第2681号 2006年5月1日


座談会

慢性頭痛3000万人を救え!


五十嵐久佳氏
(神奈川歯科大学附属横浜研修センター/横浜クリニック・助教授)
間中信也氏=司会
(温知会間中病院院長)
平田幸一氏
(獨協医科大学神経内科教授)


 3000万人とも言われる日本の慢性頭痛患者。中でも,片頭痛は有病率(年間8.4%),生活支障度とも高いにも関わらず,“たかが頭痛”という無理解もあり,適切な診断・治療がなされてこなかった。

 片頭痛治療の特効薬トリプタンの登場など,治療環境は急速に整いつつあるいま,プライマリケア医への正しい知識の普及が求められている。本座談会では,『慢性頭痛の診療ガイドライン』(医学書院)の作成に関わった3名の医師が,慢性頭痛診療の充実に向け展望を語った。


間中 頭痛は日常診療で重要な疾患なのですが,これまではあまり重んじられてきませんでした。しかし最近になって,これを見直す気運が高まっています。

 中でも特に印象的だったのは,昨年10月にアジアで初めて,京都で開催された第12回国際頭痛学会(会長=北里大・坂井文彦氏)です。ここで「頭痛に関する京都合意書」が公表されました。そこでは「頭痛は患者さんにとって大きな苦しみ(=burden)であり,経済的損失も大きい」として,頭痛診療の充実を誓いました。

 診断基準やガイドライン,片頭痛に有効な薬物の登場などで,頭痛診療の環境は格段に改善しました(表)。トリプタンの経口薬が2001年に市販されたことで,まさしく「頭痛治療の新世紀」を迎えたと言えると思います。

 頭痛診療 最近のトピックス
2000年 トリプタン登場
⇒片頭痛治療元年
2001年 トリプタン経口薬発売
2004年 国際頭痛分類第2版
2005年 国際頭痛分類ポケット版,慢性頭痛治療ガイドライン,日本の片頭痛スクリーナー発表
日本頭痛学会専門医制度発足(154名を認定)
第12回国際頭痛学会開催(京都)

 これらの状況を踏まえて,頭痛診療のエキスパートであるお二人をお招きし,座談会を開くことになりました。まず,日本における頭痛の疫学,頭痛診療の実情をお話しください。

見逃される頭痛患者のburden

五十嵐 日本全国の疫学調査(15歳以上の男女4029人が調査対象)をしますと,片頭痛が8.4%,緊張型頭痛が22.4%,そしてどちらとも診断はつかない方が9%。すなわち,15歳以上の日本人の4割は頭痛持ちであるというデータがあります。

平田 そして,わが国における頭痛による経済的損失は,毎年2880億円にのぼると試算されています。特に片頭痛の場合,発作によって仕事ができない,あるいは学業に支障をきたす,家事ができない,友人との約束が守れないという患者さんがたくさんおられます。

間中 それほど大きなインパクトがあるにもかかわらず,日本では頭痛の診断・治療がうまくいっていません。なぜでしょうか。

五十嵐 これまでの頭痛診療は二次性頭痛を除外することに重きが置かれていました。CTやMRIを撮って異常がなければ,鎮痛薬を処方されて帰された患者さんが多いと思うのです。

 北里大学病院に通院中の片頭痛の患者さんの調査では,頭痛が気になってから片頭痛と診断されるまでに,平均で10年かかっていました。その間いくつもの病院・診療所を受診しています。かかりつけ医に相談した方は80%,CTやMRIの検査を受けた方が67%にのぼるのですが,適切な助言が得られたという方は残念ながら27%しかいませんでした。

 繰り返す頭痛で受診歴のある20-40歳代の女性に絞ってインターネットで調査しますと,その約8割は片頭痛持ちです。しかし,片頭痛と診断された方は30%弱しかいません。

片頭痛はなぜ起こるのか

間中 片頭痛という病名は,医師はもちろん,一般の方もよくご存じですが,これが意外と見逃されていると言われています。では,どのようにしたら正しく診断できるのでしょうか。

平田 その前にまず,片頭痛の病態生理についてお話しします。これは古くからいろいろなことが言われてきました。現在もっとも有力とされているのが,Moskowitzらが1984年に提案した「三叉神経血管説」です。

