊倉 勇美/今井 智子

  • 判型 B5
  • 頁 340
  • 発行 2015年01月
  • 定価 5,500円 (本体5,000円+税10%)
  • ISBN978-4-260-02060-2
音声障害、構音障害、吃音の原因・症状・評価・治療・訓練をわかりやすく解説
言語聴覚士養成校における「発声発語障害学」の講義に最適なテキストの第2版。好評を博した初版に引き続き、成人、小児における音声障害、構音障害、吃音について、その原因から症状、評価、治療、訓練に至る知識が平易な言葉で述べられている。また2013年に改定された言語聴覚士国家試験出題基準を踏まえた内容とし、国家試験で必要とされる知識を網羅している。2014年に邦訳が発刊された「DSM-5」の内容にも準拠。
*「標準言語聴覚障害学」は株式会社医学書院の登録商標です。
序 文
第2版の序

 2010年3月に『標準言語聴覚障害学 発声発語障害学』を出版してから5年近くが経過した.その間,超高齢化とそれに伴う疾病の変化など言語聴覚士を取り巻く環境は大きく変わり,また,言語聴覚療法に関する新しい検査法や技術も開発されている.このような変化および情勢をふまえ,このたび第2版...
第2版の序

 2010年3月に『標準言語聴覚障害学 発声発語障害学』を出版してから5年近くが経過した.その間,超高齢化とそれに伴う疾病の変化など言語聴覚士を取り巻く環境は大きく変わり,また,言語聴覚療法に関する新しい検査法や技術も開発されている.このような変化および情勢をふまえ,このたび第2版を刊行する運びとなった.第2版は,初版の構成や内容を基本的には踏襲しつつ,学生にも必要な初版発行後の新しい情報を適宜取り入れる形となっている.また,2013年4月に言語聴覚士国家試験出題基準が見直されたが,その変更点も漏れなく反映させた内容となっている.
 執筆者に関しては,言語聴覚士養成教育あるいは臨床に携わっている先生にお願いしたいという標準言語聴覚障害学シリーズ全体の方針により,いずれもその領域の第一人者に執筆していただくことができた.
 2013年の『DSM-IV-TR』から『DSM-5』への改訂に伴い,小児の構音障害と吃音に関する用語が変更され,具体的には,小児の構音障害は「Phono-logical Disorder(音韻障害)」から「Speech Sound Disorder(語音症/語音障害)に,吃音は「Stuttering(吃音)」から「Childhood-Onset Fluency Disorder(Stuttering)〔小児期発症流暢症(吃音)/小児期発症流暢障害(吃音)〕」となった.本書でもDSM-5に従い新しい用語を取り入れるべきか検討を行ったが,現時点では言語聴覚士国家試験出題基準における記載に従うのが妥当と判断し,重要な変更事項については本文中に記載してあるものの,用語の変更は行っていない.今後時間をかけて慎重に検討すべき課題と考える.
 近年,吃音治療に対するニーズが高まっているが,対応できる言語聴覚士が少ないことが問題となっている.吃音臨床のできる言語聴覚士を養成することと卒後教育を充実させることが急務である.吃音の評価に関しては,1980年に開発され,臨床で長い間使用されてきた日本音声言語医学会吃音検査法小委員会による『吃音検査法〈試案1〉』が『吃音検査法』に発展し,2013年に刊行された.第2版ではその内容を踏まえた記載となっている.
 本書は発声発語障害学を学ぶ学生に有益な教科書であるばかりでなく,有資格者の卒後教育にも十分に役に立つ内容である.ぜひ巻末の英文の参考文献にも目を通し,知識の幅を広げてほしい.
 最後になるが,第2版では初版を編集された小林範子先生が勇退され,またいくつかの項目で執筆者の交代をお願いした.初版で編集・執筆された先生方には,これまでのお力添えに深甚なる謝意を表するとともに,教育・臨床とお忙しい中,第2版でご執筆くださった方々に心から感謝申し上げたい.同時に,第2版刊行にご尽力いただいた医学書院編集部の方々にも深謝申し上げる.

 2014年12月
 編集
 熊倉勇美
 今井智子
目 次
第1章 音声障害
 1 発声の仕組みと声の障害
  A 発声器官の進化
  B 発声器官の構造と機能
  C 呼吸器の構造と機能
  D 発声のメカニズム
  E 音声障害と喉頭病変
 2 原因とメカニズム
  A 発声機構と障害のメカニズム
  B 音声障害の原因
 3 症状
  A 声の異常
  B 自覚症状
  C 他覚的症状/随伴症状
  D 症状の背景に存在する疾患や問題
  E 特殊な音声障害の症状
 4 評価(聴覚心理的評価)
  A 聴覚心理的評価の意義,重要性
  B GRBAS尺度による評価
  C GRBAS以外の特徴的な音声
  D GRBAS尺度以外の聴覚心理的検査
 5 評価(機器を用いた評価)
  A 音声の音響分析
  B 空気力学的測定:呼気流量と圧力
  C その他の生理学的方法
  D 症例
 6 指導・訓練
  A 治療法の種類
  B 音声治療の種類と理念
  C 声の衛生指導
  D 音声訓練の種類,目的,適用
  E 音声訓練の方法
 7 無喉頭音声
  A 喉頭全摘出術後の呼吸・摂食嚥下・発声発語の変化とメカニズム
  B 無喉頭音声の種類,特徴と選択基準
  C 無喉頭音声の発声発語の特徴と検査法
  D 無喉頭音声のリハビリテーションの実際
  E 無喉頭音声訓練の方法
  F 社会参加
 8 気管切開とコミュニケーションの問題

第2章 構音障害
 1 音韻・構音の発達と加齢に伴う変化
  A 語音産生のメカニズム
  B 日本語の音韻と音声
  C 言語音の知覚の発達的変化
  D 言語音の産生の発達的変化
  E 構音/音韻発達と音韻認識
 2 構音障害の概念と分類
  A 構音障害の概念と定義
  B 小児の構音障害の概念と定義
  C 構音障害の分類
  D 機能性構音障害
  E 器質性構音障害
  F 運動障害性構音障害
 3 機能性構音障害
  A 評価
  B 構音訓練
 4 器質性構音障害
  A 口蓋裂の構音障害
  B 口腔・中咽頭がんの構音障害
 5 運動障害性構音障害
  A 運動障害性構音障害の問題と今後
  B 発声発語と神経・筋系の仕組み
  C 原因疾患と発話の特徴
  D 検査と評価
  E 訓練の考え方と具体的な方法
  F 補綴装置
  G AAC

第3章 吃音
 1 吃音治療の現状と今後
  A 吃音治療の現状
  B 今後に向けて
 2 定義,鑑別診断
  A 流暢性障害の定義
  B 流暢性障害の鑑別診断
  C 鑑別診断手続きの臨床的意義
 3 発症と進展のメカニズム,原因論
  A 最近の吃音研究の動向
  B これまで提唱されている吃音の発症と進展のメカニズムと原因論
 4 評価・検査
  A 小児
  B 成人
 5 治療
  A 小児
  B 成人
 6 セルフヘルプ・グループ,社会参加
  A セルフヘルプ・グループ
  B 社会参加

参考図書
索引