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そこが知りたい C型肝炎のベスト治療

インターフェロンを中心に

編集:銭谷 幹男/八橋 弘/柴田 実

  • 判型 B5
  • 頁 212
  • 発行 2009年01月
  • 定価 3,780円 (本体3,500円+税8%)
  • ISBN978-4-260-00738-2
近年大きく進歩してきたC型肝炎の治療の実際をわかりやすく解説
C型肝炎はいまや国民病ともいわれ、キャリアは150万人とも200万人ともいわれる中、2008年4月から国の医療費の公的な助成制度が新たに始まった。本書では、PEG-IFN、リバビリン併用療法などをはじめ、近年大きく進歩してきたC型肝炎の治療の実際について、その道のエキスパートが臨床経験の中からぜひ参考にして欲しいといった症例を集め、わかりやすく解説。日常診療で生じた問題の解決に必ずや役立つ1冊。
序 文


 C型肝炎のインターフェロン治療については,2008年4月から医療費助成が開始され,国をあげての対策が進められている.
 現在治療の中心はPEG化インターフェロンとリバビリンの併用による治療であり,病態に応じた治療ガイドラインも示され,良好な治療成績も得られてきている.
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 C型肝炎のインターフェロン治療については,2008年4月から医療費助成が開始され,国をあげての対策が進められている.
 現在治療の中心はPEG化インターフェロンとリバビリンの併用による治療であり,病態に応じた治療ガイドラインも示され,良好な治療成績も得られてきている.
 しかし,実際の臨床の場では,必ずしもガイドライン通りの治療が可能であるとは限らず,また,治療開始や継続に際し判断に迷う事例が少なくないことも事実である.
 臨床的対応はそれぞれの症例に応じたいわゆる匙加減が重要であるが,この匙加減は必ずしもガイドラインとは一致せず,また,良好な結果が得られても,個人的体験で終結してしまっている.
 本書では,治療ガイドラインによる標準治療を詳解するのみでなく,標準治療が確立した時点において,日常臨床で生じる疑問に応えるべく,治療エキスパートの先生方の実際の経験による症例を通した治療対応,匙加減を解説していただいたものである.日常診療で,簡単に参考にできるようにできうる限り簡潔にまとめていただき,また薬物の詳細,合併症の対応や,公費補助についても解説を加えてある.
 症例を中心に解説してあるので,日々の診療で生じた問題解決に対しては,症例,症候をキーワードとして本書をひも解いていただければ幸いである.
 最後に,無理なお願いを快く引き受けていただき,短期間のうちに原稿を仕上げていただいた多数の我が国におけるエキスパートである執筆者各位に深甚なる感謝をささげるとともに,編集・制作の労を引き受けていただいた医学書院の安藤恵氏,大西慎也氏に深謝いたしたい.
 本書が,今後のC型肝炎治療の一助となり,多くの患者さんに朗報が得られることこそが,編集者一同の希望である.

 2008年12月吉日
 銭谷 幹男
 八橋  弘
 柴田  実
書 評
  • 最新のC型肝炎治療の実際がわかる
    書評者:石橋 大海(国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター長)

     このたび医学書院より,銭谷幹男,八橋弘,柴田実の3人の先生方の編集による『そこが知りたいC型肝炎のベスト治療』が刊行された。C型肝炎のキャリアは150万人とも200万人ともいわれている。2008年4月からは,国の医療費の公的助成制度も始まった。C型肝炎は,いまや国民病といわれており,肝臓専門医のみ...
    最新のC型肝炎治療の実際がわかる
    書評者:石橋 大海(国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター長)

     このたび医学書院より,銭谷幹男,八橋弘,柴田実の3人の先生方の編集による『そこが知りたいC型肝炎のベスト治療』が刊行された。C型肝炎のキャリアは150万人とも200万人ともいわれている。2008年4月からは,国の医療費の公的助成制度も始まった。C型肝炎は,いまや国民病といわれており,肝臓専門医のみでなく,多くの国民にとっても非常に関心の高い疾患の一つである。そのために,肝臓専門医のみならず,非専門医であってもC型肝炎の最新の診断法・治療法・患者管理法を理解しておく必要がある。しかし,この領域においては,ここ数年,次々と新たな治療マーカーや治療薬が出現し,C型肝炎の治療指針は目まぐるしく変わっている。日常診療で忙しい医師にとっては,このような進歩をゆっくりと時間をかけて把握し,知識を整理する余裕がないであろう。簡潔な,しかもエビデンスに支持された内容の高い書が待たれるところである。

