看護現場学への招待 第2版
エキスパートナースは現場で育つ

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どんな時代がこようとも、看護という仕事を選んだ人々がその仕事を通して実現したかったことに向かっていくこと――看護師・看護管理者として長くキャリアを積み重ねたきた著者・陣田泰子の願いである。現場の看護師がやりがいをもって働き続けるために、看護実践から学ぶ方法・知=「看護現場学」をもう1度伝えたいとの思いから、看護経験を概念化し実践した看護の証として残す方法とそこに至る自身の体験をまとめた改訂第2版。
陣田 泰子
発行 2019年02月判型:B6頁:240
ISBN 978-4-260-03813-3
定価 2,200円 (本体2,000円+税)

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第2版の序

 「看護現場学」という言葉は私の造語である。この言葉は「教室で考える看護」に対する対立概念である。それはまた、思考と身体、という対立でもある。この対立構造が私のなかで両立へと向かわなければ私のリベンジは終わらない。それは理論と実践の統合にほかならない。統合の鍵は教室ではなく、「現場」にある。そしてエキスパートナースのなかにある。(初版の序文より)

 「『看護現場学』という言葉は私の造語である」と本書の初版の序文に書いて、早いもので12年が過ぎた。
 この間に私は定年を迎え、数か所職場を異動して、現在も仕事を継続している。この事実に自分でも驚いているが、巷で語られているライフシフト、ワークシフトは、医療の現場でも当たり前と考えられるような時代に突入していると言っても過言ではないであろう。
 医療費抑制施策も一段と厳しくなり、施設内での医療(病院スタイルの医療)は絞られ、「地域包括ケア」の名のもとに「老いに関連する病いや慢性疾患など」へのケアの多くが地域のなかで行なわれるようになった。一時期話題になった「病院の世紀の終焉」(猪飼周平著『病院の世紀の理論』、有斐閣、2010年)に向かっていると考えてよいだろう。
 そのようななか、そろそろ現役を退こうと考え始めていた私の元に聞こえてくるのは“現場は疲弊している”“元気がでない”“モチベーションが保てない”など、臨床の看護師たちの悲痛な声である。しかし、実際に現場に行ってみると“え、こんなことやっている!”“はつらつとしている…”と思えるような場面にも出会う。それも、意外に多いのである。
 この先、看護を取り巻く環境はそう簡単に良い方向へ落ち着くことはないであろう。であれば、看護という仕事を選択した私たちが、やりがいをもって働くために、私が身体を通して学び、体得した、看護実践から学ぶ方法・知(看護現場学)をもう一度伝えたいという思いに駆られた。いや、むしろ伝えなければと、初版の発行後も追究し続けてきたこの看護現場学について、新たに得た知見も書き残したいと思うようになってきた。

 今回、これまで仕事を続けてきたなかでひとつの道が見えてきた。あれもこれも追い求めるのではなく、私たちが本当にしたかったことに立ち戻ることが必要だということである。現場で起きていることから学ぶ「帰納的アプローチ」を通して、看護経験を概念化し実践した看護の証を残すこと(それには言語化が必要)であり、看護の実践とはそこまでをやってはじめて「看護実践」と言えるものではないか。
 それは私自身の「経験のしっぱなし」から辿りついた看護現場での学びであり、学びの方法であった。
 本書では、初版にある看護現場学構想に至るまでの自身の体験は基本的に残し、「看護現場学─内発的発展学習法」という「看護経験の概念化」の方法についてすぐ実践できるように詳述した。そして概念化を通して変化した現場(病院、施設)の取り組みを実践例としてまとめた。さらに終章として、鶴見和子への畏敬の念を「私の鶴見和子論」として付け加えた。鶴見和子に関しては初版では限られたことしか書いていない。今回大幅に書き加えたのはなぜか。そもそも看護現場学は、鶴見和子の内発的発展論がバックボーンにあり、本書の源流であったが、改訂作業をしているなかでより明確にその意味が立ち現れてきたのである。看護現場学の中心概念「看護現場学─内発的発展学習法」として位置づけたい思いがあった。
 看護の概念化については、「認識の三段階連関理論」(庄司和晃著、季節社、1991年)を用いて看護実践を発展させていく方法(概念化)として具体的にまとめたが、いまだ荒削りの感は否めない。しかし、現象の海ともいえる看護現場において「看護実践」という学びを表していく方法のひとつとして、本書の意味はあるのではないかと自負している。皆様からのご意見・ご批判をいただき、さらに発展させていきたいと思っている。
 私の願いは、どんな時代がこようとも、看護という仕事を選んだ人々がその仕事を通して実現したかったことに向かっていくことができるようにすることである。同じ道をひと足先に歩いてきた者として、経験を通して“感じて”、“思って”、“考えてきた”ことを、私の概念化の成果物として、その方法を伝えたかった。