 片頭痛というのは,収縮した血管が拡張する時に感ずる痛みですが,硬膜の血管には三叉神経がからみついています。その三叉神経に「ある不明な刺激」が与えられると,硬膜動脈の周りに信号が入って「痛み物質」が漏れてくるわけです。それが悪さをして,三叉神経を興奮させ,脳に入って一部は痛みの中枢にたどりつき,一部は自律神経の中枢に入って片頭痛の特徴である悪心・嘔吐や,場合によっては後頭葉の中に入って知覚過敏に結びつくと考えられています。

間中 それまでは,「片頭痛は血管性の頭痛だ」と言われていましたね。

平田 確かに古典的には,片頭痛の発生にはこれまで主として血管性自体の働きの異常が重要と考えられてきました。

 しかし,ここ10-20年で,血管周囲神経終末の感作(sensitization)の重要性と,病態が中枢神経系に由来する可能性がますます注目されるようになったと言えます。つまり脳自体に病態の主座があって,三叉神経が伝達を仲介して血管に働き,片頭痛を起こすと考えられているのです。

間中 「血管も関係しているけれども,むしろ脳の病気である」と理解してもよろしいのでしょうか。

平田 そうですね。病態的にはてんかんに近いという説があるのも納得できます。

■片頭痛を見逃さないために

“日常生活に支障”“エピソディック”が見分けるポイント

五十嵐 いままであまりにも多く片頭痛が見逃されてきたのは,「片頭痛」という文字から「片側の頭痛」ということや,血管性の頭痛だから「ズキン,ズキンと拍動性に痛む」ということが強調され過ぎた結果だと思います。

間中 両側の頭痛や拍動感を伴わない片頭痛も十分に考えられますからね。

五十嵐 それから,片頭痛の前兆として「閃輝暗点」(視界にチカチカした光が現れる視野異常)も知られていますが,実際に前兆があるのは片頭痛の患者さんの1-2割に過ぎません。こうした典型的なものだけをみていると,片頭痛の多くを見逃してしまうのではないでしょうか。

 では,どのように診断するかということになると,「日常生活に支障をきたす頭痛かどうか」,「エピソディック(episodic),つまり時々起こる頭痛かどうか」です。こうした場合はまず片頭痛を疑い,診断基準を用いて診断することです。

間中 まずはこの2点ですね。大切なのは「日常生活に支障」と「エピソディック」の2点です。ズキズキとか,片側ということに惑わされてはいけない。

五十嵐 それから,「動くと痛い」というのも片頭痛の特徴の1つですし,吐き気があったり,光・音・臭いなどに過敏になったりする随伴症状が出ることもあります。これらの症状の有無を患者さんから聞きだすことが正しい診断に結びつくと思います。

「肩こり⇒緊張型頭痛」は誤り
まずは片頭痛を疑うべし

間中 日常頭痛では片頭痛と緊張型頭痛が双璧になるので,片頭痛を緊張型頭痛と誤診してしまうことがあります。この緊張型頭痛とは,どのようなものでしょうか。

平田 緊張型頭痛は,まさに言葉が示すとおり,肩から首にかけての筋肉にストレス等が加わって硬くなったために虚血が起き,そこから痛み物資が出たものと考えられます。ここで非常に重要なのは,はじめに緊張型頭痛ありきと考えるのではなく,片頭痛を最初に疑い,鑑別診断として緊張型頭痛を持ってくることです。

 緊張型頭痛は片頭痛の裏返しで,発作性の頭痛ではなく,随伴症状もなくて,体を動かすと逆によくなります。

間中 これまでプライマリケア医を誤診に導いてきた診断上のピットフォールにはどういったことがあるでしょうか。

五十嵐 「肩こり」と「ストレス」という訴えだと思います。患者さんが肩こりやストレスを訴えると,どうしても緊張型頭痛と考えてしまう。けれども,片頭痛持ちの7割以上が肩こりを伴っていますし,片頭痛の誘発因子としてストレスは重要な要素です。