    ◆医療現場で知りたいことが何でも書いてある

     本書では,ペグ・インターフェロン/リバビリン併用療法など治療ガイドラインによる標準治療の解説だけでなく,近年大きく進歩してきたC型肝炎の治療の実際について,見開きでわかるように,知識がコンパクトにまとめられている。また,「妊娠・出産の注意」から「医療費助成」「C型肝炎の医療経済」まで,医療現場で知りたいことが何でも書いてある。さらに,日常臨床で生じる疑問に答えるべく,エキスパートの先生方の実際の経験による症例を通した治療対応,さじ加減が解説されている。本書1冊で,C型肝炎の最新のまさにベスト治療について,必要な知識,そしてそのこつ・ヒントが得られるものになっている。

    ◆医療現場を心得た編者と多数のエキスパートによる執筆

     編者の柴田,八橋両先生は,先に,レジデント向けの実践的なガイドブックとして評価が高い『肝疾患レジデントマニュアル』を編集された。柴田先生は大学勤務を経て,現在はご自分のクリニックを開設し,たくさんの肝炎患者を診られており,実地診療で必要なことを十分に心得ておられる。そして八橋先生は,国立病院機構長崎医療センターで多数のC型肝炎患者の診療に携わる傍ら,厚生労働省研究班や国立病院機構共同研究でC型肝炎の臨床研究を進めておられ,今やC型肝炎研究の第一人者である。さらに銭谷先生は東京慈恵会医科大学で肝臓専門の教授として,ウイルス肝炎のみならず肝免疫にも造詣が深い。これらの3人の先生方が編集者として本書をまとめることにより,本書が単に実用書にとどまらず,学問的にも価値のある書物となっている。日常診療で生じた問題の解決に必ずや役立つ1冊として,活用されることをお薦めしたい。
  • 日常診療にも役立つ1冊
    書評者:林 紀夫(阪大大学院教授・消化器内科学)

     わが国には,約200万人のC型肝炎ウイルスキャリアが存在すると推定されており,2008年4月よりC型肝炎治療に対する医療費の公的助成制度も始まるなど,国家レベルでの対策が進められている。C型肝炎治療は,インターフェロン単独治療からリバビリンの併用,ペグインターフェロンの開発を経て,ペグインターフェ...
    日常診療にも役立つ1冊
    書評者:林 紀夫(阪大大学院教授・消化器内科学)

     わが国には,約200万人のC型肝炎ウイルスキャリアが存在すると推定されており,2008年4月よりC型肝炎治療に対する医療費の公的助成制度も始まるなど,国家レベルでの対策が進められている。C型肝炎治療は,インターフェロン単独治療からリバビリンの併用,ペグインターフェロンの開発を経て,ペグインターフェロン・リバビリン併用療法が標準治療法となり,HCV排除率は,難治例といわれる1型高ウイルス量で約50%,それ以外では約80%と,C型肝炎全体では6-7割の症例で治癒が得られるようになった。同療法の保険収載の後,多くの症例のデータが蓄積され,治療効果や合併症などについて一応の見解が得られたと考えられる現在,その治療に携わるわれわれ医療者には,新しい治療法を十分に理解するだけでなく,個々の症例への治療適応を判断し,適切な治療を行うことが求められる。

     今回,医学書院より,銭谷幹男先生,八橋弘先生,柴田実先生の編集による新刊書『そこが知りたい C型肝炎のベスト治療』が刊行された。本書は肝疾患治療のエキスパートの先生方により執筆され,肝疾患患者を診療する上で必要かつ十分な情報が提供されている。内容としては,C型肝炎の臨床病態と検査方法,治療法の概説だけではなく,個々の症例への治療対応などが詳しく取り上げられているなど,日常診療において臨床医が患者と対面した場合に十分に対応できるように解説されており,研修医,レジデントにとどまらず,実地医科,消化器内科専門医の先生方にも,十分参考にしていただける本に仕上がっている。本書が,C型肝炎治療に携わる多くの先生方の診療の一助となり,多くの肝疾患患者が最適の治療を受け,肝疾患の治癒へ,ひいては肝癌撲滅へつながることを祈念する。
  • C型肝炎治療における日常診療の手引書
    書評者:山田 剛太郎(川崎医大附属川崎病院肝臓消化器病センター)