 今回、この改訂作業は何度も挫折した過程があった。ここまでたどり着くことができるとは私自身が思ってもいなかった。『看護現場学への招待』の初版を編集いただいた河田由紀子さんの励ましがなかったら本書は誕生しなかった。また北原拓也さんの的確なアドバイスに大いに助けられた。本当にありがとうございました。

 2019年1月4日
 陣田 泰子

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第2版の序

第1章 私の看護の原点
 ツラクテモ イキテイタイ Kさんの事例から
  Kさんとの出会い
  気管切開、そして「死にたい!」
  新人ナースの登竜門
  呼吸停止、人工呼吸器装着
  ツラクテモ イキテイタイ
 小児病棟の子どもたち 作文から見えてきたこと
  小児外科病棟へ異動
  ちえちゃんとまきえちゃん
  宅急便は嫌いだ! やっちゃんの叫び
  高校生になったY君
  30年後の再会、子どもと私たちのキャリーオーバー
 学生の実習指導を通して 現場こそ教師
  看護教員としてのスタート
  患者の「ベッドの上で最後の仕事」
  キュウイン ジョウズニナッタネ
  Iさんとの出会い
  理論と実践、統合の場としての現場

第2章 看護の証を社会に伝えよう
 患者の力を引きだす看護師の取り組み
  病気はマイナスではない
  外来ナースのセルフケアへの取り組み
  患者会へのサポート
 看護管理の視点から
  看護部長になって再認識した管理の視点
  「看護は実践の科学」のなかに潜む矛盾
  動く現場で起きたこと──システムダウン
  専門職を生かす「アメーバ組織」
  サポート隊の結成
  ヒューマン・ヘルスケアサービスの核となる“ひと”
  「ナレッジ交換会」──学習するチーム・組織をめざす

第3章 「看護現場学」のめざすもの
 「看護現場学」の基本は、「看護の概念化」 仕事にやりがいをもつために
  きっかけとなった考え方
  「いま、ここで起きていること」から学ぶ
 私は自分の体験をどのように「概念化」してきたか
  私の青い鳥
  看護の原点となったKさん
  医師とナースの行為の本質的な違い
  人間のbodyとmind
  body and mindからbody with mindへ
  現象から本質を見抜く──帰納的学習プロセスかららせん学習へ
 医療現場のいま ためされる看護の力
  動的複雑系の医療現場
  看護現場の特徴──施設を離れてあらゆる場所で(施設の定住者から漂泊者へ)

第4章 「看護現場学」の基本的となること──その目的と4つの原則
 「看護現場学」の目的と基本構造
  「看護現場学」とは
  「看護現場学」の目的
 「看護現場学」の基本
 「看護現場学」の学びの構造
  「科学と非科学」の境界
  看護は「ヒューマン・サービス」であるという特徴
  帰納法と演繹法
  「看護現場学」における認識の三段階連関理論と「看護の概念化」
  コンテキストラーニング
 「看護現場学」の4つの原則と定義
  4つの原則
  「看護現場学」から考える看護の定義
 「看護の概念化」の方法
 「看護の概念化」の各ステージと「概念化」のプロセス
  個人での記述(知の掘り起こし~見つめる)
  仲間との語り合い(知の相互作用)
  関心分野の見える化(知の焦点化・テーマ化)
  考え続ける、書き続ける、そして実践論の生成から活用へ(知の継続性・循環性)