間中 患者さんは「私の頭痛は肩こりからきています」とよくおっしゃいます。ですから,肩こりにだまされないことがポイントになるわけですね。

頭痛を主訴とする患者
その6割は片頭痛

間中 頭痛を主訴として外来を受診する患者さんのうち,どのくらいが片頭痛だと思えばいいですか。

五十嵐 6割くらいだと思います。昨年4月から調査しているのですが,昨年10月末までの7か月間で頭痛を主訴とする新患が257人で,そのうち60.7%が片頭痛でした。

平田 私もちょうど調査しているところですが,緊張型頭痛は少ないですね。6割ぐらいは片頭痛で困っておられる方です。

間中 私の病院もやはり6割くらいは片頭痛です。医師の中には「緊張型頭痛の患者さんは来ても,片頭痛の患者さんはいない」と話される方もいますが,それは見逃しているからですね。

五十嵐 有病率でみれば,確かに緊張型頭痛がいちばん高いです。ただ,緊張型頭痛の場合はお風呂に入ってゆっくり休むと治ったりするので,あまり受診しません。緊張型頭痛でも,1年の半分以上は頭痛がするという状態(慢性緊張型頭痛)だと受診しますが,慢性緊張型頭痛の一般人口での有病率は1.6%で,とても低いのです。

 頭痛で受診される患者さんの多くは,繰り返す頭痛のために困って受診するわけです。この場合はほとんどが片頭痛だと疑ってかかったほうがいいということです。

間中 非常に重要な発言ですね。片頭痛患者は少ないと思われていますから,6割というと,多くの医師はびっくりすると思います。

平田 高校生を対象に調査した自己記入式のアンケートでは,たしかに緊張型頭痛が多かったです。ただ,五十嵐先生がご指摘されたとおり,緊張型だとあまり受診はしない。片頭痛なら病院に来ますから,そこにdiscrepancy(食い違い)があるのだと思います。

五十嵐 別の病気で通院している患者さんが「ちょっと頭が重い」と訴える時などには確かに緊張型頭痛があります。しかし,あくまでも頭痛を主訴とした受診者に限れば,圧倒的に片頭痛が多いわけですね。

間中 初診の場合は片頭痛が6割かもしれないけれども,再来まで含めると圧倒的に片頭痛だとも言えます。

五十嵐 そうですね。

間中 緊張型の場合,私は患者さんにはわかりやすく「肩こりからくる頭痛です」と説明していますが,受診は1回だけです。“never return headache”と言っています(笑)。

 片頭痛の診断は難しいと思われがちですが,国際頭痛分類ではA-Eのわずか5項目です。専門医でなくても十分できるし,できなければいけない。そのうえで難しい頭痛は,専門医に相談してもらえばいいと思います。代表的なcommon diseaseの風邪だって難しいものはありますし,その見極めが大切です。

片頭痛の治療薬と注意点

間中 片頭痛の治療については,2001年にトリプタン経口薬が日本でも発売されました。

平田 トリプタンはセロトニン受容体の作動薬で,先ほど私がお話ししました脳血管,三叉神経,あるいは脳自体に存在するセロトニンの5-HT1B/1D受容体に選択的に作用する薬です。従来から処方されてきたエルゴタミン製剤より優れている点が多くあると言われています。

 片頭痛の薬物療法の指針としては,軽度・中等度の場合には消炎鎮痛薬も選択する価値がありますし,中等度以上でしたらトリプタンが推奨され,場合によってはエルゴタミン製剤も使用します。

間中 薬物療法において,もっとも気をつけなければいけないのは,薬の使いすぎによる頭痛(薬物乱用頭痛)だと思います。私も昔そうだったのですが,鎮痛薬を使っても頭痛がとれないので,ますます一所懸命薬を処方してしまうんですね。薬物乱用頭痛の知識は,まだプライマリケアにまでは普及していないように思うのです。

五十嵐 薬物乱用頭痛の方は,頭痛外来を受診する患者さんの1割ほどになると思います。片頭痛の患者さんは,早めに薬を飲まないと効果がないことを体験的にわかっていて,頭痛がひどくなるのが恐いので,早めに市販の鎮痛薬を飲む。それが1か月に2-3回だったら問題はないのですが,何かのきっかけで頭痛の回数が増えてしまうと,1週間のうち2-3日は鎮痛薬を飲むようになります。このような状態が続くと薬を飲むことによって頭痛が引き起こされるようになり,気がつくと,月15日以上は頭痛に悩まされる状態になる。これが薬物乱用頭痛です。

