医学界新聞

 

フィジカルアセスメント教授法
――誰もが最初はわからなかった

第5回看護教員「実力養成」講座開催


 第5回看護教員「実力養成」講座(主催=医学書院)が,10月22日,大阪市のコスモススクエア国際交流センターで開催された。なお,東京会場は11月26日,シェーンバッハ・サボー(千代田区)で開催される。

 5回目を数える今回の「実力養成」講座は,講師に山内豊明氏(名大教授・医学部基礎看護学)を招き,「フィジカルアセスメント教授法-誰もが最初はわからなかった」がテーマ。ここでは10月22日に行われた大阪での講座の模様をお伝えする。

「フィジカルアセスメント」 の意義

 講師の山内氏は,神経内科医として臨床経験を積み,米国カリフォルニア大勤務を経た後,さらにニューヨーク州ペース大で看護学を学び,登録看護師免許・看護学博士まで取得したという異色の経歴の持主である。また,その臨床経験と深い医学的知識に裏づけされた氏のフィジカルアセスメント講義の質の高さは定評がある。

 講演で山内氏は,「アセスメントの意義・機能」を概説した後に,問診(面接)に続いて,視診,触診,打診,聴診などのフィジカルアセスメントの基本技能の重要性と手技を,細部にわたって解説。さらに,フィジカルアセスメントの意義(=なぜ「からだ」を捉えることが大切か)は,(1)健康状態(レベル)を決める一因であり,(2)日常生活行動はからだの活動であり,(3)援助活動はからだの仕組みとは切り離せないことにあると強調した。

「わからないこと」をわかる

 山内氏は看護学を学んだ動機を次のように述べている。「患者さんに接した際,対処の仕方について看護師長や主任にさまざまな質問をした。やがて『わからない』ということには,『自分の勉強不足』によって起こることと,『世の中でまだよく整理されていない』ために起こる場合があることに気づいた。そこで,徹底的に看護の勉強をしてから,何がわかっていないかを知ったうえで,“わからない”と言おうと思った」(本紙2647号インタビュー「“なぜ”を考えるアセスメント」参照)