第5章 「看護現場学(看護の概念化)」の方法
 方法その1 ナラティブ・ストーリー法(「看護の概念化」の基本形)
  目的
  方法
  成果
 方法その2 ワークプレイス法(仕事学習法)
  目的
  方法
  成果
 方法その3 ナレッジ交換法
  目的
  方法
  成果
 方法その4 ナレッジフェア法
  目的
  方法
  成果

第6章 「看護現場学」実践例
 実践例1 聖マリアンナ医科大学病院における取り組み
        私の「看護現場学」の原点となった「ナレッジ交換会」
  聖マリアンナ医科大学病院の看護部長として
  看護部理念を明確にする
  「ナレッジ交換会」のきっかけ
  委員会主催として「ナレッジ交換会」を行なう
  「ナレッジ交換会」がもたらした効果
  そして、いま……
 実践例2 熊本・みゆきの里における多職種協働研修 内発的発展学習をベースに
  みゆきの里の概要
  ケアギバーに必要な共通の技術
    ──「フィジカルアセスメント力」と「問題解決能力」をテーマに研修
  未来の日本を担うケアギバーそれぞれの「自己の仕事観」の生成
    ──多職種協働におけるナレッジ交換会
  理念達成に向かっているか──組織の歴史をつくるひとりであることの自覚
  地域の高齢者施設におけるナレッジマネジメント
  熊本地震のときのみゆきの里
 実践例3 海老名総合病院における「看護の概念化」の取り組み
  海老名総合病院の概要
  頭山悦子との出会い──「ちょこカフェ」誕生
  教育サポーターとしての活動
  始まりは何気ないひと言から──海老名総合病院看護部と私の関わり
  新たな変化──実践していることを社会に発信
  「看護現場学」を通したつながり──個人からチームへ、そして組織全体へ

終章 私の鶴見和子論──内発的発展論に導かれて
  私の、看護師として生きる決意
  鶴見和子の「内発的発展論」で分析した修士論文
  鶴見和子の「内発的発展論」はどのようにして生まれたのか
  近代化論から「内発的発展論」へ──水俣病との関わりから
  病ののちの鶴見和子
  鶴見和子の“回生”
  私のなかの鶴見和子

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看護師の成長を促し,真のエキスパートへと導く方法論
書評者: 大串 正樹 (衆議院議員)
 思いを言葉に。ナレッジマネジメントを端的に表現するならば,このフレーズが最もしっくりくる。私にとって臨床の師でもある陣田泰子氏の看護現場学は,まさに個人の思いを本質に迫りながら言葉へと引き出していく実践的なナレッジマネジメントであるといえよう。そして今回,あらためて陣田氏の『看護現場学への招待-エキスパートナースは現場で育つ 第2版』を読みながら,気付かされたことがある。この,思いを言葉にする現場学の取り組みには,3つの側面があるのではないだろうか。

 まず,看護という仕事の本質でもある,患者から思いを引き出す取り組み。陣田氏の看護の原点でもあり現場学の根底ともなる側面である。看護師としても教育者としても最も大切な視点であることは言うまでもない。

 もう1つは,看護師としての個々人の経験からその思いを引き出す,陣田氏の提唱する「看護の概念化」の取り組み。人を育ててきた経験から得られた実学的な側面でもある。自らの実践を意味のあるものにしていく上で,極めて有効な知の技法である。