間中 どの程度の量,鎮痛薬を服用すると,薬物乱用頭痛が起こるものでしょうか。

五十嵐 カフェインなどの入っていない単一の鎮痛薬ですと,月15日以上服用する状態が3か月を超えて続くと薬物乱用頭痛になるとされています。もちろん,トリプタンやエルゴタミン製剤でも薬物乱用頭痛になりますが,これらは月10日以上と定義されています。つまり薬の錠数より1か月間で使用した日数に重きが置かれているということです。ただし,例えば月経時に3-4日間続けて頭痛が起こり,そのたびに鎮痛薬を服用したけれど,その他の時期にはせいぜい週に1日服用しただけ,というような飲み方は薬物乱用頭痛にはならないと考えられています。常に1週間に2-3日,定期的に発作頓挫薬を使う,という状態が続くことが,薬物乱用頭痛を招くのです。

間中 頭痛の薬物治療で大切なことをおおまかにいうと,「急性期治療薬は月10日まで」と心得ればよいですね。ここで問題なのは,月10日以上頭痛があって薬を飲まざるを得ない人です。この場合はどうしていますか。

五十嵐 そうなると,予防薬が必要になります。また,患者さんに,「薬を飲むことによって頭痛が引き起こされている」ということを認識していただくことがとても重要になると思います。

間中 頭痛には予防治療があるということを,ぜひ知っていただきたいですね。

平田 医師からも患者さんからもよく聞かれるのは,「なぜてんかんやうつ病の薬を予防薬として出すのですか」ということです。この理由の1つとして,片頭痛は,先ほど申し上げたとおり,てんかんなどと相似性のあるチャンネル病(神経細胞のイオンチャンネルの機能異常)の可能性が高いわけです。それで,抗てんかん薬,あるいはカルシウム代謝拮抗薬を処方します。また,片頭痛の発症と関わりのあるセロトニンの働きを抑えるために,抗うつ薬を処方することになるのです。

プライマリケアに役立つ慢性頭痛の診療ガイドライン

間中 頭痛診療をうまく行う方法については,診断基準およびそのポケット版,問診票,スクリーナー,慢性頭痛治療ガイドライン,頭痛ダイアリーなどいろいろなアシストツールが整備されつつあります。中でも頭痛診療の要となるのは,診療ガイドラインだと思います。

 この診療ガイドラインが,昨年ついにまとまりました。これは厚生労働省の研究費補助金によって行われた「こころの健康科学研究事業」で,「慢性頭痛の治療ガイドラインに関する研究班」が作成したもので,日本頭痛学会が全面的に協力しました。慢性頭痛診療のレベルの向上および標準化,専門医のみでなくプライマリケア医への普及を目的としており,今年になって『慢性頭痛の診療ガイドライン』(医学書院刊)として出版されました。このガイドラインの特徴を,平田先生からご説明ください。

平田 ほかの分野のガイドラインもそうだと思いますが,基本はやはりEBMです。ガイドラインの作成手順としては,専門医が集って,PubMedやコクランなどの検索システムを利用し,エビデンスの高い論文を検索して,それらをよく吟味したうえで作ったわけです。現在の医学水準から誰がみても納得できて,専門医でなくとも簡単に使用できるという点で,非常に優れたものだと思います。

間中 内容も,「プライマリケア医の先生方に役立ててほしい」という視点で作成されていますね。

五十嵐 そうですね。このガイドラインはQ&A方式になっていますが,臨床現場で何が問われているのかを事前に検討し,質問を抽出しました。

 知りたい項目,例えば「片頭痛はどのように診断するか」という項目(『慢性頭痛の診療ガイドライン』57-58頁)では,国際頭痛学会の分類による診断基準が載っていますから,これを用いて診断することができます。次に治療に関しては,「片頭痛発作の急性期治療にトリプタンは有効か」という項目(同書77頁)があり,「片頭痛発作期の特異的な治療薬として,トリプタンは有効である(グレードA)」と,強く推奨しています。もちろん,先ほどお話のあった有病率や予防薬のことも出ていますし,この本を診察室の机の上に置いていただくと,診療中にすぐお役に立つと思います。

