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言語聴覚士のための基礎知識

小児科学・発達障害学


(第2版) (在庫なし)

編集:宮尾 益知

  • 判型 B5
  • 頁 276
  • 発行 2009年09月
  • 定価 3,780円 (本体3,500円+税8%)
  • ISBN978-4-260-00827-3
言語聴覚士を目指す学生のための入門書
近年、社会生活に適応しにくい子どもに対する考え方が、医学から教育そして社会における認識へと変化し、社会で生きることへのサポートシステムが見直され始めている。コミュニケーションの専門家である言語聴覚士の役割はますます大きい。本書は小児科学・発達障害学の横断的知識の解説をとおし、将来現場で必要となる知識の基礎を盛り込んだ。第2版では「第1章 小児科学」が大幅に充実している。
序 文
第2版 序にかえて

 まず,第2版をこの時点で皆さんに再びお届けできることにお礼を申し上げたい.
 幸いにも初版については新しい形での言語聴覚士に対する小児科教科書としてみなさまに好評裏に迎えていただいたことを喜びと励みとし,改訂作業に着手した.
 初版を企画した時期は,本書...
第2版 序にかえて

 まず,第2版をこの時点で皆さんに再びお届けできることにお礼を申し上げたい.
 幸いにも初版については新しい形での言語聴覚士に対する小児科教科書としてみなさまに好評裏に迎えていただいたことを喜びと励みとし,改訂作業に着手した.
 初版を企画した時期は,本書の対象読者である言語聴覚士が正式な国家資格として認められた平成9年,さらに初回の国家試験が始まった平成10年から間もないころであった.ちょうどこの頃は,子どもの成長・発達から心の問題に注目が集まり,これらの問題をスペクトラムとして認知障害として考えるように変わり始めた時期に重なる.すなわち社会生活などに適応しにくい子どもたちに対する考え方が,医学から教育そして社会における重要な課題であるとの認識に変わり,社会の中で生きていくことについてのサポートシステムが見直され始めたのである.これは明らかな知的障害を有せず,社会生活上,特に学校生活上において生きにくさを抱えた子どもたちへの国家的な取り組みである「発達障害児(者)支援法」の成立が基盤にある.さらにこの法律の施行後は,海外においては以前より医学的診断名として存在し具体的対応が行われていたものの,本邦では文部科学省が正式に存在すら認めてこなかった,現在の法律用語としての「発達障害」,すなわち「学習障害」「広汎性発達障害」「注意欠陥/多動性障害」について,医学的関心,脳科学的関心から具体的な学校生活における具体的対応が新たに構築され,最も効率的な形を探りながら行われるようになってきた.このように昨今は子どもを取り巻く周囲の意識が変わりつつあり,社会性・コミュニケーションなどの専門家である言語聴覚士の存在がますます重要になってきている.
 このような背景から,『言語聴覚士のための小児科・発達障害学』も大幅な改訂が必要であると考え,第2版では進歩が著しい小児科学に関して最新の知識を提供することを第一の目的とし,実際に小児科診療を行う第一線の先生方に執筆をお願いした.そのため小児科学に関する記述が大幅に増えることになった.加えて発達障害学については,初版の記述に最新の知見を付加した.
 幸い執筆者同士がこのような意図を共有することができ,初版以上に良い本とすることができた.読者の方は,最新の知識に加えて子どもに対する暖かい心が感じられる本書を熟読し,将来は子どもたちが幸せな社会生活を送れるようなサポートが適切にできる言語聴覚士として巣立っていただきたい.

 2009年8月吉日
 編者 宮尾益知
目 次
第1章 小児科学
 A.小児科学とは
 B.小児の発達・成長
 C.小児保健
 D.小児疾患の診断法
 E.遺伝疾患と先天異常
 F.新生児疾患
 G.神経・骨・筋肉疾患
 H.循環器疾患
 I.呼吸器疾患
 J.感染症
 K.消化器疾患
 L.内分泌・代謝疾患
 M.免疫・アレルギー疾患・膠原病
 N.腎・泌尿器・生殖器疾患
 O.血液疾患・悪性腫瘍
 P.心身症・神経症
 Q.眼科・耳鼻科系疾患
第2章 障害児学
 A.はじめに
 B.運動障害
 C.知的障害
 D.言語障害
 E.感覚器障害
 F.重複障害児
 G.重症心身障害児
 H.その他の障害
第3章 発達障害学
 A.発達障害の概念の変遷と診断
 B.発達障害の評価とその実施法
第4章 小児を取り巻く環境
 A.『健やか親子21』の目指すもの
 B.地域の子育て支援サービス
 C.母子保健の流れ
 D.障害を持つ子の在宅療育
 E.行政による福祉サービス
付録
 関連法規(条文の抜粋とコメント)
 身体障害者障害程度等級表

索引