 そして,第3の側面が看護という実践から科学的な客観性を引き出す取り組み。専門職として,また,とりわけ研究者としては避けては通れない側面である。しかし「価値」という領域に踏み込む看護であるからこそ,この3点目に陣田氏の苦悩も見て取れる。現場学が古典や多様な理論に依拠しながら,複雑な構造を呈していることも無関係ではなかろう。

 もちろん,陣田氏は看護管理者として,これらの取り組みを実践してきたわけである。臨床現場の組織での実践を前提とし,その対象となる看護師の年齢や経験も多種多様である。一人ひとりの看護師と接しながら個々のモチベーションを高めつつ,統合的でかつ,実践的な理論としての集大成が看護現場学なのである。つまり,現場学は単に個人の思いを言葉にするという個別平面的な理論ではなく,組織的に実践を高めていく相互立体的な多面的プロセスといえる。組織全体を俯瞰しながら,常に個々人の思いの部分にも深く入り込んでいく方法論であるが故に,その実践は容易ではないが,結果として各々の看護師の成長を促し,真のエキスパートへと導いていく。

 そして終章,内発的発展論に人間の「生」を重ねるところに陣田氏の看護師であり教育者であり,そして管理者である複雑な思いが垣間見える。それは陣田氏自身の経験に裏打ちされた哲学ともいえる深遠な思いではないだろうか。

 そんな陣田氏の思いがあふれている看護現場学だからこそ,看護師として,また看護管理者として成長の過程に,ふと立ち止まって本書に触れてみてほしい。それぞれの経験に応じた,新たな気付きを与えてくれることであろう。
自分が大事にしている看護とは何か?
書評者: 西村 ユミ (首都大学東京教授・看護学)
 「もう一度伝えたい」「むしろ伝えなければ」。本書は,著者のこの強い意思の下で,第2版として出版された。伝えたいことは,「同じ道をひと足先に歩いてきた者として,経験を通して“感じて”,“思って”,“考えてきた”こと」,これらを学ぶ方法だ。それは著者の,看護職としての人生が濃縮された,いわば看護実践の知恵であり,「確かな手応え」から創出された「看護現場学」である。

 現場学は著者の経験から始まる。日に何度も「死にたい」と訴えたALS患者が,「ツラクテモ イキテイタイ」,「(いまが)いちばん しあわせ」とまばたきで言葉を紡ぐ,それを支えた10余年の「静かな変革」の実践。24時間,365日,何があろうと患者のそばで行われ続けた日常を支える看護は,その患者の生を支えた。病院のシステムダウンというトラブルが起きたとき,「師長会を中止して,困っている患者さんのいる外来へ応援に行く」。このときの,師長たちの臨機応変で自在な「アメーバ」のような動きは,病院の混乱を最小限にとどめた。「ひとりひとりの“ひと”が,共通の目的に向かったとき,メンバーは連帯」し,生きものとしての組織となる。

 病院には,「患者さんに選ばれる看護師」がいる。「エネルギーをもったチーム」が機能する。これらの経験にこそ,看護の“ナレッジ”(知識)が埋もれている。だから,経験を概念化しそれを伝達することが重視されたのだ。この概念化は,実践の外側にいる者ではなく,ナース一人ひとりが自らの経験に基づいて帰納的に行うことに意味がある。経験したことを自分なりに言葉にして伝えられてはじめて,エキスパートナースになるためだ。そして,看護実践の概念化と実践との往復は,良質な看護を作り,秘めた潜在力を開花させ,看護のやりがいと喜びを手に入れさせる。

 この第2版では,帰納的にナレッジを生み出す複数の方法とその実践例が示されている。著者の所属施設で,他の複数施設で,この方法としての「ナレッジ交換会」や「内発的発展学習」が試みられ,知の共有と交換が実現した。その知は,地震による被災時に地域を救った。看護現場学は既に検証されている。