間中 外国には頭痛診療のガイドラインがありましたが,治療だけしか書いてありませんでした。このガイドラインは診断から治療,あるいは漢方薬の評価や小児の治療まで非常に広範に書かれていますね。

五十嵐 そのとおりです。ですから,さまざまな状況に応じて役立てることができます。救急や耳鼻科,歯科,婦人科などでも頭痛を訴える患者さんはいますし,専門外の先生方に広く見ていただきたいと思います。

画像診断で異常なし,そこから始まる頭痛診療

間中 最後に,幅広い医療従事者に向けて,頭痛診療におけるtips(ヒント)やtraps(やってはいけないこと)など,お話しいただけますでしょうか。

平田 やはり「適切な診断があってはじめて,適切な治療ができる」のだと思います。クモ膜下出血や脳腫瘍による二次性頭痛を除外するのはもちろんですが,プライマリケアにおいて特に強調したいのは,「緊張型頭痛を過大評価しない」こと。「肩こり⇒緊張型頭痛」という考え方は,もう捨てていただきたいと思います。

五十嵐 画像診断で何も異常がないからといって,「あなたの頭痛は何も心配ありません」で診療を終わりにしてしまっては,患者さんは苦しみから解放されないままです。慢性頭痛は,画像診断で異常がないというところが治療のスタートとなります。そこから,「あなたを悩ませる頭痛を,これからコントロールしていきましょう」と,治療をはじめていただきたいと思います。

間中 トリプタンの登場により,日本の頭痛診療は大きく変わりました。いままであきらめていた片頭痛患者さんも受診するようになってきましたが,受け皿である医療者側の態勢があまりよくないということは,認めざるを得ません。

 トリプタンを正しく使うためには,医師が片頭痛を“立派な”疾患として認め,その病態を理解する必要があると思います。頭痛は,患者さんと医師による双方向医療がもっとも重要な疾患だからです。

 “頭痛治療の主役は患者さん”です。服薬タイミングは,患者さん自身に決めていただかなければいけない。だから,“運転手は患者さん”で,われわれ医師は,適切な薬剤を処方し患者さんが薬物乱用などの誤った方向へ向かってしまわないようにする“ナビゲーター”なのです。

 頭痛診療に関わるすべての医師が,片頭痛や薬物乱用頭痛についての知識を持ち,より正しい診断と適切な治療ができるようにと願ってやみません。本日はありがとうございました。

コラム●一次性頭痛と二次性頭痛

頭痛は,「一次性頭痛(慢性頭痛)」と「二次性頭痛」に大別される。一次性頭痛は,検査をしても異常のみつからない,いわゆる“頭痛持ちの頭痛”であり,片頭痛や緊張型頭痛,群発頭痛などがある。二次性頭痛は,脳や全身の病気を原因とする頭痛で,クモ膜下出血や脳腫瘍など命に関わる場合もある。プライマリケアにおいては,まず一次性頭痛と二次性頭痛の鑑別を行う。さらには,一次性頭痛の適切な診断・治療ができることが求められる。

(編集室)


間中信也氏
1965年東大医学部卒。72年日本脳神経外科学会専門医,75年東大講師,81年同大助教授,86年帝京大市原病院脳神経外科教授,93年より温知会間中病院,94年院長就任。インターネットに「頭痛大学」を開設し,頭痛診療活動を精力的に実践している。2000年日本頭痛学会理事,05年頭痛学会専門医。著書に『頭痛大学』(法研)など。

平田幸一氏
1980年獨協医大卒。86年同大学院修了。同年Zurich大神経学教室留学,88年獨協医大神経内科臨床講師。96年同主任教授(内科学・神経)。2004年日本頭痛学会理事。日本神経学会専門医,日本頭痛学会専門医,日本脳卒中学会専門医。日本ブレインヘルス協会副理事長としても,頭痛医療に対する社会啓蒙活動を行っている。

五十嵐久佳氏
1979年北里大医学部卒。89年The City of London Migraine Clinicにて研修。90年北里大講師,94年宮内庁病院内科医長,2000年(株)富士通南多摩工場健康推進センター長。05年神奈川歯科大横浜研修センター内科学講座助教授就任,頭痛外来担当。日本神経学会専門医,日本頭痛学会専門医。著書に『痛みのレディスクリニック』(共著,講談社)など。