     ここ数年,国を挙げてのウイルス肝炎・肝癌の撲滅運動が本格化している。ウイルス肝炎の抗ウイルス療法においても,治療法の研究開発に対する厚労省からの助成金の増額に加えて,2008年4月よりC型肝炎,B型肝炎のインターフェロン療法に対する公的助成制度が始まっている。そこで,肝炎の専門医療機関のみでなく,...
    C型肝炎治療における日常診療の手引書
    書評者:山田 剛太郎(川崎医大附属川崎病院肝臓消化器病センター)

     ここ数年,国を挙げてのウイルス肝炎・肝癌の撲滅運動が本格化している。ウイルス肝炎の抗ウイルス療法においても,治療法の研究開発に対する厚労省からの助成金の増額に加えて,2008年4月よりC型肝炎,B型肝炎のインターフェロン療法に対する公的助成制度が始まっている。そこで,肝炎の専門医療機関のみでなく,一般医療機関においてもC型およびB型肝炎患者の治療への関心が急速に高まっている。

     このような時期に,C型肝炎を長年にわたって診療され,精通された3人の先生方が編者となり,C型肝炎の診療ならびに治療に関する実践に即した成書として『そこが知りたい C型肝炎のベスト治療』が企画・出版された。

     前半では患者説明に役立つわかりやすい図譜をはじめとして,C型肝炎の自然経過,各患者の治療効果を予測する因子,インフォームド・コンセント,ガイドラインに基づく標準治療法など,重要なポイントが網羅されている。後半ではインターフェロン療法の実際の進め方,合併症などが詳細に紹介されている。

     本書の特徴は,各エキスパートにお願いして,自分の実際の経験を基に,症例に応じた治療の対応の仕方やさじ加減ともいうべき,通常のテキストにはあまり書かれていない各自の治療における考え方を,非常にわかりやすく解説していただいている点である。

     また,インターフェロンの社会医学として,国や東京都の医療費補助の取り組みや肝炎情報センターについても詳しく紹介されている。さらに付録として現在,保険採用されている各インターフェロンのバイアルをカラー写真で示し,その特徴に加えて,投与上の注意点,報告されている有害事象が詳細にまとめられている。

     まさにC型肝炎治療における日常診療の手引とも言うべき書である。
目 次
序章 患者説明に役立つ図譜
 1 腹腔鏡
 2 肝生検
 3 診断の流れ
 4 治療の概要
I章 C型肝炎の診療に当たって
 1 自然経過
 2 ALT正常者への対応
 3 経過中ALTによる病態評価
 4 HCVゲノタイプとセロタイプ
 5 HCV-RNAの評価
 6 HCVコア抗原
 7 治療前検査
 8 画像診断
 9 肝生検の評価
 10 インフォームド・コンセントの注意
 11 高齢者・合併症症例のインフォームド・コンセント
 12 よりよい病診連携
 13 C型肝炎治療ガイドライン
II章 知っておきたいIFN・リバビリンの知識
 1 IFNの種類とその作用─薬物相互作用を含めて
 2 リバビリン
 3 標準治療と治療中のモニタリング
 4 効果判定─効果判定基準と効果予測因子
 5 IFN投与の実際
 6 リバビリン投与の実際
 7 報告のある重篤な副作用とその対策
 8 投与期間中の問診のコツ─有害事象発見のために
 9 治療中のQOL
 10 治療中の生活指導
 11 飲酒の影響
III章 症例で学ぶC型肝炎のIFN治療
 1 肥満者
 2 やせた患者
 3 高齢者
 4 小児
 5 合併症のある症例
 6 肝硬変症
 7 肝細胞癌治療後
IV章 治療中に出現した合併症への対応
 1 血球減少への対応
 2 皮膚病変への対応
 3 うつが発現した場合の対応
 4 間質性肺炎への対応
V章 治療後の対応とその他のIFN治療
 1 治療終了後のフォローアップ
 2 IFN再治療
 3 スミフェロン®による治療
 4 ペガシス®単独投与による治療
 5 アドバフェロン®による治療
 6 IFN-βによる治療─低ウイルス量症例
 7 二重濾過血漿交換療法(DFPP)を併用したIFN治療
VI章 IFN以外のその他の治療
 1 UDCA(ウルソ®)
 2 SNMC(強力ネオミノファーゲンシー®)
 3 瀉血治療
VII章 IFNの社会医学
 1 東京都の医療費助成
 2 肝炎情報センター
 3 C型肝炎の医療経済
VIII章 今後の治療展望
 1 今後の治療展望

付録
【市販製剤】
【症例ノート】

索引