 看護現場学のバックボーンには,鶴見和子の「内発的発展論」があるという。鶴見の,外から,外国から導入した理論に基づくのではなく,内から,日本の人々の暮らしの中から理論を形成しようとする発想は,現場から,看護師たちの経験からそれを概念化しようとする著者のそれと重なる。著者は,鶴見の理論に学んだというが,その萌芽は既に著者の内にあった。その言語化を支えたのが鶴見であったように思う。

 鶴見との共鳴が作り出した本書は,すごい迫力で読み手に語りかけてくる。自分が大事にしている看護とは何か? と。その問いかけは,私に,30余年前の経験を脳裏に浮かび上がらせ,その意味を自問させた。この衝撃を多くの読者に伝えたい。
「帰納的アプローチ」を通して,看護経験を概念化し,実践した看護の証を残す(雑誌『看護管理』より)
書評者: 山浦 晴男 (情報工房 代表/千葉大学大学院看護学研究科 特命教授)
 著者・陣田泰子氏と評者の出会いは,2010年にさかのぼる。文部科学省主催・千葉大学実施の「国公私立大学病院副看護部長研修」(現在も継続)を受講した聖マリアンナ医科大学病院の副看護部長が,評者が担当した講義・演習の内容を陣田氏(執行役員・統括看護部長・ナースサポートセンター長=当時)に報告したことに始まる。

 それを契機に,本書『看護現場学への招待』が提唱する「看護の概念化シート」を用いた研修の成果発表会の場にお誘いを受け,臨床現場の看護師が自らの体験をもとに概念化した看護観を生き生きと語る姿を目にした。その後の実践を加味して出版されたのが今回の第2版である。

◆氏の看護観・看護哲学を示す

 本書の内容は,陣田氏が「現場で起きていることから学ぶ『帰納的アプローチ』を通して,看護経験を概念化し実践した看護の証を残すこと(それには言語化が必要)」「看護の実践とはそこまでをやってはじめて『看護実践』と言えるものではないか。それは私自身の『経験のしっぱなし』から辿りついた看護現場での学びであり,学び方の方法であった」とする臨床現場での学びの方法と,組織マネジメント,著者の看護観・看護哲学である。

◆生き生きと働き学習する職場運営論

 本書のすばらしいところは,個人(個々の看護師),集団(看護チーム),組織(看護部および多職種連携)の各階層の学習とナレッジ・マネジメントとともに,それらを有機的に連動させる経営マネジメントに向けて,実践に裏付けられた人材育成とその運用法が示されていることにある。

 対比するなら,産業界の高度成長を支えた小集団活動(QC:Quality Control,品質管理活動),さらには企業組織全体の経営マネジメント(TQC:Total Quality Control,全社的品質管理)に匹敵する組織の活性化システムであり,それを医療・看護・介護分野で確立している。国の政策で医療が施設間競争の時代を迎える中で,看護本来の患者を第一に考える,看護師が自らの看護観に基づいて生き生きと働き学習する組織運営論として評価できる。

◆質的統合法と軌を一にする

 評者は,看護学研究分野の質的研究の方法論として,KJ法に準拠した「質的統合法(KJ法)」を体系化し,大学院生や大学の研究者の質的研究の支援をしている。

 これは患者や家族,看護師,あるいは看護学生の語りのデータをもとに,探求テーマの実態の論理を浮上させる方法であり,陣田氏が提唱する「帰納的アプローチ」による看護経験の概念化と軌を一にする。概念化された看護理念,看護の信念,看護理論をもとに,実践・検証する。この看護のサイクルを繰り返すことで,エキスパートナースは現場で育つと提唱する陣田氏の見解に賛同する。

 評者は,陣田氏が長年籍を置いた聖マリアンナ医科大学病院看護部の「問題解決学習」の研修を10年間にわたって支援している。本書が提唱する「看護現場学」の成果で育った看護師の個々の力とともに,組織力の高さを体感している。

 看護現場のマネジメントに携わる看護部長や看護師長・主任,そして看護管理学の研究者にお勧めしたい,実践と理論,理念の書である。

(『看護管理』2020年3月号掲載)

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